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【目指せ!外交官】パナマ文書で注目を浴びた「パナマ共和国」の基礎知識(2021年7月調査情報)

世界の国特集、今回紹介するのは、北アメリカ大陸と南アメリカ大陸の境に位置する共和制国家である「パナマ共和国」です。

「パナマ共和国」は、北西にコスタリカ、南東にコロンビアに接し、北はカリブ海、南は太平洋に面している国です。

外交官になるなら押さえておきたい国の基本知識です。


「パナマ共和国」ってどんな国?

「パナマ共和国」の正式名称はスペイン語で「Republica de Panama(レプブリカ・デ・パナマ)」、英語では「Republic of Panama」です。漢字では「巴奈馬」と表記し、その他「巴拿馬、巴那馬、巴那瑪、巴納麻、巴那麻、巴納甸、巴納摩、把納麻、帕那麻、哈那麻、花間」などとも表記されます。

「パナマ共和国」の広さ 面積・場所について

「パナマ共和国」の面積は、約7万5,517平方キロメートルで、北海道よりやや小さい広さです。

「パナマ共和国」の場所は、北アメリカ大陸と南アメリカ大陸の境にあり、北西にコスタリカ、南東にコロンビアに接し、北はカリブ海、南は太平洋に面しています。

「パナマ共和国」の首都について

「パナマ共和国」の首都は「パナマ市」で、「パナマ市」の座標は、北緯8度59分 、西経79度31分です。

「パナマ市」の人口は、2013年現在、約88万0,691人です。

「パナマ共和国」の人口について

「パナマ共和国」の人口は、会計検査院が2019年に調べた時点で約422万人であり、人口密度は、約56.74人で、第121位です。

「パナマ共和国」の成り立ちについて

「パナマ共和国」は、1501年にスペイン人バスティーダ、パナマ地峡が発見され、1821年に大コロンビアの一州としてスペインより独立、1903年にコロンビアより分離独立、1914年に米国によってパナマ運河が完成されました。

1968年にトリホス将軍、クーデターにより実権が掌握、1978年にロヨ大統領が就任、民政が移管、1983年にノリエガ将軍が国軍最高司令官に就任、1989年に米国の軍事が侵攻、ノリエガ将軍が逮捕、エンダラ政権が発足されました。

1999年にモスコソ大統領が就任、パナマ運河が返還、米軍完全が撤退、2004年にトリホス大統領が就任、2009年にマルティネリ大統領が就任、2014年にバレーラ大統領が就任、2019年にコルティソ大統領が就任しました。

「パナマ共和国」の国民・宗教・言語について

「パナマ共和国」の国民について

「パナマ共和国」の人種割合は、ヨーロッパ人とインディオ(インディヘナ)との混血であるメスティーソが約60パーセント、アフリカ系パナマ人が約14パーセント、ヨーロッパ系パナマ人が約10パーセント、先住民(アジア系モンゴロイド)が約10パーセント、その他が約1パーセントです。

パナマの人口の約10パーセントを占めるインディオ(インディヘナ)にはクナ人、ネーベ人、エンベラー・オウナン人、ブグレー人、テリベ人、ブリブリ人、ボゴタ人などの諸集団が存在しています。


そのほかに、マイノリティとしてユダヤ人、中国人(華僑)、インド人(印僑)、トルコ人などが挙げられます。

「パナマ共和国」の宗教について

「パナマ共和国」の国家宗教は、キリスト教で、ローマ・カトリックが約85パーセント、プロテスタントが約13パーセント、そのほかは、仏教、ヒンドゥー教、ユダヤ教、バハーイー教などが約2パーセントです。

「パナマ共和国」の言語について

「パナマ共和国」の公用語は、スペイン語で、大多数の国民が母語としています。

そのほかにも、アフロ・アンティーリャスなどにはジャマイカ英語をはじめとする英語を母語とする人々が存在しており、クナ語など先住民の言語を母語とする人々も存在し、英語は、都市部の高学歴層や観光地で使用されています。

「パナマ共和国」の経済状況について

「パナマ共和国」の通貨は、バルボアと米ドルで、GDPは約668億ドル億米ドルで、世界83位です。そして、一人当たりのGDPは約12,373.05米ドルで、世界58位です。

「パナマ共和国」の貿易について

「パナマ共和国」の貿易相手は主に、輸出が米国、オランダ、中国、インド、コスタリカ、台湾、スペイン、タイ、ベトナム、ニカラグアで、輸入が米国、中国、メキシコ、コスタリカ、スペイン、コロンビア、ドイツ、日本、ブラジル、グアテマラとなっています。

「パナマ共和国」の主な輸出品目は、バナナ、エビ等魚介類、金属くず、砂糖、魚粉・魚油で、輸入品目は、ガソリン等燃料類、自動車、医薬品、鉄鋼製品、住宅用建材です。

「パナマ共和国」の政治・政策について

政治体制について

「パナマ共和国」は、立憲共和制で、議会は定員71名の一院制です。

「パナマ共和国」の政策

「パナマ共和国」は、パナマは、1821年にスペインから独立し、翌年にコロンビアに併合されたが、コロンビアの中央政府に反発する傾向が強くありました。

コロンビア議会が米国との運河建設条約の批准を拒否したことを受け、運河建設による経済発展を期待するパナマ市の有力者を中心に独立が画策され、パナマは米国の支援を得て1903年にコロンビアから独立しました。

パナマ独立の半年後から米国によって運河建設が開始され、1914年に完成しました。第一次世界大戦後、パナマ運河は経済的・軍事的に重要性が高まり、運河地帯では米国の産業を移植するなど、米国による運河地帯の植民地主義的支配が強まりました。

