熊谷 俊人千葉県知事の2023年1月6日のFacebook投稿をご紹介します。

千葉県知事、新型コロナで崩れる社会に負けないメッセージが熱い!若者の機会を取り戻していこうと呼びかける

熊谷 俊人千葉県知事の2023年1月6日のFacebook投稿をご紹介します。


 

 

一体、何を守っているのか? 印象に残るコトバ

非常に長い文章ですが、冒頭にあるコトバです。1つのリスクで全体がおびえてしまう現状にどう対応すべきか、またそこで暮らす県民一人ひとりの意識・力が必要だという県のリーダーとして、公務員としてのジレンマをかかえつつ奮闘する意思、そして、社会の中核となる成人として自分の責任・覚悟をもって挑むメッセージのように受け取れました。

コロナ化で悪戦苦闘する公務員を応援する公務員総研として、皆さんにもみてもらおうとご紹介しました。ご意見・ご感想お待ちしております。

 

他にも「様々な活動を取り戻したいが、運動関係はそうはいかないところがある。春高バレーでも陽性者が出ればチーム自体が欠場となる。勝ち進むには感染対策が必須となる。」との話も。

高校生の重症化リスクは極めて低いことを考えると、一体何を守っているのだろうかと、この世界を作った大人の一人としてやるせない気持ちになります。子ども達・若者は感染しないために学校に通い、青春を燃やしているわけではないはずです。

出典)https://www.facebook.com/toshihito.kumagai

 

 

 

熊谷 俊人Facebook投稿のご紹介(2023年1月6日)

おはようございます。昨日も様々な方々の新年のご挨拶を受けました。学校関係者もいらっしゃったのですが、「感染が増えているので、卒業式に保護者を入れられるかどうか…」と話される方もいたので、「卒業式に保護者を入れても別に感染リスクが高まるわけではありません。食事や会話が伴う謝恩会の開催については様々な考えがあってしかるべきだと思いますが、卒業式はどうぞ通常通り行ってください。」と伝えました。

他にも「様々な活動を取り戻したいが、運動関係はそうはいかないところがある。春高バレーでも陽性者が出ればチーム自体が欠場となる。勝ち進むには感染対策が必須となる。」との話も。

高校生の重症化リスクは極めて低いことを考えると、一体何を守っているのだろうかと、この世界を作った大人の一人としてやるせない気持ちになります。子ども達・若者は感染しないために学校に通い、青春を燃やしているわけではないはずです。

「重症化リスクが低かろうと、回り回って感染が広がり、最終的には重症化しやすい高齢者等に広がるので、若い人も我慢」という考えは、ワクチン接種が進み、パキロビッドなどの経口薬が登場し、オミクロン株に変異した今でも、胸を張って言えるでしょうか。

デルタ株の頃は新型コロナウイルスによる死亡者の平均年齢は日本の平均寿命と比べてかなり若く、県当局として対策の必要性を痛感していましたが、第7波以降、死亡者の平均年齢は平均寿命にかなり近づいてきています。重症化率・死亡率ともに高齢者も含めて低減しています。
全国の都道府県のコロナ対策部門はこの変化を日々個々の死亡事例、さらにデータで見てきています。

もちろん、どんな人も1日でも長く生きられることを目指すのは当たり前ですし、実際に家族を失った方、死亡に至る経緯を見てきた医療・介護などの関係者からすれば、データで語ることに違和感を感じる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、私たち行政は法律等による規制、社会の自主的な規制によって、今も日々失われている子ども・若者の機会、高齢者を始めとする国民の健康づくり、コロナ禍以降、急減した婚姻数と出生数、全ての福祉を支える経済のダメージ、コロナ対策に要する巨額の税金投入(即ち将来の国民負担)、その全てを俯瞰して、最善の選択を取らなければなりません。

高齢者だけを見ても、各種健診や地域包括ケアなどで行政や地域コミュニティが何十年とかけて築き上げてきたものが一気に崩れ、活動が再開し始めた今でも100%は戻っていない状況です。

新型コロナで守るべき人達の中長期的な健康も、その人達を支える社会も、ゆっくりと崩れつつあるのです。今顕在化していないからといって目を背けてはいけません。

福島原発事故後、福島県などで子供も高齢者も健康関係のデータが大きく悪化しました。放射能によるものではなく、過剰な怯えから日常生活が変わったことによるものです。
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●感染対策による医療面での回転効率の悪さ
さらに言えば、感染の波毎に医療や救急のひっ迫が起きていますが、この要因の一つが医療機関の強いコロナ対策による医療効率の低下があります。
コロナ対応にあたる病棟や医師・看護師などのスタッフが行う感染対策によって、どうしても1時間あたりの処理能力が低下し、結果的に限られた医療資源の回転効率が落ちている現実があります。

