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【目指せ!外交官】ベンガル湾に注ぐ大河ガンジス川を有する「バングラデシュ人民共和国」の基礎知識(2021年7月調査情報)

世界の国特集、今回紹介するのは、南アジアにある共和制国家「バングラデシュ人民共和国」です。

「バングラデシュ人民共和国」は、北と東西の三方はインド、南東部はミャンマーと国境を接し、南はインド洋に面している国です。

外交官になるなら押さえておきたい国の基本知識です。


「バングラデシュ人民共和国」ってどんな国?

「バングラデシュ人民共和国」の正式名称は、ベンガル語で「 গণপ্রজাতন্ত্রী বাংলাদেশ」、英語では「People’s Republic of Bangladesh」です。

漢字では「孟加拉國」と表記し、その他「孟加拉」などとも表記されますが、日本ではほとんど使用されていません。

「バングラデシュ人民共和国」の広さ 面積・場所について

「バングラデシュ人民共和国」の面積は、約14万7千平方キロメートルで、日本の約4割程度の面積です。

「バングラデシュ人民共和国」の場所は南アジアにあり、北と東西の三方はインド、南東部はミャンマーと国境を接し、南はインド洋に面しています。

また、西側で隣接するインド西ベンガル州、東側で隣接するインドトリプラ州とともにベンガル語圏に属しています。

「バングラデシュ人民共和国」の首都について

「バングラデシュ人民共和国」の首都は「ダッカ」で、「ダッカ」はバングラディシュ中央部に位置し、座標は、北緯23度42分7.2秒、東経90度22分1秒です。

「ダッカ」の人口は、2011年現在、約890万6,035人です。

「バングラデシュ人民共和国」の人口について

「バングラデシュ人民共和国」の人口は、バングラデシュ統計局が2020年に調べた時点で約1億6,650万人であり、人口密度は、約1,109.32人で、第7位です。

「バングラデシュ人民共和国」の成り立ちについて

「バングラデシュ人民共和国」は、1947年8月14日にパキスタンの一部を東パキスタンとして独立、1971年12月16日にバングラデシュとして独立しました。

「バングラデシュ人民共和国」の国民・宗教・言語について

「バングラデシュ人民共和国」の国民について

「バングラデシュ人民共和国」の人種割合は、約98パーセントがベンガル人、その他、チャクマ族、マルマ族、トンチョンギャ族、ガロ族、トリプラ族などが存在します。

「バングラデシュ人民共和国」の宗教について

「バングラデシュ人民共和国」の国家宗教は、イスラム教が約89.7パーセント、ヒンドゥー教が約9.2パーセント、その他が約1パーセントの割合で、そのほかの宗教には仏教、キリスト教などが含まれています。


バングラデシュは、イスラム教徒が多数派ですが、ヒンドゥー教徒の人口割合もかなり高く、両者はおおむね平和的に共存しています。

また、パハルプールの仏教寺院遺跡群に見られるように、以前は仏教が大いに栄えていたため、現在でも、一部の地域では、仏教が信仰されています。

どの宗教を信仰しているかという点も重要ですが、それ以上に、同じベンガル民族であるという意識の方が重要視され、互いに尊重しあっており、このような意識はインド側の西ベンガル州でも同様に見られます。

「バングラデシュ人民共和国」の言語について

「バングラデシュ人民共和国」の公用語は、ベンガル語で、文字はデーヴァナーガリーに似たベンガル文字が用いられています。

ベンガル語に加え、英語も官公庁や教育機関で使用されており、事実上の公用語です。

住民はベンガル語話者であるベンガル人がほとんどで、人口の約98パーセントを占めています。

そのほかに、ウルドゥー語を話す、ビハール州などインド各地を出身とする非ベンガル人ムスリムが約2パーセントを占めています。

また、南東部のチッタゴン丘陵地帯にはジュマと総称される、およそ10以上のモンゴロイド系先住民族が存在し、ジュマの総人口は、約100万人から150万人程度といわれています。

