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【テレビ局が63局!?】「イタリア」のテレビ・マスコミ事情

イタリアはテレビ局が63局あり、チャンネル数も日本とは比べられないくらい膨大にあります。そのイタリアのテレビ局の構成や、多数のテレビ番組は、どのような内容が放送されているのかなど、イタリアのテレビやマスコミ事情について解説します。

2018年12月02日更新

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目次
テレビ局について
テレビ番組の編成について
テレビ番組について
ニュース・政治
まとめ
【テレビ局が63局!?】「イタリア」のテレビ・マスコミ事情

日本では現在、お笑い芸人がテレビで大いに活躍しているようですが、イタリアでも「Comicoコミコ」という、いわゆる芸人と呼ばれる人たちが、テレビや映画にたくさん出演しています。

日本と違うのは、話芸ですと主にスタンドアップコメディアンのように、一人で話す芸人さんが多いです。そこから有名になると、映画に出たり、舞台ではおしゃべりだけでなく、歌を歌ったりと、エンターテイナーのように一人で何でもするという印象です。

今回は、イタリアのテレビ、マスコミについてご紹介します。

テレビ局について

テレビ局、チャンネルの数

イタリアに来て驚いたことは、テレビのチャンネルの多さです。日本からすると、無限にあるような感じです。イタリア全国でテレビ局は63あると報告されています。その63のテレビ局が、合わせて366のチャンネルを放送しています。その中で地上デジタルチャンネルは128、衛星放送チャンネルは294で、地上デジタルと衛星放送の2つを兼ねているチャンネルが56になります。

イタリアは、無料で視聴できるチャンネルが多い国ではないでしょうか。すべてケーブルテレビになります。

全国的に放送されているテレビ局としては、国営放送のRAI、元首相ベルルスコーニ氏の会社メディアセット、カイロ・コミュニケーションの3つです。

国営放送RAIには、RAI1、RAI2、RAI3というニュースやバラエティ、クイズなどを放送するチャンネル、その他に海外ドラマ、映画、子供向けアニメ、文化などを専門とするチャンネルを持っています。それらを合わせると14チャンネルになります。

国営放送ですが、日本のNHKとは違ってコマーシャルも他局と同じように放送しています。年に一度の受信料も払っていますが、数年前にあるバラエティ番組があまりにもくだらなく、「受信料を払って、この手の番組を見せられるのか」という論議があり、現在はこの番組はメディアセットのチャンネルに移動しました。

メディアセットは元首相ベルルスコーニ氏の会社であり、現在は長男が実質的な権限を持って運営しています。ニュース番組も放送されていますが、一般的にベルルスコーニ氏寄りの報道がされていると言われています。

また、プレミウムというスポーツや映画などの有料チャンネルも持っています。私の義父は「スポーツプレミウム」を購入して、無料のチャンネルでは放送されないサッカーの試合を見ています。

カイロ・コミュニケーションは、数年前にテレビ産業に参入した会社です。ニュース番組は、RAIともメディアセットとも違う自由で公平な立場で報道をしていると言われています。番組内容を見ると、バラエティは少なく放送する映画も社会的な問題を扱っていたりと、真面目な面が見られます。

この3つの会社に地方局などが加わります。地方局は、日本と同じで地方のニュースや地元サッカーチームの試合などを放送しています。

テレビ番組の編成について

日本は春と秋でテレビ番組の編成が行われるのが通常ですが、イタリアではこうした番組編成は見られません。ただ、通常の番組放送のリズムとしては、6月から9月に夏のバカンス、12月から1月半ばに冬のバカンスが入ります。

これは、日本人の私からすると最初「何で、こんなに休みが長いの」と違和感がありましたが、最近は学校のバカンスに合わせているということがわかりました。

このバカンス期間に入ると、朝や昼のワイドショー番組がなくなり、テレビ会社が購入したと思われる海外ドラマなどが放送されます。夏のバカンスには、夜にアリーナなどで開催される歌番組が増えるため、その生放送が増えます。

