地方自治体特集「中核市」シリーズ

中核市シリーズ第60回「水戸市」について(2020年9月情報)

地方自治体特集「中核市」シリーズ、第60回は「水戸市」です。

茨城県にある「水戸市」の人口は2020年4月1日現在で、約26万9千人と青森県青森市に次いで国内73番目です。そんな「水戸市」とはどんな都市なのか解説します。


※本記事は、2020年9月調査の内容です(今後更新予定です)。

「水戸市」について

「水戸市」は、首都東京から北東へ約100キロメートル、茨城県庁の所在地で県の中心よりやや東部に位置し、東経140度28分、北緯36度22分の地点を中心に市街地が形成され、地質は低地が沖積層、台地が洪積層によって構成されている市です。

東には大洗海岸、西には筑波や日光の山々、北には八溝や阿武隈の山々、南には関東平野の一部を成す常陸台地を望むことができ、市の北側はひたちなか市、那珂市、城里町に接し、東側は大洗町、南側は茨城町、西側は笠間市に接し、地形は低地地区の南東部、台地地区の中央部、丘陵地区の北西部に分けられます。

中心市街地は、水戸駅周辺で、常磐線北側の台地上を上市(うわいち)、水戸駅から東の下町を下市(しもいち)と言い、繁華街は北口方面に形成され、その中心を国道50号が東西に通っています。

市街のほぼ中央には、日本三名園の一つである偕楽園や千波湖を中心とした大規模な公園・緑地が広がり、「水戸市」ならではの自然景観が形成されています。

本市の産業は、第3次産業が大半で全体の86.5 パーセントを占め、業種別では卸売業・小売業が26.1 パーセント、次いで宿泊業・飲食サービス業が12.7パーセント、建設業が9.4 パーセント、生活関連サービス業・娯楽業が9.3 パーセントの順になっています。

「水戸市」の産業構造については、就業者人口の推移から見ると農業を中心とする第1次産業は年々減少を続けており、昭和50年は9.3パーセントであったのに対し、平成27年には2.6パーセントまで激減しています。

第2次産業は、おおむね横ばいですが、平成7年以降は減少傾向にある一方、商業・サービス業を中心とする第3次産業は、昭和50年の69パーセントから平成27年には74.1パーセントに増加し、第3次産業に集中した産業の特性が顕著になっています。

そんな「水戸市」の気候は、太平洋側気候の三陸・常磐型と東海・関東型の中間的な気候で、夏はオホーツク海気団からの北東気流の影響で最高気温は低めで、真夏日の日数は33.6日で関東甲信越以西の県庁所在地では最も少なく、熱帯夜もほとんどありません。

冬は晴天が続き、最高気温は関東以西の平均値で日中は暖かいものの、大平野の中の都市のため放射冷却現象が強くなりやすく、朝晩は冷え込みが厳しいことが特徴です。

冬季の平均最低気温は、東北南部の仙台市や福島市より低く、強い寒気の元南岸低気圧が通過すると雪になりますが、関東地方の中では極端な大雪になりにくく、冬の朝晩の冷え込みが強い他は全国的に見ても穏やかな気候と言えます。


>水戸市のホームページ
https://www.city.mito.lg.jp/

「水戸市」の成り立ち

「水戸市」の成り立ちは、市制施行により水戸市となった1889年(明治22年)4月1日までさかのぼります。

1933年(昭和8年):東茨城郡常磐村が編入、1955年に昭和の大合併で東茨城郡上大野村・渡里村・吉田村・酒門村・河和田村の一部、那珂郡柳河村が編入、1957年に東茨城郡飯富村・那珂郡国田村が編入、1958年に東茨城郡赤塚村が編入、1966年に住居表示実施に伴い、藩政時代からの旧町名の大半が消滅しました。

1988年に東茨城郡常北町と境界変更、1991年(平成3年)に那珂郡那珂町と境界変更、1993年に那珂郡那珂町と境界変更、1995年に那珂郡那珂町と境界変更、2001年に中核市に移行されました。

2005年に東茨城郡内原町が編入、2007年に東茨城郡城里町と境界変更、2020年(令和2年)4月1日に中核市に移行されました。

水戸市長「高橋 靖」(たかはし やすし)さんはどんな人?

