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目指せ外交官!各国の基本的な知識をまとめました。

【目指せ!外交官】の国「ギリシャ」の基本知識について(2021年5月調査情報)

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目次

ギリシャってどんな国?

「ギリシャ」の日本語の正式表記は「ギリシャ共和国」で、通称として「ギリシャ」を用いるのが一般的です。漢字による当て字では「希臘」と表記し、「希」と略されることもあります。

ギリシャ語の正式名称は「Dimokratia(エリニキ ディモクラティア)」で、通称は「Ellada(エラダ)」または「Ellas(エラス)」です。公式の英語表記は「Hellenic Republic(ヘレニック パブリック)」で、通称「Greece(グリース)」です。

日本語の「ギリシャ」の由来は、宣教師によって日本に伝わったのがポルトガル語の「Grecia (グレスィア)」で、この言葉が変容したとされていますが、諸説あります。

面積・場所について

「ギリシャ」の国土の広さは、約13.2万平方キロメートルで、日本領土の約3分の1の大きさです。

「ギリシャ」の場所は、ヨーロッパの南東、バルカン半島南端にあります。国土は山地が多く、3,000以上の島々があり、「マケドニア・中央ギリシャ・ペロポネソス半島・テッサリア・イピロス・エーゲ海諸島・西トラキア・クレタ島・イオニア諸島」の9つの地域から成り立っています。

本土の北部はアルバニア、マケドニア、ブルガリアと、東部はトルコと国境を接し、東にはエーゲ海、西にはイオニア海、南には地中海があります。また、アジアとアフリカの交点であるので、海を結ぶ運河等発達していています。

都市について

「ギリシャ」の首都は「アテネ(ギリシャ語:Athina)」で、経済、産業、政治、文化の中心となるギリシャ最大の都市で、また、約3,400年の歴史を持つ世界で最も古い都市ひとつです。そして、アテネの人口は、約300万人です。

第2の都市「テサロニキ(ギリシャ語:Thessaloniki)」は、産業や商業、国内政治の中心都市で、南東ヨーロッパ交通の一大拠点になり栄えています。また、ローマ時代からの重要な大都市であり、約2,300年の歴史ある文化的な都市です。

人口について

「ギリシャ」の人口は、約1,100万人(2015年)です。かつて、出生率はヨーロッパの中でも高い国でしたが、最近では低下し、少子高齢化が進んでいます。また、19世紀末からアメリカやオーストラリアなどへ、何百万人ものギリシャ人が移住しています。

成り立ちについて

紀元前2000年~1500年頃、「ギリシャ」は、最も古から栄えていたエジプトとの海上貿易を通じて大きく発展し、クレタ島に「クレタ文明」が栄え、紀元前1600年頃、本土では「ミケーネ文明」がおこりました。

そして、紀元前800年頃、アテネやスパルタなどの「ポリス(都市国家)」ができ、経済が発展し人口も増え、古代ギリシャ文明がおこりました。また、地中海のまわりに多くの植民市を築き、ナポリやマルセイユ、イスタンブールなどをギリシャ人が建設しました。


紀元前500年頃、トルコの植民市をめぐり、ペルシアと戦争がおきますが、ギリシャのポリスが連合軍を組み勝利し、ギリシャは益々栄えていきます。この戦争で破壊された旧神殿の上に「パルテノン神殿」が建設され、その他にも優れた芸術作品が生み出されました。

しかし、紀元前431年ポリス同士の対立が深まり、ペロポネソス戦争が約30年続き、国力が衰えてしまいます。そして、紀元前338年「ギリシャ」はマケドニア王国に支配されました。

紀元前2世紀になると、「ギリシャ」はローマ帝国に支配されますが、ローマ皇帝はギリシャ芸術を重宝し、ギリシャ文化の再興に努めました。そして、330年ローマ帝国が東西に分裂すると「ギリシャ」は東ローマ帝国に属しますが、東ローマ帝国はギリシャ語を公用語とし、ギリシャ正教を国教とし、さらに海外貿易で大きな富を蓄えていきました。