1956年のスエズ運河の国有化を契機としてパナマでも運河国有化の機運が高まり、 1968年の軍事クーデター以降、トリホス将軍は国民の反米意識とナショナリズムを背景に独裁政権が確立されました。

運河地帯の奪還を目指すトリホス大統領によって、1977年にカーター米大統領との間で運河に関するトリホス・カーター条約が締結、1999年12月31日までに運河地帯におけるすべての財産がパナマに返還されることが約束されました。

同条約締結直後にトリホス大統領は辞任したものの、新たに結成した民主革命党(PRD)を通じて政治的影響力が維持されました。

1979年のニカラグア革命を契機に中米地域における左派民衆運動が活発化し、社会・共産主義陣営との対決姿勢を明らかにするレーガン米政権は、大規模な軍事基地・施設を有するパナマ運河地帯の保持を重視し、トリホス・カーター条約の再検討をはじめました。


これに対してパナマ政府は中南米地域の問題は地域の手で解決すべきと主張、米国と対峙する外交を進めていました。

トリホス大統領の腹心であったノリエガ将軍は、1983年からパナマの実権を掌握しました。

しかし、ノリエガのキューバ人等への査証や旅券の不正売買や麻薬組織との関係が露見すると、米国は反ノリエガ派のエンダラを大統領選挙で支援し、1989年、エンダラを勝利させ、ノリエガが選挙結果を無効としたこと等を受けて、米国によって「パナマ侵攻」が行われました。

その後、民主主義は安定的に定着してきており、1989年から2019年までに行われた6回の大統領選挙により、6名の文民大統領が選出され任期を全うしています。

なお、いずれの大統領も思想的に偏りのない三大政党(民主革命党(PRD)、パナメニスタ党、民主変革党(CD))から立候補し、選出されています。

1)1989~94年:ギジェルモ・エンダラ大統領(パナメニスタ党)

2)1994~1999年:エルネスト・ペレス・バジャダレス大統領(民主革命党(PRD))

3)1999~2004年:ミレヤ・モスコソ大統領(パナメニスタ党)(史上初の女性大統領)

4)2004~2009年:マルティン・トリホス大統領(民主革命党(PRD))

5)2009~2014年:リカルド・マルティネリ大統領(民主変革党(CD))

6)2014~2019年:フアン・カルロス・バレーラ大統領(パナメニスタ党)

2019年5月に行われた大統領選挙では、野党民主革命党(PRD)のコルティソ元農牧開発大臣が約33パーセントの得票で勝利し、同年7月1日、コルティソ大統領が就任しました。

「パナマ共和国」の元首・首相・外相について

「パナマ共和国」の元首について

「パナマ共和国」の元首は、ラウレンティーノ・コルティソ・コーエン大統領で、任期5年、連続の再選は禁止されています。

「パナマ共和国」の首相・外相について

「パナマ共和国」には、首相職が無く、外相は、エリカ・モイネスです。

「パナマ共和国」の国防・軍事制度・兵役について

「パナマ共和国」は、パナマは国際社会との協調を重視し、特定の国やイデオロギーに偏らない外交方針を取っています。

パナマ独立の経緯、運河の建設、米軍駐留等から、米国との関係が経済および安全保障にとって極めて重要でしたが、パナマ運河返還(駐留米軍撤退)後も良好な関係の維持・発展に努めています。

米国はパナマにとり最大の貿易相手国であり、米国・パナマ自由貿易協定(FTA)は2012年10月に発効、他方、近年はEUや韓国、中国、コロンビア、メキシコとの経済関係を拡大しようとしています。

中南米諸国との連帯も重視し、2011年12月に発足したラテンアメリカ・カリブ諸国共同体(CELAC)のメンバーであるとともに、中米統合機構(SICA)のメンバーでもあり、SICA各国と自由貿易協定交渉を進めており、2011年4月に発足した太平洋同盟には正式加盟予定国として参加しています。

米州機構(OAS)などの国際場裡においても活躍しており、2007-2008年、安保理非常任理事国です。


2017年6月には、「パナマ共和国」は、中国との外交関係を樹立し、台湾との外交関係を断絶しました。

隣国コロンビアとの関係では、国境にあたるダリエン県(ジャングル地帯)へのゲリラ等の侵入、麻薬密輸といった問題があり、両国の国境道路の整備は進んでいません。

軍事力は、国防軍は、1989年12月の米軍侵攻をもって解体され、新たに警察力を主体とした国家保安隊が設置され、勢力は、約2万2,050名で志願制で、国家安全保障費は、2017年現在、約751百万ドルです。

「パナマ共和国」と「日本」の関係は?

「パナマ共和国」と「日本」の政治関係は、伝統的に友好関係があり、1904年1月7日に外交関係が樹立、1953年2月20日に外交関係が再開、1962年相互に大使館が開設されました。

経済関係は、対日貿易において、貿易額は、2019年現在、輸出が約147億円、輸入が約6,646億円で、主要品目は、輸出が船舶、金属くず、魚介類、コーヒー、油脂など、輸入が船舶、自動車・自動車部品、一般機械、石油製品などです。

ちなみに、日本はパナマ運河の主要利用国で、日本船舶の約6割がパナマ船籍であるという便宜置籍船登録を通じて、パナマと深い経済関係を有しています。

文化関係については、2016年度までの文化無償資金協力(一般・草の根)は、計27件で約8億5,733万円です。

在留邦人数は、2019年10月現在、367人で、在日パナマ人数は、2018年6月現在、99人です。

まとめ

以上、国特集「パナマ共和国」でした。

ちなみに、「パナマ共和国」の男子サッカーFIFAランキングでは、2020年11月の時点では「78位」でした。

FIFAデータ

https://fifaranking.net/ranking/

本記事は、2023年4月15日時点調査または公開された情報です。
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