事実婚が当たり前!?スペインの結婚事情

国が変われば、「結婚」に対する人々の考え方も変わります。本記事では、スペイン在住の日本人に、「スペインの結婚事情」についてコラムにして書いていただきました。公務員として、ぜひ他国の結婚事情について知ってください。

はじめに

スペインでの「結婚」は、日本とは様々な面で違いがあります。例えばスペインでは結婚しても夫婦別姓が基本ですし、同性婚も認められています。

今回は、スペインに住んでみて感じた「日本と比較した、スペインの結婚事情」についてスペイン在住の日本人にレポートいただきました。

スペインの結婚事情その1:結婚という概念の捉え方が違う

スペインでは、日本同様に正式に結婚して夫婦となるカップルも勿論多くいますが、日本でいう事実婚の様な形のカップルが物凄く多い様に感じます。

私が友人から聞いて驚いたエピソードを紹介します。

友人が妊娠中に、妊婦教室に行っていた時のことです。ある時、妊婦さんと同伴でやって来たパートナーとの関係が「夫婦なのか、夫婦ではないのか」を聞かれて、挙手をしなければならない事があったそうです。その場には50組くらいいたそうですが、結婚しているカップルは半分以下だったそうです。日本人の感覚で、てっきりほとんどのカップルが既に結婚している夫婦だと想像していた彼女は本当に驚いたと言っていました。

日本では、一般的に長い間付き合うとその先にあるものは、「結婚」だという概念があります。もしも結婚することが出来ないのなら別れを選ぶという人も決して少なくないと思います。

例えば若いカップルである程度の期間交際している場合、二人がいつまでも結婚を決断しない場合、友人、両親、親戚、ご近所の人にまで、「どうして結婚しないのか」「いつ結婚するのか」という様なことを聞かれ、結婚するのが当たり前という概念で会話が進みます。

また、結婚をしないまま妊娠したりした場合には、この会話は深刻さを増し、急速に加速してしまうのが当たり前の感覚になっています。結婚をしないまま子供を育てるという感覚は、日本ではあり得ないくらい異様に映り、無責任だと周囲から冷ややかな目を向けられます。大袈裟ではなく親に勘当されてしまう様な場合もあるかと思います。

こういった日本では当たり前となっている感覚は、スペインには一切存在しません。誰との会話の中にも、「結婚するの?しないの?いつ結婚するの?そろそろ結婚した方がいいんじゃないの?」ということは一度も聞いたことがありません。高齢な方々と会話をしていてもこの感覚は同じで、二人のことは二人の問題で、結婚がどうだということは全く気にならない様です。

子供が生まれるというニュースの時も、二人の社会的な関係は一切問題になりません。たとえ親でも口出しは一切しません。

スペインでは交際期間が半年程すると、大抵の場合お互いの家族を紹介します。一度紹介すると、それからは週末のランチにお互いの家にお邪魔するということがよくあります。こうして家族の一員の様な関係を感じながら二人の交際が続きます。自分の子供だったり、兄弟だったりがどんな相手と交際しているのか自然に把握していくのだと思います。

日本では、交際相手を親兄弟に紹介する時というのは、結婚する決意をした後の場合が多いと思います。これは日本とスペインで大きな違いです。スペインの感覚では「自分が今どんな相手と時間を過ごしているのか」を家族に知ってもらうための紹介になりますが、日本では「これから時間を過ごしていく相手を知ってもらうための紹介」になります。

スペインの結婚事情その2:「どの様に出会うか」が違う

日本人とスペイン人での結婚というものへの概念の違いは大変大きいです。

スペインでは「恋をすること・愛するということ」と「結婚する」ということ、この2つは必ずしも繋がっているわけではありません。

何歳くらいまでに子供が欲しいという願望はあったとしても、何歳くらいまでに結婚したいという願望は無いように感じます。30歳になるからとか、もう40歳だからという、もうイイ歳だからそろそろ相手を見つけて結婚をしなければならない、という感情を持つ人もいないので、勿論結婚を前提にお付き合いをするということもほぼ皆無です。

結婚することにこだわりがないため、お見合いをしたり、合コンをしたりするのも一般的にはあまりありません。

友人・知人の紹介から恋に発展することはあるかもしれませんが、日本で言う紹介よりも自然な形になることが多いです。恋人が欲しいから紹介する・されるわけではなく、友人として紹介し、そこから偶然恋に発展する、というイメージです。