その後、異民族の侵入などのさまざまな苦難にあい、10世紀にはベネチア共和国が地中海貿易を独占し、13世紀にはクレタ島などがベネチアの領土になりました。

1453年にはイスラム教国のオスマン帝国がイスタンブールを占領し、やがて「ギリシャ」全土もオスマン帝国の支配下におかれます。支配は300年以上続きましたが、その中、海上交易を盛んに行い、18世紀になるとギリシャ人はベネチアに変わり、黒海や地中海で巨大な船隊と富を築きました。

18世紀後半、ギリシャ全土に反乱がおき、独立のための戦いが続きます。そして、1830年、イギリスとフランスは、ロンドン議定書をまとめ「ギリシャの独立」を認めました。

しかし、独立した「ギリシャ」ですが、初代首相は暗殺され、イギリスとフランス、ロシアはバイエルンの王子をギリシャ国王とし、君主制をひきました。第一次世界大戦はドイツなどに宣戦し勝利国となりましたが、第二次世界大戦では、イタリアと交戦状態に入り、イタリアとドイツに占領されました。

戦後「ギリシャ」はイギリスの影響下におかれますが、親国王派と王制反対派の内戦が激しくなり、王制反対派を援助するソ連と対立するアメリカが親国王派を助け、政治的混乱が激しくなり国内経済も悪化します。

1967年にはクーデターによる軍事政権ができますが、激しい学生運動やトルコとの敗戦で独裁政権が揺らぎ、1973年に共和制になり、国民投票によって王制が廃止されました。そして、1975年に新憲法が制定され、民主選挙が開始されました。

「ギリシャ」の国民・宗教・言語について

国民について

「ギリシャ」は人口の約98%がギリシャ人で、残り2%はトルコ人やアルーマニア人などが住んでいます。また、ギリシャ国内には外国人の不法移民が多く、問題となっています。

宗教について

「ギリシャ」の宗教は、人口の約98%がキリスト教「ギリシャ正教会」です。ギリシャ正教会とは、正教会における独立正教会のひとつで、アテネに大主教座があります。また、その他には約1%のイスラム教徒がいます。

言語について

「ギリシャ」の公用語は「現代ギリシャ語」です。ギリシャ語は歴史が長く、紀元前14世紀頃から使われています。そのため、時代ごとに同じギリシャ語でも、語彙も発音も文法も異なります。そして、単に「ギリシャ語」というと「古典ギリシャ語」をさすので、現在使われる言語を「現代ギリシャ語」として区別します。

「ギリシャ」の経済状況について

「ギリシャ」のGDPは約2,000憶ドル(2017年)、日本円にすると約21兆円で、世界第53位です。同年の一人当たりのGDPは約19,000ドルで、世界で42位です。

「ギリシャ」主な産業は、農林水産業や海運業、鉱工業、そして観光業です。農業では生産量世界第3位のオリーブなど、地中海性気候の作物が有名です。鉱業では石炭が有力ですが、マグネシウム鉱や鉄・ニッケルなど生産量は少ないですが多種類の主要鉱物が産出されています。

2009年のギリシャ政権交代により、国家財政の粉飾決算が公となり始まった「欧州ソブリン危機」は世界経済にも大きな影響をもたらしています。失業率も2008年以降高まり、約20%で高い失業率になっています。


貿易について

「ギリシャ」の輸出入ともに最大の相手国は「イタリア」と「ドイツ」です。その他の主要輸出相手国は、「トルコ、キプロス、ブルガリア」で、その他の主要輸入相手国は「ロシア、韓国、イラク、中国」です。

「ギリシャ」の主な輸出品目は、燃料、工業製品、食品、化学製品などです。そして、主な輸入品目は、燃料、機械・輸送機器、化学製品、工業製品などです。

「ギリシャ」の総貿易額は、輸出が約320憶ドル、輸入が約540億ドル(2017年)で慢性的な貿易赤字になっていますが、古代から続く海運業や観光収入で赤字を充当しています。

