※本記事は、2021年4月調査の内容です(今後更新予定です)。
「松本市」について
「松本市」は、長野県の中央からやや西、県庁所在地の長野市から南西へ75キロ、名古屋市から北東に190キロ、東京特別区から西北へ240キロメートルに位置している市です。
2005年に合併した後の市域は、西の飛騨山脈から東の筑摩山地までで、長野県内では最も広く、市街地は、2つの山脈の間にある松本盆地の中央部、複合扇状地上に位置しています。
ちなみに、「松本市」は、5000万年前は海底にありました。
河川は、梓川が上高地方面から「松本市」の西部を流れ、市を二分するように奈良井川が横断しています。
また、「松本市」の市街地には清流である女鳥羽川が横断しており、もとは現在の大門沢川のルートを流れていたと考えられていますが、江戸時代はじめに人工的に流路が変えられて今の姿になったと言われています。
山は、合併に伴って日本百名山の山が多数松本市に編入され、岳都の側面が強くなりました。
この「松本市」には標高第3位の穂高岳や第5位の槍ヶ岳がありますが、市街地からは手前にある常念山脈に隠れているため、市民には常念岳や美ヶ原のほうが親しまれています。森林面積は、7万4,000ヘクタールで、市域全体のおよそ81%を占めています。
そんな「松本市」の産業は、農林水産省「平成17年生産農業所得統計」によると、第一次産業である農業の産出額は、154億2,000万円です。
生産物は、米(水稲)・リンゴ・ぶどう・下原スイカ・松本ハイランドすいか・野菜・根菜・ソバ・ホップなどです。
また、「松本市」内の「信州の伝統野菜」認定農産物は、稲核菜(いねこきな・松本一本ねぎ・番所(ばんどころ)きゅうり・松本越瓜(しろうり)・切葉松本地大根 (きればまつもとじだいこん)・保平蕪 (ほだいらかぶ)などがあります。
第二次産業は、経済産業省経済産業政策局調査統計部「平成17年工業統計表」によると、工業の製造品出荷額等は、5,113億1,000万円で、エレキギターの生産量は「松本市」が日本一です。
第三次産業は、経済産業省経済産業政策局調査統計部「平成16年商業統計表」によれば、卸売業年間販売額は9,237億700万円、小売業年間販売額3,133億600万円で、卸売販売額の占めるウェイトが大きくなっています。
「松本市」の気候は、ケッペンの気候区分では盆地部の温暖湿潤気候と山地部の亜寒帯湿潤気候に分かれています。
日本式の気候区分では安曇地区を除いて、中央高原型の内陸性気候・中央高地式気候が顕著に現れ、基本的には平野部は降水量が少なく、日照時間が多いことが特徴です。
上高地や乗鞍高原、美ヶ原などの山岳地帯は若干降水量が多く、日照時間は少なくなり、上高地などの安曇地区は松本盆地とは異なる日本海側気候で、冬季は雪が多く、豪雪地帯に指定されています。
>松本市のホームページ
https://www.city.matsumoto.nagano.jp/
「松本市」の成り立ち
「松本市」の成り立ちは、市制施行によって東筑摩郡松本町が松本市として発足した1907年(明治40年)5月1日までさかのぼります。
1925年(大正14年)に東筑摩郡松本村が編入、1943年(昭和18年)に東筑摩郡中山村の一部(神田区)が編入、1954年に東筑摩郡島内村・中山村・島立村が編入、東筑摩郡新村・和田村・神林村・笹賀村・芳川村・寿村・岡田村・入山辺村・里山辺村・今井村が編入されました。
1960年に塩尻市の一部が編入、1961年に塩尻市の一部が編入、1974年に東筑摩郡本郷村が編入、1982年に塩尻市洗馬の一部が編入、2000年に特例市に移行、2005年(平成17年)に東筑摩郡四賀村・南安曇郡安曇村・奈川村・梓川村が編入、2010年に東筑摩郡波田町が編入されました。
そんな松本市は、令和2年7月29日に総務大臣に中核市指定の申出書を提出、令和2年10月9日の閣議決定を経て、10月14日付で中核市への移行が決定されました。
令和3年3月30日に事務引継式が行われ、令和3年4月1日付で中核市に移行され、これまでの市政運営をふまえ、さらに魅力あるまちづくりを進めるため、新たなステージへと踏み出しました。
松本市長「臥雲 義尚」(がうん よしなお)さんはどんな人?
2020年3月から松本市長を務める「臥雲 義尚」さんは、1963年(昭和38年)に松本市新伊勢町で生まれました。経歴は、1988年(昭和63年)に東京大学法学部を卒業、NHKに入社、2020年3月(令和2年)に松本市長に就任しました。
趣味は、「野球のコーチ&観戦、ノンジャンルの読書」だそうです。
>松本市長公式ホームページ
(https://www.city.matsumoto.nagano.jp/smph/shisei/sityo/puro.html)
「松本市」の行政プラン
「松本市」は、令和2年度に「松本市総合計画」が満了したことに伴い、2021年4月1日付で新たに「総合計画(基本構想2030・第11次基本計画)」を策定しました。
この基本構想は、「豊かさと幸せに 挑み続ける 三ガク都」をキャッチフレーズとし、掲げる基本理念「三ガク都に象徴される松本らしさの『シンカ』(進化・深化)」に向けて、市民一人ひとりが豊かさと幸せを実感できるまちに取り組んでいます。
策定の主旨は、松本市民が目指す基本理念と、実現に向けた行動目標を示し、市民と行政が共に取り組む、まちづくりの方針とするもので、取組期間は、西暦2021年度(令和3年度)から西暦2030年度(令和12年度)です。
「松本市」は、この「基本構想2030」を実現するにあたり、三ガク都に象徴される松本らしさを「シンカ」(進化・深化)させるため、下記の3つの基本理念を掲げました。
1)岳:自然豊かな環境に感謝し
2)楽:文化・芸術を楽しみ
3)学:共に生涯学び続ける
さらに、この基本理念を実現するため、下記の5つの行動目標を打ち出しました。
1) みとめる
自分らしく生き、支え合う
2) まなぶ
共にはぐくみ、学ぶ
3) いかす
自然・歴史・文化の恵みを受け継ぎ、磨く
4) つなぐ
人・街・自然をつなぎ直し、未来に贈る
5) いどむ
新たな価値を創造し、常に進化する
このように、「松本市」は、市民が豊かさと幸せを実感し、次世代に引き継げるよう、この「総合計画(基本構想2030・第11次基本計画)」に取り組んでいます。
▼参考URL:https://www.city.matsumoto.nagano.jp/smph/shisei/sogo/kihonkousou2030.html
まとめ
以上、地方自治体特集「中核市」シリーズ、第61回は長野県の「松本市」についてご紹介させていただきました。
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