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国家公務員の「一般職」と「特別職」について|公務員入門01

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目次

国家公務員の種類は大きく2つ!「特別職公務員」と「一般職公務員」

公務員って何だろう?にこたえる公務員入門シリーズ第一回は、国家公務員の種類についてです。

国家公務員にはさまざまな職種がありますが、大きく分けると「一般職公務員」と「特別職公務員」の2つに分かれます。

日本の国家公務員は平成30年度末の時点で、約58万人でした。このうち国家公務員法が適用される「一般職公務員」の国家公務員が約28.5万人、国家公務員法が適用されない「特別職公務員」と呼ばれる国家公務員が約29.8万人の割合でした。

「一般職公務員」と「特別職公務員」では、主に、職務の内容や、給与などの待遇、なる方法など、異なる点が多くあります。

「一般職公務員」と「特別職公務員」の違いや、「特別職公務員」の特徴について、具体的に解説します。

》日本における「国家公務員」と「地方公務員」の種類と人数について

日本の公務員には大きく「国家公務員」と「地方公務員」がありますが、それぞれの人員構成はどのようになっているのかをまとめます。また、「国家公務員」には「特別職」と「一般職」があり、その構成比もご紹介します。近年、特に国家公務員の定数削減が行われていることについても解説します。

「一般職公務員」とは?採用試験で採用される国家公務員

「一般職」の国家公務員には、「特別職公務員」以外の国家公務員はすべて含まれます。

「一般職」の国家公務員には国家公務員法が適用されます。ちなみに国家公務員法とは、「国家公務員について適用すべき各般の根本基準等を定めた日本の法律」あり、例えば、成績主義の原則などについても記載されています。「一般職公務員」は、この成績主義の原則により、試験による競争で採用されます。

また、一般職公務員には国家公務員給与法が適用され、一律の俸給表によって給与が決まるので、一定の水準を満たした同じ等級・号数の職員であれば、同程度の給与が支給される仕組みになっています。

具体的に「一般職公務員」にあてはまるのは、例えば、国土交通省や財務省などの一般府省(中央官庁)にて働く一般行政職員や、外交官、税務署職員、刑務官、海上保安官等や行政執行法人職員や検察官などです。


さらに、一般職の国家公務員は、総合職、一般職、専門職に区分されており、それぞれの区分ごとの国家公務員採用試験を受験して、合格し、面接をクリアして採用された方のみが、なることができる職種であるというのが、基本的な考え方です。

【参考】国家公務員採用試験の種類

・総合職試験:院卒者試験、大卒程度試験
・一般職試験:大卒程度試験、高卒者試験、社会人試験(係員級)
・専門職試験:
1)大学卒業程度:皇宮護衛官採用試験(大卒程度試験)等7種類
2)高校卒業程度:刑務官採用試験、税務職員採用試験等8種類
・経験者採用試験 (採用予定がある府省毎に職制段階別に実施)

「特別職公務員」とは?国家公務員法が適用されない国家公務員

「特別職公務員」とは、国家公務員法に定める成績主義の原則などを適応するべきではないと判断される国家公務員です。

具体的には、内閣総理大臣、国務大臣などの政治的な国家公務員や、三権分立の観点や職務の性質から国家公務員法を適用することが適当ではない司法機関・立法機関などの国家公務員が「特別職公務員」に当てはまります。

「特別職公務員」は通称、「特別職」と呼ばれているように、一般職の国家公務員とは取り扱いが異なっています。「特別職公務員」の代表的な役職としては総理大臣や国務大臣・人事官及び検査官・内閣総理大臣秘書官・裁判官・裁判所職員・国会職員・防衛省の職員などが挙げられます。

》日本の大臣になる方法・仕事内容や役割を徹底解説

政治関連のニュースを見ているとよく目・耳にする「○○大臣」という言葉。ですが、現在の日本の制度における「大臣」とはどのような立場の人なのか、どうやって「大臣」になるのか、「大臣」の仕事内容や給料など、詳しく知らない人は多いと思います。今回は、日本の大臣について、わかりやすくまとめました。