「ギリシャ」の政治・政策について

政治体制について

「ギリシャ」は共和制で、元首は大統領です。

「ギリシャ」の議会は一院制で、議員は比例代表制により選出され、300議席、任期は4年です。

「ギリシャ」全土の行政区分は、13のペリフェリア(地方)、74のペリフェリアキ・エノティタ(県)、325のディモス(市)に区画されています。また、特殊な地域として、ギリシャ正教修道士による自治が認められている、アトス自治修道士共和国(アトス山)があります。

選挙制度について

「ギリシャ」の選挙権年齢および被選挙権年齢は、ともに18歳以上の市民です。選挙制度は比例代表制で、300議席選出されます。そして、300議席中の288議席は各選挙区から選出されますが、残る12議席は、国全体を1つの選挙区とし、各党の合計得票数の割合に応じて選出されます。

「ギリシャ」の大統領・首相について

「ギリシャ」の元首は大統領で、ギリシャ議会により選出され、任期は5年です。

「ギリシャ」における行政府の長は「首相」で、ギリシャ議会により選出され、大統領から任命されます。閣僚は、首相が指名し大統領が任命します。

「ギリシャ」の国防制度・軍事制度・兵役について

「ギリシャ」は軍事同盟である北大西洋条約機構(NATO)に加盟していて、集団安全保障体制を構築しています。そして、米欧同盟を支持し、対米関係も重視しており、イラク戦争においては、イラク南部に約1,300名の部隊を派遣しています。

「ギリシャ」の軍隊は、「陸軍」「海軍」「空軍」の3軍からり、国防省が管理運営しています。「ギリシャ」は徴兵制を採用しており、18歳以上の男子は最長9ヵ月の兵役につく義務があります。兵力は、陸軍が約9.4万人、海軍が約1.6万人、空軍が約2万人軍で、軍事予算は約48憶ドル(2017年)です。

「ギリシャ」はEU(欧州連合)とNATO(北大西洋条約機構)の加盟国でもあり、国際平和維持活動にも積極的に参加し、アフガニスタンやボスニアなどにも派遣しています。

「ギリシャ」と日本の関係について

「ギリシャ」と日本の歴史は、1899年に修好通商航海条約が結ばれ、約120年間伝統的な友好な関係が続いています。

日本から「ギリシャ」への輸入額(2017年)は約110億円で、主要貿易品目は、医薬品、綿花、たばこ、石油製品、鉄以外の金属などです。

また、「ギリシャ」からの日本の輸出額(2017年)は約270億円で、主要貿易品目は、一般機械や輸送用機器、電気機器、化学製品、鉄鋼などです。輸出額が輸入額の倍以上あり、永続的に日本側の輸出超過になっています。

そして、「ギリシャ」にいる日本人の数は「約650人」で、日本にいる「ギリシャ」人の数は「約300人」です(2017年)。さらに、約20社の日本の商社や船舶関連の会社企業が「ギリシャ」に進出していますが、日本に進出している「オランダ」の企業は、数社です。

まとめ

いかかでしたか?

「ギリシャ」は、西洋文明やオリンピックなど様々なものの発祥の地として知られ、古代の文化遺産がたくさんあり、青くて素晴らしい海や、それに映える建物が建ち並ぶ美しい島々など、観光地としても有名です。

ちなみに、オリーブオイルといえば、イタリアやスペインが生産量が多く有名なのですが、実は「ギリシャ」がオリーブオイル発祥の地で、ギリシャの生産量の約80%が品質のよいエクストラ・ヴァージン・オイルで、ギリシャの気候はオリーブの木が育つ最高の条件を持っているんだそうです。


なお、男子サッカーの「ギリシャ」のFIFAランキングは、2018年12月では「43位」です。

本記事は、2019年1月20日時点調査または公開された情報です。
記事内容の実施は、ご自身の責任のもと、安全性・有用性を考慮の上、ご利用ください。

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この記事を書いた人

公務員総研の編集部です。公務員の方、公務員を目指す方、公務員を応援する方のチカラになれるよう活動してまいります。

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