年配の方々はダンスのイベントに出掛けて知り合うこともある様です。ダンスが好きな年配の方には良い出会いの場になっています。

また、近年ではインターネットを通じての出会いも多く、出会いを斡旋するインターネットサイトも多く存在しています。テレビで広告を出している運営サイトも多数存在するほど盛り上がっています。日本では出会い系サイトのテレビ広告はあまり一般的ではないので、これもスペインの特徴といえると思います。

スペインの結婚事情その3:結婚する人の数・離婚する人の数

スペインでは結婚する人の数が年々減り、離婚する人の数が増えています。

2018年にスペインで結婚の届け出を出したカップルの数は合計167,613組でした。そのうち両方ともスペイン人だったのは139,455組、どちらかがスペイン人だったのは23,771組、どちらとも外国人だったのは4,387組でした。

また、男性と女性のカップルでの結婚は162,743組、男性と男性または女性と女性のカップルでの結婚は4,870組と公表されています。これらの数字を前年と比べますと、合計数はマイナス3.46%となりました。同性同士で結婚されたカップルの数だけがプラス5.02%となりました。

2020年時点で同性愛者の結婚が認められている国は29ケ国ありますが、そのうちの1ケ国がスペインです。2005年7月3日に法律が施行されました。29ケ国のうち、オランダ(2001年4月1日施行)、ベルギー(2003年6月1日施行)に続いて全世界で3ケ国目に認められた国です。

結婚する人の数は年々減っていますが、同性愛者の結婚の数は増えています。その背景には、同性同士の結婚が認められていない国の同性愛者がスペインで結婚する場合もあります。また、養子縁組をしたい場合にはやはり結婚しているという条件があるためかもしれません。

2019年の離婚の数は109,567組でした。スペインでは結婚・別居・離婚、3つの形式があります。「別居」というのは、もう別れてパートナーではない状態で、離婚手続きはしていないが、結婚状態でもないため夫婦でもないという状態です。スペインでは、結婚と離婚の間の夫婦の状態も、正式に存在するのです。

▼参考URL:「INE.ES」2019年2月11日付の情報より
https://ine.es/

スペインの結婚事情その4:スペインにおいて、結婚した方が利益がある場合

スペイン人にとって、もう歳だからとか、もう〇〇だからという言葉はありません。

80歳のおじいちゃんでも堂々と恋をし、手を繋いで街を歩きます。高齢カップルでも若いカップルと変わらず目を見つめ愛のことばを相手に伝えます。ご近所のおじいちゃんは82歳の時に奥さんを亡くしました。それから2年後、彼女ができて毎日楽しそうに暮らしています。おじいちゃんの子供さんたちも好きなように生きればいいさ、と複雑な心境もある中前向きに受け入れている様です。

この様な場合、遺産等の経済的なことを考慮して再婚するという場合もあるようです。あくまで手続き上、形式をそうするという感覚です。

また、知人は15年の恋人期間の後、突然結婚しました。それまで二人には結婚手続きをする気持ちは全くありませんでした。それなのになぜ結婚したのかは、彼の職業上の都合でした。彼は国家警察なので、突然彼の身に何か起こる可能性もあります。その何かあった際に、もし書類上家族という関係でなければ病院への出入りが出来ないということが関係したそうです。

スペインの結婚事情その5:スペインでの「婚活」という行動

これまでも書いてきましたが、スペイン人が結婚をするためにわざわざ活動を行うことは決してありません。彼らにとって結婚をすることが大きなことではないからです。パートナーを探したり恋をすることにはとても熱心で情熱を注ぐかもしれませんが、結婚をするために動くことはありません。

スペイン人にとって「日本人は結婚をするために活動をする」という感覚は、理解し難いものだと思います。結婚をすることが目的という感覚がないスペイン人にとって、結婚することに重点を置いている日本人の感覚は複雑なものに見えると思います。

まとめ – 編集部より

以上、「日本と比較した、スペインの結婚事情」でした。

スペインでは、日本ほど「結婚」という枠組みに捕らわれていないようです。近年、日本では行政や地方自治体が開催する「街コン」と呼ばれる婚活パーティーも盛んですが、スペインでは行政が「結婚」を手助けするというようなことはなさそうですね。

本記事は、2020年6月27日時点調査または公開された情報です。
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