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【目指せ!外交官】1989年ベルリンの壁崩壊により東西が統一された「ドイツ連邦共和国」の基礎知識(2021年6月調査情報)

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目次

「ドイツ連邦共和国」ってどんな国?

「ドイツ連邦共和国」の正式名称はドイツ語で「 Bundesrepublik Deutschland」、英語では「 Germany」です。漢字では「東独」と表記し、その他「德意志民主共和國、民主德國、東德」などとも表記されます。

「ドイツ連邦共和国」の広さ 面積・場所について

「ドイツ連邦共和国」の面積は約35.7万平方キロメートルで、日本の約94パーセントの大きさです。

「ドイツ連邦共和国」の場所は、北緯47 – 55度(ジルト島の北端が55度)、東経5 – 16度の範囲にあり、西欧および中欧に属し、北にデンマーク、東にポーランドとチェコ、南にオーストリアとスイス、南西にフランスとルクセンブルク、そして北西にベルギーとオランダとそれぞれ国境を接しています。

「ドイツ連邦共和国」の首都について

「ドイツ連邦共和国」の首都は「ベルリン」で、「ベルリン」は、ドイツ東部のポーランドとの国境から西側に60キロメートル離れた場所に位置しています。

「ベルリン」の人口は、2019年現在、約3,66万9,491人です。

「ドイツ連邦共和国」の人口について

「ドイツ連邦共和国」の人口は、独連邦統計庁が2020年に調べた時点で約8,319万人であり、人口密度は、約232.92人で、第41位です。

「ドイツ連邦共和国」の成り立ちについて

「ドイツ連邦共和国」は、378年にゲルマン民族、ローマ帝国領内に侵入、911年に選挙王政による初代ドイツ国王コンラート一世が即位、962年に神聖ローマ帝国が成立しました。

1701年にプロイセン王国が成立、1871年にドイツ帝国が成立、1918年にドイツ革命、ワイマール共和国が成立、1933年にヒトラー首相に就任、ナチ党の一党独裁制が確立しました。

1949年に西独基本法が成立、西独、東独が成立、1955年にパリ条約が発効、西独主権を取得、西独がNATOに加盟、東独がワルシャワ条約機構に加盟、1961年に「ベルリンの壁」が構築されました。

1972年に東西両独いて基本条約が締結、関係が正常化、1973年に東西両独が国連加盟、1989年11月に「ベルリンの壁」が崩壊、1990年7月に両独通貨・経済・社会同盟が発足されました。

1990年9月に両独間「統一条約」が発効、1990年10月3日に統一されました。


「ドイツ連邦共和国」の国民・宗教・言語について

「ドイツ連邦共和国」の国民について

「ドイツ連邦共和国」の人種割合は、国民の約8割はゲルマン系のドイツ語を母語とするドイツ民族です。

ドイツ民族は欧州諸民族の例にもれず、地域ごとに文化的差異が大きく、おおむねゲルマン系の民族として認識されています。

しかし、南部のバイエルン地方については、自己をドイツ民族ではなくバイエルン民族と定義する場合も多く、エスニックジョークの題材にもされています。

厳密にはゲルマン民族の中のバイエルン族(オーストリア人なども含まれる)など複数の支族がドイツ語という共通点によってドイツ民族の名で包括されているのが実態で、各支族はケルト人やスラヴ人との結びつきによって差異もあり、同時に支族間のボーダーレスもあって状況は単純ではありません。

ほかに北東部のラウジッツ地方には西スラヴ語群系の言語を話すソルブ人、バルト海沿岸部のフリースラント地方にはアングロ・フリジア語系の言語を話すフリジア人がそれぞれ存在します。

またシュレースヴィヒ=ホルシュタイン州には隣接するデンマーク王国の主要民族であるデンマーク人の居住区が広がるほか、ポーランドと国境を接する歴史からポーランド系ドイツ人の定住も長い歴史を持っています。

1987年以降は約300万人のおもに東ヨーロッパや旧ソ連から移民した民族ドイツ人がドイツに再定住する動きも起きていますが、2000年以降、亡命と移民に対して無制限だった以前の法律が改正された結果、亡命地を求める移民や民族ドイツ人を主張する人々の移住は減少しています。

「ドイツ連邦共和国」の宗教について

「ドイツ連邦共和国」の国家宗教は、キリスト教で2008年現在で信者数は約5,150万人で、全人口の約62.8パーセントにあたります。

このうち約30パーセントがカトリック、約29.9パーセントがドイツ福音主義教会に属する福音主義信徒です。

ドイツ福音主義教会には20の州教会が加盟しており、常議員会議長がドイツ福音主義教会を代表しています。

その他は小宗派が各々0.5パーセント以下となっており、福音主義教会信徒は北部と東部、ローマ・カトリック教会信徒は南部と西部に多く存在しています。

南部であっても、バイエルン州北部ニュルンベルクとその周辺やバーデン=ヴュルテンベルク州北部シュトゥットガルトとその周辺では福音主義教会信徒も多く、約1.6パーセントは正教会です。