数%の交通量の増減で渋滞が発生・解消されるように、僅かな効率性の低下が最終的には感染実態以上の医療ひっ迫の要因の一つとなります。
この3年の間で徐々に医療機関の中でも対策を緩和しているところも増えていますが、依然としてコロナ前のような状況には戻っていません。
医療機関として必要な感染対策まで緩めることはあってはなりませんが、疾病としての位置づけを見直す中で、徐々に正常化して欲しいと願っています。
救急においても同様で、コロナ以降、発熱など様々な症状に対する不安の閾値が変化し、救急車の要請頻度が増えています。これまでも救急車の要請件数の約半数が実際には救急搬送の必要のない軽症患者であったことを考えると、この部分でも人々の不安によって数%要請件数が増えるだけで、救急のひっ迫は実態以上に起こりやすくなります。
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●子どもたち、若者の機会を取り戻していこう
換気の良い教室において、約1mほどの間隔を空けて前を向いた授業形式で、大声でない形で給食時に会話することすら子どもたちが許容されない社会とは何でしょうか。
学校関係者は怯むことなく、萎縮することなく、これまでの子どもたちへの責任を感じ、黙食の見直しを粛々と進めてください。
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●政府は1日も早い決断を
現行の制度や運用は見直しが必要です。そしてそれは本来であればワクチン接種の進展・経口薬の登場、オミクロン株への変異があった昨年の春から夏、遅くとも秋に決断しなければならなかったと考えています。これ以上、条件が良くなることはそれほど期待できず、むしろワクチン追加接種率は徐々に低減していくのですから。

私は昨年の春以降、知事会や様々な場面を通して、局面転換を訴え、国にも働きかけてきましたが、一部しか果たすことができず、私自身も責任を感じています。

当初より出口戦略を模索し、条件が整うかどうかを見極めていた安倍・菅政権であれば、昨年の時点で見直しに着手していたと思います。
国民の一歩後ろをついていく、と言われている岸田政権が、政権発足当初にオミクロン株の水際対策で支持を得た成功体験があったこともここまで正常化が遅れた一つの要因と考えられます。

具体の人が見える感染の現場のリスクに対し、これらの可視化しづらいリスクは軽視されがちです。そのため、私達と比べ、社会やマスメディアの意識は少し遅れて変化してきましたが、今は完全に追い付いてきたと実感します。

感染対策を強く主張する人たちの中には「社会が対策に飽きている」と危機感を感じている人もいるようです。確かに国民の中には飽きている人もいると感じますが、対策を立案する政治や行政、様々な関係者はそのような感情から対策の見直しを議論しているわけではありませんし、感染対策の全てが不要と言っているわけでもありません。

また、国民の多くも、無意識に総合的な状況を見て、リバランスが必要だと感じ始めているということだと思います。
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●軽視せず、適切な議論と総括を
感染力が強いという意味ではやっかいな疾病であることに変わりはありません。今も医療は厳しい状況が続いていますし、今後も冬は高齢者を中心にワクチン接種、密な環境でのマスク着用等が推奨されるでしょう。

しかし、一体何を守るべきなのか、社会全体のバランスを考え、常に判断をしていかなければなりません。過去の感染症の歴史を踏まえ、適切な議論と総括が必要な段階に入ってきたと感じます。

もちろん、以前も申し上げたとおり、確率は高くありませんが、変異株等によって疾病の特性が悪い方向に変化すれば、当然この前提は崩れることになります。今後も予断を持つことなく、常にその時その時の条件に合った最善策を模索し、国に提言し続けていきます。

現在、感染拡大は続いており、インフルエンザも徐々に広がっています。検査キットや解熱剤等の常備、重症化リスクの低い方は自己検査、陽性者登録センター、県オンライン診療センターなどを活用頂き、限られた医療資源をより必要とする方がアクセスできるよう、ご配慮いただき、ともにこの難局を乗り越えていきましょう。

出典)https://www.facebook.com/toshihito.kumagai

本記事は、2023年1月6日時点調査または公開された情報です。
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