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【大学生の就活(2)】帝国データバンク、会社四季報、IRの4つの見方

「大学生の就職活動」シリーズ第2回は、公務員採用試験だけでなく、大学生の就職活動全般について解説します。今回は、企業選びの情報の一つとなる、企業情報である帝国データバンクや会社四季報の見方や、上場企業が公開しているIR情報の見方について解説します。

2017年11月02日更新

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目次
その1 会社の「資本金」を確認しよう
その2 本社所在地、営業所を確認しよう
その3 取締役、監査役、株主構成、取引先を確認しよう
その4 売上と利益、従業員数を確認しよう
番外編 会社四季報、IRで確認できる情報
まとめ
【大学生の就活(2)】帝国データバンク、会社四季報、IRの4つの見方

大学生が就職活動で、会社選び・会社探しにあたり、事前に会社の経営状態について調べることは重要です。

例えば、「帝国データバンク」は株式を公開している会だけでなく中小企業の経営状態に関する情報も網羅しています。公開会社については、帝国データバンク以外にも、会社四季報やインターネットで情報公開されているIR情報で更に詳しい情報を収集することが出来ます。

今回はこれらの情報ツールの活用した会社情報の見方について、4つと番外編で、解説します。

その1 会社の「資本金」を確認しよう

資本金とは、会社設立時の運転資金のことで、会社が業務を行うための資金として活用されます。資本金は、発起人とよばれる会社設立者の自己資金や金融機関からの借り入れ、その他出資者がいれば出資金を募って調達します。

つまり、会社設立の際になった出資額の合計額です。

また、株式発行によって得たお金全部が資本金になるわけではなく、 一部が資本金に、残りは資本準備金になります。

2006年に会社法が施工され、以前は資本金の額にも規定がありましたが、今では1円から会社を設立できるようになりました。

資本金の規模の大きい会社が優良企業ということではないので注意しましょう。

その2 本社所在地、営業所を確認しよう

本社所在地が東京都ではなく、地方の場合もあります。

また、地方で創業して本社と東京で本社二社制の会社もあります。

なぜ本社を気にする必要があるかというと、東京であればそもそも地方出身者の集まりなのであまり気にする必要はないと思いますが、地方が本社の会社だと地方の特色、その県民性の特色が色濃くでます。

以前、株式会社不二越の社長は、「本社のある富山県出身の学生は採用しない」という発言が問題になったことがあります。

確かに、富山県出身の学生からは採用しない発言は問題があります。

私も以前、北陸に住んでいたことがあるのですが北陸三県(富山県、石川県、福井県)は閉鎖的な地方であまり他県の人を受け入れる環境ではなく閉鎖的であるという印象を受けました。

付き合いが深くなれば地元民も他県出身者に対して受け入れてくれると思いますが、時間がかかり、どの県も地元意識が非常に強いのが実情です。

この北陸三県は、「越中強盗、加賀乞食、越前詐欺」などと揶揄され、富山県は抜け目がなく勤勉で働き者であり、石川県は穏やかで文化的な暮らしを好むが、決断力や気概に欠けると言われます。

江戸時代は、加賀100万石に代表されるように越中も加賀の一部であり働き者の富山県民をこき使ってきたのが石川県であり、石川県はいざという時に何をしたらよいか判断できず、決断性に欠けると揶揄されました。

富山県民の場合は富山の薬売りが代表されるように勤勉な県民性です。

福井県は保守的で争いを嫌い、目商売上手と言われ、日本一社長の多い県が福井県と言われています。

株式会社不二越の社長の発言は「地元に固執するのではなく、他県、海外にもっとでて幅広い見識をもつように」ということを伝えたかったのだと私は思います。

このように本社が地方の場合、研修、会社が本社で実施したり本社勤務の可能性もあり、また、在籍者が本社の地元出身者であることも多いため、その県や県民性を理解することが重要ですし、その地方のことを軽蔑したりしないように気を付けましょう。

その3 取締役、監査役、株主構成、取引先を確認しよう

日本の99%が中小企業であるのが現状ですので、経営陣、株主構成も創業一族であることが多いです。

経営陣、株主構成が創業者一族で固められていれば、企業規模も小さく、手堅い経営であることも予想されますし、経営陣だけがお金をもうけようという意図も見え隠れします。

このような同族経営の会社だと社員の声も通りにくく、風通しの良い社風ではないということも考えられます。

また、いずれはキャリアアップして会社の経営陣になりたいという意識の高い人にとっては、経営者一族と上手く付き合える人間でないと難しいと思います。

自分の意見を貫く人などは経営者一族と亀裂が生じて出世の道が閉ざされてしまったなんてことにもなりかねません。

日本の会社は未だにこのケースが多く、世の中の大半の社会人は会社の丁稚奉公、江戸時代の家臣のような扱いをされるのが現状です。

日本の企業の古い体質を嫌うかたは、株式公開会社や外資系企業に勤めることをお勧めします。

それと、株主構成が創業者一族である以外には、会社が親会社の子会社である場合には親会社の製品をメインで販売しているなど親会社のバックアップが充実しているから販売ルートが決まっていたり、マンパワーが求められる部分が少ないのではないかということも想像できたりします。

