はじめに
「会計検査院」は、東京都千代田区霞が関にあり、1880年に設置された日本の中央官庁です。定員は、1,244人です。
なお、前身の組織は「大蔵省検査局」でした。
今回は「会計検査院」の公務員を目指す方に押さえておいてほしい基本的な情報と役割について解説します。
「会計検査院」について
「会計検査院」は、東京都千代田区霞が関に置かれた機関で、長は、事務総長です。
なお、「会計検査院」の沿革は、明治時代まで遡ります。
まず、「会計検査院」の前身は、明治2年(1869年)に太政官(内閣の前身)のうちの会計官(財務省の前身)の一部局として設けられた「監督司」です。
その後、「会計検査院」は、「検査寮」「検査局」の名称変更を経て、明治13年(1880年)に太政官に直属する財政監督機関として誕生し、明治22年(1889年)に大日本帝国憲法が発布されると同時に憲法に定められた機関となり、以後60年間、天皇に直属する独立の官庁として財政監督が行われました。
続いて、昭和22年(1947年)に憲法第90条の規定を受けて現行の「会計検査院法」が公布施行されると、「会計検査院」は同法において内閣に対する独立の地位を有するものと定められました。
この憲法によって、「会計検査院」は、国会との関係を緊密にして検査の対象を拡充し、検査の結果を直ちに行政に反映させることができるようになりました。
「会計検査院」の役割について
「会計検査院」の役割は、適正な会計経理が行われるよう、常時会計検査を行って会計経理を監督することです。
また、「会計検査院」は、検査の結果によって、国の決算を確認するという役割も担っています。
このような「会計検査院」の主な業務は、大きく分けて、「会計経理の監督」と「決算の確認」です。
「会計経理の監督」
「会計検査院」の業務である「会計経理の監督」とは、その適正を期するため、常に会計検査を行って会計経理を監督し、悪い点があれば改めることです。
もし、「会計検査院」が不適切または不合理な会計経理等を発見したときは、単にこれを指摘するだけではなく、その原因を究明し、是正や改善を促すという積極的な機能も果たしています。
このため、「会計検査院」は、会計経理に関し法令に違反したり、不当が認められた場合には、法令・制度・行政に関して改善を必要と認める事項については意見を表示し、改善の処置を要求する権限が与えられています。
「決算の確認」
「会計検査院」の業務である「決算の確認」とは、検査の結果によって、国の収入支出の決算を確認することです。
具体的には、「会計検査院」は、決算の計数の正確性と決算の内容を示す会計経理が妥当であるかについて検査・判定し、検査を終了したことを表明します。
なお、「会計検査院」の検査が済んだ決算は、内閣によって国会に提出されますが、「会計検査院」が公的に「決算の確認」を意思表明を行うことによって、内閣は決算を国会に提出できます。
「会計検査院」の組織構成について
「会計検査院」の組織構成は、意思を決定する「検査官・検査官会議」、検査を実施する「事務総局」「事務総長」「事務総局次長」、および、「事務総局」の下部組織である「官房」「第1局」「第2局」「第3局」「第4局」「第5局」によって成り立っています。
このように、「会計検査院」が意思決定機関と検査実施機関を分けている理由は、意思決定を慎重に行い、判断に公正を期するためです。
また、これらのほかに、「審議会等(会計検査院情報公開・個人情報保護審査会)」があります。
なお、「会計検査院」には「施設等機関」「特別の機関」「地方支分部局」「外局」は設置されておりません。
「会計検査院」の年間予算は約175億111万5千円
「会計検査院」の平成30年度の予算は、約175億111万円でした。
その予算の主な内訳は、大きく下記の4つに分かれて編成されています。
(1)検査体制等の充実強化
(2)検査活動の充実強化
(3)研究・研修体制の充実強化
(4)国際業務活動の充実強化
内訳についてはこちらの予算概算要求の概要をご参考ください。
http://www.jbaudit.go.jp/jbaudit/bud_clo/bud/pdf/20171222.pdf
まとめ
いかがでしたか?
「会計検査院」は、内閣から独立し、国会および裁判所に属さず、国や法律で定められた機関の会計を監査・監督し、会計経理が正しく行われるよう努めています。
ちなみに、「会計検査院」の英語名称は「Board of Audit of Japan」で、略称は「BAJ」です。
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