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【目指せ!外交官】旧石器時代からの遺跡が存在する「トルコ共和国」の基礎知識(2021年6月調査情報)

世界の国特集、今回紹介するのは、バルカン半島東南端の東トラキア地方を領有する共和制国家「トルコ共和国」です。

「トルコ共和国」は、アジアとヨーロッパの2つの大州にまたがり、北は黒海とマルマラ海、西と南は地中海(西はエーゲ海)に面している国です。

外交官になるなら押さえておきたい国の基本知識です。


「トルコ共和国」ってどんな国?

「トルコ共和国」の正式名称はトルコ語で「Türkiye Cumhuriyeti(テュルキイェ・ジュムフリイェティ)」、英語では「Republic of Turkey。」です。漢字では「土耳古」と表記し、その他「土耳其、土耳格、土耳基、土耳機、都児格、土児格、土爾其、都児古、都児基、都児、土留其、土留古、都魯機、都児瓦、都耳基、都爾格、度爾格、度爾、杜爾格」などとも表記されます。

「トルコ共和国」の広さ 面積・場所について

「トルコ共和国」の面積は約780,576平方キロメートルで、日本の約2倍の大きさです。

「トルコ共和国」の場所は、バルカン半島東南端の東トラキア地方にあり、アジアとヨーロッパの2つの大州にまたがっています。

北は黒海とマルマラ海、西と南は地中海(西はエーゲ海)に面し、陸上国境は、西でブルガリア、ギリシャと、東でジョージア(グルジア)、アルメニア、アゼルバイジャン、イラン、イラク、シリアと接しています。

「トルコ共和国」の首都について

「トルコ共和国」の首都は「アンカラ」で、「アンカラ」は、アナトリア半島中央部にあります。

「アンカラ」の人口は、2013年現在で、約442万人です。

「トルコ共和国」の人口について

「トルコ共和国」の人口は、トルコ国家統計庁が2020年に調べた時点で約8,361万4,362万人であり、人口密度は、約107.42人で、第76位です。

「トルコ共和国」の成り立ちについて

「トルコ共和国」は、1299年にオスマン帝国が成立、1919年~1922年に祖国解放戦争が勃発、1922年にオスマン帝国が滅亡、1923年10月29日にローザンヌ条約に基づきトルコ共和国が成立しました。

1952年にNATOに加盟、1960年に軍による「5.27クーデター」が発生、1961年に民政に移管、1971年に軍による「書簡によるクーデター」が発生、政権が交代、1974年にトルコ軍によるキプロスが進攻、1980年に軍による「9.12クーデター」が発生しました。

1983年に民政が移管、1999年にEU加盟候補国に決定、2005年にEU加盟交渉が開始、2016年7月15日 にクーデター未遂事件が発生しました。

2017年4月16日に憲法改正国民投票が実施、実権型大統領制への移行に賛成多数となり、2018年6月24日に実権型大統領制が開始され、エルドアン大統領が就任しました。


「トルコ共和国」の国民・宗教・言語について

「トルコ共和国」の国民について

「トルコ共和国」の人種割合は、主にトルコ人で、少数派の民族としては、クルド人、アラブ人、ラズ人、ギリシャ人、アルメニア人、ヘムシン人、ザザ人、ガガウズ人などが共和国成立以前から東部を中心に居住しています。

「トルコ共和国」の宗教について

「トルコ共和国」の国家宗教は、人口の約99パーセント以上がムスリム(イスラム教徒)です。

一般的には、ムスリムを信奉する国民の大半はスンナ派に属するといわれていますが、一方で同じイスラム教の中でマイノリティであるアレヴィー派の信奉者が国内にも相当数存在しているとの主張もあり、一説には約20パーセントを超えるとも言われています。

そのほかの宗教には東方正教会、アルメニア使徒教会、ユダヤ教、カトリック、プロテスタントなどが挙げられますが、オスマン帝国末期から現共和国成立までに至る少数民族排除の歴史的経緯から、いずれもごく少数にとどまっています。

