前回はアメリカのスーパーで売られている野菜や果物は思ったほど高くない、それどころか日本と比べても安く感じる時もある、というお話しをしました。
しかしここ数年でもの凄く値上がりした商品もあります。そこで今回は、スーパーで売られている商品の中でも、特に著しく値上がりしたものを3点紹介したいと思います。
インフレで値段がぐっと上がった商品3選
1)肉類・魚類
2025年から2026年にかけて一番値上がりしたのは、やはり肉類なのではないでしょうか。アメリカは広いので地域によって価格は異なりますが、我が家の近くのスーパーでは、1年前に1ポンド(450グラム)あたり8〜9ドルで売られていたリブアイ・ステーキが、現在は20ドルで販売されています。2024年の5月に5.98ドルだったひき肉の値段も2025年には6.12ドル、2026年の現在は通常価格8ドルで販売されています。挽肉はかなりの頻度で料理に使う食材なので、これ以上値上がりしないのを祈るばかりです。
もちろんセール品を狙えば、通常価格1ポンド20ドルするリブアイも、1ポンド10ドル位で買えることもあります。しかし近頃のセール品は、骨や筋など不可食部位が付いて売られることが多くなりました。見た目はボリュームがあるように感じられる骨付きのステーキ肉は骨の重さも含めて販売されているので、消費者にとっての実質的な値上げになっていると思います。

例えば先週の買い出しで買ってきたこの豚肉ロース。もちろん骨付きで売られていました。

骨と脂身を取り除くと、見た目が3分の1くらいの大きさに。そこで一体どのくらいの非可食部分が付いていたのか計ってみたら、1パック5ポンド(2268グラム)で売られていたファミリーパックの豚肉には、1.4ポンド(460グラム)の骨と脂身がついていました。牛肉よりはマシですが、豚肉の価格ももちろん以前より値上がりしています。そのうえ更に20%も食べられない部分をつけて売られていたのには驚きです。
アメリカの一般的なスーパーで売られている魚は、種類がとても限られています。特に海のない内陸部の州で売られているのは、鮭・タラ系の白身魚・キャットフィッシュ(ナマズ)の3種類な場合が多く、サバや秋刀魚など青魚は皆無、季節によって売られている魚の種類が変わることも殆どありません。その中で一番手に入り易いのは、養殖物のアトランティックサーモンで、冷凍・冷蔵、どちらもよく売られています。
しかし問題なのはその値段、先日Trader Joe’sでアトランティックサーモンの切り身が1ポンド11.99ドルで売られていました。この価格だと2切れ入りのパックが大体25ドル、日本円にすると1パック4000円くらいになります。円安なので日本円にすると物凄く高く感じますが、1年前には同じくらいのサイズのサーモンが6切れで26ドルだったと思うと、ドルだけで考えても値段の上がり方に衝撃を受けます。
スモークサーモンのパックは値段が上がっただけではなく、中身の量も減っています。数年前に4ドル以下で売られていたスモークサーモン、現在は6.49ドル(約1000円)で売られています。現在パックの中身は4切れですが、以前はもっと枚数が入っていた記憶があります。近頃新商品として売られているスモークトラウト(ニジマスのスモーク)は、他よりちょっと安くて5.49ドルです。

2)コーヒー
コーヒーもここ1年で値段がぐっと上がり、コーヒー売り場に立ち寄る度にため息が出てしまいます。例えば2015年に設立された、CEOが元グリーンベレーのちょっと変わったコーヒーブランド「ブラックライフルコーヒー」は、元々他のメーカーよりちょっと高めの値段設定で、スーパーのプライベートブランドコーヒーが一袋5ドルくらいで売られているなか、去年まで一袋12〜13ドルで売られていました。それが現在はなんと、通常価格で一袋20ドル前後(4000円)で売られています。

ブラックライフルだけでなく、今年はどこのメーカーのコーヒーも高くなっていて、例えば今まで一袋8ドルくらいで売られていた、スターバックスやダンキンドーナツのコーヒーは現在一袋13ドル位、他より安価なプライベートブランドのコーヒーすら、今では約2倍の価格、セールでも8〜10ドルで売られるのが普通になってきています。
また以前はほとんど見かけなかったインスタントコーヒーの取り扱いが増えてきているのも近頃の変わってきた事の一つです。これは多分、従来のドリップコーヒーの価格高騰に耐えきれず、安価な粉のインスタントコーヒーへ移行している家庭が増えてしてきている証拠なのではないでしょうか。
3)オリーブオイル
個人調べではありますが、オリーブオイルの値段も数年前に比べると3倍くらいになっている感じです。そんなに値上がりしたのなら、他の安めの油を使えば良いのではないかと思われそうですが、アメリカではオリーブオイルは日本のごま油や米油のような扱いで、代替えになる油はアボカドオイルかグレープシードオイルとなり、代替え品の方が高いので、変えようがないとも言えます。

食品ラベルに記載されている「ピュア」と「ナチュラル」には要注意
そんな訳で、食用油の棚の3分の2を占居する勢いのオリーブオイルですが、イタリア産のオーガニック・エクストラバージン・オリーブオイルが一番高く、同じオーガニックでも、カルフォルニア産だと少しだけ安いなど、多少の値段差があります。その中でもラベルに「ピュア」とか「ナチュラル」と表示されている、ちょっと安めのオイルには注意が必要です。
日本語で「ピュア」と言えば、純粋で高品質な商品のように聞こえますが、アメリカのオリーブオイルで「ピュア」と表示されているものは、生食には向かない精製オリーブオイルのことを指します。このオイルもオリーブの実から作られていますが、エクストラバージンオリーブオイルの絞りカスが主原料なので、オリーブの香りや味はほとんどしません。そのためアヒージョなど大量にオイルが必要な料理には、コスパの良い選択肢になりえますが、サラダドレッシングなど生食には向いていない油です。
アメリカでは「ピュア」や「ナチュラル」の表示は、遺伝子組み換えや農薬を使って生産された製品にも使われています。自然由来の成分でできているイメージを消費者に与えるための宣伝文句に過ぎない場合も多く、できれば避けた方が良い商品の商標なのでは?と個人的には思っています。
まとめ
地域や買うお店によって価格の差はありますが、数年前の物価から比べるとかなりの値上げが継続しています。
日常生活で欠かせない商品も値段が以前の数倍に跳ね上がったものが数多く存在していて、毎回レシートの合計金額を見るたびに価格の上昇を実感しつつ、もうこれ以上急激に値上がりしないで欲しいと願うばかりです。


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