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【目指せ!外交官】多民族の国「シンガポール共和国」の基本知識(2021年6月調査情報)

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目次

「シンガポール共和国」ってどんな国?

「シンガポール共和国」は、漢字による当て字は数多くありますが、主に「新加坡」もしくは「新嘉坡」と表記し、通称は「シンガポール」です。

正式名称は、4つの公用語ごとに異なり、マレー語では「Republik Singapura (リプブリク・スィンガプラ)」、標準中国語では「新加坡共和国(シンチャーポー コンホークオ)」、英語では「Republic of Singapore (パブリック・オブ・スィンガポー)」、タミル語では「スィンガップール・クディヤラク」です。

「シンガポール共和国」の国名は、サンスクリット語で「獅子」という意味の「シンハ」からきており、マレー語「スィンガプラ(Singapura)」を直訳すると「ライオンの町」になります。

面積・場所について

「シンガポール共和国」の国土の広さは、約720万平方キロメートルで、東京23区の面積と同じくらいです。

「シンガポール共和国」は、アジア大陸の東南端のマレー半島の南端で、国土は埋立により拡大したシンガポール島と60以上の島々からなります。北はジョホール海峡をはさみマレーシアと、南はシンガポール海峡をはさみインドネシアと接しています。

都市について

「シンガポール共和国」の首都は「シンガポール」です。これは「シンガポール共和国」には市町村のような地方自治体等がなく、国全体が「首都」となる都市国家です。

人口について

「シンガポール共和国」の人口は、約560万人(2017年)ですが、そのうち、シンガポール人(永住者)は約7割の約400万人で、残りの人口は外国籍の人です。約10年後の2030年には、さらに移民が増え、人口の過半数を超えると予想されています。

成り立ちについて

「シンガポール共和国」の領域で最も古い記述は、半島の先端の島とい意味の地名で、3世紀の中国の文献に記されています。7世紀になるとシュリーヴィジャヤ王国の下、さまざまな国の船舶が寄港する漁村「テマセック」として知られるようになりました。

14世紀末になると、マジャパヒト王国の服属国として、現在の「シンガポール」の由来となる「ライオンの町」を意味する「シンガプーラ(サンスクリット語)」という名称に変更し定着しました。

その後、マジャパヒト王国での内戦が激化し、1402年マラッカ王国が建国され、シンガプーラはその支配下になりました。しかし、1511年マラッカ王国はポルトガルから侵略をうけ滅亡しましたが、王族や商人はシンガプーラへと逃亡したため、1513年にシンガプーラもポルトガルに攻撃され、壊滅的となり、その後約300年間は海賊が住む寂れた漁村となりました。

そして、当時人口150人程度のシンガプーラの島に、1819年イギリス東インド会社のトーマス・ラッフルズが中継港の建設地を探して上陸しました。ラッフルズは名称を英国風の「シンガポール」と改めて都市化計画を進め、1824年イギリスの植民地となりました。


さらに無関税の自由港政策を推し進めたこともあり、東南アジアやインド、中国などの商人の多くが移り住み、「シンガポール」は急速に発展していきました。そして、同じくイギリスの植民地であるインドやオーストラリアなどとの東西貿易の中継地点として、マレー半島で産出された天然ゴムやすずの積出港としても栄えました。

1869年スエズ運河が開通すると、東アジアとヨーロッパ間貿易の中継港としてさらに発展し、20世紀初めには人口が20万人を超え、移民たちは民族別にコミュニティを形成し、それぞれの文化を守って生活しました。

その後、太平洋戦争が始まり、1942年「シンガポール」は日本軍に占領されました。1945年の日本の敗戦によりイギリス統治が復活する約3年間は「昭南島」と呼ばれ過酷な軍政が敷かれた過去があります。

1955年にはやっと部分自治が認められ、移民たちをシンガポール市民として統合するため、1958年に4言語を公用語化しました。そして、1959年完全自治に移行し、1963年マラヤと合併してマレーシア連邦の一州となりましたが、政府同士の対立が激しかったため、1965年連邦が追放する形で「シンガポール」は独立し、現在の共和国となりました。

「シンガポール共和国」の国民・宗教・言語について

国民について

「シンガポール共和国」の国民は、中華系が約75%で一番多く、次いでマレー系が約15%、そしてインド系が約10%で(2017年)、これらの大きく3系統の異なる文化が共存しています。

宗教について

「シンガポール共和国」の宗教は、仏教(華僑系)約33%、イスラム教(マレー系)約14%、キリスト教(全般的に)約15%、道教(華僑系)約8%、ヒンズー教(インド系)約4%で、さまざまな宗教が存在し、それぞれの民族によって分けられています。

言語について

「シンガポール共和国」の国語は、マレー語です。公用語として英語、中国語、マレー語、タミール語の4種類あります。

「シンガポール共和国」の経済状況について

「シンガポール共和国」のGDPは約3.3億ドル(2017年)、日本円にすると約360億円で、世界第37位です。しかし、人口が少ないので、同年の一人当たりのGDPは約6万ドルで、世界で9位です。

