はじめに
「山口県」勤務の「航空自衛官(パイロット)」(男性)によるキャリアレポートです。
- レポート者のプロフィール
- 公務員としての職業・勤務先:航空自衛官(パイロット)/山口県勤務
性別:男性
雇用体系:正規雇用
所有資格:普通自動車免許
「航空自衛官(パイロット)」を目指した理由
元々は公務員志望だったのですが、父が自分がなりたかったけどなれなかったパイロットの試験を受けてみろと言われ、とりあえず受けてみることになりました。
「航空自衛隊航空学生」のときの仕事内容について
航空自衛隊航空学生の業務は、最初の2年間は地上で飛行機に関係のない地上での訓練を受けます。内容としては、精神の鍛錬を目的としたもので、ひたすら走ったり勉強したり、泳いだりと内容は様々です。
勉強は、最初は一般的に大学で習う内容から入り、終了次第飛行機の構造に関する内容にシフトしていきます。
土日祝は休みですが、平日に自由時間というものはほとんどありません。 夏休暇、冬休暇はかなり長めです。
2年間の訓練が終了後は、パイロットの国家資格を取るための準備期間で、実技と学科の試験のうちの、学科の試験の勉強をします。この時は自由時間がかなりあります。
学科の試験が終了後、フライトが始まります。これから乗る飛行機の構造や性質等を勉強し、その後いよいよフライトが始まります。基本的には教官が後ろに乗っての訓練で、たまに1人でのフライトもあります。
フライトの訓練200時間が終了すると、一人前のパイロットとなります。
「航空自衛官(パイロット)」の1日の仕事の流れ
最初の2年間「学生時代」についてですが、
6時:起床、点呼、ランニング
6時15分:食事、身辺整理、課業の準備
8時15分:国旗掲揚
8時35分:課業開始
12時:昼食、午後の課業の準備
12時30分:午後の課業
17時:課業終了、夕食、入浴等
20時:自習
22時:消灯
大まかに言うとこのような形です。
運動系の訓練の後に座学を受けると辛いのは理解されているので、座学が先にあり、後半が運動系の訓練となっています。
フライト開始後のスケジュールについては、細かくお伝えすることができません。というのも、フライトの時間に合わせて動くことになるので、決まった時間にこの行動を取るということはあまり厳密に決まっていない部分があるためです。
「航空自衛官(パイロット)」の給料・残業・有給休暇について
給料は最初の2年間は16万から19万円で少なく感じるかもしれませんが、衣食住が基本的に全て0円なので、お金は勝手に貯まるぐらいでした。
フライト開始後は特別手当がつくので、かなり増えます。 残業は当たり前というか、24時間体制なので残業という概念がないです。 有給休暇については、一人前のパイロットになるまでは、自分で休みたい日に休むということはできません。(身内の不幸等の特例はあります。)
この仕事で、働いているときに困ったこと
人間やってみると慣れるものなのか、特に不自由に思ったことはありませんでした。
当たり前なのですが、上官が言ったことは絶対で、逆らうことは許されませんので、理不尽なこともありました。ただ、それも仕方のないことと理解できるので、そういった点に不満はありませんでした。
連帯責任が厳しそうということも周りから言われたこともありますが、確かに連帯責任で厳しく指導を受けたことは数え切れませんが、「日本を守る仕事だから、日本一きつくて当たり前」という教官の言葉がその通りだと思っていました。
この仕事や職場でよかったこと
衣食住全て整っているので、集中して訓練に臨める点が恵まれていたと思います。
休みの日は教官も一緒に思いっきり遊ぶこともありますし、オンオフの切り替えが出来る人の集まりだったので、そういう点では楽しく過ごせました。
また、連帯責任で一緒に指導されることもありますが、辛い時には同期と支え合っていくことは非常に良かったです。ミスをしないためにどうしなければいけないか、自分達で考えて実行する力が付くので、そういった意味でも非常に良い環境でした。
「航空自衛官(パイロット)」の仕事エピソード
大変だったのはやはり訓練です。 体力に差があるのは当然で、きつそうな同期は自分の面倒に加えてその同期の面倒も見ることになるので、そういった面でも大変でした。
感動したことは、パイロットの世界は厳しく、訓練の成績が悪いとクビになるのですが、私は成績が1番でした。色々なことを考え、自衛隊を辞めることを決意し、教官に話したのですが、教官に引き止められました。
本来なら引き止めるということは絶対になく、すんなりと辞められるのですが、そのときに教官に言われたことは、「将来自分が部隊に戻った時に、お前みたいな優秀な人間が部下として付いてくれたら嬉しい」ということでした。
他の教官にも口を揃えて同じようなことを言っていただき、非常に厳しい世界ではあるものの、人間味のあるすごく温かい場所だなと感動しました。
「航空自衛官(パイロット)」の職場恋愛について
自衛官同士の結婚は、一般的な会社に比べると多いと思います。パイロットの世界は少し特殊で、私がいた時は周りの部隊の方と深く関わる機会はあまりなかったのですが、教官の中でも自衛官同士で結婚されている方はいました。
一般隊員の方でも、結婚するということは集会で発表されたこともありましたし、職場恋愛については多いのではないかと思います。
ただ、航空学生は同期間での恋愛は禁止されているので、その点は注意が必要です。
まとめ ー「航空自衛官(パイロット)」を目指す方へメッセージ
訓練は確かに辛い時もありますが、それ以上に得られるものは多いので、頑張って下さい!
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