要因その1:IT産業の発展
新型コロナウイルスの蔓延によって、今後ますます需要が高まると予想されるIT産業ですが、インドの経済成長の最も大きな要因は、このIT産業の発展です。現在インドは世界有数のIT産業の拠点へと成長し、インド人のIT職従事者が世界中で活躍しています。
それではなぜインドのIT産業がここまで発展したかというと、インドのカースト制度が理由に挙げられます。インドは、国民の80%がヒンドゥー教徒で、ヒンドゥー教徒は、カースト制度によって生まれた時から身分が分けられ、就ける職業や個人の自由まで制限されます。現在は憲法によって、カースト制度に基づく差別を禁止していますが、その影響は今も根強く残っています。
しかしIT産業は、カースト制度で規定できない職業のため、身分に関係なく働くことができ、それがカースト由来の貧困から抜け出す絶好のチャンスとなりました。大学卒業後、海外のIT企業で働くことも夢ではなく、2021年インド工科大学(IIT)の新卒者のほとんどは、海外企業に採用され、その初任給の最高金額はなんと約2300万円だったそうです。
このように、今まで宗教的制約を受け、才能があっても職業を選ぶことのできなかったインドの若者達が、IT産業への就職を目指し技術と知識を身につけた結果、インドのIT産業はめざましい発展を遂げました。
要因その2:インドの地理と言語
インドの地理的位置や使用言語にも、インドが世界有数のIT産業の拠点へと成長できた要因が隠されています。
世界的に有名な先端技術産業の集積地である、アメリカのシリコンプレーンとシリコンバレーとインドの時差は約12時間です。そのためアメリカが夜の間に朝を迎えたインドが仕事を引き継ぎ、24時間無駄なく仕事を進めることができます。またインドの共通言語は英語なので、エンジニア同士の言葉の壁も少なく、スムーズにコミュニケーションできる点も見逃せられません。
まとめ
こうしてみると、様々な要因が絶妙なタイミングで重なったことで、インドが急速に経済成長を遂げることができたことがわかります。これからしばらくはインドから目が離せなくなるのではないでしょうか。
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