いずれも特徴としては政治を初めとした三権分立に関わっている公務員であるというところです。「特別職公務員」の国家公務員は選挙や委嘱などにより任じられる職種となっているので、自分たちがなりたいと思って必ず就職する事ができるわけではないという大きな特徴を持っています。

地方公務員にも「特別職公務員」の制度があります

ちなみに「特別職公務員」は、国家公務員だけではなく地方公務員にもその制度があります。

地方公務員の「特別職公務員」の代表的な役職としては、地方公共団体の首長・議会の議員・副知事・副市町村長・行政委員会の委員などが挙げられます。

「国家公務員法」や「地方公務員法」が適用されない「特別職公務員」

ちなみに「特別職公務員」に対しては、一般職に適用されている国家公務員法および地方公務員法は適用されないようになっています。

国家公務員給与法も適用外ですので、給与水準が一般の公務員に比べて高い傾向にあります。

このように、特別な規定がない限りは一般職公務員と特別職公務員では、法律上の取り扱いにおいても大きく異なっています。

「特別職公務員」の国家公務員、「内閣総理大臣」になるには?

国家公務員の「特別職公務員」として最も代表的な役職とされる内閣総理大臣は、日本国における政府の長として様々な仕事をこなす責務を負っています。

その仕事内容としては、まず最大の仕事として「日本を守る」ことが挙げられています。これは簡単に言ってしまえば国民の安全を守るということで、災害が発生した際には最高責任者として指揮を取ったり自衛隊に出動命令を出す役割を担っています。


また内閣総理大臣に任命されてすぐに内閣のメンバーを選出し、選出したメンバーとともに重要政策を決定するのも内閣総理大臣の仕事です。また政策などあらゆる政治に関する事を国会で答弁するなど説明責任も負っていますし、外交を行なう事で日本の安全を守るとともに国益を維持することも重要な仕事のひとつです。

「内閣総理大臣」については以下の記事なども、あわせてご参考ください。

「総理の仕事」に関する記事一覧

特別職公務員「内閣総理大臣」になるには、まず国会議員を目指すのが一般的

では、特別職公務員の内閣総理大臣になるにはどうすればいいのかというと、前提条件として衆議院ないし参議院の国会議員になる必要があります。

その上で国会の議決によって指名を受けることができれば内閣総理大臣として任命を受けることが出来るようになっており、自分たちで立候補するということはできないようになっています。

また衆議院ないし参議院の国会議員になる事が条件とはされているのですが、過去の事例から参議院の国会議員から内閣総理大臣に任命されたというケースはないと言われています。

そのため現在では衆議院の国会議員から選出される事がほとんどだとされているので、内閣総理大臣を本格的に目指すという場合は衆議院の国会議員になる事がおすすめされているようです。

さらにただの国会議員が任命を受けるというわけではなく、与党の長がそのまま総理になるケースがほとんどであるというところから与党の長にならなければ内閣総理大臣として国会の議決を受けることは難しいとも考えられています。

ちなみに与党の長になるためには与党に所属してから、党内での権限や発言力を高めながら来るべき時を待つしかないと考えられています。

特別職公務員「国務大臣」になるには?総理大臣に任命されることが必要

もうひとつの「特別職公務員」の国家公務員として知られている国務大臣は、簡単に言ってしまえば内閣総理大臣に任命された各種の大臣たちの事を指しています。要するに内閣のメンバーそのものであり、内閣総理大臣に告ぐ政治内での発言力と権利を有している「特別職公務員」です。

実際のメンバーとなっているのは総務省・法務省を始めとする中央省庁の10省・国家公安委員会・防衛庁の長・内閣官房長官であり、さらにそこに沖縄及び北方対策担当・規制改革担当・経済財政政策担当・金融担当・少子化・男女共同参画担当・食品安全担当・防災担当などの特命担当大臣なども含まれます。

