はじめに
市役所で働く、女性の「一般行政職(初級)」によるキャリア体験談レポートです。
ちなみに、その方は、教員免許(幼稚園2種、小学校1種、中学校理科1種、高等学校理科2種)を持っているそうです。
「市役所の一般行政職」を目指した理由
もともとは教員を目指していましたが、公務員の仕事にも少なからず興味があり、また、家族が市職員を強く希望していたので、教員採用試験と合わせて受験しました。
「市役所の一般行政職」の仕事内容について
様々な部署に配属されるので、市役所の仕事は多岐にわたります。
私が経験したのは、広報、税務、会計、教育委員会、国民健康保険、議会事務局、福祉の分野です。それぞれ法律や条例に基づいた業務になりますが、私の場合は特に広報分野は法律や条例の制約があまりない業務でした。市役所の業務の中には、まれにそういった法令にあまり縛られない業務もありますが、ほとんどがかなり細部まで法令に従った業務になります。
広報について
市の事業やイベントについてのPRを市報やホームページ、公式SNSなどで皆さんに知ってもらう仕事です。
税務分野について
固定資産を担当しました。市内の土地、家屋、償却資産の課税計算と賦課作業を行い、市民へ固定資産の納税をお願いする仕事です。
会計について
歳入の管理、公用の支払い関係の処理、決算書の作成などを担当しました。
教育委員会について
市内小中学校の児童生徒の学籍の管理、学校保健、学校事務などの指導、管理を担当しました。
国民健康保険について
資格管理や保険給付事務を担当しました。
議会事務局について
市議会の庶務的な業務を担当しました。
福祉分野について
現在はこちらの部署で、高齢者の保護措置、虐待防止などを担当しています。
「市役所の一般行政職」の1日の仕事の流れ
7時30分:自宅を出て、自動車で通勤する
7時50分:到着。職場の清掃や窓口の整備
8時30分:朝礼、役付打ち合わせ、業務開始
12時:昼休み、昼食
13時:業務再開
17時15分:業務終了
平日の通常の流れは以上ですが、時間内に業務がすべて処理できる場合は少なく、業務終了時間が過ぎてもそのまま残業となる場合がほとんどです。部署によって繁忙期と閑散期が異なります。
また、担当業務以外の他の部署の手伝いが休日に業務命令される場合もあります。イベント等の駐車場整理や受付業務、案内業務などです。
休日出勤の場合は振替休日をもらえることになっています。観光関係の部署は休日出勤がかなり多く、振替休日を取得することが困難だと聞きます。
「市役所の一般行政職」の給料・残業・有給休暇について
私の場合ですが、月給が約32万円(残業、出張旅費等含む)で、ボーナスは年間約80万円でした。ちなみに、年収は約500万円でした。
残業はほとんどサービス残業で残業手当のつく残業は特別な場合に限ります。時間外の会議や出張などです。
休暇は部署によって、取得しやすいところとしにくいところがあります。最近は全体的に人員不足で取得しにくくなっているように感じます。
この仕事で、働いているときに困ったこと
法令に従って業務を行っていても、細かい対応の部分は人としての良心的判断に任されることもあります。しかし、市民のため、少しでも相手のことを思ってと良かれと思って行動したことが仇となって返ってくることがあります。
公正、公平、中立を心がけ、慎重な対応を選択しないと良心的な対応が、不公平な対応になることが多々あります。小さなことでも、一人で判断せず、同僚や上司に相談しながら慎重に対応、行動することが大事です。
この仕事や職場でよかったこと
公務員のため、福利厚生は充実しています。健康診断は必ず受診できます。しかし、充実した福利厚生を残業や人手不足などで十分活用できません。
市職員のほとんどは市内に居住していますので、通勤時間は他の職種と比べるとかなり短いと思います。家族の緊急時などはかなり融通が利きます。
また、地域のことにも詳しくなり、地域とのつながりも深くなり付き合いも広がります。子どもがいる職員は、学校とのつながりも深くなり、詳しくなります。
「市役所の一般行政職」の仕事エピソード
災害の時は、家に帰ることができない状態になります。
私の場合は近所に両親が住んでいるので、災害時は子どものことを両親に任せることができ、業務に専念できます。
深夜まで業務にあたったり、いったん帰ってもすぐにまた出勤しなければならない災害時に、子どもたちが自分たちで給水に並んだり、学校が休校である知らせを伝えたり、親がいなくても自分たちで行動している姿を両親から聞き、感動したと同時に親の背中を見てくれてる気がしました。
また、災害救援に隣県の友好都市や災害のなかった近隣市町からの応援部隊が給水車ととも人員も派遣してくれ、緊急時の人の心の温かさを痛感しました。
「市役所の一般行政職」の職場恋愛について
上層部からは職場恋愛、結婚はなるべく控えるように言われますが、実際は、多いです。
業務量が多いことでプライベートな活動が少ないからか、職場結婚に発展することは少なくありません。
職場以外では、学生時代からのお付き合いの方や、趣味のサークル活動などで結婚する方がいますが、特に相手が県外の方の場合などは、田舎の生活に慣れないせいか短い期間でお別れする場合も珍しくありません。
職員が男性の場合は氏名も変わらないので、結婚のお知らせがあっても離婚のお知らせは特にしない場合が多いので、知らないうちに独身に戻っていることもあります。
まとめ ー「市役所の一般行政職」を目指す方へメッセージ
楽できると思って公務員になるのは危険です。
奉仕者としての気持ちを持つことを希望する方が公務員には向いていると思います。
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