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約300兆円!?日本人なら知っておきたい「日本の国家予算」について

日本の国家予算は一般会計100兆円程度、特別会計は200兆円規模だと言われており、合計で日本の国家予算は300兆円くらいと言われています。

今回は公務員としても、日本人としても知っておきたい日本の「国家予算」についてまとめました。

2018年07月03日更新

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目次
はじめに
国家予算が成立するまで
国家予算の財源は?
国家予算の使い道は?
ブラックボックス化している特別会計
特別会計は国会のチェックが働かない
まとめ
約300兆円!?日本人なら知っておきたい「日本の国家予算」について

はじめに

一般的に日本の国家予算は100兆円程度であると報道されています。実は、この国家予算は「一般会計」という国の事業に使うベーシックな費用だけの金額で、一般会計の他に法律によって予算の目的毎に特別会計という別枠の予算が設定されています。特別会計は200兆円規模だと言われており、一般会計と合わせると日本の国家予算は300兆円ということになります。

国家予算には一般的に報道されていないことも含めて、まだまだ公務員志望者が知っておかなければならない知識がたくさん存在します。本記事では公務員志望者が抑えておくべき国家予算の基礎知識について説明します。

国家予算が成立するまで

まずは国家予算について説明する上で、基本的な知識について確認します。日本の国はその年の4月から翌年の3月までを1会計年度として国会によって議決された予算に基づいて、行政事業を行っています。

一般的に予算作りは前年の9月ごろからはじまります。9月ごろに各省庁が財務省に対して概算要求を提出します。概算要求とは各省庁が来年度にどの位の予算が必要なのかを試算した見積もりのことで、財務省が概算要求を元に、国家予算案の全体案を作って政府に提出します。それを政府が検討して政府案として国会に提出します。政府案が決まるのがだいたい前年度の12月くらいです。

政府案は年明けから開催される通常国会によって審議されて国会の議決によって予算が承認されれば執行できるようになります。基本的には1年で使えるお金はその予算の枠内と決まっており、予定外の出費に対応する予備費という予算枠も設けています。しかし、どうしても災害や経済状況の悪化などによって追加の費用が必要な場合は補正予算という枠を追加で設けて対応します。もちろん補正予算を執行するためには国会の議決が必要となります。

もちろん、予算が通ればそれで終わりというわけではなく、前年度の予算が正しく使われたかの検証が行われます。執行された予算は会計検査院という予算の執行をチェックする機関が使い方の妥当性を検証した上で、その年の年末に決算として国会に提出されます。そして、国会が決算の承認をして1年度が終了となります。

国家予算の財源は?

では、国家予算の中身についてどう見れば良いのかということについてすでに決算が完了した平成28年度決算に基づいて説明します。まずは、国家予算の財源となる歳入について説明します。

平成28年度の歳入と歳出については財務省のホームページより確認できます。
https://www.mof.go.jp/budget/budger_workflow/account/fy2016/ke2911c.html

ちなみに上記の表では歳入の表に、歳入予算額と収納済歳入額という2つの数値が並んでいますが、歳入予算額とは予算の段階でどの見込んでいた歳入額、収納済歳入額とは実際に収納した歳入額のことを指します。

歳入のうち大きな割合を占めるのが、租税及印紙収入で歳入全体の55%程度を占めています。次に多いのが公債金で全体の40%程度を占めています。つまり、国家予算の財源の9割以上は税金と国債であると考えれば良いでしょう。

国債発行は悪いことなのか

理想的に考えれば借金は良くないので、100%税収や公営事業、財産の処分によって財源を確保するべきだと考えるかもしれませんが、必ずしも歳入に公債金が含まれていることが悪いことではありません。例えば、インフラを整備するとその年だけではなく、その後数十年に渡って恩恵を受けることができます。このように将来に対する投資は単年度の予算ではなくて、国債などによって財源を確保して将来に渡って恩恵と費用が発生するようにすることが妥当です。

増税によって財源を確保しようとすると、ビジネスや国民の消費活動が消極的になってしまうので結果として経済が衰退して、想定よりも税収が下がってしまうということも考えられます。

一概に国債が増えたから悪いと考えるのではなく何のために国債を発行しているのか、税収の財源は何によってもたらされているのか、税収を増やす代わりに経済成長が鈍化していないかを考察した方が良いでしょう。

国家予算の使い道は?

続いて、国家予算の使い道である歳出について分析してみます。

今回紹介している歳出は一般会計の歳出ですが、平成28年度の歳出は約100兆円で、そのうち3割以上を占めるのが社会保障関係費です。その次に多いのが国債費、地方交付税交付金となっています。歳出で注目するべきなのが、社会保障関係費と地方交付税交付金です。

社会保障関係費の増加は危険な傾向?