2011年5月29から水戸市長を務める「高橋 靖」さんは、1965年6月17日に生まれました。

経歴は、日本大学法学部新聞学科を卒業、明治大学大学院政治経済学研究科修士課程修了、2005年に茨城県議会議員に当選、2006年に県議選で幹目に当選、2011年に水戸市長に就任、2015年に水戸市長に再選、2019年に水戸市長に3選されました。

座右の銘は、「細心大胆」だそうです。

>水戸市長公式ホームページ
https://ameblo.jp/takahashi-yasushi/

「水戸市」の行政プラン

「水戸市」は、「水戸市行財政改革プラン2013」に基づき、行財政サービスの向上を推進し、安定した行財政基盤を構築することを目指してきました。

その後、引き続き行財政改革に取り組むため、「水戸市」は、「水戸市行財政改革プラン2016」を策定しました。

このプランを実現するため、「強くしなやかな行財政運営の構築」を基本理念とし、下記の5つを柱に掲げました。

1)質の高い市民サービスの提供
2)市民との協働によるまちづくりの推進
3)柔軟な行政運営体制の構築
4)未来へ向けた財政基盤の構築
5)地方創生時代にふさわしい人材の育成

さらに、「水戸市」は、この柱を基に、それぞれ実施項目と目指すべき成果を示しました。

質の高い市民サービスの提供

「水戸市」は、「質の高い市民サービスの提供」に基づき、下記の4つの具体的施策とその実施項目を掲げました。


1)具体的施策:市民サービスの見直し
・窓口サービスの向上
・保育所および開放学級の待機児童の解消

2)具体的施策:水戸の魅力発信および行政情報提供
・情報発信の充実
・オープンデータの公開の推進

3)具体的施策および実施項目:市民意見の反映

4)具体的施策および実施項目:事務権限の拡大

市民との協働によるまちづくりの推進

「水戸市」は、「市民との協働によるまちづくりの推進」に基づき、下記の具体的施策とその実施項目を掲げました。

1)具体的施策:市民の協働事業の推進
・協働の体制づくり
・地域の関わる担い手の育成
・協働事業の充実

柔軟な行政運営体制の構築

「水戸市」は、「柔軟な行政運営体制の構築」に基づき、下記の3つの具体的施策とその実施項目を掲げました。

1)具体的施策:組織・職員定数および施設の適正管理
・組織・機構の適正管理
・職員定数の適正管理
・公共施設等の適正管理

2)具体的施策:事務事業の見直し
・ICTの活用
・一部事務組合のあり方の検討

3)具体的施策:民間活力活用の推進
・事務事業の民間活力活用の推進
・公の施設の管理運営に係る民間活力活用の推進

未来へ向けた財政基盤の構築

「水戸市」は、「未来へ向けた財政基盤の構築」に基づき、下記の3つの具体的施策とその実施項目を掲げました。

1)具体的施策:的確な財政分析
・財政状況の分析と公表
・中長期的視点に基づく財政運営

2)具体的施策:歳出の合理化
・給与の適正化
・補助金・負担金の適正化
・社会保障制度の適正な運営
・外郭団体の財務体質・執行体制の改善

3)具体的施策:歳入の確保
・収納率の向上
・受益者負担の適正化
・未利用財産の活用と処分
・多様な収入の獲得

地方創生時代にふさわしい人材の育成

「水戸市」は、「地方創生時代にふさわしい人材の育成」に基づき、下記の3つの具体的施策とその実施項目を掲げました。

1)具体的施策:人材の育成
・職員の能力育成

2)具体的施策および実施項目:多様な人材の確保

3)具体的施策および実施項目:ワーク・ライフ・バランスの推進

このように「水戸市」では、行政改革推進本部を中心に進行を管理し、本プランの推進に取り組んでいます。


▼参考URL:水戸市|水戸市行財政改革プラン2016
(https://www.city.mito.lg.jp/000271/000273/000281/000483/p016350.html)

まとめ

以上、地方自治体特集「中核市」シリーズ、第60回は茨城県の「水戸市」についてご紹介させていただきました。

本シリーズの他の都市は下記よりご覧いただけます。

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本記事は、2021年1月1日時点調査または公開された情報です。
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