「クウェート国」ってどんな国?
「クウェート国」の正式名称はアラビア語で「دولة الكويت(Dawlat al-Kuwait:ダウラトゥ・ル=クワイトゥ)」、英語では「State of Kuwait」です。漢字では「科威都」と表記し、その他「久伊都」などとも表記されます。
「クウェート国」の広さ 面積・場所について
「クウェート国」の面積は約1万7,818平方キロメートルで、四国とほぼ同じ大きさです。
「クウェート国」の場所は、西アジア・中東に位置しています。
「クウェート国」の首都について
「クウェート国」の首都は「クウェート市」で、「クウェート市」は、ペルシャ湾の一部であるクウェート湾の南岸に位置しています。
「クウェート市」の人口は、2005年現在、市域で約3万2,500人、都市圏で約238万人です。
「クウェート国」の人口について
「クウェート国」の人口は、クウェート市民調査局が2020年に調べた時点で約467万人であり、人口密度は、約274.05人で、第35位です。
「クウェート国」の成り立ちについて
「クウェート国」は、16世紀にヨーロッパ列強が湾岸地域へ進出するようになりクウェートの存在が知られるようになりました。
18世紀にアラビア半島中央部から移住した部族がクウェートの基礎をつくり、1899年に英国の保護国となりました。
1938年に大油田が発見され、1961年6月19日に英国から独立しました。
「クウェート国」の国民・宗教・言語について
「クウェート国」の国民について
「クウェート国」の人種割合は、クウェート人が約45パーセント、クウェート地域以外のアラブ人が約35パーセント、南アジア系の印僑が約9パーセント、イラン人が約4パーセント、その他が約7パーセントです。
2011年の統計によると、全人口のうちクウェート国籍は約40パーセントに過ぎず、約60パーセントを外国人労働者が占めています。
ほかの湾岸諸国と同じように、インド人、パキスタン人、バングラデシュ人、エジプト人やフィリピン人が多く、ビドゥーンと呼ばれる多くの無国籍の人々もいます。
「クウェート国」の宗教について
「クウェート国」の国家宗教は、イスラム教が約85パーセントで、その内訳は、スンナ派が約70パーセント、シーア派が約30パーセントと最も多く、そのほかの約15パーセントは、キリスト教、ヒンドゥー教などです。
「クウェート国」の言語について
「クウェート国」の公用語は、アラビア語ですが、英語も広く使用されています。
「クウェート国」の経済状況について
「クウェート国」の通貨はクウェート・ディナールで、GDPは約1,355億米ドルで、世界60位です。そして、一人当たりのGDPは約22,105.09米ドルで、世界40位です。
「クウェート国」の貿易について
「クウェート国」の貿易相手は主に、輸出が中国、韓国、インド、日本、シンガポールで、輸入が中国、米国、アラブ首長国連邦、日本、サウジアラビアとなっています。
「クウェート国」の主な輸出品目は、石油、石油製品、肥料で、輸入品目は、食料品、建設資材、車両および部品、衣類です。
「クウェート国」の政治・政策について
政治体制について
「クウェート国」は、首長制で、議会は国民議会で一院制、定員は50名、任期は4年です。
「クウェート国」の政策
「クウェート国」は、過去2世紀にわたってサバーハ首長家が統治しており、1961年6月19日の独立後も、同家内より選ばれた首長を元首としている点に変わりありませんが、1962年に制定された憲法に基づいて国民議会が開設され、首長、国民議会、内閣の三者を中心とした統治形態がとられるようになりました。
1963年には湾岸地域で初めて民選議員から成る国民議会を開催するなど、独立直後から民主化が進められています。
また、近年では女性の政治進出もみられ、2005年5月には、女性に参政権が認められ、同年6月初の女性閣僚が誕生し、2009年5月の総選挙では初の女性議員(4名)が誕生しました。
2011年以降は、生活改善を求める一部無国籍者によるデモや反政府系議員を中心としたデモが継続され、同年11月、反政府抗議集会参加者が国民議会に乱入する事案が発生したほか、国民議会解散および総選挙の早期実施、汚職追及等を求める過去最大規模のデモが発生しています。
2011年11月にナーセル内閣が総辞職し、ジャービル内閣が発足、12月に国民議会が解散し、2012年2月に国民議会選挙が実施され、反政府勢力が躍進しました。
国民議会による閣僚の相次ぐ回答要求、辞任等、政府と国民議会の関係の混乱を受け、2012年6月18日に首長令によって1か月間議会が休会、6月20日には憲法裁判所によって2月の国民議会選挙が無効と判決、10月21日、サバーハ首長の指示に基づき、政府によって現行選挙法が改正、12月1日に国民議会選挙が実施されました。
2013年6月に、憲法裁判所によって2012年10月の首長令による選挙法の改正を合憲されながらも、12月の国民議会選挙は無効と判決、7月27日に再度国民議会選挙が実施され、8月4日、ジャービル首相のもとに新内閣が発足されました。
