地方自治体特集「中核市」シリーズ

中核市シリーズ第49回「高松市」について(2020年9月情報)

地方自治体特集「中核市」シリーズ、第49回は「高松市」です。

香川県にある「高松市」の人口は2020年4月1日時点で約41万8千人と、愛知県豊田市に次いで国内37番目です。そんな「高松市」とはどんな都市なのか解説します。


※本記事は、2020年9月調査の内容です(今後更新予定です)。

「高松市」について

「高松市」は、讃岐平野の一部である高松平野に位置する市で、全体的に緩やかな勾配で北側は瀬戸内海に面し、市街地は高松港および高松新港を中心に半円状に形成されています。

市域の西部は、香東川の土砂が堆積して出来た扇状地から成り、東部は春日川や新川からできた氾濫平野で、その河口部は三角州からなる海岸平野となっています。

北東部には、瀬戸内海に突き出た卓状の台地で、庵治町には源平合戦として知られる「治承・寿永の乱」のあった屋島や、四国本島最北端の竹居岬があります。

「高松市」の北西部は丘陵で、日本で初めて国立公園に指定された「瀬戸内海国立公園」の中心に位置し、その瀬戸内海には島嶼が点在しています。

2020年4月1日時点での人口は41万8千人で、特産品は、讃岐うどん、盆栽(鬼無)、石材(庵治石)で、香川漆器、讃岐提灯、高松和傘などの伝統工芸品も作られています。

「高松市」の気候は、瀬戸内型気候区に属し、降水量は少なく、日照時間は長いため、年間を通じて温暖です。

冬から春にかけて、中国大陸から流入する黄砂がよく観測され、冬は小雨や小雪・みぞれの降る日もあり、快晴となる日は意外と少ないものの、晴天日数は多い方です。

積雪は、一冬に1~2回程度はありますが、関東地方と比較して南岸低気圧による大雪は少なく、夏は、瀬戸内海沿岸特有の「凪」や讃岐山脈越えのフェーン現象などの影響で猛暑日や熱帯夜になることがあります。

>高松市のホームページ
https://www.city.takamatsu.kagawa.jp/

「高松市」の成り立ち

「高松市」の成り立ちは、1871年(明治4年)7月14日の廃藩置県まで遡ります。


その後、1888年に香川県が愛媛県から分離されて発足し、高松がその県庁所在地となり、1890年に東浜村と中ノ村の一部に編入市制が施行され、高松市が発足されました。

1894年に市章が制定、1914年(大正3年)に香川郡宮脇村が編入、1921年に香川郡東浜村が編入、1921年に香川郡栗林村が編入、1940年(昭和15年)に香川郡太田村、鷺田村、木田郡屋島町、木太村 、古高松村が編入されました。

1954年に香川郡一宮村の一部との間で境界が変更、1956年香川郡香西町、仏生山町、一宮村、円座村、上笠居村、川岡村、下笠居村、弦打村、多肥村、檀紙村、雌雄島村、木田郡川添村 、林村、前田村、三谷村が編入、1958年に香川郡香川町の一部との間で境界が変更されました。

1966年に木田郡山田町が編入、1983年に綾歌郡綾南町の一部との間で境界が変更、
1997年(平成9年)に木田郡三木町と境界が変更、1999年に中核市に移行されました。

2002年に木田郡三木町と境界が変更、2005年に香川郡塩江町が編入、2006年に香川郡香川町、香南町、木田郡庵治町、牟礼町、綾歌郡国分寺町が編入されました。

高松市長「大西 秀人」(おおにし ひでと)さんはどんな人?

2007年4月から高松市長を務める「大西 秀人」さんは、1959年(昭和34年)8月23日に生まれ、1982年に東京大学法学部を卒業、自治省に入省、1986年に自治省財政局財政課主査に就任、1987年に北九州市に財政局資金課長として赴任しました。

1989年(平成元年)に総務課長、財政課長として岐阜県に赴任、1993年に自治省税務局企画課課長補佐に就任、1995年に国土庁防災局(阪神淡路大震災担当大臣特命室)に勤務、財政課長、地域振興室長として北海道に赴任、1999年に自治省税務局税務企画官に就任しました。

2000年に総務部長として島根県に赴任、2005年に総務省自治財政局地域企業経営企画室長に就任、2006年に総務省情報通信政策局地域放送課長に就任、総務省を退職しました。

2007年4月に高松市長選挙で高松市長に初当選し、2011年に再選、2015年に高松市長選挙で三選、2019年(平成31年)4月に高松市長選挙で四選しました。

趣味は、「書、音楽鑑賞、スポーツ観戦、読書」だそうです。

>高松市長公式ホームページ
http://www.city.takamatsu.kagawa.jp/kurashi/shichoushitsu/

「高松市」の行政プラン

「高松市」は、「活力にあふれ 創造性豊かな 瀬戸の都・高松」を目指し、「第6次高松市総合計画」を打ち出しました。

この計画を実現し、「基本構想」と「まちづくり戦略計画」を構成して、都市像「活力あふれ 想像正豊かな 瀬戸の都・高松」を目指し、6つの目標を掲げました。

1)健やかにいきいきと暮らせるまち
2)心豊かで未来を築く人を育むまち
3)産業の活力と文化の魅力あふれる創造性豊かなまち
4)安全で安心して暮らし続けられるまち
5)環瀬戸内海圏の中核都市としてふさわしいまち
6)市民と行政がともに力を発揮できるまち

