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【目指せ!外交官】かつてはユーゴスラビアに属していた「セルビア共和国」の基礎知識(2021年6月調査情報)

世界の国特集、今回紹介するのは、南東ヨーロッパ、バルカン半島中西部の内陸に位置する共和制国家「セルビア共和国」です。

「セルビア共和国」は、北にハンガリー、北東にルーマニア、南東にブルガリア、西にボスニア・ヘルツェゴビナ、南に北マケドニア、南西にモンテネグロと国境を接国です。

外交官になるなら押さえておきたい国の基本知識です。


「セルビア共和国」ってどんな国?

「セルビア共和国」の正式名称はセルビア語で「Република Србија」「Republika Srbija」、英語では「Republic of Serbia」です。漢字では「塞爾維亜」と表記し、その他「塞爾維、塞耳維、塞耳比、塞爾浜、設而非亜、梭斐」などとも表記されます。

「セルビア共和国」の広さ 面積・場所について

「セルビア共和国」の面積は約77,474平方キロメートルで、北海道とほぼ同じ大きさです。

「セルビア共和国」の場所は、南東ヨーロッパ、バルカン半島中西部の内陸にあり、北にハンガリー、北東にルーマニア、南東にブルガリア、西にボスニア・ヘルツェゴビナ、南に北マケドニア、南西にモンテネグロと国境を接し、同国のヴォイヴォディナ自治州部は西にクロアチアが接しています。

「セルビア共和国」の首都について

「セルビア共和国」の首都は「ベオグラード」で、「ベオグラード」は、バルカン半島、パンノニア平原の中にあり、ドナウ川とサヴァ川の合流地点に広がっています。

「ベオグラード」の人口は、2007年現在で、約1,75万6,534人です。

「セルビア共和国」の人口について

「セルビア共和国」の人口は、2018年に調べた時点で700万人であり、人口密度は、約89.53人で、第89位です。

「セルビア共和国」の成り立ちについて

「セルビア共和国」は、6世紀~7世紀にセルビア人等スラブ系民族がバルカン半島に定住、11世紀にセルビア王国建国、14世紀のドゥシャン王の時代に大いに栄えました。

1389年にオスマン・トルコに敗北し、その支配下となり、1878年にベルリン条約によりセルビア王国の独立承認、1918年に第一次世界大戦後、「セルビア人・クロアチア人・スロベニア人王国」(後のユーゴスラビア王国)が建国されました。

1941年に第二次世界大戦中、ナチス・ドイツによって占領、ユーゴスラビア王国が消滅、1945年に「ユーゴスラビア連邦人民共和国の1共和国となり、1992年にユーゴ解体の中で、モンテネグロとともに「ユーゴスラビア連邦共和国」を建国されました。

1999年にコソボ紛争により、NATO空爆を受け、コソボが国連の暫定行政下となり、2003年に「セルビア・モンテネグロ」に国名が変更されました。

2006年にモンテネグロの独立(6月)によって「セルビア共和国」となり、2008年にコソボがセルビアからの独立を宣言、2014年にEU加盟交渉開始されました。


「セルビア共和国」の国民・宗教・言語について

「セルビア共和国」の国民について

「セルビア共和国」の人種割合は、セルビア人が約82.86パーセント、マジャル人が約3.91パーセント、ボシュニャク人が約1.82パーセント、ロマが約1.44パーセント、ユーゴスラビア人が約1.08パーセント、クロアチア人が約0.94パーセント、モンテネグロ人が約0.92パーセント、アルバニア人が約0.82パーセントなどとなっています。

