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地方自治体特集「中核市」シリーズ

中核市シリーズ第45回「倉敷市」について(2020年8月情報)

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※本記事は、2020年8月調査の内容です(今後更新予定です)。

目次

「倉敷市」について

「倉敷市」は、岡山県南中央部に位置する中核市で、高梁川が市の西部を北から南に流れて瀬戸内海に注いでおり、平野の多くは干拓地や沖積平野で占められ、児島地域を除いて比較的平坦です。

この「倉敷市」は、児島・亀島山・玉島・連島など「島」の付く地名が多く、それらの地域は元来は「島」で、干拓によって陸続きになって今の市域が形成され、白壁の町並みが残る倉敷美観地区や、本州と四国を結ぶ瀬戸大橋などで知られています。

そんな「倉敷市」は、山陽新幹線・山陽本線・山陽自動車道・国道2号が東西に横断し、山陰地方を結ぶ伯備線、四国を結ぶ瀬戸大橋も市内を経由しており、交通・物流の結節点として重要な地位を占めています。

「倉敷市」の人口は2020年4月1日時点で約35万人で、産業については、主な農産物は、トマト、レンコン、ゴボウ、ダイコン、ショウガ、ナス、モモ、ミカン、タケノコ、マスカット、スイートピーなどで、主な水産物は、いかなご、たこ、ままかり、なまこ、のり、ぶり、いしもち、このしろなどです。

「倉敷市」の気候は、温暖で晴れの日が多く、雨が少ない瀬戸内海式気候に属し、高梁川の豊富な水資源によって水不足になることは稀で、冬から春にかけて中国大陸から流入する黄砂に見舞われることもある。

冬は、積雪の観測される日も年に1~2回程度はありますが、大雪は極めて少ないことが特徴で、夏季は、太平洋高気圧に覆われて瀬戸内海沿岸特有の「凪」が発生し、35度を超える猛暑・酷暑日や熱帯夜になる日もあります。

また、瀬戸内海を隔てて南方に位置する千数百メートル級の急峻な山々が連なる四国山地によって台風が直撃することは滅多に無く、直上を通過しても四国山地で勢力が弱められて甚大な被害とはならない場合が多いことも特徴です。

>倉敷市のホームページ
https://www.city.kurashiki.okayama.jp/

「倉敷市」の成り立ち

「倉敷市」の成り立ちは、1871年(明治4年)に廃藩置県によって窪屋郡倉敷村に倉敷県役所が置かれたことまでさかのぼります。

1872年に、倉敷県・福山県等が合併して深津県になり、翌年小田県に改称、1875年に小田県が岡山県と合併しました。


その後、1928年(昭和3年)に都窪郡倉敷町が市制施行し、岡山県で2番目の市として初代「倉敷市」が発足、1948年に児島郡の3町1村が新設合併し、児島市が発足、1952年に浅口郡玉島町が市制施行し、玉島市が発足、1967年に初代・倉敷市・児島市・玉島市が新設合併し、現行の倉敷市が発足しました。

1968年に倉敷市伝統美観保存条例が制定されて美観地区の整備に着手した後、2002年(平成14年)に全国で30番目の中核市に指定されました。

倉敷市長「伊東 香織」(いとう かおり)さんはどんな人?

2008年5月から倉敷市長を務める「伊東 香織」さんの経歴は、1990年(平成2年)に東京大学法学部を卒業、1935年に米国ハーバード大学ロースクール(法律大学院)修士課程を修了しました。

その後、1990年に郵政省に入省、1995年に栃木県日光郵便局長に就任、1998年に総理府国際平和協力本部事務局参事官補佐に就任、平成13年7月 2001年に総務省インターネット戦略企画室長補佐に就任、2003年に倉敷市総務局長に就任しました。

2004年に倉敷市収入役に就任、2007年に総務省国際部多国間経済室長に就任、2007年に総務省を退官、2008年5月に倉敷市長に就任、2012年に2期目に就任、2016年に3期目に就任、2020年(令和2年)5月に4期目に就任しました。

>倉敷市長公式ホームページ
http://www2.city.kurashiki.okayama.jp/mayor/

「倉敷市」の行政プラン

「倉敷市」は、3つの課題「人口減少社会」「公共施設の老朽化」「財政状況」を改称するため、効果的な地方創生の実現に向けた市役所改革として「倉敷市 行財政改革プラン2016」を策定しました。

このプランでは、4つの基本方針「地方創生」「業務改革」「財政構造改革」「職員・市役所改革」を掲げ、それぞれの実施方針を確定しました。

地方創生

「倉敷市」は、「地方創生」に行財政改革の視点から、下記の4つの実施方針とその実施項目を掲げています。

1)結婚、出産、子育ての希望をかなえるまち倉敷
・公立幼稚園・公立保育園の認定 こども園への移行
・育児休業代替任期付職員の採用
・男性職員の育児休業等の取得率向上
・時間外勤務の縮減
・学校施設、民間施設を活用した放課後児童クラブの施設整備