そして、冬の恒例としては年末のカウントダウン番組です。日本で言ったら、NHKの紅白歌合戦のようなものでしょうか。国内外から歌手を招いて、屋外でコンサート形式で行います。年が改まる10秒前に壇上に歌手たちが集まり、シャンパンを持って皆でカウントダウンをします。

日本ですと「蛍の光」を歌ったりして静かに新年を迎えますが、この手の番組では音楽はディスコ調で皆で歌ったり、飲んだり、踊ったりします。私にとっては、ちょっと騒がしい年末になります。

テレビ番組について

テレビ番組の内容については、あまりオリジナル性が見られないというのが私の印象です。バラエティやクイズなど、海外の番組のフォーマットを買って、それに沿って番組を作成しているものが多いです。

ジャンルに沿って、主なテレビ番組を紹介します。

バラエティ

10年以上放送されている「リアリティ・ショー」と呼ばれる2大番組があります。「イゾラ・デイ・ファモージ」(有名人の島)と「グランデ・フラテッロ」(ビッグ・ブラザー)です。2番組とも海外の番組がオリジナルです。

どちらも「くだらない番組」と言われながら、なぜか続いています。数名の男女が一か所で共に生活する様子を、24時間カメラで写していくというものです。視聴者の投票で、出演者の中から一人優勝者を決めていきます。

「グランデ・フラテッロ」は、若い人たちが役者や司会者、タレントになりたくて、オーディションを受けて出演するケースが多いようです。4年前にイタリア人と日本人のハーフの青年が出演していて、その時は私も時々見ていました。

彼は優勝したのですが、その後さっぱり顔を見ることはありません。雑誌で「役者になりたい」ということを言っているのを見ましたが、多くの出演者の中でもショービジネス界で成功する人はほんのひと握りです。

「イゾラ・デ・ファモージ」は、かつて活躍した役者、芸人、タレントなどが再び注目を浴びるために出演するような番組です。優勝者は、その後バラエティやインタビュー番組に出演したりしていますが、本当に復帰するのは難しいようです。

ドラマ

ドラマは、いわゆる日本のような連続ドラマはありません。大抵2時間ドラマになり、一つのエピソードが2時間の中で終わるという形です。エピソードは、ドラマによりますが、ワンシーズンで12から25ぐらいあります。

ドラマのジャンルとしては、ファミリーもの、警察対マフィアもの、刑事もの、恋愛コメディものなどです。そこに単発で、歴史ものや昔の有名俳優や歌手をモデルにした伝記ドラマなどが入ります。

また、日本でも同じですが、ベストセラーの本をもとにしたドラマなども放送されます。

イタリアだなと思うのは、やはりマフィアものや警察対マフィアもののドラマです。特に、ナポリのマフィアたちを描いた本をもとに映画化された「ゴモラ」は、その後テレビドラマにもなり、海外でも高い評価を得ています。

意外と少ないのは、時代劇です。日本では時代劇が多く製作されていますが、イタリアではあまり見られません。80年代に「マルコ・ポーロ」という素晴らしいドラマがRAIにより製作されましたが、現在はほとんど見られません。

スポーツ

スポーツは、主にサッカーが放送されます。それ以外ですと、MOTOGP(モトGP)と呼ばれるロードレース世界選手権、フォーミュラ1、自転車競技のジロ・デ・イタリアやツール・ド・フランスが放送されます。

オリンピックがある時は、RAIスポーツで放送されますが、日本ほど国民が熱心に見ているという印象はありません。ニュースでも、メダルを取れば報道されますが、そうでなければニュースとしてほとんど報道されることはありません。