「バングラデシュ人民共和国」の経済状況について

「バングラデシュ人民共和国」の通貨は、タカで、GDPは約2,099億米ドルで、世界41位です。そして、一人当たりのGDPは約1,998.43米ドルで、世界144位です。

「バングラデシュ人民共和国」の貿易について

「バングラデシュ人民共和国」の貿易相手は主に、輸出が米国、ドイツ、英国、スペイン、フランス、イタリア、日本、ポーランド、オランダ、インドで、輸入が中国、インド、米国、インドネシア、日本、シンガポール、マレーシア、ブラジル、カタール、サウジアラビアとなっています。

「バングラデシュ人民共和国」の主な輸出品目は、ニットを含む縫製品、繊維類、靴製品、魚介類で、輸入品目は、鉱物石油製品、綿花、原子炉・機械、鉄鋼品、電気機械です。

「バングラデシュ人民共和国」の政治・政策について

政治体制について

「バングラデシュ人民共和国」は共和制で、議会は、総議席350の一院制です。

「バングラデシュ人民共和国」の政策

「バングラデシュ人民共和国」は、二度の独立を経て誕生し、インドからの分離独立は、宗教(イスラム)をアイデンティティの基盤に据えたものであったのに対し、1971年の独立は、ベンガル人としての民族的アイデンティティを基盤に成し遂げられました。

独立後は、国父ボンゴボンドゥ・ムジブル・ラーマンの下で国造りが進められたが、1975年に国軍将校によるクーデターによりムジブル・ラーマンが暗殺されたことにより、長期に亘り軍政、エルシャド政権が敷かれました。

しかし、1990年にエルシャド大統領が退陣に追い込まれた結果、民主化へ向けた道筋がつけられ、以降、アワミ連盟、BNPの2大政党のいずれかが政権を担う歴史をたどってきました。


1991年の憲法改正では大統領制から議院内閣制へと移行し、一部期間を除き、基本的に5年ごとに総選挙が実施されています。

2009年に誕生したハシナ・アワミ連盟政権は、独立50周年にあたる2021年までに中所得国になることを目標とする「ビジョン2021」政策、2041年までに先進国入りすることを目標とする「ビジョン2041」政策がかかげられ、全国IT化を目指す「デジタル・バングラデシュ」を打ち出しました。

2014年には、BNP率いる野党18連合がボイコットするまま総選挙が実施され、与党アワミ連盟が圧勝し、2015年には、総選挙1周年を機に野党連合が再び反政府運動を強め、2月~3月の2か月で100人以上の死者が発生する事態となりました。

また、イスラム過激派の動きも見られ、世俗的な作家・ブロガーに対する襲撃事件が散発的に発生したほか、9月にはイタリア人がダッカ市内で、10月には邦人が北西部で殺害されるなど、過去に見られなかったような外国人を標的とした襲撃が行われるようになりました。

その後もイスラム教シーア派やヒンドゥー教宗教関連施設等を狙った襲撃事件が続き、こうした中、2016年7月、ダッカ市内の外国人居住区にあるレストランにて、日本人7名を含む22名が犠牲となるダッカ襲撃テロ事件が発生しました。

ハシナ首相はテロを一切容認しない「ゼロ・トレランス」を掲げ、過激派の摘発に全力で取り組んでいます。

2018年12月の総選挙は、前回(2014年)選挙をボイコットした野党BNPも参加した形で実施され、与党が圧勝し、ハシナ首相はバングラデシュ史上初の3期連続で首相に就任しました。

2021年3月には、国父ムジブル・ラーマン生誕100周年(新型コロナにより2020年実施予定を1年延期)およびバングラデシュ独立50周年を盛大に祝賀しました。

国内南東部に広がるチッタゴン丘陵地帯は数多くの少数民族が居住する地域で、ミャンマーや印北東州とのつながりが強い地域でしたが、1971年独立後、多数を占めるベンガル・イスラム系住民の入植が進められた結果、少数民族との間で摩擦が高まり、武力衝突にまで発展しました。

