諸外国の政治体制シリーズ

「半大統領制」とは何か?半大統領制を採用している国について

世界には、一つの国の中に大統領と首相が両方存在する、半大統領制という制度を採用している国もあります。今回はそんな半大統領制を用いる国の政治形態について解説します。


半大統領制とは?

半大統領制とは、議院内閣制の枠組みを採用しながら、国家元首として大統領を有する政治制度です。

半大統領制の主な国はドイツ、ロシア、フランスなどがあります。

首相と大統領の権限が不均衡な国

例えばドイツには首相と大統領が両方いますが、行政や軍事の権限は首相が担い、大統領の権限は中立的権力と定められ、職務は儀礼的、形式的なものにとどめられています。

ドイツの大統領が形式的なのは、ヒンデンブルク大統領の時代に不安定な政治が続き、結果としてナチスの権力掌握を許してしまった、歴史への反省が反映されているからです。

同じヨーロッパ諸国でもロシアのプーチン大統領は、政治、軍事、外交など、全てにおいて巨大な権力を持ち、首相の任命や内閣の総辞職や議会の解散に至るまで、国内外ほぼ全ての権限を握っています。首相は内政のみに責任を負い、外交や国防の関連省庁の所轄権限を保持していません。ロシアの政治制度は、半大統領制と言うより、首相がいる大統領制と呼べるかもしれません。

首相と大統領の権限がほぼ均等な半大統領制の国

フランス大統領はアメリカ大統領と同じく、直接選挙で国民によって選出されます。そして政府のリーダーである首相は、議会において下院の指名によって選ばれ、議院内閣制の要素が濃くみられます。

ニュースなどで大統領を目にする頻度が高いので、フランスも大統領の方が首相より権限が強そうですが、それは大統領が主に外交、首相が内政の問題を担当しているからです。このように首相と大統領はどちらも共に力を持ち、お互いの役割と権力が分担されているフランスの政治体制は、典型的な半大統領制と言われています。

まとめ

国によって体制は多少異なりますが、半大統領制とは、明らかな議院内閣制でも大統領制でもない、どちらも採用する“いいとこ取り”の政治体制と言えるのではないでしょうか。

本記事は、2022年7月17日時点調査または公開された情報です。
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