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アメリカンドリームを叶えた経済人に共通する精神について

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アメリカは1776年にイギリスから独立を果たして以降、身分や育ちに関係なく、すべての人に成功するチャンスがあるとされ、世界中から夢を持った人たちが集まりました。これが俗に言う「アメリカンドリーム」の起源です。

アメリカに行けば成功すると信じた人たちは多く、現代の移民文化の原点になっています。移民以外でもアメリカで成功した人は多く、現代アメリカにおいて偉人とされる人は、経済的に大成功を収めた人という構図があります。

今も昔も、偉人に共通する精神とは何なのか、アメリカで現代の偉人とされる人たちから浮き上がるものをエピソードを通してご紹介します。

目次

ビル・ゲイツ

もはや世界中で知らない人はいないであろう大富豪であり、アメリカ史に名を残す成功者です。アメリカで、彼を偉人と言わしめる理由は、ビジネスで大成功したことと慈善事業に傾倒していることです。

ビル・ゲイツは世界中のパソコンの9割を占めているとされるMicrosoftの創業者です。1955年にシアトルで裕福な家庭に生まれました。アメリカの少年らしく、ボーイスカウトや聖歌隊に参加する一方で読書に没頭し、ルーズベルト大統領の自伝やナポレオンの書を好んでいました。

12歳のときに初めてコンピューターに触れて以降は、コンピューターに没頭し始めます。15歳のときには、オレゴン州の企業から給与計算システムの制作を受注し、報酬の代わりとして新たなコンピューターを使わしてもらうなどしてコンピューターの知識を深めていきました。

ハーバード大学に進学して以降もアメリカの企業と取引を続け、大学4年生のときにコンピューター関連の仕事に専念するため休学を決意。結果的に、そのままハーバード大学を辞めることになります。そしてちょうどこの頃、高校時代の先輩と一緒にチーム名としてつけた「Microsoft」が誕生します。

1977年、後にライバルになるアップルが「Apple 2」を発表し、アメリカのコンピューター産業の重鎮だったIBMは対抗するために「IBM PC」の開発に着手しますが、肝心のOSを自社開発できずにいました。そこで目を向けたのがMicrosoftというわけです。

ビル・ゲイツはIBM PC用にMS-DOSを開発し、後に世界中を席巻することになるウインドウズの基礎を築きます。1980年代から1995年頃まではライバルであるアップルにデザイン性やグラフィックなどの性能が劣るとされていたウィンドウズは、1995年に発売した「ウインドウズ95」で立場を逆転しました。

その後、2000年にCEOを譲り、2008年にはフルタイム勤務を終了、現在はMicrosoftとは技術担当アドバイザーとして関わっています。Microsoftの一線から退くと同時に、妻であるメリンダと一緒に「ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団」を設立します。

この財団は世界中の病気と貧困を改善することを目的とし、おもに「国際開発プログラム」「グローバルヘルスプログラム」「米国プログラム」を軸にした活動をしています。


アメリカ発の世界的大富豪が大成功を収めた後に、世界中を対象にした慈善事業を始めたことはアメリカ国内でも話題になり、現代の偉人として評されています。

アメリカの他の富豪と比較して質素で倹約家のビル・ゲイツは、食事はマクドナルドのフィレオフィッシュを好み、飛行機移動はエコノミークラスが普通といいます。アメリカの空港で地面に座って、マクドナルドを頬張りながらパソコンを使って搭乗を待っている彼の姿は、とても9兆円以上の個人資産を持つ人には見えないと評判です。

マーク・ザッカーバーグ

近年、最も成功し注目を集めている実業家のひとりがマーク・ザッカーバーグでしょう。Facebookの創業者兼CEOで、個人総資産6兆円以上とされる彼は、アメリカに限らず世界中の若手IT実業家たちの憧れでもあります。

アメリカで彼が偉人として評価される理由こそ、一貫して人の役に立つことを意識した仕事への姿勢です。

マーク・ザッカーバーグは1984年にカリフォルニア州で歯科医と医師の両親の間に生まれます。両親からは「王子」と言われ大切に育てられた彼は、まだ一般的ではなかったコンピューターをいち早く取り入れていた父親に影響を受け、コンピューターに魅了されていきます。

父親から「人のために役立つソフトを作ってみろ」と言われ、12歳のときに父親が経営する歯科医院の来客確認ソフトのようなものを作ってみせました。さらに、退屈な学校生活に嫌気がしていた彼は父親に退学を申しでますが「人脈を作る場所だ」と言われ、割り切って学校に通い続けました。後にこの「人脈」が彼の人生のキーワードになります。

18歳のときに「Synapse Media Player」と呼ばれる、コンピューターがユーザーの好みを分析し、新しい楽曲をすすめるソフトを開発します。現代のAI技術の走りのようなソフトです。

