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【目指せ!外交官】世界一空気のきれいな国「エストニア共和国」の基本知識(2018年12月調査情報)

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目次

「エストニア共和国」ってどんな国?

「エストニア共和国」の正式名称は、エストニア語で「Eesti Vabariik」で、通称は「Eesti」であり、英語による正式名称は「Republic of Estonia」です。

日本語による正式名称は「エストニア共和国」で、通称として「エストニア」を用いるのが一般的です。漢字による当て字では「愛沙尼亜」や「愛沙尼亞」と表記します。

「エストニア共和国」の国名の由来は、もともとこの地がエストニア族の地であったこと、そのため国の人口の大半がエストニア人であることから、この名前が付きました。

「エストニア共和国」は、「ラトビア共和国」「リトアニア共和国」とともに、「バルト三国」と呼ばれています。

面積・場所について

「エストニア共和国」の国土の広さは、約4.5万平方キロメートルで、これは日本の大きさの約9分の1に相当します。

「エストニア共和国」の場所は、北ヨーロッパにあり、北はフィンランド湾に、西はバルト海に面しています。国境が接しているのは、東が「ロシア」、南が「ラトビア共和国」です。

都市について

「エストニア共和国」の首都は「タリン」です。「タリン」の人口は約42万人であり、旧市街地である「タリン歴史地区」は世界遺産に登録されています。

「タリン」は幾度かその名称を変えており、1291年に「デンマーク」に占領された時は「レバル」と呼ばれ、ロシア帝国時代は「レーヴェリ」と呼ばれていました。

1918年に「エストニア共和国」が「ロシア帝国」から独立し、現在の「タリン」という名称になりました。

人口について

「エストニア共和国」の人口は、約130万人で、これは「日本」の奈良県と同じ程度です。

成り立ちについて

「エストニア共和国」の地にはもともと、エストニア人が住んでいました。そこに、東スラヴ人、ノルマン人などが移住してきて共生し、現在のエストニア民族が形成されました。


13世紀頃、この地にデンマーク人が進出すると、この地は海上貿易で栄え、タリン市が誕生しました。

14世紀になると、ドイツ騎士団がこの地に進出し、「ドイツ」に領有されました。その後、この地では「デンマーク、スウェーデン、ポーランド、ロシア」によって領土争いが起きましたが、最終的には「スウェーデン」が勝利し、18世紀初頭まで、この地はスウェーデン領になりました。

18世紀になると、「スウェーデン」と「ロシア帝国」の間で争いが起き、「ロシア帝国」が勝利した結果、この地もロシア領となりました。

1917年、ロシア革命によって「ロシア帝国」が崩壊し、1918年に「エストニア第一共和国」として独立を果たしました。

1940年に入ると「ソビエト連邦」に、1941年から1944年までは「ナチス・ドイツ」に占領されましたが、1991年に、「エストニア共和国」として独立回復し、現在に至ります。

「エストニア共和国」の国民・宗教・言語について

国民について

「エストニア共和国」の国民は、フィン・ウゴル系のエストニア人が約70%、ロシア人が約25%、ウクライナ人が約2%、ベラルーシ人が約1%、その他少数の、フィンランド人が住んでいます。

「ロシア帝国」から独立した後も、国内にロシア人が残留したため、この国では「残留ロシア人問題」を抱えています。

なお、「残留ロシア人」とは、「ロシア帝国」や「ソビエト連邦」がその領土を縮小したことで、旧領土に取り残された元ロシア国民やロシア民族のことを指します。彼らの中にはエストニア語を話せない人も多く、民族的な考え方や文化の違いから、エストニア人とロシア人との間で経済格差がうまれており、二者の融和が「エストニア共和国」の課題です。

宗教について

「エストニア共和国」の宗教は、ロシア正教、プロテスタントのルター派などがあります。しかし、2011年に行われた国勢調査によると、国民の約50%が無宗教であり、国民の信仰心は薄い傾向にあります。

言語について

「エストニア共和国」の公用語は、エストニア語です。しかし、ロシア語を母国語にしている人は約25%おり、首都タリンだけでみると、約50%います。

「エストニア共和国」の経済状況について

「エストニア共和国」の通貨はユーロで、GDPは約260億ドル、世界第102位です。一人当たりのGDPは約2万ドルで、世界で41位であり、これは「バルト三国」の中で最も高いです。

