「バチカン市国」ってどんな国?
「バチカン市国」の正式名称は、ラテン語で「Status Civitatis Vaticanae」イタリア語で「Stato della Città del Vaticano」、英語では「the Vatican」です。漢字では「法迪坎」と表記し、その他「和地関、梵蒂岡、教廷」などとも表記されます。
「バチカン市国」の広さ 面積・場所について
「バチカン市国」の面積は、約0.44平方キロメートルです。
日本の皇居は、約1.15平方キロメートルですので、その半分以下の大きさです
「バチカン市国」の場所は、ローマの北西部に位置するバチカンの丘の上、テベレ川の右岸にあり、その国境はすべてイタリアと接しています。
なお、国境は、かつて教皇を外部の攻撃から守るために築かれたバチカンの城壁に沿って引かれています。
「バチカン市国」の定義について
「バチカン市国」のローマ教皇およびローマ教皇庁(政府に相当)を総称した概念で、約13億人とも言われる信者を擁するカトリック教会の最高機関であり、国家としての側面も持っています。
「バチカン市国」の人口について
「バチカン市国」の人口は、2018年現在で約615人です。
「バチカン市国」の成り立ちについて
「バチカン市国」は、64年頃にネロ皇帝の迫害のため殉教したイエスの使徒ペテロが、バチカンの丘に葬られ、349年にペテロの墓の上に、聖ピエトロ聖堂が建設されました。
756年にカロリング朝ピピンによるローマ教皇に対するラヴェンナ等の都市が寄進され、教皇領が開始、1870年にイタリア軍が教皇領ローマに侵入、1929年にイタリアとローマ教皇庁との間でラテラノ条約が締結され、イタリアによってバチカン市国は、独立した主権国家として承認されました。
「バチカン市国」の国民・宗教・言語について
「バチカン市国」の国民について
「バチカン市国」は、バチカンを支える数千人の職員の大半がイタリア国内に居住し、体裁上国外から通勤する形となっています。
「バチカン市国」の宗教について
「バチカン市国」の国家宗教は、バチカン市民のほとんどがカトリックの修道者であり、枢機卿・司祭などの聖職者と、叙階されていない修道士・修道女がいます。
教皇庁で働く、修道者以外の一般職員は3000人にものぼりますが、彼らのほとんどは市国外であるイタリアに居住し、そこから通勤しています。
「バチカン市国」の言語について
「バチカン市国」の公用語は、ラテン語で、外交用にはフランス語が使用されており、通常業務ではイタリア語を用いることが一般的です。
また、警護に当たるスイス人衛兵たちの共通語は、ドイツ語で、このほか、日常業務ではスペイン語・ポルトガル語・英語も常用されています。
「バチカン市国」の経済状況について
「バチカン市国」の通貨は、ユーロで、主としてイタリアを始めとするEU諸国からの輸入に依存しています。
2015年の教皇庁財政収支は、約1,240万ユーロの赤字で、歳入は約7,400万ユーロです。
なお、バチカン市国は、約5,990万ユーロの黒字で、主な収入源はバチカン美術館の文化事業であるとされており、2015年以降の財政収支は公式に発表されておらず、教皇庁資産は非公開です。
「バチカン市国」の政治・政策について
政治体制について
「バチカン市国」は、教皇に立法権、行政権および司法権が属され、立法権は教皇の名の下にバチカン市国教皇委員会(任期5年)によって権利が行使されます。
行政権は、バチカン市国教皇委員会委員長が教皇の名の下に、行政長官として行使、司法権は教皇の名の下でバチカン市国の司法制度に設立された諸機関によって行使されます。
「バチカン市国」の元首について
「バチカン市国」の国防・軍事制度・兵役について
「バチカン市国」は、バチカンの外交目標は、キリスト教精神を基調とする正義に基づく世界平和の確立、人道主義の昂揚にあります。
そのための武力紛争の回避、人種的差別の廃止と人権の確立、発展途上国に対する精神的・物質的援助等がバチカン外交の特色とされています。
現在183の国・地域等と外交関係を有し、特に、1989~1991年にかけ東欧諸国と相次いで外交関係が開設または再開され、1994年6月、イスラエルとも歴史的な外交関係樹立が達成されました。
近年では、ロシアと2009年12月、マレーシアと2011年7月、モーリタニアと2016年12月、ミャンマーと2017年5月と外交関係が樹立、中国、ベトナム、サウジアラビア等とは外交関係は未開設です。
キリスト教各派の一致促進(エキュメニズム)運動を推進するとともに、世界諸宗教対話会合が1986年から開催されています。
欧州安全保障協力機構(OSCE)、国際移住機関(IOM)等には「教皇聖座」として加盟または国連等にはオブザーバーとして参加し、万国郵便連合(UPU)、国際電気通信連合(ITU)といった技術事項を取り扱う機構には「バチカン市国」として参加しています。
軍事力は、軍は存在せず、スイス衛兵が教皇身辺と教皇宮殿を、市国警察がその他の警備に当たるっています。
「バチカン市国」と「日本」の関係は?
「バチカン市国」と「日本」の関係は、1549年にフランシスコ・ザビエルが鹿児島に上陸、1585年に九州のキリシタン大名が派遣した伊藤マンショら天正遣欧少年使節が教皇グレゴリウス13世および教皇シスト5世に拝謁されました。
1615年に伊達政宗が派遣した支倉常長ら慶長遣欧使節が教皇パウロ5世に拝謁、1942年に日本とバチカンの外交関係が樹立、1952年に日本とバチカン、外交関係が再開、2017年に日本バチカン国交樹立75周年となっています。
日本におけるカトリック信者数は、約44万人で、司教は29名、そのうち、枢機卿が1名、大司教が2名です。
在留邦人数は、2020年7月現在、0名、外交使節は、バチカン国駐箚特命全権大使 は、岡田 誠司、本邦駐箚ローマ法王庁大使は、ジョセフ・チェノットゥです。
まとめ
以上、国特集「バチカン市国」でした。
ちなみに、「バチカン市国」の男子サッカーFIFAランキングには、入っていません。
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