この画期的なソフトに注目したのがビル・ゲイツの「Microsoft」です。マーク・ザッカーバーグは、買い取りのために日本円で1億円ほどのオファーを受けますが、誰でも無料で使えるソフトであってほしいという願いと、金儲けに使いたくないという思いでオファーを断ります。

後にこのマーク・ザッカーバーグの決断は、彼がアメリカ国民から支持されるエピソードとして長く語り継がれることになるのでした。ハーバード大学に進学後は、同じ学校の学生同士が、どの講義を受講しているかが分かるサイトを立ち上げます。

このソフトを通じて学生同士が繋がっていくことを目の当たりにし「人との繋がり」に着目します。まずはハーバード大学内で使えるFacebookを開発し、後にスタンフォード大学やコロンビア大学などに展開していったのです。

爆発的に広まっていくFacebookの姿を見たマーク・ザッカーバーグは、学業に時間を使っていては、誰かに先を越されてしまうと判断し大学を中退します。この5年後には年商500億円に達する成功を収めたのでした。

マーク・ザッカーバーグはいまでも、人のために役立つことと、人脈を作ることという父親の教えに忠実です。アメリカでは現代テクノロジーと、本来人が大切にすべき概念を結びつけた偉人として評価されています。

そんな彼は新婚旅行ではマクドナルドで食事をし、300万円ほどの大衆車を自ら運転し出勤するほど生活は地味なものです。生涯の資産99%を寄付することを公言していることも彼が支持される一因でもあります。

サラ・ブレイクリー

いまアメリカ全土でひとりの女性が偉大な女性経営者として注目されています。その女性の名前はサラ・ブレイクリー。世界中で大人気の下着メーカー、スパンクスの創業者です。

フォーブス誌が選ぶ世界で最も影響力がある女性100にも選ばれるほどの彼女がアメリカで偉人とされる理由は、典型的なアメリカンドリームを叶えたことと絶対に諦めない姿勢で国民に力を与えたことです。


サラ・ブレイクリーが大成功を収めたスパンクスと呼ばれる女性用下着は、世界中の女性の悩みを一気に解消した製品として評判になります。タイトなパンツスタイルやドレスを着用する場面では、下着のラインが見えてしまったり、それを隠そうとすると厚手の矯正下着しかなく、お尻が大きく見えてしまう欠点がありました。

自身もそれに悩んでいて、お気に入りのパンツスタイルを諦める日が続いていたのです。そんなある日、シェイプアップ用のストッキングをハサミで切って試してみたところ、理想的なパンツスタイルが再現できたのです。めくれ上がってくることさえ解決できれば売れると信じたところからアメリカンドリームは始まります。

サラ・ブレイクリーは27歳のときに自身の貯金5,000ドルをすべて使うかたちで起業します。当時、地元のフロリダでファックスを売り歩く仕事をしていた彼女は、時間を見つけて図書館に通い、ストッキングの特許や材質などを調べて、さらには作ってくれそうな工場を探し歩きました。

ついこの間まではディズニーランドで乗り物案内係をしていた彼女は、ビジネススクールに通った経験もなく、法科大学院にも2度落ちたほどの落ちこぼれでした。しかし、セールスパーソンとしての経験や度胸を活かして、娘たちから説得されたという工場主と出会い、製品化に成功します。

その後は高級デパートに出向いては、売り場の担当者をトイレまで連れて行って試着させる荒技を繰り返し、人柄と熱意に心を打たれた担当者から支持されるようになります。それにも増して、製品の完成度や女性の悩みを解決する物として評判が評判を呼んでいきました。

玄関先で怒鳴られたり、名刺を引き裂かれたり、ビジネスの知識がないと罵られたりしながらも不屈の精神で立ち上がり、5,000ドルからスタートした会社は2億5000万ドルまでに成長します。ニコール・キッドマンやビヨンセがお気に入りにしていることが広まり、広告費をかけずに流通していったのです。

たった5,000ドルから痛快な快進撃で大富豪になったサラ・ブレイクリーは、アメリカで起業を目指す人に向けたセミナーや、若者を対象にしたモチベーション講座などを開催し、アメリカンドリームを目指す人に夢を与えているのでした。

まとめ

現代のアメリカにおいて偉人と呼ばれる人は、政治家ではなく成功を収めた起業家です。文化や道徳よりも経済が優先されているように思えますが、ご紹介した人たちには共通してアメリカンドリームを叶える大切な要素が備わっています。

慈善の心、他人のために役立つこと、諦めない心、実はこれらの精神はアメリカ建国の時代から偉人に共通する要素なのです。アメリカが建国以来大切にしている精神とも言えるでしょう。このことからアメリカの根底にある文化や精神が見えてくると思います。

本記事は、2018年9月17日時点調査または公開された情報です。
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この記事を書いた人

公務員総研の編集部です。公務員の方、公務員を目指す方、公務員を応援する方のチカラになれるよう活動してまいります。

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