2)ひとを惹きつけるまち倉敷
・移住定住を推進するための体制の整備
・地域おこし協力隊の導入
・私立短期大学の活性化
・学生の市内就職者数の増加に向けた取組の推進

3)働く場を創るまち倉敷
・女性職員の活躍できる場の拡大
・女性職員の積極的な登用
・介護離職ゼロに向けた取組の検討
・障がい者雇用率の拡大
・知的・精神障がい者の雇用推進
・オープン&ビッグデータの利活用の推進
・地域おこし協力隊の導入

4)安心なくらしを守り、地域をつなぐまち倉敷
・公共施設の複合化・集約化等の推進
・庁舎機能再編計画の策定
・公立保育園の統合
・公立幼稚園の統合
・公共施設活用サウンディング型市場調査の実施

業務改革

「倉敷市」は、「業務改革」として、仕事の仕組み、やり方そのものを変え、最適な行政サービスを効率的に提供し、サービスを向上するため、下記の4つの実施方針とその実施項目を掲げています。

1)行政サービスの提供手段・提供情報の見直し
・マイナンバーの利活用の拡大
・オープン&ビッグデータの利活用の推進
・住民票の写し・印鑑証明書・住民票記載事項証明書等のコンビニ交付
・税証明書のコンビニ交付


2)民間活力導入の推進
・民間活力導入ガイドラインの策定
・公立保育園の給食調理業務の民間委託の拡大
・公立保育園の民間委託
・指導局窓打ち業務等の民間委託

3)公営企業の改革の推進
・新たな下水道事業計画の策定
・下水道事業・農業集落排水事業の公営企業会計の導入
・下水道使用料の見直し
・市民病院の新公立病院改革プランの策定
・競艇事業の経営戦略の策定

4)環境に配慮した事業の見直し
・中長期的にみて年平均1%以上のエネルギー消費原単位の低減
・東部埋立事業所への事業系びん・缶の搬入停止
・再生可能エネルギの有効活用による地球温暖化対策の推進

財政構造改革

「倉敷市」は、財政構造改革として安定した財政構造の確立に向けて、5つの実施方針とその実施項目を掲げています。

1)施設運営方針
・公共施設の複合化・集約化の推進
・未利用地・遊休地の売却指針の策定
・庁舎機能再編計画の策定
・公共施設活用サウンディング型市場調査の実施
・下水道管路の長寿命化計画の策定・実施
・下水処理場、歩印譜上の長寿命化計画の策定・実施
・公立保育園の統合
・道路ストックの長寿命化対策
・公園施設の長寿命化対策
・学校施設の長寿命化計画の策定
・公立幼稚園の統合

2)維持管理費の見直し
・修繕業務の一元化
・維持管理費の削減

3)財源の拡充
・広告収入の拡大
・水洗化率の向上
・基金運用の見直し

4)収納率の向上
・市税収納率の向上
・下水道使用料収納率の向上
・下水道受益者負担金収納率の向上
・介護保険料収納率の向上

5)業務の見直しによる経費節減
・郵送料の削減
・図書館の雑誌スポンサー制度の導入
・公債費の削減

職員・市役所改革

「倉敷市」は、「職員・市役所改革」として、市民サービスの向上につなげるための5つの実施方針とその実施項目を掲げています。

1)活力ある組織への改革
・行政組織の見直し
・職務権限の見直し

2)職員の意識改革・能力向上
・キャリアデザインを意識した基本研修の実施

3)ワーク・ライフ・バランスの推進
・育児休業代替任期付職員の採用
・男性職員の育児休業等の取得率向上
・時間外勤務の縮減
・介護離職ゼロに向けた取組の検討

4)女性の活躍推進
・女性職員の活躍できる場の拡大
・女性職員の積極的な登用

5)障がいのある人の活躍推進
・障がい者雇用率の拡大
・知的・精神障がい者の雇用推進

▼参考URL:倉敷市|倉敷市行財政改革プラン2016

まとめ

以上、地方自治体特集「中核市」シリーズ、第45回は岡山県の「倉敷市」についてご紹介させていただきました。

本シリーズの他の都市は下記よりご覧いただけます。

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本記事は、2020年11月25日時点調査または公開された情報です。
記事内容の実施は、ご自身の責任のもと、安全性・有用性を考慮の上、ご利用ください。

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この記事を書いた人

公務員総研の編集部です。公務員の方、公務員を目指す方、公務員を応援する方のチカラになれるよう活動してまいります。

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