【就活の学生の皆様必見】日本の「業界」の12分類のまとめと解説

「就職活動」をはじめるにあたり、まずやっておきたいのが「業界」研究です。今までなんとなく知っていた「業界」を詳しく知ることや、今まで知らなかった業界の知識を得ることで、自分にはどの業界に向いているのか選択肢を広げることができます。ここではまず「業界」の分類を12種にわけて、一覧にして解説します。


「業界」とは

就職活動の際によく耳にする「業界」とは、あらゆる企業をその産業や商業といった仕事内容や扱う商材によって分類したものです。「業界」によって、モノを商品をして扱ったり、サービスを商品として扱ったり、それぞれに特色があります。

また、社会全体としては、例えば「メーカー業界」がつくったものを「商社業界」が仕入れ、「小売業界」が販売するなど、「業界」同士が密接に関係しあっています。

具体的にはどのような業界があるの?業界の分類12

「業界」を、総務省の資料を元に公務員総研で独自に分類しました。各業界を役割ごとに大きく分けると、以下の12分類に分けました。

1)農林・水産業
2)製造業(メーカー)
3)IT(情報技術)、通信、インターネット
4)金融、保険
5)エネルギー
6)交通、運輸
7)流通、小売
8)サービス、レジャー、アミューズメント
9)マスコミ
10)商社
11)教育、人材、コンサルタント
12)官公庁、公社、団体

12種の各業界の解説

上記の通り、12分類したそれぞれの業界について、業界の特色と業界内の小分類について解説していきます。

農林水産業

「農林水産業」は農作物や樹木を育てたり、海産物を捕獲したりして、獲得した素材そのものを売ることで利益を得ます。果樹園業や畜産業、魚の養殖業なども含まれます。日本の食卓や暮らしを支える業界といえます。

【業界小分類】
農業、林業、漁業のほか、園芸・畜産・養殖などの業界があります。

製造業(メーカー)

メーカーとよくいわれる「製造業」は、モノをつくって売ることで利益を得ます。原材料を仕入れて、加工することで自社の製品を開発したり生産する業種をまとめて製造業と呼びますが、その原材料や製品の種類は非常に多岐にわたります。就職活動をしていく製造業と一口で言ってもとても範囲が広いので、小分類ごとにどんなモノをつくっているのか把握していくことが必要です。

【業界小分類】
「製造業」としての小分類としては下記のようなものがあります。

1)食品・飲料
2)繊維・アパレル
3)建設・住宅・インテリア
4)化学・医薬品・化粧品・トイレタリー
5)鉄鋼・非鉄金属・金属製品
6)石油・プラスチック
7)ガラス・セメント
8)パルプ・製紙
9)ゴム・タイヤ
10)電子・電気機器・半導体・コンピュータ
11)自動車・造船・重機
12)OA・精密機器・医療機器
13)武器
14)その他(スポーツ・玩具・文具・楽器など)

IT(情報技術)、通信、インターネット

「IT(情報技術)、通信、インターネット」業界では、情報そのものの伝達や、情報を加工、処理するなど付加価値をつけて売ることで利益を得ます。私たちに身近な存在となったSNSやスマホ向けコンテンツ業界もこの業界に含まれ、成長が目覚ましい分野と言えます。


【業界小分類】
WORDやEXELなどの「ソフトウェア」や電話などの「通信」、「インターネット技術」や「情報サービス」、「情報セキュリティ」やSNSなどの「Webプラットフォーム」やスマートフォン向けなどの「コンテンツ」などに分類されます。

金融、保険

「金融、保険」業界は、銀行を筆頭に、お金を動かすことや、金融商品で得た資金を運用することなどで利益を得ています。お金のやり取りを介すことで発生する手数料や、生命保険などの保険商品を売って集めた資金の運用によって利益が生まれます。お金は他のどの業界にとっても重要な要素ですので、他業界と密接な関係を築きながら、日本の経済を支えている業界です。

【業界小分類】
企業、個人を相手に預貯金の受け入れや貸し出しを行う「銀行」や企業の株式を投資家に売る「証券」、「クレジット・信販・リース」のほか、「生命保険」や「損害保険」などに分けられます。

エネルギー

「エネルギー」業界は、人々の生活に欠かせない、電気、ガス、燃料を開発、購入し供給することで利益を得ています。開発のためには海外事業への投資が必要なため、世界情勢にも気を配る必要があります。

また、2016年には電力、2017年にはガスの小売全面自由化により、異業種から業界に参入する企業が増えたことも大きな話題となっています。生活の基盤を支えるという意味で「インフラ」とも呼ばれる業界です。

【業界小分類】
「石油」「ガス」はそれぞれ扱う燃料の元売りや開発を手がけます。同じく発電と供給を行う「電気」なども含まれます。

交通、運輸

「交通、運輸」業界は、人々の生活の足となり、ヒトやモノを運んで利益を得ています。倉庫業もこの業界に含まれます。陸運、海運などと物流業界では、陸、海、空すべての総合物流を担う大手企業もありますが、それぞれに特化した企業もあります。インターネットによる通信販売の拡大によって個人向け宅配件数は増加傾向にあり、それに対応することも課題となっています。

「交通インフラ」とも呼ばれる交通業界では、サービス業など複合的に扱うことで、利益を出すなど各社工夫が見られます。

【業界小分類】
宅配便など荷物の運送を行う「陸運・海運」、荷物の梱包や置き場を提供する「運輸サービス・倉庫」、そして乗客を目的地まで運ぶ「鉄道・航空」などに分類されます。

