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コロナ地獄からの脱出に向けて、イタリアの2020年(2022年4月まとめ)

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目次

2020年、新型コロナウイルス、イタリアへ

2020年1月中国武漢で変な病気が流行り出したらしいというニュースが入ってきました。それでもイタリアにとっては遠い国中国の話でまさかそれがイタリアまでやってくるという恐怖はまだありませんでした。1月中旬になると、中国の旧正月で一斉に中国人が旅行に出かけます。

イタリアもその目的地の一つになることは誰にでも容易に考えられましたが、まだ誰にもイタリアがコロナの脅威にさらされるとは思っていませんでした。

ところが、イタリア居住の中国人の人達は違いました。武漢から来る中国人旅行者をマークし、どこのホテルに泊まってどこに移動してゆくのかをチャットグループでシェアし、注意喚起をし始めたのです。それでもイタリア人はまだ対岸の火事だと思っていました。

急速に拡大する新型コロナウイルス

2020年2月に入るとあちらこちらでイタリアでもコロナが報告され始めました。2月の1週間の学校中休みを利用して多くのイタリア人がスキーに出かけます。

都会ではコロナが出だしていましたがみんな山は安全だと思ってスキーを楽しんでいました。

ところが後になってそのスキー場がコロナの温床となり感染を拡大させたことがわかりました。どこもかしこも朝のラッシュの通勤電車のようなゴンドラが感染を拡大したのかもしれません。

1週間早く始まっていたイギリスの中休みでイタリアからのスキー帰りの人達が次々とイギリスでコロナウイルスを発症しだしました。

ロックダウンの始まり

中休みが終わり再登校になってもコロナ拡大の危険性が報告されると学校が開校されることはありませんでした。そこから先生達のオンライン授業のトレーニングが開始され、数週間後にオンラインレッスンが開始されるようになりました。それでもすべての子供たちがコンピューターに接続できるような環境にはいません。教育現場は大混乱となりました。

それと同時に日々の感染者数が急速に増え続け、1日の死亡者が100人を超え出したら1000人を超えるまでにはそう時間はかかりませんでした。

人々の外出は食品などの必要品の購入以外は禁止され、スーパーには長蛇の列が朝から晩まで続きました。外の空気を吸うのが怖いほどで、普段マスクなど付けないイタリア人がマスクを買い求めて薬局に出向いてもどこも売り切れで手に入れることがとても困難になりました。

未知のウィルスとの闘い

コロナウィルスがどのようなウィルスでどのように感染するのか、どのような症状がコロナであるのかなど毎日テレビで専門家が報告し合い、もし一つでも症状があるひとはホットラインに電話を入れるようにとテレビからメッセージが延々に流れ続けだし、誰しもがその恐怖におびえ出しました。


コロナで亡くなった人たちの棺がどんどん教会に運び込まれ、足の踏み場もないほどの数の間を司祭が歩きながらお祈りをしている映像がテレビで流れだしました。それから何日もしないうちに葬儀を取り仕切った司祭が次々と感染をして命を落としていったのです。

それからコロナの死亡者の体内からコロナウィルスがまき散らされることが報告され、亡くなった後も親族に合うことも許されない遺体が次々と荼毘に付されてゆきました。

イタリアはキリスト教徒が70%以上占める国であり、遺体は土葬が一般的です。ところがコロナが死因の遺体は土葬が禁じられたため火葬場がその処理に追いつかなくなりました。遠くの火葬場へと遺体を移送してゆかなければならなくなったのです。

毎日朝から晩まで町に鳴り響くのは救急車のサイレンだけでした。町の中には誰も歩いていないのだから音をたてずに走ってほしいと町の人達は願いました。

命の選択

コロナ感染者が急増すると病院も受け入れが難しくなってくるのは当然です。

助かる人を先に助けようと、85歳以上に対しては呼吸器をつけられませんという発表がなされたかと思うと、すぐに80歳、70歳とその年齢は下がって行きました。

「私はもう年だから若い人に呼吸器を回してください」と言って亡くなっていった司祭の話がテレビで流れてくると本当に助かる命が選択されているんだと恐怖を感じてゆきました。

コロナ感染者が出るとその家やアパートなどの消毒がなされます。入口がビニールテープで巻かれると一目でコロナ感染者が出たことがわかります。

だんだん誰しもが疑心暗鬼になり、人と話すことを恐れだしました。テレビで東洋人が狙われて暴力を振るわれている様子が映し出されると東洋人である日本人もその標的にされる可能性があるため、極力買い物も短時間ですませるようにと心がけました。

日本人の活躍

そんな毎日が暗く光が見えないような状態の中、イタリアに住む日本人の人達がイタリア人に勇気を与えるために立ち上がりました。

イタリア・クレモナ在住の日本人ヴァイオリニスト横山令奈さんは感染がひどかったクレモナの病院の屋上からクレモナの地元の人々や病院で働く人を少しでも勇気づけようと演奏をした様子はYouTubeで流され多くの感動を起こしました。(クレモナはヴァイオリン製造でとても有名な町です。)

イタリア・マントヴァ市在住の日本人オペラ歌手の原あいらさんは、ロックダウン中に自宅のベランダからオペラを歌うなど暗くなったイタリアを明るくしてくれたのです。

乗り越えられる危機

いつもは自由奔放のイタリア人ですが、今回のコロナではみんなが一丸となって戦い、励まし合ってどうにかここまで乗り越えられてきました。今はロックダウンの規制も解かれ、人々は自由に移動することが出来ますし、学校も普通に再開されています。

まとめ

まだまだ続くコロナですが、これからも注意をしながら共存してゆくことになるでしょう。

参考資料サイト

The history of the coronavirus from the beginning (ilsole24ore.com)


クレモナ発 〓 ヴァイオリニストの横山令奈が地元の病院の屋上で世界に癒やしの調べ | 月刊音楽祭 (m-festival.biz)

ソプラノ歌手 原あいら オフィシャルホームページ (https://www.haraaira-official.com/)

本記事は、2022年5月10日時点調査または公開された情報です。
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この記事を書いた人

公務員総研編集部のMです!
世界の情報や日本の歴史・日本の政治についてなどのライター記事やオリジナル記事を配信します。

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