消費者の視点から政策全般の監視を担当する中央官庁「消費者庁」の基本情報

消費者が安心して安全で豊かな消費生活が営めるよう消費者の利益を保護することを任務とする中央官庁「消費者庁」について解説します。

「消費者庁」は、消費者を脅かす食品表示偽装問題や悪質商法の横行などの「消費者事故」について「消費者の視点」から政策全般を推進する行政機関です。


はじめに

「消費者庁」は、東京都千代田区霞が関にあり、200年に設置された日本の行政機関です。定員は、309人です。

なお、前身の組織は「内閣府国民生活局」などでした。

今回は「消費者庁」の公務員を目指す方に押さえておいてほしい基本的な情報と役割について解説します。

「消費者庁」について

「消費者庁」は、東京都千代田区霞が関に置かれた行政機関で、長は、消費者庁長官です。

この庁は、平成21年9月の相次ぐ消費者事故を受けて、消費者の視点から政策全般を推進することを目的に、内閣府の外局の一つとして創設されました。

具体的な背景として、食品表示偽装問題が相次ぎ、悪質商法の横行などわれわれの生活をおびやかすような消費者事故が発生していたという状況がありました。

組織的には部局制を取らず、総務課、消費者政策課など、9つの課が置かれるシンプルでフラットなスタイルが採用されています。

「消費者庁」の役割について

「消費者庁」の役割は、下記の通り、大きく8つに分かれています。

(1)消費者政策の基本計画策定と検証・評価
(2)消費者被害の防止
(3)消費者の適正な選択
(4)消費者の財産的被害の集団的回復
(5)消費者教育の推進
(6)物価対策の推進
(7)地方消費者行政の支援
(8)地方消費者行政の支援
(9)様々な取組

(1)消費者政策の基本計画策定と検証・評価

「消費者政策の基本計画策定と検証・評価」は、政府全体の消費者政策に関する基本的な計画を策定し、毎年、策定した計画の検証・評価を行う業務です。

(2)消費者被害の防止

「消費者被害の防止」は、消費者事故情報を集約して事故情報データバンクに登録したり、消費者事故を分析して消費者に注意を喚起し、被害を受けないようにすることです。


また、各省庁に消費者への注意喚起や業界指導などの対応を求めたり、消費者庁に設置されている消費者安全調査委員会によって消費者被害の拡大を食い止め、子どもの事故予防を図るプロジェクトを推進する業務もあります。

(3)消費者の適正な選択

「消費者の適正な選択」は、悪質商法、偽装表示などへの対応や、消費者に分かりやすい食品表示基準を策定し、事業者に適切な表示を促す法制度を作り、消費者が適正に商品を選択できるようにする業務です。

(4)消費者の財産的被害の集団的回復

「消費者の財産的被害の集団的回復」は、裁判手続きを担う特定的確商社団体の認定・監督のための指針を策定し、複数の消費者がその財産に被害を受けた場合に回復できるようにする業務です。

(5)消費者教育の推進

「消費者教育の推進」は、消費者教育推進会議等を利用して、消費者教育を総合的に推進する業務です。

(6)物価対策の推進

「物価対策の推進」は、消費者利益を擁護する観点から所管省庁と公共料金等の改定に際して協議を行ったり、物価動向に関する調査や情報提供い、物価対策を推進する業務です。

(7)地方消費者行政の支援

「地方消費者行政の支援」は、消費生活の「現場」を支える相談窓口を支援し、困っている消費者を手助けする業務です。また、関係機関等の間で消費生活相談等により得られた情報を共有し、高齢消費者等を消費者被害から守るために地域作りを支援する業務です。

(8)様々な取組

「様々な取組」は、その他、消費者保護に関する制度の普及や促進、食品に関する様々な情報の提供、便乗値上げを監視する業務などです。

「消費者庁」の組織構成について

「消費者庁」の組織構成は、「幹部」である「消費者庁長官」「次長」「政策立案総括審議官」「審議官(3名)」「参事官(2名)」と、9つの「内部部局」より成り立っています。

9つの「内部部局」の内訳は、「総務課」「消費者政策課」「消費者制度課」「消費者教育・地方協力課」「消費者調査課」「消費者安全課ー事故調査室」「取引対策課」「表示対策課ー食品表示対策室」「食品表示企画課」です。

その他、「審議会等(消費者安全調査委員会、消費者教育推進会議)」や「消費者庁」の関連組織・所管の法人として「消費者委員会」「独立行政法人 国民生活センター」が設置されています。

「消費者庁」の年間予算は約126億5千万円

「消費者庁」の平成30年度の予算は、約126億5千万円でした。

その主な内訳項目は、大きく、国費総額としての「一般会計」と「東日本大震災復興特別会計」に分かれます。「一般会計」は145億5千万円、「東日本大震災復興特別会計」は4億8千万円です。

予算のほとんどを占める「一般会計」の内訳ですが、「地方消費者行政推進交付金」が30億円、「独立行政法人国民生活センター運営費交付金」が39億9千万円で、「一般会計」のおよそ半分といったように構成されています。

これらの詳しい内訳についてはこちらの予算概算要求の概要をご参考ください。

http://www.caa.go.jp/policies/budget/pdf/info_yosan_170831_0003.pdf


まとめ

いかがでしたか?

消費者行政の「舵取り役」である「消費者庁」についてご紹介させていただきました。

「消費者庁」は、消費者が安心して豊かに暮らせるよう、さまざまな消費者事故に対応しし、消費者を消費者被害から守るための地域作りを担う省庁です。

ちなみに、「消費者庁」の英語名称は「Consumer Affairs Agency」で、略称は「CAA」です。

「消費者庁」のウェブサイトのURL

http://www.caa.go.jp/

本記事は、2018年12月23日時点調査または公開された情報です。
記事内容の実施は、ご自身の責任のもと、安全性・有用性を考慮の上、ご利用ください。

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