「シンガポール共和国」は、昔からアジアや中東、ヨーロッパ、オーストラリアなどを結ぶ交通の要となり、東西貿易の拠点として発展してきました。独立後は、海外からの投資が積極的に行われ、重工業を中心に東南アジア最大の工業国に成長しています。

また、中国語や英語など話せる人材も多く、インフラ環境も優れていることから、多くの多国籍企業の統括拠点がおかれ、東南アジアにおける金融センターの役割を担っています。

「シンガポール共和国」の主な産業は、製造業や商業、金融・ビジネスサービス業、運輸・通信業などです。

貿易について

「シンガポール共和国」の主要輸出相手国は、「マレーシア、香港、中国」で、主要輸入相手国は「マレーシア、中国、アメリカ」です。

「シンガポール共和国」の主な輸出品は、IT製品や石油製品、化学品などです。そして、主な輸入品は、石油製品やIT製品、一般機械、原料別製品などです。

総貿易額は、輸出が約3,850億ドル、輸入が約3,400億ドル(2017年)です。

「シンガポール共和国」の政治・政策について

政治体制について

「シンガポール共和国」は立憲共和制で、元首は大統領です。


「シンガポール共和国」の議会は、国政レベルのみで地方議会はありません。議会制度は一院制で、議員定数は101人で、任期は5年です。議員の大多数を人民行動党がしめていて、一党優位政党制であり「シンガポール共和国」は、開発独裁体制になっています。

選挙制度について

「シンガポール共和国」の議員定数は101人で、その内訳は、大統領による任命議員が9人、非選挙区からの選出議員が3人、全国区からの選出議員が1人、小選挙区制での選出議員が13人、そして、16選挙区のグループ別選挙からの選出議員が89人です。

選挙権・被選挙権はともに21歳以上の国民に与えられます。そして、投票は国民の義務とされ、理由もなく投票に行かない場合は選挙権が剥奪されるため、投票率は毎回非常に高く、90%以上です。

「シンガポール共和国」の大統領・首相について

「シンガポール共和国」の大統領は直接選挙によって選ばれ任期は6年です。大統領は儀礼的な存在で、行政権を保持しません。「シンガポール共和国」の行政権は内閣(長は首相)がもち、首相は大統領から任命されます。

「シンガポール共和国」の国防制度・軍事制度・兵役について

「シンガポール共和国」の国軍は、1971年イギリス軍が撤退した後編成され、陸軍・海軍・空軍の3軍で構成されています。徴兵制により国民男子は進学するもの以外は、17歳から2年間の兵役が義務付けられています。また、兵役終了後も13年間の予備役につきます。

兵力(兵士数)は陸軍が約5万人、海軍が約9,000人、空軍が約1.4万人、国軍総兵士数は約7万3,000人で、予備役人員数は約31万人です。予備役は通常は民間人ですが、年間最大で40日間召集され訓練や任務につきます。また、軍事予算は約110憶ドルで全歳出予算の約18%にもなります。

「シンガポール共和国」と日本の関係について

「シンガポール共和国」と日本は、1966年に国交を樹立して以降、広範囲な分野で交流が行われており、良好な関係が続いています。

日本から「シンガポール共和国」への輸出額(2017年)は約9,600億円で、「シンガポール共和国」からの日本の輸入額(2017年)は約2.5兆円です。主要貿易品目は輸出入ともに電子機器・電子部品です。

「シンガポール共和国」にいる日本人の数は約3万6,000人(2017年)で、約820社の日本企業が、「シンガポール共和国」に進出しています。そして、日本にいるシンガポール共和国の人は、約8,600人です。

まとめ

「シンガポール共和国」は、赤道直下に位置するため、一年中高温で多湿な気候な国で、複数の民族がそれぞれ特色ある街を狭い国土に形作っていて、高層ビルが林立するエリアと民族エリアが隣接する特徴的な国です。

ちなみに、「シンガポール共和国」は罰金制度がかなり厳しいことで有名です。夜の禁止時間帯に公共の場でお酒を飲んだり、地下鉄で飲食をしたりすると罰金をとられます。また、水洗トイレを流さない、蚊を発生させる環境を作るなども罰金対象となっていて、チューインガムを持ち込むと約80万円の罰金をとられるそうです。

なお、男子サッカーの「シンガポール共和国」のFIFAランキングは、2019年2月では「165位」です。

本記事は、2019年3月30日時点調査または公開された情報です。
記事内容の実施は、ご自身の責任のもと、安全性・有用性を考慮の上、ご利用ください。

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この記事を書いた人

公務員総研の編集部です。公務員の方、公務員を目指す方、公務員を応援する方のチカラになれるよう活動してまいります。

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