独立系の会社なのか親会社の子会社か、他にどのような会社がその会社の株主なのかも確認することも重要です。

中には銀行や保険会社、自分の会社の取引先が株主だったりもします。

取引先が筆頭株主であれば、その会社の大口先なのかということも考えられますし、金融機関が筆頭だったりすれば、お金のことで何かあるのかなど考えられます。

それからその会社に子会社があるのかないのか、取引先がどこの会社なのかを調べるようにしましょう。

取引先がどのような商材を扱っている会社なのかということを調べることで、会社がどのような商材を扱っているか等を調べることで、自分が調べている会社以外の会社に関して興味を示すことによって、就職の選択肢を広げていくことも出来るので必ずチェックしましょう。

その4 売上と利益、従業員数を確認しよう

最初に売上と従業員数の関係に注目しましょう。

例えば、売上が200億円の会社で従業員数が200人であれば効率の良い経営をしているという反面、社員のマンパワーが求められる可能性があります。

社員のマンパワーが求められるというのは、社員が長時間働いて残業も多いのではないか、
その分いろいろ経験できるから仕事の幅が広いのではないか等が想像できます。

仕事時間の長さに懸念があるなら実際に会社に行ってみて、事務所の電気の灯りが何時までついているか抜き打ちで確認しに行っても良いかもしれません。

また、会社のホームページ、四季報、IR情報では、従業員の平均年齢を確認することが出来ます。

平均年齢が若すぎる会社は、会社の歴史が短く若手にチャンスもあり、今のご時世にあった会社だと良い面も考えられますが、離職が高いことも考えられます。

年齢が若すぎる会社であれば注意すべきかもしれません。

例えば「若手にチャンスを与える」「若手がチャレンジしやすい」など若いことを売りにする会社は離職率が高いことが考えられます。

例えば、新規で参入したばかりで若い会社でチャレンジしやすい会社だったら良いのですが、入社してみたら歴史ある会社で社長が60代の年齢なのに、50代の年齢の人たちがおらず、一番年上が30代後半から40代前半だったりした場合、社長と年齢の近い部下との間で何かしらの軋轢があって定着せずに退職してしまったのか、社長の独裁に耐えられずすぐに辞めてしまったのかなども考えられます。

離職率が低いなどをうたっている会社もありますが、それが真実かどうかという疑問もありますので、疑ったほうが良さそうです。

また、平均年齢が高ければ、会社の定着率が高いですが、歴史もある会社で閉鎖的な面もあるということも考えられます。

離職率が低いなどをうたっている会社もありますが、それが真実かどうか疑問もありますのであまり信じないようにしましょう。

利益がでているか?

それから、一番重要なのは「利益」です。

利益が出ているなら、給与アップ、賞与支給なども考えられますし、長く勤務できることも可能です。

利益には5つのあり、「売上総利益」、「営業利益」、「経常利益」、「税引き前当期純利益」、「当期純利益」に分けられます。
帝国データバンク、東京商工リサーチで発行されている東商信用録では「当期純利益」のみが掲載されています。
その他の4つの利益は掲載されていないため、株式上場している企業であれば、会社四季報、IR情報で調べましょう。
簿記を勉強された方にはご存知かと思いますがまとめましたので参照ください。

「売上総利益」とは?

売上高から売上原価を差し引いた費用のことで、粗利益とも言われ営業職に従事すれば仕事上での利益を表す用語としてよく使われる用語です。

「営業利益」とは?

企業の営業活動(メインとなる仕事)を通じてどれだけ稼いだかを表す利益です。

先程紹介した「売上総利益」から販売活動から生じた費用(従業員の給与や交通費などの諸費用)を差し引くと「営業利益」が算出されます

*売上総利益-販売費及び一般管理費=営業利益

「経常利益」とは?

「経常利益」に「特別利益」(固定資産売却益など)を加えた額から、「特別損失」(固定資産売却損など)を差し引いた利益です。

用語から見ても分かるように是金を納める前の利益です。

*「経常利益」+「特別利益」-「特別損失」=「税引き前当期純利益」

「当期純利益」とは?

法人税等の税金を差し引いた最終的な企業の利益額です。

税金を多く収めているなら営業活動が好調であると判断できます。

4:番外編 東京商工リサーチ

帝国データバンク以外にも、東京商工リサーチから「東商信用録」という本があります。

基本的には、帝国データバンクとあまり変わりませんが、会社の評価をA、B、Cで格付け付けされ、コメントも記載されています。

株式を公開していない会社でも第三者のコメントを見ることが出来ますので参考にしていただければと思います。

東商信用録の格付けの説明は下記になりますので参照ください。

*A、B、C格付けの正式な内容は、東京商工リサーチの東商信用録の紹介ホームページにてご覧ください。

評価「A」とは? 

