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2020年度(令和2年度)国家予算補正予算で新規国債発行額が100兆円以上に!

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目次

はじめに - 2020年の国家予算について、新型コロナ対策費が大きく影響

新型コロナウイルス感染症の拡大に揺れた2020年でしたが、日本の当初の国家予算は、一般会計で見ると2年連続で100兆円を超える、最大規模のものでした。

しかし、新型コロナ対策については追加の予算として、12月に第3次補正予算として19兆円が計上されるなど、さらに国家予算の規模は拡大しています。19兆円の使い道は、新型コロナウイルスの感染防止や、ポストコロナに向けた経済構造の転換などを後押しする経済対策の実行などと、政府は説明しています。

今年度の予算はどのように使われる予定だったのか、今後どのように使われる予定なのか、2020年を振り返る意味でもまとめてご紹介します。

》日本の「国家予算」2020年度の内訳と推移

2020年度の日本の「国家予算案」が2月末に国会で可決されました。一般会計については、2019年には遂に100兆円を超えた国家予算。2020年度予算の内訳や、100兆円に至るまでの推移についてまとめました。

日本の国家予算の歴史。過去の国家予算の流れをグラフで解説

まず、日本の過去の国家予算の流れをグラフでご紹介します。

日本の国家予算のこれまでの変化を振り返ると、1990年ごろまでは、税収と歳出がそこまで大きく離れておらず、新規国債発行額は15兆円を超えない程度でした。

しかし1990年頃から、税収が落ちているのに歳出が膨らんでいる状態になっています。この税収の落ち込みは、バブル経済の崩壊と、そこから長期にわたる経済停滞に対する減税政策等が要因です。

また、税収の落ち込みに対しては、新規国債発行の増額で穴を埋めてきたため、国債発行額が急激に上がっていきました。

2010年代に入って税収は回復基調にあり、2020年度も消費税増税の効果で過去最大の63.5兆円となりました。しかし一方で、歳出も拡大しているため、国債の発行に頼る状況が続き、国の借金は増え続けています。このグラフの状態を財務省は「ワニの口」にたとえています。


チェックキーワード:「国債」って何?

国家予算の話題でよく登場する「国債」とは、簡単にいうと、国の借金のことです。国は、必要なお金が税収で足りないという場合に、債券を発行し、これを法人や個人に買ってもらうことで、資金を得ることがあります。

》日本の「国家予算」とは? - 約300兆円の内訳から使い道まで解説

日本の国家予算は一般会計100兆円程度、特別会計は200兆円規模だと言われており、合計で日本の国家予算は300兆円くらいと言われています。 今回は公務員としても、日本人としても知っておきたい日本の「国家予算」についてまとめました。

》【日本の借金は1000兆円って本当?】日本の借金の内訳、半分が国債

日本の借金は1000兆円を超えていつか財政破綻してしまうと言われていますが、それは本当なのでしょうか?今回は、「日本の借金」状況について、日本政府の連結バランスシートをもとに詳しく解説していきます。

▼参考URL:財務省|日本の財政を考える
(https://www.mof.go.jp/zaisei/current-situation/situation-dependent.html)

日本の国家予算 - 令和2年度予算のポイント「社会保障費」の充実

日本の令和2年度の国家予算のポイントを解説します。

2020年度(令和2年度)予算案(2019年12月20日閣議決定)の一般会計の総額は、過去最高の102兆6580億円でした。この予算案の段階で、100兆円を超えたのは、前年の2019年度に続き、2年連続です。

「社会保障費」の増額が、全体の予算増額につながっている

これだけ歳出が増えた最大の要因は「社会保障費」です。その総額は35兆8608億円で、国の歳出全体の34.9%を占めます。

「社会保障費」は前年度の当初予算と比較しても、1兆7302億円も増えています。高齢化などに伴う4111億円の増額に加えて、2019年10月の「消費税増税」と同時に増税対策のひとつとして始まった「幼児教育・保育無償化」や、2020年4月にスタートした「高等教育の無償化」などで支出が増えました。

「社会保障費」以外の予算増の要因について

「社会保障費」以外にも増えている予算があります。

まず、2020年度で特徴的なのが、増税による消費落ち込みを抑えるため、キャッシュレス決済した人に対するポイント還元事業に2703億円を計上している点や、マイナンバーカード保有者に対しても買い物ポイント還元する制度を導入し2478億円を計上している点です。

