【海外補習校の日本語講師に聞きました!】働いていて大変だった事

海外で働くということは、日本で就業するのとはまた違った苦労や、大変さがあります。

今回は、クウェートで日本語の先生として働いていた講師の方に、「働いていて大変だった事」をコラムにして書いてもらいました。

はじめに – 海外補習校の日本語講師として働いていて大変だったことレポート

クェート補習校の講師として子供達に国語を教えるのは大変やりがいのある仕事でした。

今思い返せば楽しかった事が色々とありましたが、同時に大変だったこともたくさんありました。今回はそんな大変だった事をお話ししたいと思います。

大変だった事その1:時間以外の仕事が膨大

クェートの補習校は、日本国政府にきちんと認可された週1回、週末2時間だけの日本国籍を有する子供達のための学校です。

働く側からすると、海外なのに日本語で仕事ができるうえ、アットホームな職場環境でとても魅力的な職場です。

講師の給料は謝礼と呼ばれていて、時給制で、毎月月末に現地の貨幣で現金支給でした。具体的な支給金額は言えませんが、2時間で日本の日給のバイトと大体同じくらいの金額をいただいていました。

当然ですが、謝礼金は学校で生徒に教えている時間分だけです。講師が自宅で次の授業までに用意しなければならない時間外の仕事、例えば生徒たちから提出された宿題の添削や次の授業に使う教材の準備、学校行事のための生徒指導、そしてそれに付随する保護者や関係者への対応など、学校外でしなければならない仕事は、すべて無料奉仕になってしまいます。

そのため補習校講師が、良い授業を提供するために準備をすればするほど、自らを底知れぬ安月給にしてしまう可能性があります。

もちろん補習校講師の仕事はお金以外に良いこともたくさんあり、とてもやりがいのある仕事です。しかし熱心な講師であればあるほど、自分の時間を補習校の仕事のために使ってしまい、自分や自分の家族のために使う時間はどんどん失われていきます。

授業の前準備などは、慣れてくるとそれなりに要領よく仕事をこなせるようになります。しかし授業以外にも学習発表会や運動会の準備など、時間外に活動しなければいけない時もあります。

こういう時間外の仕事のことを考えると、補習校の講師は好きでなくては続かない、ちょっとしたバイト気分では長続きしない仕事ではないかと思います。

大変だった事その2:いつでも先生が不足

私が働いていた補習校では、校長先生だけは現地駐在日本企業のトップの方が1年交代で担当すると決まっていましたが、その他の講師や学校役員は全員現地採用でした。

たまにクウェート大学に交換留学生としてやって来た学生が、講師の手伝いに来てくれることもありましたが、ほとんどの場合、生徒の保護者や駐在員の奥様達で、学校は運営されていました。

クウェートの日本大使館や日本企業の駐在員の任期は大体2、3年で、講師をされている駐在員の方の中には、自分の任期が終わる前に、次に赴任してくる方に、補習校の仕事を引き継いでくれる方もいました。

しかし新しく赴任されてくる方全員が、快く後任の講師を引き受けてくれるわけではありません。

特に子供のいないご夫婦などは、後任の講師を辞退される方が多く、講師を引き受けてくれていた方が転出されることがわかると、かわりの先生をいつも学校関係者総出で探したものでした。

補習校の講師を快く引き受けてくれる人があまりいない一番の理由は、いくら謝礼金が出るとは言え、毎週お休みの日に、自分の子供が通っているわけでもない補習校に朝から行って、あまりよく日本語のわからない子供達に国語を教え、週末以外の日にも膨大な時間を無償で補習校運営のために費やさなければならない点だと思います。

国によっては、補習校といえども教員免許を持っていない人が教壇に立つことが許されない所もあり、そういう国では講師募集のハードルも必然的に上がります。

しかしクウェートの場合、教員免許や特別な資格が無くても、日本語が話せる日本人であれば実質誰でも講師になれました。それでも講師のなり手は、いつも不足していました。

大変だった事その3:日本式の風習

補習校では、毎月一度運営会議が行われていました。

建前としては、みんなで学校のあらゆることを検討・決定していく、という事らしいですが、さすが日本人の職場であるため会議も日本式で、悪くいえば形式的で、とても長時間に及ぶものでした。

私が働いていた当初、講師は全員で9名いましたが、会議に出席しなければならないのは教員代表に選ばれた講師2名のみで、教員代表は会議前と後に他の講師達と話し合い、もし会議にかけてほしい学校での問題があれば、教員代表が代表して会議に次回の議題として提出すると言うかたちをとっていました。

議題によってはすぐに決まる事柄も勿論ありました。しかしほとんどの場合、会議は予定時間を大幅に超過しても結論が出ないまま、残りの議題は次回に持ち越し、締めのフレーズは、「ではお話しした内容で、次回再検討します。」で終了し、一ヶ月後の次の会議にまた続きから始められます。

私も教員代表として数年間、会議に参加していた時期があり、今から思うと補習校の仕事の中で、会議に出席するのが一番大変な仕事でした。

日本と同じように、学校現場はほぼ決まった行事を決まった時期に毎年行うので、議案も大体毎年同じ時期に同じようなものが話に挙げられ、目新しい議案はほとんどありませんでした。

なぜこんな永遠に終わらない、ほとんど意味のない会議を、毎月開かなければならないのかとても不思議ですが、同じことを何度も議題に上げるのは非効率的だと意見をすると、今度はその意見が議題になってしまい、会議を長引かせてしまう原因にもなりうるので、皆なるべく会議中に余計なことを言わないようにして、1分でも会議が早く終わるよう祈りました。

まとめ

働く側からすると補習校の講師の仕事は、海外なのに日本語だけで働ける貴重な職場であるため、教員免許を持っているとか、将来日本の学校で勤務してみたいとか、週末にフリーの時間があるとか、子供が好きとか、いろいろな理由で補習校で働いてみたいと思う方もいると思います。

外から見ると補習校の講師の仕事は、週に2時間という短時間の仕事なので、誰にでも簡単にできそうですが、実は外からは見ることのできない無料奉仕的な仕事もたくさんあり、結構大変、まさに好きでなければ続かない仕事だと思います。

本記事は、2020年5月21日時点調査または公開された情報です。
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