※本記事は、2020年8月調査の内容です(今後更新予定です)。
「福山市」について
「福山市」は、広島県の南東部、備後地域に位置し、市の中心地は福山平野で、市の南端は瀬戸内海に面し、北部の山岳地帯は標高400~500メートルの吉備高原西最短部にある通称「神石高原」の南端から形成されています。
中国・四国地方では広島都市圏、岡山都市圏に次ぐ規模の福山都市圏の中心都市で、単一事業所では世界初の累計粗鉄生産量が4億トンに達した世界最大級の銑鋼一貫製鉄所(JFEスチール福山製鉄所)を抱える重工業都市です。
この「福山市」は、年産1,300万トン級の鉄鋼生産能力を持ち、粗鋼生産量は日本一で、大手造船企業や機械産業を数多く擁しているため、工業生産高は2兆円、工業事業所数は1,200と日本有数の規模を誇っています。
市内の中心部は、芦田川のデルタ地帯と福山藩が行った干拓事業を基にした城下町造りから生まれた干拓平野で、臨海工業都市化を進めて瀬戸内海の経済・文化・交通の要衝の都市として発展しています。
この「福山市」は、広島県内では「広島市」に次いで人口約47万を擁する中核市で、都市圏人口は広島・岡山両都市圏に次いで約90万人、中・四国地方第3位を誇っています。
市域は、中国山地(神石高原)・福山平野・芸予諸島(備後群島)などから成り、山陽新幹線・山陽自動車道・国道2号・山陽本線と西日本の重要幹線が市内を縦断し、国際港湾である福山港を擁するなど交通の要衝で、福塩線・井原線は福山市を起点をしています。
そんな「福山市」は、県庁所在地の広島市から100km以上離れていることもあり、国・県の主要機関が拠点を構え、民間企業が広島市に加え当市に県内第二の主要拠点を置く例が多く見られ、独自の文化圏を形成しています。
「福山市」の気候は、地形と立地場所による影響によって典型的な瀬戸内海式気候で、夏の季節風は四国山地に、冬の季節風は中国山地によって遮られます。
このため、年間を通じて天気や湿度が安定し、降水月は5~7月と9月の二峰性で、8月の降水量が著しく少なく、冬から春にかけて中国大陸から流入する黄砂が観測されることも多く、冬には氷点下まで下がる日もあります。
太平洋高気圧に覆われる夏季は、瀬戸内海沿岸特有の「凪」が発生し、日中の気温は35℃を超える猛暑・酷暑となる日もあり、冬は降雪が少なく、平地部の積雪は稀であることも特徴です。
>福山市のホームページ
https://www.city.fukuyama.hiroshima.jp/
「福山市」の成り立ち
「福山市」の成り立ちは、1916年(大正5年)7月1日に深安郡福山町が市制施行して福山市が発足したことに遡ります。
当時は、宮城蒲池を中心とする地域で、発足後の道程は平坦ではなく、市制施行後は、1918年には米騒動、翌年の1919年は大水害に見舞われました。
その後、1933年に深安郡川口村・手城村・深津村・奈良津村・吉津村・木之庄村・本庄村、沼隈郡神島村・佐波村・草戸村の10箇村を編入、1942年に沼隈郡山手村、郷分村を編入、1943年に深安郡大津野村(現福山市大門町)に福山海軍航空隊が開隊しました。
1954年に沼隈郡松永町および柳津村・金江村・藤江村・東村・本郷村・神村が合併し松永市市制施行、1956年に深安郡引野村・市村・千田村・御幸村、沼隈郡鞆町・水呑町および津之郷村・赤坂村・瀬戸村・熊野村が編入、1962年に深安郡深安町が編入しました。
1966年に初代・福山市と松永市の2市が対等合併し、中国地方初の市同士の合併によって2代・福山市となり、1974年に芦品郡芦田町が編入、1975年に深安郡加茂町・芦品郡駅家町が編入、1988年に中核市となりました。
2003年に 沼隈郡内海町・芦品郡新市町を編入、芦品郡消滅、2005年に沼隈郡沼隈町が編入、沼隈郡が消滅、2006年に深安郡神辺町が編入、深安郡が消滅しました。
福山市長「枝広 直幹」(えだひろ なおき)さんはどんな人?
2016年9月5日から福山市長を務める「枝広 直幹」さんは、1955年9月29日に福山市で生まれました。
経歴は、1974年(昭和49年)に広島県立福山誠之館高等学校を卒業、1980年に一橋大学経済学部を卒業、大蔵省に入省、1983年に外交官としてフィリピン駐在、1989年(平成元年)に官房副長官秘書官として内閣総理大臣官邸に勤務しました。
1998年に石川県総務部長に就任、2003年に主計局主計官(国土交通省・環境省担当)に就任、2009年に中国財務局長に就任、2011年に内閣審議官(地域活性化統合事務局長代理)に就任、2014年に近畿財務局長を退官しました。
2014年に株式会社ナベショー(製鋼原料商社)社長に就任、2015年に社長を退任した後、2016年に福山市長に就任しました。
趣味は、「ヴァイオリン、スポーツ、旅行、食べ歩き」などだそうです。
>福山市長公式ホームページ
http://www.city.fukuyama.hiroshima.jp/soshiki/hisho/2555.html
「福山市」の行政プラン
「福山市」は、活力と魅力に満ちた中国・四国地方の拠点都市をめざし、市制施行100周年を迎えた2016年(平成28年)に次なる100年に向けて「第五次福山市総合計画」を策定しました。
2021年度を目標年次として進める第1期基本計画では、「活力と魅力に満ちた輝くまち」を目標とし、下記の「5つのまちづくり」に取り組んでいます。
1)中心市街地が活性化し、魅力あふれるまち
2)子どもたちの笑顔が輝き、誰もが健康でいきいきと暮らせるまち
3)活力ある産業があり、安心・安全で快適に暮らせるまち
4)世界や地域で活躍し、未来を創造する“ひと”を育むまち
5)歴史・文化が薫り、スポーツに親しめるまち
さらに、「福山市」は、この「5つのまちづくり」を進めるにあたり、積極的・効果的に基盤づくりを行うため、行政運営方針として下記の3つの柱と取組項目を掲げました。
1)時代の変化に対応した行政運営の推進
<取組項目>
・施策・事業の見直し
・公共施設等サービスのあり方
・組織体制
・定員適正化・職員給与
・ICTの利活用
・財源の確保
・受益と負担の適正化
2)協働の更なる深化
<取組項目>
・人づくり・活躍できる環境づくり
・市民との対話
3)多様な主体との連携
<取組項目>
・民間活力の活用
・広域連携
・国・県や産学金官民との連携
▼参考URL:福山市|福山市行政運営方針(http://www.city.fukuyama.hiroshima.jp/uploaded/life/163034_677291_misc.pdf)
まとめ
以上、地方自治体特集「中核市」シリーズ、第46回は広島県の「福山市」についてご紹介させていただきました。
本シリーズの他の都市は下記よりご覧いただけます。
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