子供を幼稚園に入れる場合とは
入園時期まで育休や時短を使い、その後幼稚園へ
待機児童が多い自治体の場合、育休復帰時期に保育園に入れない事も珍しくありません。その時には、育休を延長できる企業もあります。
待機児童となり、保育園の空きが出るまで育休、入り次第復帰という形となるのがほとんどですが、企業や職種によっては、あらかじめ育休を最大で3年まで取得できる事もあります。
3年間育休を取得し、その間は自分の手元で子供を育てる育児に専念し、3年後保育園ではなく幼稚園に入れて、復帰する人も多くなりました。
もしくは、近くに祖父母がいるなどサポートが受けられる場合、もしくは時短勤務が使用できる時には育休後に復帰、時短を使いながら保育園には入れずに祖父母に養育を任せ、幼稚園に入園できる年齢になったら幼稚園に入園させる人もいます。
小規模保育園や企業内保育所から幼稚園へ
通常は、保育園に一度入園すると引っ越しや仕事を辞めるなどの理由がない限り、就学前まで同じ保育園で子供たちは過ごします。
その一方で、待機児童を解消するために、小規模保育園を設置する自治体も多くなりました。小規模保育園は、自治体独自の認定基準を受けている保育園で、認可保育園と同等になりますが、園庭がない・保育所の規模が小さいなどの理由から、預かっている子供の年齢を0歳から2歳児クラスに限定している所も多くなっています。
また、産休育休を取得した後の女性従業員が働きやすい環境づくりとして、企業内保育所を併設している企業や事業所もあります。企業内保育所も、預かっている子供の年齢を0歳から2歳児に限定している場合があります。
小規模保育園、もしくは預かる子供の年齢を限定している企業内保育所に入園した子供は、3歳児以降(幼稚園年少相当)からは、他の保育園に転園するか、幼稚園に転園するか選ぶ事となり、その際に幼稚園を選ぶ場合も、働く女性が子供を幼稚園に入れるパターンに該当します。
幼稚園の就園年齢を待ってから働く
仕事を探している時、求職活動を行う為に保育園に入所させる事もできます。ところが、多くの自治体では求職中は保育園の入所の為の加点が一番低く、求職中での保育園入所自体が難しくなっています。
また、運よく求職中で保育園に入所できても、小さい子どもがいる女性は、就職が決まり辛いです。求職中での保育園入所の場合、仕事が見つかればそのまま継続して保育園に通う事ができますが、定められた期間(自治体によって異なりますが、およそ2か月から3か月間)に仕事が決まらなかった場合には、強制的に退園となります。
仕方なくパートで働いていても、小さい子供は保育料が高く、仕事の給料全てが保育料で消える事も少なくありません。
その為、出産する時点で仕事がなく、かつ仕事をしたいと考えている女性は、子供が幼稚園に入れる年齢を待ってから仕事探しを始める事も多いです。幼稚園によっては、年少相当年齢ではなく、満三歳の誕生日から入園できる「満三歳児入園」を設けている幼稚園もあるので、満三歳で幼稚園に入園させ、その後仕事を探して働く、というパターンです。
認可保育園から幼稚園への転園、その理由とは?
子供の過ごしやすい環境の為に
就学前の子供たちが過ごす施設ですが、保育園は厚生労働省の管轄の福祉施設、一方で幼稚園は文部科学省の管轄の教育施設という位置づけです。近年では、保育園でも英語や体育と言った独自のカリキュラムを取り入れ、保育内容を充実している保育園も多くなりましたが、独特の教育方針やカリキュラムを取り入れている面では、幼稚園に軍配が上がる事が多くなっています。
特に、私立幼稚園は幼稚園ごとに特色があります。小規模園かマンモス園か、小学校受験を目指す子も多いお勉強中心の園か、思い切り子供を遊ばせるどろんこ園か、などです。保護者が子供にどんな風に過ごしてほしいのか、もしくは子供の性格や気質に合った場所で過ごしてほしいとの願いから、認可保育園から幼稚園に転園させる事があります。
他にも、保育園には園庭がない、もしくは狭い園庭の為のびのび遊んでほしいと、広い園庭のある幼稚園に転園するなど、子どもが過ごしやすい環境の為に幼稚園を選ぶ事もあります。
サポートや距離の面での転園
保育園に子供を預けながら働く保護者の中には、祖父母が近居にいる為に、子供の送り迎えなどのサポートを受けている事もあります。
幼稚園の多くはバス通園であり、自宅の近くまでバスが来てくれる幼稚園もたくさんあります。送り迎えの祖父母の負担を考えて、バス通園のある幼稚園へ転園させる事があります。
また、祖父母のサポートがなくても通っている保育園が遠く、送り迎えが負担と感じていた時に、家の近くにある幼稚園が預かり保育も行っているなどの場合にも、自分の利便性を考えて幼稚園へ転園させる事があります。
その他の理由
保育園に子供を預けながら働く保護者の中には、自宅近くではなく最寄り駅や、勤務先近くの保育園に通わせている場合もあります。
自宅近くではない保育園に通わせている場合には、いずれ小学校に入る時に同じ学区の友達が全くいない、という事がほとんどです。転勤や転居の予定もなく、ずっと同じ土地に住む予定の為、あらかじめ同じ学区内の友達を子供に作りたい、同じ学区内の保護者との交流を持っておきたい、といった理由などで学区内の幼稚園へ転園させる場合もあります。
働きながら幼稚園に通わせたい!幼稚園選びのポイント
通常保育の時間を確認する
働きながら保育園ではなく幼稚園に通わせることを決めたら、まずは保育時間を確認しましょう。パートタイマーとして働く場合には、保育時間内にどのくらい勤務できるのかを確認します。