2016年11月26日、国会議員選挙が実施され、翌12月にジャービル新内閣が発足されましたが、主要閣僚に対する回答要求等により、2017年10月に内閣が辞職となり、同年12月に再度ジャービル首相のもとで内閣が組閣されました。
2019年11月にジャービル首相がサバーハ首長に辞表を提出、内閣が総辞職し、同年12月、サバーハ・ハーリド前外相を首相とする新内閣が発足されました。
2020年9月にサバーハ首長の薨去を受け、ナッワーフ首長が即位、同年12月5日の国民議会選挙後、サバーハ・ハーリド首相の下で内閣が組閣されましたが、国会から同首相に対する回答要求等を受け、2021年1月、同首相はナッワーフ首長に辞表を提出し、内閣が総辞職しました。
「クウェート国」の元首・政府について
「クウェート国」は、首長制で、議会は国民議会の一院制、定員は50名、任期は4年です。
「クウェート国」の元首について
「クウェート国」の元首は、シェイク・ナッワーフ・アル・アハマド・アル・ジャービル・アル・サバーハ首長殿下です。
「クウェート国」の政府について
「クウェート国」の首相は、シェイク・サバーハ・アル・ハーリド・アル・ハマド・アル・サバーハ、外相は、アフマド・ナーセル・アル・ムハンマド・アル・サバーハです。
「クウェート国」の国防・軍事制度・兵役について
「クウェート国」は、各国との良好な関係を維持するとともに、GCC諸国との協力の推進、アラブ諸国との連帯を外交の主要な柱としています。
1990年8月のイラクの侵攻後、1991年2月の解放を経て、西側寄りの外交政策傾向が強まり、米(1991年9月)、英(1992年2月)、仏(1992年8月)、ロシア(1993年11月)それぞれとの間で防衛取極を締結し、1995年3月に中国との間で軍事協力に関する覚書が調印されました。
サッダーム・フセイン政権崩壊後のイラクとは、2010年7月までに外交使節の相互派遣が正常化し、同国とは、近年相互のハイレベル訪問や国境画定問題の進展等、関係が改善されており、国連安保理決議の履行による懸案の解決が順調に進展していることが確認されています。
軍事力は、予算が約64億ドル、兵役は徴兵制です。
兵力は、約17,500人で、その内訳は、陸軍は約13,000人、海軍は約2,000人、空軍は約2,500人で、予備役は約23,700人となっています。
「クウェート国」と「日本」の関係は?
「クウェート国」と「日本」の政治関係は、1961年にクウェートの独立を承認、1963年に大使館が設置、クウェートでは、1962年に在京大使館が開設されました。
2011年3月の東日本大震災に際しては、サバーハ首長をはじめとする要人によって、天皇陛下や菅総理(当時)にお見舞いの書簡が送られたほか、駐クウェート日本大使館で弔問記帳が行われました。
また、クウェート政府は、500万バレルの原油(約400億円相当)を無償供与する旨決定し、岩手、福島、宮城の被災三県にて復興支援事業を実施、在日クウェート大使館は被災地にサッカーボールおよび文具その他支援物資が被災地に寄贈されるとともにチャリティーバザーが実施、収益金約150万円を寄付されました。
その後も、2012年3月にサバーハ首長が国賓として訪日し、天皇陛下との御会見、総理との会談等が実施され、その機会に、アクアマリンふくしまへ300万ドル、日本赤十字社へ200万ドルの追加寄付が表明、いずれも7月に日本において贈呈式が行われました。
クウェートからの支援は、被災地の様々な復興プロジェクトに活用されています。
2013年8月には、安倍総理大臣がクウェートを訪問し、ナッワーフ皇太子と会見したほか、ジャービル首相との会談を行い、両国間で、エネルギーのみならず、政治・安全保障、経済、教育、農業、保健の多くの分野で協力を進展し、「包括的なパートナーシップ関係」を構築することで一致しました。
経済関係は、対クウェート貿易は、2020年現在、貿易額は、対日輸出が約4,871億円、対日輸入が約1,504億円、主要品目は、対日輸出が原油、石油製品、天然ガスで、対日輸入が自動車、鉄鋼、一般機械、原油の対クウェート輸入量は、2019年現在、約14,693千キロリットルで、日本総輸入量の約8.4パーセントで第4位となっています。
文化関係は、例年、在クウェート日本大使館では、各種日本文化紹介事業が実施、
2009年3月、4月にはクウェート市にて「日本文化週間」が開催されました。
2011年に、日・クウェート外交関係樹立50周年にあたって各種記念事業が実施され、2021年は、日・クウェート外交樹立60周年にあたります。
在留邦人数は、2021年2月現在、161人です。
まとめ
以上、国特集「クウェート国」でした。
ちなみに、「クウェート国」の男子サッカーFIFAランキングでは、2020年11月の時点では「148位」でした。
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