「トルコ共和国」の言語について

「トルコ共和国」の公用語は、トルコ語で、クルド語、ザザキ語、カバルド語、アディゲ語、アゼルバイジャン語、アラビア語、バルカン・ガガウズ・トルコ語、ブルガリア語、ギリシア語、アルメニア語、カルトヴェリ語派などが話されています。

「トルコ共和国」の経済状況について

「トルコ共和国」の通貨はトルコ・リラで、GDPは約7,170億米ドルで、世界19位です。そして、一人当たりのGDPは約8,548.18米ドルで、世界72位です。

「トルコ共和国」の貿易について

「トルコ共和国」の貿易相手は主に、輸出が中国、ドイツ、ロシア、日本、輸出が、ドイツ、英国、米国、日本となっています。

「トルコ共和国」の主な輸出品目は、自動車・部品、貴金属類、衣類、食品で、輸入品目は、貴金属、化学製品、自動車類、機械類です。

「トルコ共和国」の政治・政策について

政治体制について

「トルコ共和国」は、共和制で、議会は、一院制、任期は5年、600議席です。

「トルコ共和国」の政策

「トルコ共和国」は、2002年以来、穏健イスラム政党の公正発展党(AKP)が単独政権を維持し、2015年6月の総選挙では、クルド系野党の国民民主党(HDP)が得票率13%を獲得した結果、AKPは議席数を大幅に減らし(258議席)、過半数割れの結果となりました。

エルドアン大統領から首班指命を受けたダーヴトオール首相は、野党との連立協議を行いましたが、合意に至らず、エルドアン大統領によって憲法上の既定に基づき再選挙の実施が決定されました。

2015年11月1日に実施された再選挙では、AKPは得票率49.32パーセントを獲得し、過半数を超える317議席を確保し、11月30日、ダーヴトオール首相(当時)による第64代内閣が発足されました。

2016年5月22日、ユルドゥルム運輸海事通信大臣がAKPの新党首に選出されたことに伴い、ダーヴトオール首は辞任を表明。エルドアン大統領から首班指名を受けたユルドゥルム首相による新内閣が組閣され、2016年5月29日、トルコ大国民議会における信任投票の結果、信任多数で第65代内閣が発足されました。

2014年8月に初の直接国民投票に基づく大統領選挙が行われ、エルドアン首相(当時)が得票率51.8パーセントで勝利、2017年1月21日、トルコ大国民議会は行政権の大統領帰属を含むAKP提出の憲法改正案が可決され、4月16日に改正の是非を問う国民投票が実施され、51.4パーセントの賛成で承認されました。

2018年6月、トルコ大統領およびトルコ大国民議会議員選挙が行われ、エルドアン大統領が得票率52.59パーセントで勝利、共和同盟、民族主義者行動党が全体で53.7パーセントの議席を獲得し、議会の多数派となり、この選挙をもって、議院内閣制から実権型大統領制に移行されました。


2019年3月31日、統一地方選挙が行われ、与党AKPとMHPの共和同盟はイスタンブール、アンカラを含む6都市で敗北、そのうち、イスタンブールについては、AKPの訴えにより再選挙を実施するも、6月23日の再選挙で再度敗北しました。

クルド問題が内政上の課題となり、AKP政権は、テロに屈しない姿勢を維持しつつも、クルド系住民の権利拡大に努めるなど、クルド問題の解決のため硬軟織り交ぜたアプローチが採用されました。

トルコ政府は、2013年1月から、クルドの権利を主張してテロ活動を行ってきたクルド労働者党(PKK)指導者で現在刑務所に収容されるオジャランとの間でPKK問題解決に向けた対話が開始され、国内和平プロセスを強く推進してきた。他方、トルコ政府はPKKによるテロの脅威を理由とし、2015年7月、同和平プロセスが開始されて以降初めて北イラクのPKK施設を越境爆撃するとともに、国内各所において一斉摘発が実施されました。