まず、社会保障関係費が増加するということは国家財政にとって非常に危険です。社会保障関係とは年金や医療、介護のために使われる費用で、国の福祉政策のために必要な予算ですが、一般的に投資効果はほとんどありません。

例えば、教育に費用を投下すれば、いずれ手厚い教育によって高度な知識や技術を身につけた人材が年収の高い職業に就いて納税という形でリターンを得られるでしょう。科学技術についても民間企業の国際競争力が高まれば、納税や雇用という形で国の繁栄に貢献します。

一方で、社会保障関係費は少子化対策費を除けば、ほとんど予算を投資してもリターンを得ることはできません。年金や医療費になって無くなってしまうお金なのです。よって、重福祉政策のために国債を発行したり、増税をするというのは非常に危険と考えられます。

当然、高齢世帯の生活を守るために現役世帯の負担が重くなりますし、国債によって福祉のための負債が将来世代に引き継がれます。他の予算と比較して、割合も大きく国民からの反発も想定されるために一番削らなければならない費用なのに、一番削りにくいのが社会保障関係費なのです。

地方交付税交付金をどうカットするのか?

続いて、注目するべきなのが地方交付税交付金です。東京都を除くほとんどの自治体は自立的な予算で運営することが困難で、地方交付税交付金の助けによって運営されています。

この地方交付税交付金は平成30年度まで6年連続削減されています。つまり、地方港税交付金に頼るのではなく、地方が自力で創生して自主財源で運営されるように促されているのだと考えることができます。

地方自治体の行政の仕事では国からどのように予算を獲得するかということが重要だと言われることがありますが、本質的に求められているのは地方が自立することで、予算の獲得は地方公務員にとって本質的に重要な仕事ではなくなっていくと考えられるので注意してください。

ブラックボックス化している特別会計

さて以上のことを踏まえて気になるのが、特別予算についてです。冒頭で説明した通り日本には毎年200兆円規模の特別会計が存在しています。一般会計は100兆円なので、国家予算の3分の2は特別会計ということになります。この特別会計について詳しく説明します。

特別会計とは何か

まずは特別会計とは何かということについて説明します。特別会計とは一般会計とは別に目的別に管理している予算のことを指します。上で説明した一般会計が家計の食費や水道光熱費に相当するのならば、特別会計は子供の教育のために学資積立や家の購入ための頭金のための貯金のようなものです。

特別会計は2018年6月現在、目的別に以下のような13項目が設定されています。
・交付税及び譲与税配付金特別会計
・地震再保険特別会計
・国債整理基金特別会計
・外国為替資金特別会計
・財政投融資特別会計
・エネルギー対策特別会計
・労働保険特別会計
・年金特別会計
・食料安定供給特別会計
・国有林野事業債務管理特別会計
・特許特別会計
・自動車安全特別会計
・東日本大震災復興特別会計

ちなみに平成28年度の特別会計は以下のようになっています。
https://www.mof.go.jp/budget/topics/special_account/28yosan_kibo.pdf

特別会計は国会のチェックが働かない

一般会計と特別会計の最大の違いが、特別会計には国会のチェックが必要ないことです。

冒頭で説明した通り、一般会計は成立するまで国会の議決を含めて成立するまでに長期に渡る手続きが必要となります。

一方で特別会計は、新たに特別会計を設置することを法律によって決定すれば、後は予算の内容について国会の議決は必要ありません。

よって特別会計には本当に必要な費用だけではなく、各官庁が天下りのために抱えている特殊法人のための費用になっているのではないかという指摘が行われています。

この特別会計が特に問題視されたのが小泉政権時代で、小泉政権は聖域なき構造改革というスローガンの元、特別会計の統廃合が行い、それまで21あった特別会計を18まで減少させました。

民主党政権時に「埋蔵金」という予算の無駄があるのではないかということで話題になりましたが、その埋蔵金は特別会計の中に含まれているのではないかと考えられていました。

いずれにしても特別会計には一般会計以上にチェックが働かないのでブラックボックス化していると言えます。

まとめ

以上のように国家予算の見方について説明してきました。

国の借金が増えている、毎年赤字になっていると言われることがありますが、黒字だから良い国家というわけではありません。黒字が多いということは国民から余分に税金を取っているということですし、黒字だからといって財政破綻しないわけではありません。

例えば、アイスランドは2008年に財政破綻しましたが、2007年まで黒字決算でほとんど政府債務もありませんでした。しかし、サブプライムローンに端を発する金融バブルの崩壊によって経営破綻に追い込まれました。

国家予算が黒字か赤字かよりも重要なことが経済成長と通貨の信用力です。

経済成長していれば、インフレによって政府債務は相対的に少なくなりますし、同じ税率でも税収は増加します。また、通貨に信用力があれば、自国通貨建てで国債を発行して海外から投資を集めることができますし、国債の返済に困ってもインフレを覚悟してお金を印刷すれば経済破綻することはありません。

公務員志望者は知識として国家予算の見方について知っていることも必要ですが、日本の情勢に関する大局観を養うために、経済に関する知識も身につけた方が良いでしょう。

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