営業活動も活発に行っていて利益も出ていて、財務の面でも安定している企業であるということを表しています。

安定した経営基盤があるためあくまで経営面では問題ありません。

ただ、入社してもその会社が働きやすい会社とは限りませんのでご注意ください。

ご両親、親族を入社するにあたり納得させられる材料にはなると思います。

評価「B」とは?

営業活動、財務の面で改善しなくてはいけない面はあるものの経営面ではすぐに倒産する可能性は低いでしょう。

可もなく不可もなくという評価の企業だと思います。

評価「C」とは?

営業面、財務面ともに改善点も多く、倒産の可能性もある企業です。

入社するのは少し考えなおしたほうが良いとは思いますが、もしかすると5年後、10年後
大ヒット商品を出す可能性もあるかもしれません。
企業の営業活動、技術力、将来性を検討した上でその会社に魅力なければ入社すべきではないでしょう。

番外編 会社四季報、IRで確認できる情報

会社四季報に、今後約1年間の業績、中期展望として、新製品などの情報や会社の課題等のコメントが掲載されています。IR情報では詳細に見ることが可能です。これらの情報は面接などでも使えることが出来ます。

会社の課題などを知っていれば企業側も研究熱心な学生だという印象を与えることも出来き、自分が会社で働く上でも知っておきたい情報ですので必ずチェックしましょう。

IR情報では会社の経費の比率、会社の事業分野ごとの仕入れ、売上比率、会社経営の概況などさらに詳細にみることができますので併用しながら見ることをお勧めします。

会社四季報では、調べている会社以外にも「比較会社」という項目で似たような業種の企業の情報が掲載されています。

先にも述べましたが、比較会社を調べることで就職の選択肢を広げることも出来ます。また、自分の興味を持った会社のライバル会社の可能性もあります。

ライバル会社の可能性があればその会社を調べて、その情報で会社の人事にアピールすることで、他の学生と差別化できますので、チェックするようにしましょう。また、会社の経営状況を見る際に調べておきたい指標を下記の通り紹介しますのでこれらの指標は必ずチェックしてみてください。

「自己資本比率」とは?

金融機関などからの借入金に頼らずに会社の自己資金で会社経営を行っているかを表す比率です。

この自己資本比率が低いと借入金の割合が多く、会社経営が不安定な会社です。

逆にこの比率が高い会社は、借入金に頼ることなく自己資金でお金のやり繰りしているため経営が安定しており倒産する可能性も低いでしょう。ただし、銀行などは預金者のお金を集めて経営している企業なので自己資本比率は低いです。

この自己資本比率が40%以上なら資金繰りには問題ないと思います。

*自己資本比率=自己資本÷総資本×100

「営業キャッシュフロー」は?

会社のメインの営業活動での現金の流れを表します。

この数値がプラスの数値であれば営業活動での現金の流れが活発であり、現金での支払い能力も高いため高ければ高いほど安定した企業だと言ってよいでしょう。

逆にこの数値がマイナスであれば営業活動での稼ぎも少なく、現金の支払い能力も低いため、会社の勢いもなく意欲的に活動している会社ではないと判断できるため、入社を再検討したほうが良いでしょう。

「投資キャッシュフロー」とは?

会社がどれだけの設備投資をして、そのお金を回収したかを表す指標です。

この指標はマイナスの数値であれば会社将来に対する設備投資が活発であると考えて良いでしょう。

逆にこの数値がプラスだと不要な機械などの固定資産を売却してプラスになっている可能性が高く、工場を閉鎖するなどして事業規模を縮小している可能性もかんがえられます。

会社四季報のコメント欄を見て内容を確認しましょう。

「財務キャッシュフロー」とは?


会社の金融機関の借入金、社債の発行、株式の発行、支払利息、配当金の支払いなどの財務の面での現金の流れを表す指標です。

資金調達が活発な場合は指標がプラスになり、大型プロジェクトが進んでいて資金が必要になったから高くなったのか、資金の返済のために資金調達しないと経営が成り立たないか等も考えられます。

逆にマイナスの数値の場合、借入金の返済、社債の支払い等が活発に行われている状況のため、会社が支払いに追われているのか、借入金の返済、支払いへまわす資金に余裕が出来たからなのか等が考えられます。

これも会社四季報コメント欄を確認しましょう。

まとめ

いかがでしたか?

「大学生の就職活動」シリーズ第2回は企業情報の見方でした。

日本の会社は、グローバル社会とか開かれた会社を目指しているなど口にしている割には閉鎖的ですし、会社の社員への情報公開も非公開の場合も多いのが現状です。

結局は、会社に貢献して当たり前みたいな昔ながらの封建的な考え方がはびこっているため、言い方は良くありませんが会社の社畜にならないためにも自分で会社のことを調べて把握しておくことが重要だと思います。

また、今回紹介したことは、会社で働き始めた際に自分の取引先の与信管理にも役立てることもできると思います。

会社の経営状況も数字やコメントなどの情報を把握して入社したとしても、その情報が必必ず正しいわけでもなく、また調べても見えないことも多々あります。

どんなに経営状況が良い会社でも人間関係が最悪の会社もありますし、そんなに経営状況が良くなくても働きやすくて人間関係も良好な会社もあります。

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