はじめに
「文化庁」は、東京都千代田区霞が関にあり、1968年に設置された日本の行政機関です。定員は、260人です。
なお、前身の組織は、「文部省文化局」「文化財保護委員会」でした。
今回は「文化庁」の公務員を目指す方に押さえておいてほしい基本的な情報と役割について解説します。
「文化庁」について
「文化庁」は、東京都千代田区霞が関に置かれた機関で、長は、文化庁長官です。
なお、「文化庁」は、1068年6月に「文部省」の「内部部局」であった「文化局」と「外局」の「文化財保護委員会」を統合して、文部省の外局として発足されました。
その後、2001年の中央省庁再編により「文部科学省」の「外局」になるとともに、施設等機関であった国立博物館や国立美術館が独立行政法人として分離しました。
この中央省再編によって、「文化庁」では文化財の保護だけでなく活用にも目を向けた施策を推進するとの主旨で、「文化財保護部」が「文化財部」に改称されています。
また、「文化庁」は、今後、一部の部署を京都に移転するための先行的な政策立案拠点として、2017年に地域文化創生本部を京都市に設置し、文化芸術基本法の成立を踏まえて抜本的に組織を改変しました。
さらに翌年の2018年には、「文化庁」が創設された1968年から50周年を迎えて分野を横断した組織の改編が行われました。
これによって、「文化庁」では、「長官官房」および部が廃止され、「縦割り」から脱却した機動的な対応を実現し、各省庁にまたがる文化関連施策につていて、軸となって総合的に推進する役割を担う組織になりました。
「文化庁」の役割について
「文化庁」の役割は、これまでは、文化の振興及び国際文化交流の振興を図るとともに、宗教に関する行政事務を適切に行うことでした。
しかし、先に述べた組織改編におり、これからの「文化庁」は、文化に関する施策の総合的な推進や、博物館による社会教育の振興、学校における芸術に関する教育基準の設定などの新たな役割を担うことになります。
「文化庁」の組織構成について
「文化庁」の組織構成は、これまで、「幹部」である「文化庁長官」「次長」と、「内部部局」である「長官官房」「文化部」「文化財部」によって成り立っていました。
この「幹部」「文化庁長官」の他に「審議会等(文化審議会等)」、特別の機関である「日本芸術院」がありました。
しかし、2018年10月の文部科学省設置法の改正により、「文化庁」の組織構成は、これまでの「内部部局」である「長官官房」とその下部組織は、それぞれ、「政策課」「企画調整課」「文化経済・国際課」に変更されました。
次に、「文化部」とその下部組織は、「国語課」「著作権課」「文化財資源課」に変更され、さらに、「文化財部」とその下部組織は、「文化財第一課」「文化財第二課」「宗務課」「参事官(文化創造担当)」「参事官(芸術文化担当)」に変更されました。
なお、これらの「内部部局」のうち、「政策課」「文化資源活用課」「文化財第一課」「文化財第二課」は、2021年度までに京都へ移転される予定です。
「文化庁」の年間予算は約1,077億2,900万円
「文化庁」の平成30年度の予算は、約1,077億2,900万円でした。
予算の主な内訳は、大きく下記の6つに分かれて編成されています。
(1)文化芸術の創造・発展と 人材育成
(2)かけがえのない文化財の 保存、活用及び継承等
(3)文化資源を生かした社会 的・経済的価値の創出
(4)文化資源を生かした社会 的・経済的価値の創出
(5)文化資源を生かした社会 的・経済的価値の創出
(6)東日本大震災復興特別会計
なお、この6つの内訳のうち、(2)かけがえのない文化財の 保存、活用及び継承等
の費用が475億7,600万円で、5)文化資源を生かした社会 的・経済的価値の創出の費用が
298億4,900万円で、この2つの内訳が「文化庁」の予算全体の約70%を占めています。
内訳についてはこちらの予算概算要求の概要をご参考ください。
http://www.bunka.go.jp/seisaku/bunka_gyosei/yosan/pdf/h30_yosan.pdf
まとめ
いかがでしたか?
「文化庁」は、2018年に創設から50周年を迎えたことに加え、文部科学省設置法の改正に伴う大幅な組織変更によって、その業務の特色から組織を東京と京都に分け、自らが「軸」となって、これまで以上に各省庁にまたがる文化関連施策を総合的に推進できる体制の確立を目指しています。
ちなみに、「文化庁」の英語名称は「Agency for Cultural Affairs」で、略称は「ACA」です。
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