また、南東部では都市部でも軍事作戦が展開、PKKも南東部を中心にテロ活動が活発化し、双方の衝突が継続していましたが、現在は比較的安定しています。

2016年7月15日、武力蜂起したトルコ軍の一部勢力は、トルコ国営放送局を占拠し「軍の権限を掌握」と発表、イスタンブールでもボスポラス海峡大橋及び空港を封鎖、クーデター側は、首都アンカラにおいてトルコ大国民議会を空爆した他、軍関連施設や大統領府、官公庁等を襲撃しました。

エルドアン大統領は休暇先のマルマリスから全国民に対してクーデターへの反感を示すべく広場・空港等に出てくるよう呼びかけを行い、これを受けてトルコ各地で市民が街頭に集結しクーデター派に対抗しました。

7月16日、クーデター派が投降を開始し、同日10時頃に参謀総長代行がクーデターは失敗と発表、死者250名、負傷者2,193名で、クーデターに伴い市民の犠牲者が出たケースはトルコ史上初めてとなりました。

トルコ政府はクーデター未遂事案の首謀者は、フェトフッラー・ギュレン系関係者であると発表し、7月20日、同関係者の公的機関からの一掃を目的とする90日間の非常事態宣言が発出されました。

その後、10月13日、2017年1月13日、4月18日、7月17日に同宣言の3か月の延長をトルコ大国民議会において承認、現在、同宣言の下で発出された法令に基づき、主に軍、官公庁関係者等を対象とする処分等が実施されている一方、非常事態宣言は2018年7月に解除されました。

「トルコ共和国」の元首・大統領・外相について

「トルコ共和国」の元首について

「トルコ共和国」の元首は、レジェップ・タイップ・エルドアン大統領です。

「トルコ共和国」の首相について

「トルコ共和国」の首相は、2018年6月、議院内閣制から実権型大統領制に移行され、内閣は大統領の任命によるものとなり、行政権の全てが大統領に属するようになりました。

外相は、メヴリュット・チャヴシュオールです。

「トルコ共和国」の国防・軍事制度・兵役について

「トルコ共和国」は、トルコは、欧州、中東、中央アジア、コーカサス地域の結節点という地政学的に重要な要衝に位置し、多角的な平和外交を基調とし、欧米との協調関係が基本姿勢であり、NATO、OECD、OSCEの加盟国です。

AKP政権は、近隣地域の安定と経済関係の強化を目指すとともに、アフガニスタンやミャンマー、ソマリアの復興支援への関与を深めるなど、アジア・アフリカまで視野に入れた積極外交が推進されています。

中国との間でも2010年以降「戦略的協力関係」を構築しており、2012年に上海協力機構の対話パートナーとして参加する一方、アサド政権下のシリアとの関係は、シリア領内でのトルコ軍による作戦実施、オリーブの枝作戦、「平和の泉」作戦や約360万人のシリア人難民受入れ問題も含め悪化しています。

しかしながら、ロシア、イランとともにアスタナ・プロセスを主導するなどシリア情勢の安定化に向けて積極的に関与しています。

また、ムスリム同胞団との関係等をめぐって、エジプトを始めとする近隣の中東諸国との間に困難な問題も多く発生していますが、一部の国との間で関係正常化を模索する動きも見られます。

国連を始め国際社会における役割の増大を追求し、2015年はG20議長国を務め、2016年5月には、イスタンブールで世界人道サミットが国連とともに共催で実施さました。

2005年10月から開始されたEU加盟交渉は停滞気味で、シリア危機に伴う難民問題に関し、2016年3月、トルコとEUは新たにトルコからギリシャに越境する全ての非正規移民をトルコに送還することで合意し、ギリシャへの移民・難民の流入数が減少したが、トルコがEUに期待する査証自由化交渉は合意に至っておらず、トルコは反発を表明しています。


米国との関係では、NATO加盟国として安全保障上の様々な協力関係を築いているが、ロシアからのミサイル防衛システムS400の購入により、2020年12月には米国による経済制裁が発動されたほか、2021年4月のバイデン米大統領による第一次世界大戦中のアルメニアにおけるジェノサイド認定の声明が発出されるなど、近年一定の緊張が見られます。

