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【国防予算は日本の4倍】中国の国家予算(約184兆円)の予算の内訳からや日本との比較まで解説

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中国の国家予算は日本円にして、およそ184兆円(2019年度)

中国の国家予算は、2019年の「中央一般公共予算」という資料をもとにすると、中央政府と地方政府の予算を合計して、11.4兆元、日本円にするとおよそ184兆円でした。(*レート:1円=約16元、2019年4月時点)

2019年度の日本の国家予算が約100兆円(*一般会計予算)で、日本は初めて100兆円を超えた予算となりましたが、中国はそれを上回る予算規模となりました。

中国は、日本以上に前年比での予算規模が膨らんでいるようです。

国家予算に関する記事はこちら

中国の国家予算の考え方

中国の国家財政は大きく分けると、中央政府の「中央財政」と、地方政府の「地方財政」に分けられており、その合計が国家財政として考えられています。

そして予算については、中央と地方それぞれ「予算内予算」と「予算外予算」という区分があります。

「予算内予算」とは正規の予算であり、日本でいうと「一般会計」のような予算と考えられます。「予算外予算」とは政府部門の事業収入や「費用」名目で徴収される収入を財源としている、「第二予算」のような存在で、日本の「特別会計」と似ているかもしれません。

中国の国家財政というと通常は、「予算内予算」のことを指すようです。

特に「予算外予算」は肥大化する傾向にあり、1993年の改革で部分的に見直され、中央政府の「予算外予算」は大幅に縮小されました。しかし、地方政府では「予算外予算」の収入が、2000年時点で地方政府の収入の55.9%を占めていたため、その後もその整理や統廃合が課題として残り続けています。

▼参考URL:甲南大学|中国の財政の仕組み
http://kccn.konan-u.ac.jp/keizai/china/08/03.html

中国の財政規模は、12年間で10倍に!

中国の国家財政規模、国家予算規模は、経済成長とともに大きくなりました。特に 2000年から2012年の12年の間に、約10倍に成長したようです。


この12年間については、年平均で前年比20%を超える規模で拡大し続けました。日本も近年は過去最高クラスの財政規模を記録していますので、日本と同じように、中国の予算規模もどんどん大きくなっていることがわかります。

中国国家予算で注目すべき「国防予算」は日本の約4倍

中国の国防予算は、日本の防衛省が発行している令和2年度の「防衛白書」によると、「約1兆2,680億元」でした。日本円に換算すると、1元16円の計算で、「約20兆2,881億円」ということになります。

日本の国家予算の国防費にあたる「防衛関係費」は令和2年度(2020年度)の予算でおよそ5.3兆円でしたので、中国の国防費が日本の約4倍にもなっていることがわかります。

▼参考URL:外務省|中国基礎データ
https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/china/data.html

中国が目指すのは、「世界一流の軍隊」との味方が

中国政府は、2020年に世界中で新型コロナウイルスの感染拡大が起こり、中国の国家経済が減速するなかでも軍備の増強を続けたことがわかります。

中国政府は2021年3月の全人代(全国人民代表大会)で、2021年度の予算案を発表し増田が、国防費について、去年よりさらに6.8%多い「1兆3553億人民元」、日本円に換算すると、「約22兆円」であることを明らかにしたようです。

2020年度と比較すると、増加額は約873億人民元、日本円では約1兆4500億円増えたという計算です。

中国の習近平国家主席は、21世紀半ばごろまでの目標として中国に「世界一流の軍隊」を作ることを示していて、具体的には国産空母を建造するなど、軍備の増強を続けているため、このような多額の予算が計上されているようです。

国家予算にも関連する「中国のGDP」は世界で2位

中国の2019年のGDP(国内総生産)は、中国国家統計局によると約99兆865億元、IMFによると、約14兆1,400億ドルでした。

日本の場合、2019年のドルに換算したGDPは約5.2億ドルであり、中国の約3分の1程度ということがわかります。

GDP上位国 イメージ画像

公務員総研編集部作成

キーワードチェック:GDPとは?

国内総生産(Gross Domestic Product)のこと。国内で生み出された、付加価値総額を計上している。国外に住む、自国民の生産分は対象に含まれない。

ただし、1人あたりGDPでは、中国は日本の4分の1程度

中国国家統計局の発表によりますと、2019年度の中国のGDPの総額は世界で2位ですが、これを1人あたりに換算すると、約70,892元、ドルでは約1万ドルという結果でした。

2019年度の日本の1人あたりGDPは約4万ドルでしたので、1人あたりのGDPを見ると、日本の方が高くなることがわかります。

ちなみに2019年度の1人あたりGDPで、日本は世界25位、中国は69位、1位はルクセンブルクで約11万ドルでした。


▼参考URL:グローバルノート
https://www.globalnote.jp/post-1339.html

まとめ

このページでは、中国の国家予算について、日本と比較しながらご紹介しました。

中国の国家予算は年々成長し続けており、特に国防費は日本の4倍にまで成長しています。

ただし、中国の1人あたりGDPは、人口が多いこともあり、まだ日本の4分の1程度で発展途上と言えます。

今後ますます経済成長し、1人あたりGDPが上がっていけば、国全体のGDPもますます上がっていき、その分、国家予算に回せる金額も増えていくことでしょう。国家の財政規模はますます大きく膨らんで行くことが予想されます。

中国の国家予算の伸び率は、中国の経済成長の勢いを示しています。今後も世界中からの注目が集まりそうです。

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本記事は、2021年4月1日時点調査または公開された情報です。
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公務員総研の編集部です。公務員の方、公務員を目指す方、公務員を応援する方のチカラになれるよう活動してまいります。

コメント

コメント一覧 (2件)

  • 最近よくニュースで耳にする米中冷戦などの言葉。あまり実感なく聞いていたが、何から手を付けて理解しようとすればいいかわからなかったが、国防予算という観点から知ることができたのが新しかった。国防予算の多さや、増加率を見ると、確かにこのままほっておいてはいけないと思ったが、具体的に国際社会として何が出来るのか、なぜ対策をできないでいるのかをもっと知りたいと思った。

  • 中国の知らなかったことがたくさん載っていました。中央と地方ではそれぞれの予算が分けられていることを今まで知らないことでした。

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