「防衛関係費」も毎年増額が続いており、2020年度は、宇宙・サイバー・電磁波など、「新領域の能力強化事業」などで前年度の当初予算の1.1%増となる、5兆3133億円の予算になりました。「防衛関係費」は6年連続で過去最高を更新しています。

歳入も増額。新規国債発行額は当初予算では横ばいでしたが、その後112兆円まで拡大中

一方で、歳入も増えており、税収が前年度と比較すると1.6%増の63兆5130億円でした。

新規国債発行額は当初予算では、前年度から0.3%減の32兆5562億円で、横ばいの状態が続いていました。


しかし、2020年度では新型コロナウイルス感染症による経済の停滞に対応するため補正予算が組まれたことで、その財源をほぼ国債の発行に頼ったこともあり、当初32兆円予想だった新規国債発行額は、第三次補正予算決定時には史上初の100兆円超えとなる112兆円まで膨らんでいます。

令和2年度予算の特徴は? - 補正予算財源のため、新規国債発行額が112兆円に!

上記でも説明しましたが、2020年度予算では、「社会保障費」の1.7兆円アップが大きな特徴です。

これは、2019年10月の消費税率引上げ(8%から10%)に伴う、社会保障の充実のための予算とされています。

そもそも消費税増税については、幼保無償化など社会保障の充実に充てられる予定で行われていますので、増えた税収で社会保障の充実が図られる計算でした。

8%から10%への引き上げたことで、消費税の税収は、2018年度の17.7兆円から2020年度の21.7兆円と、4.0兆円増得ています。

しかし、社会保障費は1.7兆円のアップにとどまり、さらに新規国債発行額は112兆円まで膨らむなど、国民の負担は増えたのに、国の借金も増えるばかりです。

これでは何のための増税なのか、社会保障費の残りの2.3兆円はどのように使われているのか、少しでも国が借金を増やさないように使われているのか、明確にはわかりません。

国の借金が増えているけれど、社会保障費に回されるのは消費税増税の一部に過ぎない状況について、お金の使い道が懸念されています。

》「国家予算」の国債費とは? 毎年返済する国が借りている借金の利子の返済

「国債費」は、国が借りている借金の利子などのことです。これは、国家予算の一般会計歳出の内訳の中で、社会保障関係費に次いで2番目に大きい費目です。本ページでは、「国債」の基礎知識や、「国債費」が2番目である理由などを解説します。

まとめ - 一般会計予算も100兆円、借金も100兆円の日本

このページでは、2020年の日本の国家予算についてご紹介しました。

日本の一般会計の当初予算は2年連続で100兆円を超えました。このほかに特別会計が純計額で200兆円ほどありますので、実際の日本の国家予算規模は300兆円ほどと見られています。

2020年の予算編成が行われていた2019年当時には、景気回復や増税による歳入の増加見込みもあり、2020年度当初予算では新規国債の発行額もやや減額の横ばいにとどまるなど、財政状況が回復する兆しも少し感じられていたようです。

しかし、2020年は新型コロナウイルス感染症が猛威をふるう中、日本経済は低調になり、企業の業績が悪化したことなどから、税収は当初予定していたより8兆円も減額してしまいます。

一度組んでしまった巨額の100兆円規模の歳出をまかなうために、また、新たに発生したポストコロナの経済回復の予算をまかなうために、更に新規国債を発行した結果、新規国債発行額の合計は前年の3倍近くの112兆円までになっています。

国家予算については、黒字だからいいというわけではありませんので、国債の発行自体は国家運営の手段として問題のないという見解もありますが、2020年度の国債の増え方は驚く方も多いのではないでしょうか。

日本の国家予算、国家会計が今後どう展開していくのか、注視する必要があると思います。

国家予算については、こちらのページでもご紹介していますので、合わせてご覧ください。


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本記事は、2021年1月20日時点調査または公開された情報です。
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この記事を書いた人

公務員総研の編集部です。公務員の方、公務員を目指す方、公務員を応援する方のチカラになれるよう活動してまいります。

コメント

コメント一覧 (1件)

  • 2020年の国家予算が、新型コロナ対策費にかなりの額が追加予算として計上されていると知れてよかったです。また国の借金が増え続けているというのも将来の不安感を覚えました。

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