》日本の大臣になる方法・仕事内容や役割を徹底解説

特別職公務員「国務大臣」の仕事内容は?担当省庁の統括役

特別職公務員の「国務大臣」の仕事内容は、それぞれの大臣によって内容が異なっているのですが、主に担当している省や委員会・庁をまとめるというものになっています。

各国務大臣に共通している任務としてはそれぞれが担当している部分の政策立案や行政執行の管理・監督が中心となっていて、各省庁の職員を統括するという立場だということです。

特別職公務員「国務大臣」に選ばれる手続きについて

特別職公務員の国務大臣になるには、首相の選考に従って任命され、天皇によって認証されるものだとされています。

内閣総理大臣以外の国務大臣は内閣総理大臣により任命され(日本国憲法第68条第1項本文)、天皇によって認証される(日本国憲法第7条第5号)。

出典
首相官邸|内閣制度の概要

そのため内閣総理大臣のように自分で立候補するというわけではないですし、実は国会議員でなくても民間人が選出される事もあるので、議員にならなければいけないという条件もありません。

条件として言われることが多いのが学識経験者や官僚出身で企業幹部などを経験してきた人などであり、ある程度の政治能力が必要ですが、どの程度の能力があるのかは、議員や閣僚などから理解されている必要があります。

また国務大臣の種類によっては国会議員経験者から選ばれるということも多いので、重要になってくるのは国会との関係性や知名度、選挙運動での実績などが挙げられることが多いようです。

民間人から選ばれる場合には、その国務大臣の任務に関連する分野に精通した実績を残しておくことが必要です。民間人選出の場合は、国家公務員試験も議員になるための選挙運動も無く、任命されればいきなり国家公務員という立場になるということで、「特別職公務員」という名の通り、“国務大臣になるプロセス”についても特別です。


その他の「特別職公務員」の職種紹介

内閣総理大臣や国務大臣以外にも「特別職公務員」と呼ばれている国家公務員の役職は多種多様にあります。

さまざまな「特別職公務員」の国家公務員「国会職員」

例えば、国会議員はもちろんのこと、議員ではない「国会職員」も「特別職公務員」として取り扱われています。

国会職員が「特別職公務員」に含まれるのは国会に関連する仕事を行なっているからだとされており、直接政治には関わっていないものの政治に関わる人物や施設の補佐を行なっているという立場である事からそのような取り扱いになっているようです。

さまざまな「特別職公務員」の国家公務員「裁判官」

また司法に関連する職種としては、「裁判官」も代表的な特別職公務員です。裁判官には、国会議員などの一般的な特別職公務員とはまた違った法律が制定されています。

ちなみに裁判官以外の「裁判所職員」は特別職公務員ではなく、一般職としての法律が適応されるようになっており、特別職公務員の中でも特殊な取り扱いになっています。

さまざまな「特別職公務員」の国家公務員「防衛省職員」「自衛隊」

そして「特別職公務員」の国家公務員の中でも最も大多数を占めていると言われているのが防衛省の職員であり、その中でも特に多数を占めているのが自衛隊だと言われています。

防衛省に所属している職員は全員、特別職公務員としての取り扱いになっているため、一般職の国家公務員とは法律上でも取り扱いが異なっています。

さまざまな「特別職公務員」の国家公務員。役職は全部で24種類

上記以外にも「特別職公務員」の国家公務員として指定されている役職は多種多様です。

具体的には、政務官や補佐官、議員などの秘書、日本ユネスコ国内委員会の委員、日本学士院会員、日本学術会議会員、など全部で24種類の役職が設定されています。

これらの特別職公務員の仕事につくためには、内閣総理大臣や国務大臣のように国会で任命を受ける手続きではないため、比較的自分たちの努力でなることができるようになっています。