「セルビア共和国」の宗教について

「セルビア共和国」の国家宗教は、セルビア人のほとんどは正教会の信者であり、セルビア正教会に属しています。

また、マジャル人やクロアチア人の多くはカトリック教会、ボシュニャク人やアルバニア人はイスラム教が多く存在します。

「セルビア共和国」の言語について

「セルビア共和国」の公用語は、セルビア語ですが、セルビア人の言語はセルビア語、クロアチア人はクロアチア語、ボシュニャク人はボスニア語が使用されています。

「セルビア共和国」の経済状況について

「セルビア共和国」の通貨はディナールで、GDPは約505億米ドルで、世界82位です。そして、一人当たりのGDPは約7,635.65米ドルで、世界76位です。

「セルビア共和国」の貿易について

「セルビア共和国」の貿易相手は主に、輸出が、ドイツ、イタリア、ボスニア・ヘルツェゴビナで、輸入が、ドイツ、ロシア、イタリアとなっています。

「セルビア共和国」の主な輸出品目は、送配電機材、タイヤ関係ゴム製品、発電関係装置・部品、鉄または非合金鋼の圧延製品で、輸入品目は、石油・鉱物油・原油・原油以外の油、医薬品、天然ガス、自動車、電気機械、工業機械・機器、鉄鋼です。

「セルビア共和国」の政治・政策について

政治体制について

「セルビア共和国」は、共和制で、議会は、定数250名の一院制です。

「セルビア共和国」の政策

「セルビア共和国」は、2012年4月4日、タディッチ大統領が任期を10か月残して大統領職を辞任したことにより、セルビア大統領選挙がセルビア議会選挙および地方選挙と同日の5月6日に実施されました。

その結果、与党民主党党首のタディッチ候補と野党セルビア進歩党党首のニコリッチ候補の上位2名による決選投票が実施されることとなり、5月20日の決選投票で、第1回投票で僅差の2位だったニコリッチ候補が逆転して、セルビア大統領に当選しました。

セルビア議会選挙については、野党勢力のセルビア進歩党連合が73議席を獲得し第1勢力となったものの、同連合単独では議会内過半数を制することができなかったことから、諸政党間で連立協議が行われました。

その結果、7月10日に第1勢力のセルビア進歩党連合、第3勢力のセルビア社会党連合および第6勢力のセルビア地域連合による連立合意が成立し、7月23日にダチッチ・セルビア社会党党首を首班とする、連立政権が発足されました。

ダチッチ政権は、EUへの統合の推進と投資誘致、雇用創出、財政赤字の削減等による景気回復を最重要課題とするとともに、コソボについては独立未承認の立場を堅持しつつ、EU仲介のコソボとの「ベオグラード・プリシュティナ間対話」におけるこれまでのすべての合意を履行し同対話を継続する方針を掲げました。

民主党が分裂するなど野党勢力が低迷する中、セルビア進歩党は更なる党勢の拡大を目指して議会解散・総選挙を主導し、2014年3月16日に投票が行われました。

セルビア進歩党を中心とする連合は全議席の6割を超える議席を獲得して圧勝し、同年4月27日、ブチッチ同党党首を首班とするセルビア社会党連合との連立内閣が発足されました。


ブチッチ政権は、議会に強い基盤を有しており国民の支持率も高く、EU加盟に向けた行財政・司法改革や汚職対策、投資誘致等に取り組んだ。

2016年3月、ブチッチ首相は更なる改革に対して国民の支持を得るため、議会を解散して総選挙を実施することを決定し、4月24日に前倒し総選挙が行われました。

この選挙の結果、セルビア進歩党が再び勝利し、セルビア進歩党とセルビア社会党の連立を中心とする第2次ブチッチ政権が発足されました。

2017年4月、任期満了に伴う大統領選挙が行われ、現職首相のブチッチ候補が第一次投票で過半数の票を獲得し、当選しました。これを受け、ブチッチ首相は首相の座を辞任し、同年5月31日、大統領に就任しました。

ブチッチ大統領は、自身の大統領就任により首相の座が空席になったことを受け、ブルナビッチ地方自治・行政大臣が首相候補に指名されました。

2017年6月29日、議会はこれを承認し、ブルナビッチ政権が発足され、2020年6月21日に総選挙が実施され、セルビア進歩党が250議席中188議席を獲得し、同年10月に再びブルナビッチ首相を首班とする内閣が発足されました。