スポーツニュース番組もありますが、ほとんどがサッカーのニュースになります。

また、日本では見られなくて面白いチャンネルがあるのですが、それは、複数のサッカーの試合を同時に解説し、放送するチャンネルがあります。

放送権利の関係で、サッカーの試合を画面上に見せることはできないのですが、数名の解説者がスタジオでテレビを見ながら、試合の様子を伝えていくという番組です。

さすがサッカーの国と思いますが、そこに名物解説者がいて、自分の応援するチームがゴールすると、「ゴール」と叫びながら泣いたり、隣の人に抱きついたりします。

有料チャンネルを持てない人は、この番組で試合がどんな様子かを知ることができますし、同時に行われている複数の試合の様子も知ることができるようになっています。

歌番組は多くありませんが、今年で10年続いているのが「Xファクター」、17年続いているのが「AMICI(アミーチ)」と呼ばれるオーディション番組です。

「Xファクター」は、もともとイギリスの番組ですが、イタリアでも音楽界への登竜門のような番組になっています。優勝者がすべてデビューして成功するとは言えませんが、優勝者でなくても準優勝者が成功している例もあります。

「Amici」からデビューして成功している歌手もいます。「Xファクター」と比べると、参加者の年齢が若いです。一種の学校のような設定で、歌手とダンサーを目指す参加者たちが、教師から授業を受けたり、参加者たちが共に生活する様子も映し出されます。

「Xファクター」も「Amici」もワンシーズンの期間は、2ヶ月半から3ヶ月と長丁場です。ただ、その間に参加者がどんどん変化していく様子も見れるのが興味深い点です。

また、多くのファンがついて、番組終了を待たずにCDデビューしたりという例もあります。

料理

料理番組で有名なものは、「マスターシェフ」と呼ばれるイギリスの番組をもとにしたものです。また、よく放送されている「ヘルズキッチン」や「クチーネ・ダ・インクボ」もイギリス番組のフォーマットを使用している番組です。

「マスターシェフ」は素人がシェフを目指す番組で、「ヘルズキッチン」は、若手、無名シェフがさらに上のキャリアを目指す番組です。「クチーネ・ダ・インクボ」は、有名シェフが客の入らないレストランを立て直すという番組です。

いずれの番組も、参加者より番組に出演しているシェフが注目され、とても人気者になっています。

私がこれらの番組を見て面白いと思ったのは、女性のシェフが多いということです。日本では、「シェフ=男性」というイメージが強かったのですが、イタリアでは女性のシェフもいて、男性と同等に働いています。

男性以上に才能があり、指導力もある頼もしい女性シェフも見ました。これら以外の番組でも、各地方のシェフがご当地の料理を作る番組がありますが、そこでも女性をよく見ます。

ニュース・政治

ニュース番組は、主な全国チャンネルではたいてい朝8時、昼1時、夜8時に放送されます。放送時間は30分で、その前後に地方のニュース番組が入ったりします。

また、ニュース専門チャンネルもありますので、そこでは24時間ニュースが報道されています。

国営放送RAIのニュース番組ではあまり見られませんが、それ以外のチャンネルでは、時々放送されている映像が数年前のものだったり、先週使った映像をまた使用しているということもあり、日本では、「やらせ」が一時期問題になりましたが、こちらは映像の使い回しが時々見られます。

政治討論番組が多いというのも、イタリアに来て驚きました。各党の政治家が出演して、時事問題を討論するというものです。ただ、イタリア人の友人たちは、「政治家はお喋りばかりで何もしない」と言っている人が多いです。

どういう人たちが見ているのか、少し疑問ですが、9時半から11時半のこちらではゴールデンタイムの枠で放送されています。

まとめ

イタリアのテレビはチャンネルが多いのですが、その分、特にドラマや子供向けアニメなどは海外から番組を買っていることが多いです。

70、80年代は日本のアニメが大量に購入されたようで、70年代生まれの私の夫は、私より日本のアニメに詳しいです。

こちらに住んで思うのは、イタリアは美術や芸術など素晴らしいものがたくさんある国なのですが、それを伝える番組が少ないのはもったいないと思っています。

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