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諸外国の政治体制シリーズ

大統領制と議院内閣制の中間に位置する政治システム「半大統領制」とは何か?

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目次

半大統領制とは?

半大統領制(はんだいとうりょうせい)とは、議院内閣制の枠組みを採用しながら、国家元首として大統領を有する政治制度です。

現在、半大統領制を採用している主な国はドイツ、ロシア、フランスなどがあります。


半大統領制の特徴

【1】大統領と首相の両方が存在
国家の元首は大統領であり、通常は国民の直接選挙によって選ばれます。一方で、政府の長は首相であり、議会からの信任に依存します。

【2】権力の分担
大統領は国家の代表としての役割を担い、外交や国防などの分野で重要な役割を果たします。一方、首相は日常の政府運営を担当し、議会との調整を行います。

【3】議会の役割
議会は立法機能を担い、政府(首相と閣僚)の行動を監視します。また、首相は議会の信任に基づいて活動するため、議会との関係が重要になります。

【4】政治的安定性と効率性のバランス
半大統領制は、大統領制の政治的安定性と議院内閣制の民主的説明責任をバランスよく組み合わせたシステムです。


首相と大統領の権限が不均衡な国

例えばドイツには首相と大統領が両方いますが、行政や軍事の権限は首相が担い、大統領の権限は中立的権力と定められ、職務は儀礼的、形式的なものにとどめられています。

ドイツの大統領が形式的なのは、ヒンデンブルク大統領の時代に不安定な政治が続き、結果としてナチスの権力掌握を許してしまった、歴史への反省が反映されているからです。

同じヨーロッパ諸国でもロシアのプーチン大統領は、政治、軍事、外交など、全てにおいて巨大な権力を持ち、首相の任命や内閣の総辞職や議会の解散に至るまで、国内外ほぼ全ての権限を握っています。首相は内政のみに責任を負い、外交や国防の関連省庁の所轄権限を保持していません。ロシアの政治制度は、半大統領制と言うより、首相がいる大統領制と呼べるかもしれません。


首相と大統領の権限がほぼ均等な半大統領制の国

フランス大統領は、直接選挙で国民によって選出されます。そして政府のリーダーである首相は、議会において下院の指名によって選ばれ、議院内閣制の要素が濃くみられます。

ニュースなどで大統領を目にする頻度が高いので、フランスも大統領の方が首相より権限が強そうですが、それは大統領が主に外交、首相が内政の問題を担当しているからです。このように首相と大統領はどちらも共に力を持ち、お互いの役割と権力が分担されているフランスの政治体制は、典型的な半大統領制と言われています。

まとめ

国によって体制は多少異なりますが、半大統領制とは、明らかな議院内閣制でも大統領制でもない、どちらも採用する“いいとこ取り”の政治体制と言えるのではないでしょうか。

訂正とお詫び

誤)フランス大統領はアメリカ大統領と同じく、直接選挙で国民によって選出されます。
正)フランス大統領は、直接選挙で国民によって選出されます。

アメリカ合衆国大統領選挙は、正しくは「間接選挙」でした、訂正してお詫び申し上げます。 (訂正日:2023年11月24日)

本記事は、2022年7月17日時点調査または公開された情報です。
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この記事を書いた人

公務員総研編集部のMです!
世界の情報や日本の歴史・日本の政治についてなどのライター記事やオリジナル記事を配信します。

コメント

コメント一覧 (2件)

    • 大変失礼いたしました、アメリカ合衆国の大統領選挙は「間接選挙」でした。お詫びして訂正いたします。コメントありがとうございました。

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