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子供が欲しくても持てない…少子高齢化の裏にある女性の本音とは

少子高齢化が叫ばれ、子供の数がどんどん減少しています。この背景には、実は子供を持ちたくても持てない、という女性が少なくありません。全体的にみると隠れてしまう、女性が子供を持ちたくても持てない状況や、理由についてまとめてみました。

2018年09月11日更新

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目次
世界的な高齢化社会となった理由とは
主要な出生率低下の理由は未婚率や晩婚率の上昇
陰に隠れた出生率低下の理由
出生率を上げる為の対策とは?
子供が欲しくても持てない…少子高齢化の裏にある女性の本音とは

世界的な高齢化社会となった理由とは

2035年には3人に1人が高齢者になる

少子高齢化とは、子供の数が少ない、かつ全体人口のある一定の割合を高齢者の定義である65歳以上が占める状態を指します。日本も少子高齢化となっており、現在では人口の25%が高齢者、つまり日本に住んでいる4人に1人が高齢者である超高齢化社会となっています。それに加えて、2029年には29%が、2035年には33%が高齢者となり、人口の3人に1人が高齢者となる事が予想されています。

医療技術の発達

日本の高齢化が進んでいるのは、世界各国の中でも類を見ないスピードとなっています。この背景には、日本の医療技術が進歩し、平均寿命が延びている事があります。

日本は世界の中でも長寿国となっています。その為、高齢者の平均寿命も延び、高齢者がいわゆる長生きをするケースが増えた為、高齢者の割合が多くなっています。

少子高齢化となると社会保障が破綻する可能性もある

子供の数が少なく、高齢者の数が多い場合、国民一人当たりが支える高齢者の割合が多くなります。日本の社会保障制度である年金制度は、現役世代から今支えている高齢者に支払う年金を捻出するしくみとなっています。今後この制度が続くと、未来の現役世代の年金負担額が多くなり、年金制度自体が破綻すると言われています。

年金を含めて、これから到来する超高齢化制度を迎えるにあたって、社会保障制度を再整備する事も日本にとって急務となっています。

出生率が低下した

高齢者が増加しても、それを支える若年層も同じだけの人口がいれば、社会保障制度の崩壊など高齢化社会により問題点もほぼ解決ができます。

けれども、出生率が低下した事により、若年層や働き盛りの世代の数が高齢者の割合に対して減っている為、日本の高齢化社会の歯止めが利かなくなっていると言っても過言ではありません。

出生率が低下した背景には、色々な原因と理由があります。

主要な出生率低下の理由は未婚率や晩婚率の上昇

仕事に生きる女性が増えた

出生率の低下の主な原因と言われているのが、未婚率が上昇した事です。男女ともに結婚に対してメリットを感じずに、一生独身でいる生き方を選ぶ人も少なくありません。特に現在は女性の社会進出も珍しくなく、女性でもキャリアを積めば男性並みに、能力がある人は男性以上の年収を稼ぎだせるようにもなりました。

結婚をして子供をもうけ、幸せな専業主婦として生きる事も、一生働けるやりがいのある仕事を持ち、社会で輝く事も女性の生き方として両方とも素晴らしく、どちらも正解であると言えます。

結婚に対する不安を持つ人が増えた

未婚率が上がった要因の一つに、結婚や出産をしても、その先の未来に不安がある為、結婚しないという男女が増えているという事があります。

色々な働き方が増えた中で、非正規雇用による社会格差が広がっている事もあります。いわゆるワーキングプアと呼ばれる働き方をしている方は、自分自身の生活すらままならないのに、配偶者や子供の生活を支えられる自信がない為、結婚に後ろ向きである場合が多いです。

社会的格差をなくし、安定した収入を得られ、結婚に前向きになれるような社会づくりをするのも、未婚率を下げて出生率を上げるきっかけになるのではないでしょうか。

また、高齢化が背景にある為「自分の年金も貰えるか分からないのに、結婚というリスクを負いたくない」といった考えも背景にあります。つまり、高齢化社会=未婚率の上昇=出生率の低下…といった悪循環となってしまっているのです。

