非常勤の地方公務員(パートタイム・1年目)の職場体験レポート

関東地方の地方自治体で非常勤の地方公務員として働いた元公務員の職場体験レポートです。


はじめに

私は、令和3年に関東のとある自治体の非常勤の地方公務員(市役所の窓口業務・一般事務職)の一般公募に応募し採用されました。

実際、市役所で働いてみて、困ったこと

市役所の窓口業務や一般事務の仕事で困ったことは、取り扱う書類が専門的だったり、記入方法がややこしかったりすることでした。

公的文書の決まりごとは厳密に守らないといけないので、申請書類を間違えて受理してしまった場合などは再度、一からご本人の手続きが必要になります。

窓口業務で間違えた対応をしてしまったとしても、「まだ1年目で」「正規職員じゃないので」等は市民の方には関係のないことなので「絶対に迷惑をかけることのないように」「スムーズな手続きができるように」と、とても神経を使いました。

市民からのお問い合わせは、所属の範囲を超えたようなものも多いのですが、すぐに答えられないと「そんなことも知らないのか!」とお叱りを受けるようなこともありました。

非常勤職員とはいえ、行政について新しい情報を常に把握しておく必要を感じたので、市の広報を読んだり、ホームページをチェックしたりは欠かせませんでした。

市役所の仕事だけでなく一般企業でも同じだと思いますが、窓口の対応一つで市全体の信用を失うことにも繋がってしまうので、非常勤職員とはいえとても責任は重いと感じています。

市役所に入ってからの研修について

非常勤職員の研修は、正規職員のような体系的なものはなく、実務をこなしながら仕事や遵守事項を覚えていきました。

私は非常勤職員になる前の正規の公務員だった時代に研修を受けていたので、法令や手続きの仕方など、感覚でわかることもありました。

公職が全く初めての人は新しく覚えることが多くて大変だと思います。

パソコンや情報システムに関する研修は随時あり、情報セキュリティの簡単なテストも受けました。


市役所で働いてみて、よかったこと

正規の地方公務員になるには、事務能力や基礎能力の試験、面接などの採用試験・選考に合格する必要がありますが、非常勤職員は市からの募集さえあれば、履歴書と面接だけで採用される可能性があります。

非常勤の地方公務員になれてよかったことは、休暇や福利厚生、賞与手当などがよかったことです。

地方公務員は営利企業等の従事制限というのがあり、副業や兼業はできません。一方で非常勤勤務(フルタイム以外)は、副業や兼業を認められている自治体が多いと思います。ただし、従事している職務内容や、パートの内容、労働時間数によるので、許可が出ないこともあると思います。

地方公務員は服務上の注意が多く大変なこともありますが、地方公務員のような安定した仕事を持った上で、副業や兼業もできるのは魅力的だと思います。

市役所のパートタイム勤務者の残業について

市役所のパートタイム勤務者として働いて、残業は一切ありませんでした。

自分の席で一般事務をしながら、電話受付や市民窓口の対応をしていたのですが、窓口業務が混み合っていたり、電話が鳴り続けたりして、予定していた業務がほとんど手付かずの日もありました。

そのような日であっても、残業せずにすぐに帰るよう促されました。

非常勤の地方公務員の休年次有給休暇

年次有給休暇は、子育て中でも困らない程度の十分な時間をもらえましたし、子どもの看護休暇も取ることができました。

休暇は、半日単位でなく、時間単位でとることができたのがとても助かりました。
その他、下記のような休暇がありました。

・有給:夏季休暇、結婚休暇、忌引、公民権の行使
・無休:生理休暇、妊娠に関する休暇や職面、産前産後の休暇、育児時間や介護、子どもの看護休暇等
任用されている期間などの条件があり、診断書が必要になりますが、傷病による休暇(有給)、休職(無休)もあります。

この職場での職場恋愛について

市役所の職場恋愛は、自分の所属がほぼ女性だったのでありませんでしたが、市役所全体でいうとカップルは多い印象です。他の部署との交流もある中で、みなさん仲よく話したり協力したりしていました。

市役所勤務の間の人間関係について

人間関係で困ることはありませんでした。

市役所はなんとなく取っ付きにくいようなアクが強い人がいるようなイメージがありましたが、実際は賢くて優しい、友好的な態度の方が多いと思いました。

自治体や所属によって大きく変わると思うのですが、自分がいた部署では窓口業務や電話対応で困ることがあっても、チームでサポートしあう関係ができていたので、とても心強かったです。

まとめ

地方公務員の非常勤職員は1年を通して市役所のホームページなどで募集されています。


欠員や新規事業によって募集があり、市役所の事務職の他にも、他機関の専門職種の募集もあります。

自治体によりますが、同じパート職員でも、募集されている職種によって勤務時間数にも大きく幅があるのではないかと思います。副業をしたい方や、子育てと無理なく両立できる仕事をしたい方にとっては、いい条件の仕事がたくさん用意されているかもしれません。

より良い条件で働くために

(1)派遣会社などを通さずに、自分で直接応募する
(2)保育士、看護師、教員免許など資格が優遇される募集をこまめにチェックする
ということに気をつけて、ぜひ自分にあう職場を探してみてください。

本記事は、2023年2月8日時点調査または公開された情報です。
記事内容の実施は、ご自身の責任のもと、安全性・有用性を考慮の上、ご利用ください。

働く女性
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