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公務員だって結構クビになる - 「懲戒免職」「分限免職」「依願退職」

公務員になってしまえば、解雇はされないのでしょうか?いえいえ、そんなことはありません。元・国家公務員「小柴龍太郎」さんによる公務員の解雇(「懲戒免職」「分限免職」「依願退職」)についてのコラム「公務員だって結構クビになる」です。

2017年06月20日更新

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目次
実質上のクビは、「懲戒免職」と「分限免職」だけではありません
「影のクビ」その本当の恐ろしさ - 依願退職について
まとめ
いったん公務員になってしまえば、その強い身分保障制度によって簡単にクビになることはない?

公務員になってしまえば、解雇はされない?

いったん公務員になってしまえば、その強い身分保障制度によって簡単にクビになることはない。

そう思っている人が多いようです。確かに法律で身分保障はされています。ですから簡単にはクビにならない。

しかし、同じ法律で一定の場合にはクビにできることも書いてあるので、場合によってはクビになりますし、それ以外のクビのパターンもあるので、あまり油断してはいけません。

実質上のクビは、「懲戒免職」と「分限免職」だけではありません

まず、法律に書いてあるクビの方です。これは懲戒免職と分限免職の2種類があります。懲戒免職とは悪いことをした職員をクビにすることで、分限免職というのは仕事がまともにできない人をクビにすることです。

分限免職になる人は少ないですが、心身の重い病気にかかって職務復帰が見込めなくなったり、とっても変な人で様々なトラブルを起こしたり失敗ばかりしている人が対象になります。無断欠勤したまま行方不明になったりした場合も、この制度を使ってクビにされます。そのような人に給料(税金)を与え続けることに国民は納得しないだろうという考え方が背景にあるのだろうと思います。

懲戒免職も数はそれほど多くありませんが、これは公務員の職種によって多い少ないの差があるようです。私は刑務官をやっていましたが、刑務官の中には懲戒免職となるケースが比較的多いように思われます。悪いことをする刑務官が多いというより、刑務官の仕事の性質によるもののように思われます。つまり、刑務官の場合は、受刑者をまっとうな社会人にして塀の外に戻す仕事をするわけですが、そのような仕事をする刑務官自身がまっとうな社会人とは言えないような不祥事を起こしたとなると事は重大だからです。当然に厳しい処分となります。懲戒免職以外の処分(停職、減給、戒告)についても、ほかの公務員より厳しく行われる印象があります。同じようなことは警察官にも言えるのではないでしょうか。

懲戒免職や分限免職にならなくても事実上のクビになることもあります。これが第2のパターンのクビで、依願退職というのがそれです。これが結構多い。

依願退職は文字どおり本人が願い出て退職するのですから、厳密に言えば「クビ」ではありません。理屈上はそうです。しかし実際は、辞表を出さないわけにはいかない状況に追い込まれ、しぶしぶ辞表を出して辞めていく公務員が結構多いのです。言ってみれば「陰のクビ」です。甘く見てはいけません。

「影のクビ」その本当の恐ろしさ - 依願退職について

依願退職で多いのは不祥事を起こして辞めていく人です。

その程度が軽いものであれば叱られて済むようなこともありますが(戒告)、程度がひどくなると月給を減らされたり(減給)、仕事が一定期間できない状態に置かれます(停職)。この減給ないし停職の処分を受けた人の中には、そのまま仕事を続けていける状況ではなくなる場合があります。そのようなときに自ら進んで(あるいはシブシブ)辞表を書いたり、あるいは上司から諭されて辞表を書いたりするわけです。

これが事実上のクビというわけです。

「いやいや、私は絶対に辞めない! 辞めたら暮らしていけなくなるし、辞めるほど悪いことをしたつもりもない!」と頑張る人もいるでしょう。確かにそのように徹底抗戦すれば辞めなくて済む場合もあるかもしれません。悪いことをして辞めさせることができるのは懲戒免職だけですから、上司も組織も無法なことはできません。

しかし、そうやって争った場合には、その後は相当きつい状況になることを覚悟しなければならないでしょう。上司や組織の顔に泥を塗った奴と思われて、陰に陽に仕返しが行われるかもしれないからです。例えば今までいた勤務箇所から外されて、皆が嫌う部署に異動させられるかもしれません。そして上司も同僚もあなたに接する態度は以前と全く違うことになるかもしれません。いわば「いじめ」的に扱われるのです。村八分的仕打ちといってもいいかもしれません。

もちろん制度上はそのようなことをしてはいけないことになっています。しかし、制度に抵触しない範囲でそれは陰湿に行われる可能性があります。悲しいことですが、これは公務の世界に限らず、日本のどのような組織でも行われることではないでしょうか。

まとめ

そんなこんなで、公務員の世界でも結構クビが多いのですが、少し脅かし過ぎたかもしれません。

常識をわきまえて普通にやっていればそんなことにはならないので、あまり深く考えないでください。甘く見てはいけませんが、やたら怯えることもないということです。乗り物で一番安全と言われる飛行機で世界一周するようなものでしょうか。

(小柴龍太郎)

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