晩婚率が上昇した

未婚率の他に、晩婚率が上昇した事も出生率の低下の原因のひとつです。女性はキャリアを積むためには、どうしても仕事を継続して行わなければいけません。一方で、妊娠や出産、配偶者の転勤などは、キャリアを積む過程を一時中断せざるを得ません。

その為、ある程度のキャリアを積み、役職にも就くようになる40代前後に結婚するケースも多くなっているのです。

女性は、加齢とともに妊娠や出産ができる確率が下がります。医療技術が向上したとはいえ、身体の時間を止める事はできませんので、晩婚のカップルは子供を持つ事を諦める、持てても一人のみ、という事が多いのです。

陰に隠れた出生率低下の理由

選択ひとりっ子を選ぶ理由

未婚率や晩婚率の上昇などの陰に隠れて、細かい原因や理由で子供を持つ事を諦める人も少なくありません。この場合には、子供がもう一人欲しいけれども色々な理由で諦めざるを得ない、という方が多くなっています。

何らかの理由で子供は一人で終わり、と決める「選択ひとりっ子」を選ぶ背景にある、複数子供を持つ事を諦める理由について見てみましょう。

経済的な理由

子供一人当たりを育てるのに、一千万円かかると言われていますが、実際には子供の進路や公立・私立の学校の種類によってはそれ以上かかる事もあります。子供ひとりなら何とかなるけれども、二人だと育てられるか分からない、という経済的な理由で選択ひとりっ子を選ぶ世帯も多くなっています。

これらの経済的な理由で選択ひとりっ子を選ぶ世帯は、必ずしも生活に困窮している世帯ばかりではありません。年収も500万円から700万円ほどと、人並みにある世帯も少なくありません。けれども、今は人並みの収入があっても子供を複数持つ事を諦めざるを得ない世帯もいるのです。

一番の危惧が大学に進学する時にかかる費用です。今は大学全入時代と言われ、大卒までが当たり前と言われています。けれども、並み居る私立大学は年間の学費が高くかかります。それに加えて、子供が理系に進学した時や、地方から都市部の大学へ通う事になった時には、家賃や仕送りの費用もかかります。

これに加えて、国公立大学の学費値上げが決定しています。

返済の必要のない奨学金を設立するなどの対策案も出されていますが、必ずしもすべての大学生がその恩恵を受けられるわけではありません。とはいえ、日本の高度な教育を受けるのに大学の存在は必須であると言えます。

子供の望む教育を受けさせてあげたい、費用の面で我慢させる、苦労させる事はしたくない…という親心があり、かつ子供が二人いるとどうしても奨学金に頼らざるを得ない可能性もあります。

そして、子供が巣立った後には自分たちの老後の資金も貯えておかなければいけません。子供を複数持つ事によって、自分たちの老後の資金が貯められない可能性がある時にも、選択ひとりっ子を選ぶ事も多くなっています。

他にも、晩婚や年の差カップルで、子供が大学進学時には父親が定年退職している可能性があるので、大学費用の捻出ができない、などの理由もあります。

初年度納付金のめやす(国公立大、私立大昼間部の平均額)単位:円
国立大
授業料535,800
入学料282,000
計817,800

公立大
授業料537,809
入学料393,426
計931,235

私立大文系
授業料746,123
入学料242,579
施設設備費158,118
計1,146,819

私立大理系
授業料1,048,763
入学料262,436
施設設備費190,034
計1,501,233

私立大医歯系
授業料2,737,037
入学料1,038,128
施設設備費831,722
計4,606,887

出典
入学から卒業までにかかるお金(2)学費編

この費用はあくまで初年度のみです。
なお、自宅外通学の場合にはこれに家賃や仕送りなどが加わります。

周りのサポートがないから

核家族化が進み、周りに誰も頼れる人がいない状態で子育てをしている女性も少なくありません。配偶者も仕事が忙しく育児に参加できない、一人で知らない土地で子育てをしている中で、二人目を諦めて選択ひとりっ子の場合があります。