また、園の規模によっては通園バスの時間帯に早便・遅便を設定している場合があります。通常の歩き通園の時間が9時から9時半までとしたら、通園バスの早便は朝8時から9時出発、帰りは13時半から14時到着、遅便なら9時から10時出発、帰りは14時半から15時到着と開きがあります。通園バスを利用する時には、バスの発着時間も確認しなければいけません。
預かり保育の有無
フルタイムのパートや、正規職員として働く時には幼稚園に通わせるのは難しい、と感じる方も少なくありません。けれども、今は幼稚園でも働く保護者の為に、通常保育時間外に預かり保育を行っている園も多くなりました。
預かり保育の有無はもちろん、早朝や延長保育にも対応しているのか、長期休みの間は行っているのかなども調べましょう。また、預かり保育も一時間当たり〇〇円、と都度利用のみの所から、通常の利用料金よりも安くなる月極での利用も可能な所もあります。預かり保育が無料の幼稚園もあります。
忘れてはいけないのが、夏休みなどの長期休みの間の預かり保育です。長期休みも預かり保育を行っているのか、料金は、預かり可能な時間帯はどうなのか…なども調べておきましょう。
預かり保育の内容
預かり保育を行っている幼稚園でも、預かり保育の保育内容に差があります。これもリサーチしておくと納得して通える幼稚園探しに繋がります。
見たいポイントとしては、預かり保育では具体的にどのような事をしているのか、担当する先生はどんな人なのかです。預かり保育は、通常保育とは異なる為幼稚園によっては、園庭で遊ぶのは禁止、DVDを見せているだけ…という所もあります。逆に、園庭で思い切り遊ばせる、夏休みなどは毎日プールにも入れる、など通常保育と同等の保育を提供している所もあります。
預かり保育を担当している先生も、普通学級を担当しているプロの幼稚園教諭が行っているのか、預かり保育専門の教諭資格のないパートの先生が行っているのかも調べておきましょう。
預かり保育の料金面は気になりますが、無料や安い預かり保育料に釣られてしまうと、預かり保育の保育内容が充実していない場合がありますので、注意しましょう。
お弁当か、給食か
保育園ではほとんどの保育施設に給食室があり、園児には給食が提供される為に保護者はお弁当を用意する必要はありません。けれども、幼稚園はお弁当園である事も多いです。
とはいえ、給食を取り入れている幼稚園も多くなりました。全日給食の幼稚園もあれば、週に一度だけ、もしくは保護者が給食かお弁当かを選べる幼稚園もあります。働きながらだと、毎日のお弁当作りも負担になってしまいます。給食がある園を選ぶか、お弁当も食べさせたい時には週にどのくらいなら仕事に支障なくできるか、などもリサーチしておきましょう。
保護者の出番は多いか
幼稚園は保育園よりも保護者が幼稚園に行く機会も多くなります。子供の行事によっては、保護者も一緒に参加する事があります。仕事をしながら幼稚園に通わせている場合には、行事や幼稚園に行く機会が多くなると、それだけ仕事に休みや早退などを取らざるを得なくなります。
また、保育園もそうですが、子供が幼稚園に通っている間には、最低一度は役員を行う所が多くなっています。役員となっても、仕事をしながらでもできるのかなども調べておきましょう。
他にも、直接的な参加はしなくても、バザーがあって必ず手作りのものを出さなければいけない、子供の持ち物は既製品禁止で全て手作りでなければいけない、学芸会や発表会の衣装は全て手作りで…など、家で行う作業で大きな負担がかかる幼稚園もあります。
幼稚園に通わせて良かった!働きながら幼稚園のメリット
子供が楽しんで通える
保育園の場合、保護者の就業状況などによって加点が決まり、希望を出した保育園への入所が決まります。とはいえ、待機児童の多い地域もたくさんありますので、魅力的な保育園が合っても必ずしも希望通りの保育園に入れるとは限りません。そして、自分の働く職場や自宅の位置によっては、保育園の数も少なく選択肢もないといった事があります。
一方で、幼稚園は数ある幼稚園の中から、カリキュラムや教育方針などに応じて、好きな幼稚園を選択して子供を通わせる事ができます。遠方の幼稚園でも、バス通園が充実している所を選べば、送り迎えの負担も少なくなります。
幼稚園は園庭が広い、体育や英語のカリキュラムに力を入れている、独自の教育システムを採用している、何よりも子供が気に入った!など、納得して選び、子供が楽しんで通える要素も多くなっています。
働く保護者が多い幼稚園を選ぶと、ママ友も作りやすい
共働き家庭が増えたことにより、あらかじめ働いている保護者の多い幼稚園もあります。全日給食、預かり保育は早朝7時から19時まで充実している、保護者の出番や負担も少ない…などです。
このような幼稚園には、働きながら幼稚園に子供を通わせる保護者が多く集まります。その為、働くママ同士のママ友も作りやすく、働きながらでも役員ができる体制が整っている幼稚園も多くなっています。
一番は保育料!幼稚園を選んだデメリット
保育料が高い
保育園は世帯所得によって保育料が決まります。また、3歳児以降は子供一人当たりに着けなければいけない保育士の数が減る為、3歳児以降の保育料は大幅に安くなります。
一方で、幼稚園は私立がほとんど、かつ教育機関の為に保育料がどうしても高くなりがちです。自治体によっては、世帯収入に応じて補助が受けられる制度を設けている所もありますが、日本全国ではありません。
幼稚園に通わせたいけれども、保育園の安い保育料に魅力を感じる為保育園を選ぶ保護者もまだまだ多くなっています。
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