「エストニア共和国」では、2010年まで通貨クローンを用いていましたが、2010年にOECDに加盟し、通貨ユーロを導入しました。

「エストニア共和国」の主要な産業は、製造業、卸売・小売、不動産、運輸、建設、IT産業など、多岐に渡ります。特にIT産業には力を入れており、SNS・通信ツールである「Skype」を開発するなど、国策としてIT立国化を目指しています。

貿易について

「エストニア共和国」の主要な貿易相手国は、輸出が「フィンランド、スウェーデン、ラトビア」で、輸入が「フィンランド、ドイツ、リトアニア」です。

国連貿易統計によると、2017年の主な貿易品目は、輸出が機械・機械部品、木材・木材製品、農産物等で、輸入は、機械・機械部品、鉱物、農産物等です。


総貿易額は、輸出が約150億ドル、輸入が約170億ドルであり、輸入額が輸出額を若干上回っています。

「エストニア共和国」の政治・政策について

政治体制について

「エストニア共和国」は共和制国家であり、国家元首は大統領です。

「エストニア共和国」の議会は「リーギコグ(Riigikogu)」と呼ばれ、一院制で、議席数は101、任期は4年です。議員は比例代表制によって選出されます。

大統領は議会によって選ばれ、任期は5年である。2007年2月26日から28日に世界で初めて議会選挙に関してインターネットを利用した電子投票を行った[17]。

電子化が進んでおり、議会への出席時にノートパソコン等の電子端末持ち込みが自由であり、かつ、インターネットでの議会出席も許可されているため、議論への参加や投票の時以外は、議員が議会へ直接実際に出向く必要もない。政府が発行する個人IDカードは15歳以上のエストニア国民のほとんどが持っており、行政サービスのほとんどが個人端末から済ませることが可能である。また、このIDカードは運転免許証や、ショッピングの際のポイントカードとしても機能している。役所などでは人員や紙などのコストが4分の1、窓口の人員は10分の1ほどに減らすことが可能になった[18]。

「エストニア共和国」の大統領・首相について

大統領について

「エストニア共和国」の大統領は、議会によって選出され、任期は5年、連続で2期まで務めることができます。エストニア国防軍の最高司令官であり、議会で採決された法案は、大統領によって宣言・公布されます。

しかし「エストニア共和国」は議会共和制国家なので、大統領には行政権はありません。

なお、現在の「エストニア共和国」の大統領は、ケルスティ・カリユライド氏です。

首相について

「エストニア共和国」の首相は行政府の長です。現在の首相は、中央党のユリ・ラタス氏です。

「エストニア共和国」の国防制度・軍事制度・兵役について

「エストニア共和国」の軍は、陸軍・海軍・空軍の三軍種を擁しています。この他、志願制の民兵組織である「エストニア防衛連盟(KAITSELIIT)」が存在します。

兵力は、陸・海・空軍で合わせて約6千人、民兵組織が約1万5千人ほどで、軍事予算は約5億ユーロです。

「エストニア共和国」の兵役は徴兵制度であり、男性は18〜28歳の間に、8〜11ヶ月間の兵役につきます。

「エストニア共和国」と「日本」の関係について

「エストニア共和国」と「日本」は、1921年に国交を樹立しました。「日本」は「バルト三国」それぞれの国の独立を支持する立場をとり、1993年に「エストニア共和国」に日本大使館が、1996年には「日本」にエストニア大使館が開設しました。

二国間の経済関係・文化関係は良好で、特にIT分野では、両国は非常に協力関係を深めています。また、「エストニア共和国」に進出している日系企業は約50社存在します。

近年、「エストニア共和国」の日本文化に対する関心が深まっており、エストニア国内で日本文化に関するイベントなどが開催されています。また、「日本」でも「エストニア共和国」のアニメが上映されるなど、文化面での交流は盛んです。

2017年に時点で、「エストニア共和国」に住む日本人は148人、「日本」に住むエストニア人は241人です。

まとめ

「エストニア共和国」は、美しい自然を有しながら、IT分野を中心に経済を発展させている国です。15歳になると政府から個人IDカードが発行され、国民の大半がそのカードを利用して買い物をしたり、様々な行政サービスを享受しています。また、2007年には、議会選挙において、世界で初めてインターネットを使った電子投票を行うなど、非常に電子化が進んでいます。

なお、男子サッカーの「エストニア共和国」のFIFAランキングは、2018年12月では「96位」です。

本記事は、2022年10月21日時点調査または公開された情報です。
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この記事を書いた人

2021年に公務員総合研究所に入所した新人研究員。

好きな言葉は、「つまづいたっていいじゃないか にんげんだもの」

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