以前は、二世帯同居や近距離別居が当たり前で、子供の事で色々な時に頼れる環境がありました。もしも誰も頼れない母親がいても、近所ぐるみで子供を預け合う、サポートし合うなどが当たり前に行われていました。けれども、今は近所づきあいも希薄になり、信頼できる立場の人でも安心して子供を預ける事ができない世の中となってしまいました。

周りに誰も頼れる人がいない時に、一番危惧されるのが妊娠中のトラブルや出産時です。もしも、切迫流産や早産になり、母親が入院する場合にも子供を預ける先がありません。日中は保育所などに預けて、配偶者がお迎えをする…という事ができる環境ならまだしも、いわゆるブラック企業などで妊娠や出産のための早退や休暇を認めていない職場も残念ながら存在しています。出産時や産後入院時もしかりです。また、自治体によっては産前産後に子供を預ける事ができない所もあります。

妊娠中のトラブルや出産時、産後入院時に子供を預ける場所がない、頼れる人がいないから二人目を諦める…というのはとてももったいない事だと感じます。誰にも頼れない母親でも、安心して妊娠や出産ができる環境づくりをする事も、出生率を上げるきっかけに繋がるのではないでしょうか。

母親自身のキャパシティがないから

ひとり生んでみてとても大変なので、二人育てられる自信がない方や、自身に持病があるなどで二人目を諦める、といったパターンもあります。

これは、前述の周りに頼れる先がない環境で子育てをしている母親も多く、預け先やサポートといった問題が解決できれば、もう一人生んでも良い、と考える人が実は少なくないのです。

出生率を上げる為の対策とは?

普通に生活ができる環境づくりをする

今は普通の収入があっても、経済的な理由で子供を持つ事や、二人目を諦める世帯も多い事が分かりました。子供の養育費に加えて学費、そして自分たちの老後の資金も捻出しなければいけない現役世代にとっては、普通の収入で普通の生活をする事が困難であると言えます。その背景がある事から、結婚や出産に希望が見いだせず、未婚や子供を持たない選択をする人も増えてきました。

この現状は、残念ながら正常な状態であるとは言えないと考えます。皆が普通に生活をしていく中で、普通の生活を苦労する事なく手に入れられる環境を整備する事が、出生率を増加させる事に繋がるのは、火を見るよりも明らかです。

子供のいる世帯への税金を含めた対策を強くする、大学まで安心して通える環境や制度を作る、老後も安心して過ごせる社会保障制度を整備する…などが急務となっています。

頼れる場所やサポートを用意する

経済面では二人までは何とかなりそう、けれども預け先がない!など頼れる先やサポートがない事で選択ひとりっ子となっている世帯に対しては、安心して妊娠・出産できる環境整備が必要である事が分かりました。

自治体によっては、児童養護施設や乳児園と提携していて、産前産後に子供を預けられるショートステイの制度を行っている所もありますが、ショートステイを行っている施設が遠いなどの理由で、利用に至っていない現状もあります。

母親も上の子のケアを安心して任せられる環境を作る事が大切です。逆に、上の子の預け先さえクリアできれば出生率が上がる事が期待できます。配偶者の妊娠や出産の際には、休暇や時短勤務を企業に義務付ける、上の子を無条件で預けられる制度を整備するなど、多方面からのサポートが受けられる体制づくりが必要なのではないでしょうか。

女性が色々な道を自由に選べるようにする

未婚率や晩婚率を下げる為には、女性も自由に生きやすい環境整備を整える事も大切です。

妊娠や出産を経てもキャリアを積みやすい、子育てに専念する事を決めた女性には、安心して子供を育てられる環境を提供する…など、結婚、妊娠、出産でライフスタイルを変えざるを得ない女性が、もっと生きやすい世の中になる事が望まれます。

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