2番目に大きな宗教がイスラム教で、約380万 – 430万人で、全人口の4.6 – 5.2%にあたり、次いで仏教徒が約25万人、ユダヤ教が約20万人、ヒンドゥー教徒が約9万人で、これ以外の宗教の信者は約5万人以下となっています。

400万人のイスラム教徒のほとんどはトルコからのスンニ派またはアレヴィー派ですが、少数のシーア派や小分派も存在し、ドイツのユダヤ人人口はフランス、イギリスに次いでヨーロッパで3番目となっています。

仏教徒の約50パーセントパーセントは、アジアからの移民、約34.1パーセントが無宗教で、旧東ドイツ地域と大都市圏に多く存在します。


宗教的多様性と国家干渉主義の両方の伝統を持つ中央ヨーロッパ、とりわけ旧東ドイツの各州においてゼクト(カルト)団体が増加しているドイツでは、予防啓発とゼクト脱退者保護の政策が地方レベルで実施され、ゼクト担当委員のポストが各州に創設されました。

「ドイツ連邦共和国」の言語について

「ドイツ連邦共和国」の公用語は、ドイツ語で、ドイツ語は欧州連合の23の公用語のひとつであり、欧州委員会の3つの作業言語のひとつとされています。

ドイツで公認されている少数言語は、デンマーク語、低地ドイツ語、ソルブ語、ロマ語、そしてフリジア語で、正式にヨーロッパ地方言語・少数言語憲章(ECRML)によって保護されています。

移民の間でもっとも使用される言語は、トルコ語、クルド語、ポーランド語、バルカン系諸言語、およびロシア語で、ドイツ国民の約67パーセントが2つ以上の言語を話し、約27パーセントは3つ以上の言語を使用しています。

標準ドイツ語は、西ゲルマン語群であり、英語、低地ドイツ語、オランダ語、そしてフリジア語と密接に関連し、分類されています。

低い割合ではあるが、東ゲルマン語群(死語)と北ゲルマン語群とも関係し、ほとんどのドイツ語の語彙は、インド・ヨーロッパ語族のゲルマン分岐から派生しています。

単語の相当数がラテン語やギリシャ語からの派生であり、またフランス語そして最近の英語からも含まれ、ドイツ語はラテン・アルファベットを使用して書かれています。

ドイツ語方言は、その語彙、音韻や文法規則で標準ドイツ語からの言語変種に分類され、2011年現在、少数言語の研究団体エスノローグはドイツ連邦共和国内に以下を含む28言語の存在を認めています。

1)ドイツ語(国家公用語)

2)低ザクセン語(北ドイツ)

3)上ザクセン語(ザクセン州)

4)アレマン語(バーデン=ヴュルテンベルク州)

5)バイエルン語(バイエルン州)

6)リンブルフ語(ノルトライン=ヴェストファーレン州の一部)

7)マインツ語(マインツ市)

「ドイツ連邦共和国」の経済状況について

「ドイツ連邦共和国」の通貨はユーロで、GDPは約3,862億米ドルで、世界4位です。そして、一人当たりのGDPは約45,732.80米ドルで、世界16位です。

「ドイツ連邦共和国」の貿易について

「ドイツ連邦共和国」の貿易相手は、主に、輸出が米国、フランス、中国、オランダ、英国で、輸入が中国、オランダ、米国、フランス、ポーランドとなっています。

「ドイツ連邦共和国」の主要産業は、自動車、機械、化学・製薬などです。

「ドイツ連邦共和国」の政治・政策について

政治体制について

「ドイツ連邦共和国」は、連邦共和制で、議会は二院制で、議席598議席、任期4年の連邦議会と、議席69議席の連邦参議院です。


「ドイツ連邦共和国」の政策

「ドイツ連邦共和国」は、1949年の西独成立以来、一貫して連立政権を貫いてきました。

戦後は、概ねCDU/CSUとSPDの二大政党の間で、小党FDPがキャスティング・ボートを握る形で連立政権が構成され、1970年代末以降は環境問題に対する関心の高まりを背景に「緑の党」が台頭し、1998年には連立政権に参加しました。

また、統一以降は、旧東独市民の現状への不満票を吸収して旧東独政権党の流れをくむPDSが議会に進出しました。

2005年11月22日に就任したメルケル首相は、ドイツ史上初の女性かつ旧東独出身の首相で、就任当初は指導力不足を懸念する声もありました。

しかし、EU議長国およびG8議長国としての成功や、近年での欧州債務危機への手堅い対応、ウクライナ情勢や英国のEU離脱を巡る強いイニシアティヴなどにより、国民の高い人気を集めてきました。

2017年2月12日、ガウク大統領の任期満了に伴う大統領選挙において、フランク=ヴァルター・シュタインマイヤー前外相が選出されました。

2017年9月24日に実施された連邦議会選挙においては、CDU/CSUは第一党を維持したものの戦後二番目に低い得票率となり、連立パートナーであったSPDは史上最低の得票率に後退しました。

また、反ユーロを掲げ、メルケル首相の寛容な難民政策を批判する「ドイツのための選択肢(AfD)」が初めて連邦議会に議席を獲得した。政権樹立に向けた各党間の調整が行われた結果、2018年3月第4次メルケル政権が発足されました。