流通、小売

「流通・小売」業界は、モノを仕入れて売ることで利益を得ています。主に企業に販売するのが卸売業、消費者に販売するのが小売業です。小売業は百貨店、スーパー、コンビニなど業務形態や、家電量販店、ドラッグストアなど扱う商品によって業界が分かれています。近年、企業存続をかけてのグループ化が目立つので、どの企業がどのグループに属しているのかをおさえておく必要があります。

【業界小分類】
商品を仕入れて小売店などの企業に販売する「食品卸売・その他卸売」、仕入れた様々な商品を消費者に販売する「百貨店・スーパー・コンビニエンスストア・通信販売」などがあります。専門的に一部の商品を仕入れることを強みとして消費者に販売する「家電量販店・ドラッグストア・ホームセンター・その他専門店」などにも分けられます。

サービス、レジャー、アミューズメント

「サービス、レジャー、アミューズメント」業界では、個人や企業が求めているサービスを提供することで、対価を得て利益を上げています。1社で複数業態を手掛ける企業が増加しており、1社に入社するだけで様々な業種、職種を経験できる可能性があります。また時代のニーズに合わせた新サービス業態が次々と現れるのもこの業界の特徴です。

【業界小分類】
ファーストフード店やレストランなどの「フードサービス」をはじめ、医療や介護、保育からブライダル、フィットネスなどあらゆるサービスを提供する「医療・福祉・その他サービス」、観光客やビジネス利用客など宿泊客に合わせた「ホテル」や、パッケージ旅行を企画、販売する「旅行」もこの業界に含まれます。

また、テーマパークや映画、音楽、ゲーム、パチンコなどに関わる「レジャー・アミューズメント」もこの業界の一部です。

マスコミ

「マスコミ」業界では、情報を一度に大勢の人に売る、または伝えることで広告収入を得て、利益が生み出されています。自社でメディアを持つ企業と、メディアに情報を売る企業、メディアそのものを開発する企業があります。


最近ではインターネット、動画配信の台頭が目覚ましく、テレビ、ラジオ、書籍など旧来メディアもクロスメディア戦略などの対応が求められています。新聞も電子版に参入するなど、マスコミ業界のあり方は大きく変化している最中にあると言えます。

【業界小分類】
報道機関として社会的役割を担う「通信社・新聞」、報道はじめあらゆる情報を映像で伝える「放送」、書籍の企画、製本、販売などを手がける「出版・出版取次・印刷」などメディアの種類によって分類されるほか、あらゆるメディアへの広告を企業に提案・展開していく広告代理店などの「広告」もこの業界に含まれます。

商社

「商社」はモノを動かすことで利益を得ています。具体的には貿易によって海外のメーカーから商品を仕入れ、小売店などに販売し、その仲介料が利益になります。大きくは、あらゆる分野の商品を扱う「総合商社」と、特定の分野の商材に特化した「専門商社」に分かれます。

【業界小分類】
“ミネラルウォーターから通信衛星まで”などと例えられるほどあらゆる商品を扱う「総合商社」と、食品のみ医薬品のみなど、特定の分野の商品に特化した「専門商社」に分類されます。

教育、人材、コンサルタント

「教育、人材、コンサルタント」業界では、ヒトに何かを教え、サポートすることで対価を得て利益を出しています。教育のターゲット層は子どもだけでなく、子どもからシニア層まで広がりを見せています。

また企業の担当者に代わって専門的な知識をもとに経営や人事のことなどをアドバイスしサポートするコンサルティング業には専門分野の高度な知識と日々の研究が欠かせません。

【業界小分類】
塾、予備校や生涯学習、人材派遣など、ヒトの一生に関わり導く「教育・人材サービス」や、企業担当者に代わって調査したり、調査結果をもとにアドバイスを行い導く「コンサルティング・調査」などに分けられます。

官公庁、公社、団体

「官公庁、公社、団体」業界には、国や地方公共団体の役所や、公共団体が含まれます。他の業界とは違い、利益は追求せず、「公益」を目指す事業を行います。

官公庁は、国と地方公共団体の役所を指し、主に公務員として働きます。中央省庁や裁判所、国会、日本銀行などの機関も含みます。公社・団体は地方公共団体や学校、病院など社会の中で民間ではできない、つまり利益を追求する業態では対応できないような公的な事業を行う団体を指します。

【業界小分類】
国土交通省や市区町村役場などの「官公庁」や、地方自治体に設置されている住宅供給公社、道路公社といった「公社」、独立行政法人や国立大学法人、NPO法人といった法人や、政党、労働組合や医師会、弁護士会なども含む「団体」などに分類されます。

まとめ

このページでは、就職活動の基本となる業界研究を行う前に、社会にはどのような「業界」があるのか、一覧で把握できるようにまとめました。また、それぞれの業界の小分類も紹介し、各業界にどのような分野が含まれるのかを見ていきました。

時代の変化と共に、成長する業界もあれば、時代に合わせた変化を求められている業界もあります。生き残りをかけ、業界内で統合・再編する企業や、他業界に進出し複数の業界での事業を手がける企業もあるようです。

社会全体の中で、自身が就職を希望する業界だけでなく、今まで知らなかった業界にも目を向けることで、自分の新たな可能性も見えてきます。それぞれの業界同士のつながりを意識すると、ひとつひとつの「業界」研究がより充実したものになっていくと思いますので、まずはこのページの業界一覧をおさえるところから始めていきましょう。

本記事は、2017年11月30日時点調査または公開された情報です。
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