「セルビア共和国」の元首・首相・外相について

「セルビア共和国」の元首について

「セルビア共和国」の元首は、アレクサンダル・ブチッチ大統領です。

「セルビア共和国」の首相・外相について

「セルビア共和国」の首相は、アナ・ブルナビッチで、外相は、ニコラ・セラコビッチです。

「セルビア共和国」の国防・軍事制度・兵役について

「セルビア共和国」は、2008年7月に発足された民主党、G17プラスおよびセルビア社会党を中心とした連立政権は、EUへの加盟を最優先課題とし、 2009年12月にEUへの加盟を申請しました。

セルビアは、EU側が加盟プロセス進展の条件とした旧ユーゴ国際刑事裁判所(ICTY)との協力に関し、2011年6月のムラディッチ被告人および同年7月のハジッチ被告人の逮捕・ICTYへの移送によりEU側が完全に満足のいく水準まで達成しました。

また、2011年3月から実施しているEU仲介によるコソボとの「ベオグラード・プリシュティナ間対話」において、コソボの地域フォーラムへの参加や検問所の統合管理を含む7つの合意に達したことなどが評価され、2012年3月の欧州理事会にてセルビアにEU加盟候補国の地位が付与されました。

セルビアは、2006年12月にNATOから平和のためのパートナーシップ(PfP)への参加を認められ、また、2010年9月にはブリュッセルにセルビアのNATO代表部を開設する一方で、軍事的中立政策を取っています。

なお、国連には2000年11月に加盟しました。

2008年2月のコソボによるセルビアからの独立宣言に対し、コソボ独立に反対するセルビアは、2008年10月、国連を通じて国際司法裁判所にコソボ独立問題を付託し、2010年7月、同裁判所がコソボの独立宣言は国際法に違反しないとの勧告的意見が発表されました。

2010年9月、セルビアはEUとの協議を経て、EUがセルビアとコソボとの対話のプロセスを促進する用意がある旨の決議案を国連総会にEUと共同で提案し、同決議案は採択されました。

セルビアは、コソボの独立は認めないとの立場を堅持しつつも、EU仲介によるコソボとの「ベオグラ-ド・プリシュティナ間対話」を2011年3月から2012年2月まで合計9回実施しました。

2013年6月、欧州理事会は、同4月および5月のセルビア・コソボ間合意を評価して、セルビアとの間でEU加盟交渉を開始することを決定し、セルビアのEU加盟交渉は2014年1月に開始されました。

セルビアのEU加盟に当たっての要交渉項目は計35項目で、セルビアはEUとの間で、2015年3月までに全項目に関するスクリーニングが終了しており、2019年8月現在、17項目で本交渉が開始されています。

2018年11月のインタポール総会で加盟に失敗したコソボがセルビアへの報復としてセルビア産品に対し100パーセント関税が導入されました。


セルビアは、同関税が撤廃されるまでは対話に応じないとの姿勢を示したが、コソボは同関税を撤廃する姿勢をみせず、同対話は中断しています。

2020年6月に100パーセント関税が完全撤廃され、7月より、コソボとセルビアの対話が再開、2020年9月、米国の仲介により、コソボとの間で経済関係の正常化に関する合意が成立されました。

軍事力は、2016年4月現在、総兵力が約3万8,000人です。

「セルビア共和国」と「日本」の関係は?

「セルビア共和国」と「日本」の政治関係は、日本は2006年6月16日、セルビアがセルビア・モンテネグロを承継することを確認しました。

経済関係は、日本の対セルビア貿易額・品目において、2018年現在、輸出が約16億円で、輸出品目は、自動車、自動車部品、金属加工機械、タイヤ・チューブで、輸入が約313億円で、輸入品目は、紙巻たばこ、果実、衣類、化学製品、天然ゴム製品です。

日系企業による直接投資は、7件です。

文化関係は、日本の文化無償資金協力により、セルビアの文化・芸術団体に対して楽器、視聴覚機材、音響・照明機材等が供与、、草の根文化無償資金協力により、セルビアの世界遺産の修復・保全のための機材、日本語教育施設のLL教室機材等が供与されました。

在留邦人数は、2020年現在、13人です。

まとめ

以上、国特集「セルビア共和国」でした。

ちなみに、「セルビア共和国」の男子サッカーFIFAランキングでは、2020年11月の時点では「25位」でした。

本記事は、2023年2月2日時点調査または公開された情報です。
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