ただし、裁判官に関しては最高裁判所の裁判官は内閣総理大臣が任命するようになっているので自分たちで立候補する事はできません。

以上のように、「特別職公務員」の国家公務員になるためにはどの役職を目指すのかによって任務執行の難易度や、求められている能力が異なっているので、事前に必要な条件や職務内容をしっかり確認しておく必要があります。

「特別職公務員」と似ている「特別公務員」について解説

「特別職公務員」と言葉が似ているため間違われてしまう事が多いものとして知られているのが、「特別公務員」と呼ばれている役職です。

特別公務員とは裁判・検察・警察の職務を行う公務員とその補助者を指しており、最高裁判所以外の裁判官や検察官・警察官などが該当します。

特別公務員は、国家権力を遂行する役割を担っているというところが大きな特徴で、逮捕や監禁などの権利を有している反面、守秘義務が徹底されています。

「特別職公務員」と「特別公務員」の違い

では、「特別職公務員」と「特別公務員」ではどのような違いがあるのかというと、実は「特別公務員」はあくまでも刑法上での概念だとされていて、国家権力の濫用を防ぎ、国民の自由を守るために「特別公務員職権濫用罪」「特別公務員暴行陵虐罪」などの処罰対象となるという特徴があります。

これらの処罰は例えば、警察官が取り調べの際に被疑者に対して暴力を振るった場合などに適応されるもので、特別な公務員であるからこそ職権乱用などの危険が起きないように予防対策として制定されています。

実際にこれらの処罰を受けたという特別公務員は少なくありませんし、これらの処罰を行なう事によって国民の安全や権利を守る事ができるようになるというメリットがあります。

そのため同じく公務員であるという共通点は持っているのですが「特別公務員」はあくまでも一般職としての取り扱いになっており、「特別職公務員」の国家公務員とは全くの別物です。

「特別公務員」という言葉は、あくまで「刑法上」の言葉というところがポイントです。


まとめ - 「特別職公務員」と「一般職公務員」の違いは仕事内容や待遇など

以上、このページでは、国家公務員のうち、「一般職公務員」の「特別職公務員」の違いと、「特別職公務員」に該当する職種の特徴についてまとめました。

日本の公務員は、まず大きく分けると「国家公務員」と「地方公務員」に分かれていますが、さらに「国家公務員」の中にも「一般職公務員」と「特別職公務員」に分かれており、中でも今回は「特別職公務員」について詳しく解説しました。

また、「地方公務員」の中にも「特別職公務員」に区分される役職があることもご紹介しました。

内閣総理大臣や国務大臣も公務員の一員ではありますが、特に国務大臣は民間出身者で公務員試験に合格実績の無い方もいるため、「大臣は公務員なの?」と疑問に思う方も多いと思います。

例えば「特別職公務員」は一般的な公務員と比べて給与水準が高い、公務員試験を受けなくて良いなど、一般的な公務員とは異なる待遇を受けていますが、それは「国家公務員法」や「国家公務員給与法」が適用されないという理由がありました。

さらに「特別職公務員」である国会議員になるには、試験で優秀な成績を修めるより、選挙運動に強いといった能力が役に立つこともあるなど、一般的な公務員とはなる方法も異なるので、選出のプロセスなどについて確認しておくとよいでしょう。

以上、「一般職公務員」と「特別職公務員」の違いについての特集でした。「特別職公務員」についてあいまいな部分が整理されたのではないでしょうか。

「公務員の仕事入門解説」の記事については、下記もご覧ください。

》公務員に労働基準法は適用されない?知っておきたい「公務員労働」と「法律」

国および地方自治体等の公務をおこなう公務員の労働は、一般の労働者とは異なります。労働法が公務員へどのように適用されるのかついて解説します。

「公務員の仕事入門解説」に関する記事一覧

 

(更新日:2021年1月12日)

本記事は、2017年7月25日時点調査または公開された情報です。
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この記事を書いた人

公務員総研の編集部です。公務員の方、公務員を目指す方、公務員を応援する方のチカラになれるよう活動してまいります。

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