健やかにいきいきと暮らせるまち

「高松市」は、健やかにいきいきと暮らせるまちをめざして、3つの重点的な取組事業と具体的な取組を推進しています。


1)子どもが健やかに生まれ育つ環境の充実
・妊娠期からの子育て世代包括支援事業
・私立保育所・幼稚園等施設整備補助事業
・公立保育所・幼稚園等施施設整備事業
・医療的ケア児保育支援事業
・こども食堂等支援事業
・放課後児童クラブ事業
・放課後子ども教室事業
・保育士確保緊急対策事業

2)支え合い、自分らしく暮らせる福祉社会の形成
・ほっとかんまち高松づくり事業
・ユニバーサルデザイン推進事業
・在宅医療・介護連携推進事業
・衣生活支援・介護予防サービス提供体制構築事業
・高齢者見守り事業
・障がい者地域生活支援推進事業
・手話言語・障がい者コミュニケーション手段の普及促進事業

3)健康で元気に暮らせる環境づくり
・がん対策推進事業・
・附属医療施設整備事業

心豊かで未来を築く人を育むまち

「高松市」は、心豊かで未来を築く人を育むまちをめざして、4つの重点的な取組事業と具体的な取組を推進しています。

次回ここから

1)男女共同参画社会の形成
・女性の活躍促進事業

2)社会を生き抜く力を育む教育の充実
・小・中学校施設老朽化対策事業
・小・中学校トイレ整備事業
・教育ICT整備・活用推進事業
・大学等連携による地域の魅力発信事業

3)心豊かで地域力を育む障がい学習社会の形成
・サンクリスタル高松在り方検討事業

4)基本的人権を尊重する社会の確立
・LGBT啓発等推進事業

産業の活力と文化の魅力あふれる創造性豊かなまち

「高松市」は、産業の活力と文化の魅力あふれる創造性豊かなまちをめざして、5つの重点的な取組事業と具体的な取組を推進しています。

1)地域を支える産業の振興と経済の活性化
・企業誘致・起業支援による地域経済活性化促進事業
・たかまつ農業ICT導入活用支援事業
・卸売市場整備事業
・伝統的ものづくり支援事業

2)文化芸術の振興と発信
・高松市文化芸術ホール改修事業
・高松城跡整備事業

3)元気を生み出すスポーツの振興
・障がい者スポーツ推進事業
・東京2020オリンピック・パラリンピック関連事業
・全国高校総体(2022)開催準備事業
・新県立体育館建設環境整備事業

4)訪れたくなる観光・MICEの振興
・屋島活性化推進事業
・温泉をいかたした塩江地域の観光振興事業
・誘客促進事業

5)国際・国内交流の推進と定住の促進
・移住・定住促進事業
・障がい活躍のまちづくり推進事業

安全で安心して暮らし続けられるまち

「高松市」は、安全で安心して暮らし続けられるまちをめざして、3つの重点的な取組事業と具体的な取組を推進しています。

1)安全で安心して暮らせる社会環境の形成
・防災IoT利活用事業
・住宅建築物耐震改修等事業
・高齢者等交通安全啓発推進事業
・動物愛護センター関連施設設備等事業

2)環境と共生する持続可能な循環型社会の形成
・食品ロス対策等推進事業
・プラスチックごみ対策事業
・次期ごみ処理施設整備検討事業
・し尿処理施設跡地利用事業
・再生可能エネルギー普及促進事業

3)豊かな暮らしを支える生活環境の向上
・空き家等対策事業
・橋りょう改築修繕事業
・地震・津波海岸堤防等対策事業
・椛川ダム整備事業
・浸水対策施設整備事業


環瀬戸内海圏の中核都市としてふさわしいまち

「高松市」は、環瀬戸内海圏の中核都市としてふさわしいまちをめざして、3つの重点的な取組事業と具体的な取組を推進しています。

1)コンパクトで魅力ある都市空間の形成
・多核連携型コンパクト・江子シティ推進事業
・豊かな住まいづくり事業

2)快適で人にやさしい都市交通の形成
・地域公共交通再編集事業
・JR端岡駅周辺整備事業
・公共交通維持改善事業
・公共交通利用促進事業
・レンタサイクル事業

3)拠点生を発揮できる都市機能の充実
・街路事業
・中心市街地活性化推進事業
・高松丸亀町商店街開発事業
・南部3町商店街における優良建築物等整備事業

市民と行政がともに力を発揮できるまち

「高松市」は、市民と行政がともに力を発揮できるまちをめざして、3つの重点的な取組事業と具体的な取組を推進しています。

1)参画・協働によるコミュニティの再生
・地域コミュニティ協議会事務局体制強化支援事業
・地域まちづくり交付金事業
・自治会再生支援事業
・大島振興方策推進事業

2)相互の特長をいかした多様な連携の推進
・多様な主体との連携推進事業

3)健全で信頼される行財政運営の確立
・総合センター整備事業
・社会保障・税番号制度推進事業
・オープンデータ利活用推進事業
・スマートシティたかまつ推進事業
・AI等利活用推進事業

▼参考URL:高松市|高松市総合計画

まとめ

以上、地方自治体特集「中核市」シリーズ、第49回は香川県の「高松市」についてご紹介させていただきました。

本シリーズの他の都市は下記よりご覧いただけます。

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本記事は、2020年11月29日時点調査または公開された情報です。
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