ロシアとの関係では、シリア情勢のほか、ガスパイプライン建設や原子力発電の建設など、エネルギー分野において緊密な関係が構築されています。

不安定な情勢にあるリビアとの関係においては、東地中海の天然ガス田の権益を視野に、リビア国民統一政府と東地中海における海域画定に係る覚書を締結するとともに、自国軍のリビアへの派兵が決定され、2021年3月にリビア暫定国民統一政府が発足した後は、同政府との迅速な関係の構築が図られています。

国防力は、予算は、2019年現在、約81億ドルで、NATO基準国防支出が約138億ドルです。

兵役は、3週間~12か月、対象は21歳~41歳で、兵役終了後、41歳までは予備役となります。

兵力は、総兵力が約35万5,200人で、その内訳は、陸軍が約26万200人、海軍が約 4万5,000人、空軍が約5万人、準軍隊のジャンダルマ(軍警察)が約15万2,100人、沿岸警備隊が約4,700人)

「トルコ共和国」と「日本」の関係は?

「トルコ共和国」と「日本」の政治関係は、日本・トルコ関係は、1890年のエルトゥールル号事件以降、歴史的に友好関係にあります。

また、1985年3月、イラク・イラン戦争の中、テヘランで孤立した邦人を救出するためにトルコ政府がトルコ航空の特別機を派遣した出来事も、両国の友好関係の象徴的出来事となりました。

東日本大地震に際して、トルコ政府は支援・救助チーム32名を派遣、約3週間にも及ぶ活動を行い、支援・救助チームとしては最長期間の活動が行われました。

2011年10月23日にトルコ東部ヴァン県を震源とするマグニチュード7.2の地震が発生し、我が国からは緊急援助物資を供与するとともに、トルコ政府が計画した仮設住宅への支援のため1000万ドルの緊急無償資金協力が行われました。

1924年8月6日にトルコ共和国を承認、1925年3月23日に在トルコ日本国大使館が開設、1937年10月27日に日本大使館がアンカラへ移転、1965年1月1日に在イスタンブール日本国領事館が開設、1972年10月に総領事館に昇格されました。

経済関係は、貿易において、2020年現在、対日輸出が約4.4億ドルで、主要品目は食料、衣料、機械・輸送機器類など、対日輸入が約37.4億ドルで、主要品目は機械・輸送機器類、鉄鋼、化学製品などです。

日本からの対トルコ直接投資額は、2020年現在、約1.13億ドルで、トルコは日本企業にとって、国内市場に加え、EU及び近隣諸国市場への生産拠点として注目が高まっており、また、消費市場の拡大に伴い販売拠点の設立も相次いでいます。

特に近年企業の進出や現地法人化の動きが加速しており、業種もこれまでの商社、建設、製造業に加えて、金融、食品、医療、報道・出版など多岐にわたっています。

文化関係は、トルコ人は一般的に非常に親日的であり、日本文化に対する関心も高く、約83.2パーセントのトルコ人が日本との関係を「友好関係にある」「どちらかというと友好関係にある」と回答しています。

1998年5月、トルコ側の主導で、両国官民の協力により、アンカラに「土日基金文化センター」が開館した。同センターは日・トルコ文化交流の拠点として、大使館との共催による文化行事等をはじめ様々な活動が行われています。

エルトゥールル号事件から120年目の節目を迎える2010年に「2010年トルコにおける日本年」が実施され、トルコ全土で186の日本・トルコ交流事業が開催されました。

また、125周年である2015年には両国政府支援による日トルコ合作映画「海難1890」が制作され、両国で公開されました。

在留邦人数は、2020年10月現在、1,817名で、在日当該国人数は、2020年6月末現在、5,741名です。

まとめ

以上、国特集「トルコ共和国」でした。


ちなみに、「トルコ共和国」の男子サッカーFIFAランキングでは、2020年11月の時点では「29位」でした。

FIFAデータ

https://fifaranking.net/ranking/

本記事は、2023年3月18日時点調査または公開された情報です。
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