2018年10月、メルケル首相は州議会選挙での得票率大幅減という結果等を受け、今次立法会期末の2021年までは首相職を続ける意向を示す一方、2018年12月の定例CDU党首選には出馬せず、CDU党首から退任し党首選の結果、クランプ=カレンバウアー氏が党首に就任しました。

2019年5月の欧州議会選挙の結果も相まって、6月には連立パートナーであったSPDのナーレス党首が辞任し、同年12月には新たにエスケン氏とヴァルター=ボルヤンス氏が共同党首として選出されました。

2020年2月、クランプ=カレンバウアー党首は、テューリンゲン州首相選出を巡る混乱を受け、党首辞任を表明しました。

2020年3月以降、コロナ危機における危機管理が評価され、メルケル首相及び同首相率いるCDU/CSUの支持率は一旦上昇しましたが、一部連邦議会議員の汚職事件やコロナ禍での長引く制限措置に対する国民の不満などの理由により、再び低下傾向にあります。

2021年1月のCDU党大会でメルケル路線の継承を掲げるラシェット・ノルトライン=ヴェストファーレン州首相が党首に選出され、9月には連邦議会選挙が予定されています。

「ドイツ連邦共和国」の元首・首相・外相について

「ドイツ連邦共和国」の元首について

「ドイツ連邦共和国」の元首は、フランク=ヴァルター・シュタインマイヤー大統領です。

「ドイツ連邦共和国」の首相・外相について

「ドイツ連邦共和国」の首相は、アンゲラ・メルケル(CDU)で、外相は、ハイコ・マースです。

「ドイツ連邦共和国」の国防・軍事制度・兵役について

「ドイツ連邦共和国」は、独の外交・安全保障政策は、従来より欧州統合の積極的推進とNATOを軸とする大西洋関係を基本としてきました。

また、「ドイツのための欧州」ではなく、「欧州のためのドイツ」を標榜してきました。

メルケル首相は、長期にわたる政権と強力な経済力を背景として、EU首脳の中で大きな影響力を有しており、欧州経済危機、ウクライナ情勢、難民問題、英国のEU離脱等の対応において大きな存在感を示しています。

なお、2020年9月、ドイツ政府は「インド太平洋ガイドライン」を発表するなど、インド太平洋地域への関心の高まりも見られます。

国防予算は、2020年現在、約456億ユーロで、徴兵制度は、一時停止(実際は廃止に近い)されています。


連邦軍は、冷戦後、国外派遣任務中心の軍隊となっていたものの、2014年のクリミア併合を起点として、国家・同盟防衛に再び重点が置かれつつあります。

2016年5月、独国防省は独連邦軍の人員増加方針が発表され、2023年までに、兵士約7,000人および文民職員約4,400人が増員さ、2020年12月現在の総兵力は、約18.4万人となる予定です。

主な内訳は、陸軍が約6.3万人、空軍が約2.8万人、海軍が約1.6万人、衛生軍が約2.0万人、統合支援軍が約2.7万人、サイバー・情報空間軍が約1.4万人です。

なお、このうち、女性兵士は約2.3万人で全体の約13%で、このほか、文民約8.1万人を擁しています。

在独駐留軍は、2020年現在、米軍約3.9万人のほか、英軍約185人、仏軍約2千人(独仏旅団)がドイツ国内に駐留しています。

「ドイツ連邦共和国」と「日本」の関係は?

「ドイツ連邦共和国」と「日本」の政治関係は、日本とドイツは基本的価値を共有し、G7等において国際社会の問題に対し協調して取り組むパートナーであり、軍縮・不拡散、国連安保理改革その他様々な地域情勢で緊密に協力しています。

また、中東問題(イラン核問題、ISIL、アフガニスタン)等でも方向性を共有しています。

2020年9月にドイツ政府では「インド太平洋ガイドライン」が策定されており、日独両国の外務大臣は、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた日独連携を強化していくことで一致しています。

また内政面では、少子高齢化対策、女性の活躍促進、エネルギー問題等、共通の課題が存在することに加えて、「日独フォーラム」等の民間有識者間の枠組みによる対話も活発に行われています。

経済関係は、貿易は、ドイツは日本にとって欧州最大の貿易相手国で、日本はドイツにとって中国に次ぐアジア第2位の貿易相手国となっています。

2020年の対独輸出は約18,752億円で、対独輸入は約22,660億円、主要貿易品目は、日本からドイツは、電気機器、一般機器、輸送用機器で、ドイツから日本は、輸送用機器、医薬品、一般機器です。

まとめ

以上、国特集「ドイツ連邦共和国」でした。

ちなみに、「ドイツ連邦共和国」の男子サッカーFIFAランキングでは、2020年11月の時点では「12位」でした。

本記事は、2023年3月6日時点調査または公開された情報です。
記事内容の実施は、ご自身の責任のもと、安全性・有用性を考慮の上、ご利用ください。

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この記事を書いた人

2021年に公務員総合研究所に入所した新人研究員。

好きな言葉は、「つまづいたっていいじゃないか にんげんだもの」

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