その後、1997年の和平協定の調印によって少数民族とベンガル人入植者との間での抗争は終結しましたが、和平協定に反対する一部少数民族組織の対立等で治安情勢は不安定になりやすい状況にあります。

また、1990年代以降、バングラデシュと国境を接するミャンマー・ラカイン州からイスラム教徒が国境を越え難民として流入していましたが、2017年8月以降、バングラデシュに新たに約70万人の避難民が流入し、現在も帰還は実現せず、地元住民の負担が増大しています。

バングラデシュ政府は10万人規模の居住施設をバシャンチャール島に建設し、同島への避難民の移住を推進しており、国連によれば、2021年現在、国内に約86万人の避難民が避難しているようです。

「バングラデシュ人民共和国」の元首・首相・外相について

「バングラデシュ人民共和国」の元首について

「バングラデシュ人民共和国」の元首は、Md. アブドゥル・ハミド大統領です。

「バングラデシュ人民共和国」の首相・外相について

「バングラデシュ人民共和国」の首相は、シェイク・ハシナで、外相は、A.K. アブドゥル・モメンです。

「バングラデシュ人民共和国」の国防・軍事制度・兵役について

「バングラデシュ人民共和国」では、国父ムジブル・ラーマンは、「敵意なく全ての国と友好を」というスローガンを掲げ、全方位外交が提唱されています。

インドを初めとする南アジア諸国やイスラム諸国を始め、日本を含む主要援助国を中心に友好関係が構築されてきました。

2016年10月には習近平・中国国家主席が訪問し、2019年7月にはハシナ首相が中国を訪問するなど、中国との関係も急速に強まっています。

SAARC(南アジア地域協力連合)、ベンガル湾多分野技術経済協力イニシアティブ(BIMSTEC)、南アジア・サブリージョナル経済協力(SASEC)、非同盟グループ(NAM)、イスラム諸国会議機構(OIC)、英連邦等のメンバーです。

また国連平和維持活動に積極的に参加し、要員派遣数は6,722人で、2021年2月現在、全派遣国中1位となっています。


軍事力は、予算は、2020年現在、約3,210億タカで、兵役は、志願制で、兵力は、陸軍が約13万2,150人、海軍が約1万6,900人、空軍が約1万4,000人です。

「バングラデシュ人民共和国」と「日本」の関係は?

「バングラデシュ人民共和国」と「日本」の政治関係は、経済協力関係を中心に友好関係が発展い、「バングラデシュ人民共和国」は極めて親日的な国民性です。

1972年2月10日に日本側がバングラデシュを承認、1972年3月3日にバングラデシュが東京に大使館を開設、1972年7月1日に日本側がダッカに大使館を開設しました。

経済関係は、対日貿易において、2019年~2020年の貿易額は、輸出が、約1,200百万ドル、輸入は約1,720百万ドルです。

主要品目は、2019年現在、輸出が縫製品、ニット製品、革・革製品、靴・帽子、革製品などで、輸入が鉄鋼、船舶、原子炉関連、車両、機械・電気製品、光学・精密機器です。

日本からの直接投資は、2019年~2020年現在、約60.12百万ドルとなっています。

文化関係は、国費留学生の受入、文化無償協力の実施、青少年招聘事業、ジャパンフェスト実施などで、在留邦人数は、2020年10月1日現在、1,080人、在日当該国人数は、2020年6月現在、16,835人です。

まとめ

以上、国特集「バングラデシュ人民共和国」でした。

ちなみに、「バングラデシュ人民共和国」の男子サッカーFIFAランキングでは、2020年11月の時点では「184位」でした。

FIFAデータ

https://fifaranking.net/ranking/

本記事は、2023年5月1日時点調査または公開された情報です。
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