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【目指せ!外交官】ネクタイの発祥の地である「クロアチア共和国」の基礎知識(2021年5月調査情報)

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目次

「クロアチア共和国」ってどんな国?

「クロアチア共和国」の正式名称はクロアチア語で「Republika Hrvatska」、英語では「Republic of Croatia」です。漢字では「克羅地亜」と表記し、その他「呉呂茶」などとも表記されます。

「クロアチア共和国」の広さ 面積・場所について

「クロアチア共和国」の面積は約5万6,594平方キロメートルで、九州の約1.5倍の大きさに相当します。

「クロアチア共和国」の場所は、東ヨーロッパ、バルカン半島に位置し、西にスロベニア、北にハンガリー、東にボスニア・ヘルツェゴビナ、セルビアと国境を接し、南はアドリア海に面し対岸はイタリア、飛び地のドゥブロヴニクでは東にモンテネグロと接しています。

「クロアチア共和国」の首都について

「クロアチア共和国」の首都は「ザグレブ」で、「ザグレブ」は首都としては、クロアチアの北西部サヴァ川河畔に位置しています。

「ザグレブ」の人口は、ザグレブ市街が約68万6,568人、ザグレブ市域では約79万2,875人で、ザグレブ市と周辺の行政的に分かれているザグレブ郡の人口は、約31万7,642人を合わせたザグレブ都市圏の人口は1,11万517人です。

「クロアチア共和国」の人口について

「クロアチア共和国」の人口は、クロアチア政府統計局が2019年に調べた時点で約406.8万人であり、人口密度は、約71.47人で、第108位です。

「クロアチア共和国」の成り立ちについて

「クロアチア共和国」は、7世紀頃にスラブ人が定住、10世紀前半にトミスラブ公によってクロアチア王国が建国されました。

1527年にハプスブルグ家の支配下に入り、1918年に、後に「ユーゴスラビア王国」と改称される「セルビア人・クロアチア人・スロベニア人王国」の建国に参加しました。

1941年に第二次世界大戦中、ナチス・ドイツの傀儡国「クロアチア独立国」を樹立宣言、1945年に社会主義ユーゴスラビア連邦の構成共和国の一つとして発足、1991年にユーゴスラビアより独立宣言、1992年に国連に加盟しました。

2005年にEU加盟交渉が開始、2009年にNATOに加盟、2013年にEUに加盟しました。

「クロアチア共和国」の国民・宗教・言語について

「クロアチア共和国」の国民について

「クロアチア共和国」の人種割合は、クロアチア人が約90.4パーセントで、そのほか、セルビア人が約4.36パーセント、ボシュニャク人が約0.7パーセントとなっています。


クロアチアにおけるクロアチア人の割合は、クロアチア紛争以降高くなっており、クロアチア紛争によってクロアチアに在住していたセルビア人の多くが難民としてクロアチア国外に退去したか、あるいは死亡した一方で、ボスニアからのクロアチア系難民が多く流入したものと見られています。

「クロアチア共和国」の宗教について

「クロアチア共和国」の国家宗教は、大部分がザグレブ大聖堂を中心とするローマ・カトリックで約86.3パーセントで、残りは、セルビア正教会が約4.4パーセント、イスラム教が約1.3パーセント、プロテスタントが約0.3パーセントです。

「クロアチア共和国」の言語について

「クロアチア共和国」の公用語は、クロアチア語のラテン文字で、広く使われ、約96パーセントを占めています。

一部にセルビア語を使う人もいますが約1パーセントに留まりますが、この二つの言語は、セルビア語はキリル文字とラテン文字を使用文字が違う程度でほとんど同じ言葉で、その違いは日本語の東京地域の標準語と大阪弁の間の違いよりも小さいといわれれています。

旧ユーゴスラビア時代には、セルビア・クロアチア語という一つの言語として扱われていたようです。

「クロアチア共和国」の経済状況について

「クロアチア共和国」の通貨はクーナで、GDPは約60.4億米ドルで、世界79位です。そして、一人当たりのGDPは約14,072.08米ドルで、世界55位です。

「クロアチア共和国」の貿易について

「クロアチア共和国」の貿易相手は主に、輸出が、イタリア、ドイツ、スロベニア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、オーストリア、セルビアで、輸入が、ドイツ、イタリア、スロベニア、ハンガリー、オーストリア、オランダとなっています。

「クロアチア共和国」の主な輸出品目は、機械類および輸送用機器、原料別製品、化学製品、食料品などで、輸入品目は、機械類および輸送用機器、原料別製品、化学製品、鉱物性燃料などです。

「クロアチア共和国」の政治・政策について

政治体制について

「クロアチア共和国」は、共和制で、議会は1院政、定員は151人、任期は4年です。

「クロアチア共和国」の政策

「クロアチア共和国」は、1991年から95年にかけて、旧ユーゴスラビアからの独立を巡って武力紛争が展開され、一部旧紛争地域では、紛争時に埋設された地雷が残るものの、現在の治安は概ね安定しています。

旧クロアチア共産主義者同盟の社会民主党(SDP:中道左派)と1990年代を通じ政権与党であったクロアチア民主同盟(HDZ:中道右派)が二大政党で、独立以来、4度の政権交代が行われました。

2011年12月の議会選挙では、SDP、人民党(HNS)、イストラ民主会議(IDS)、年金者党(HSU)の四党から成る中道左派の野党連合が勝利を収め、当初トゥジマン初代首相が率いたHDZ政権に替わり、ミラノビッチSDP党首を首相とする政権が発足しました。

ミラノビッチ政権は、経済状況の不振が続く中、外国投資の誘致等経済回復に尽力しましたが、主要輸出先の欧州経済の不振、国内投資環境の整備不足もあり、経済は低迷が続いていました。

2015年1月、任期満了に伴う大統領選挙の決選投票が行われ、ミラノビッチ政権の経済運営に対する批判票を集めた野党HDZのグラバル=キタロビッチ候補が現職大統領のヨシポビッチ候補(SDP出身)を破って当選し、同2月、グラバル=キタロビッチ大統領が第4代大統領に就任しました。

2015年11月に実施された議会選挙を受けて、2016年1月、非党人で経済界出身のオレシュコビッチ氏を首相とする政権が発足されましたが、政権与党内の混乱により不信任案が可決、解散総選挙の実施が決定されました。


2016年9月に行われた総選挙の結果、HDZとMOSTの間で連立に合意し、10月、プレンコビッチHDZ党首を首相とする政権が発足されました。

2017年4月にクロアチア最大の民間グループであるアグロコル・グループの経営悪化を巡り連立与党間で対立が生じ、プレンコビッチ首相はMOST所属閣僚3名を更迭し、MOSTが連立政権から離脱しました。

これを受け、与党HDZは、人民党(HNS)と新たに連立合意を結び、同年6月に内閣改造が実施されました。

ペイチノビッチ=ブリッチ外務・欧州問題相の欧州評議会事務局長への選出並びに行政相および国家資産相の辞任を受け、2019年7月に7名の閣僚の交代を行う内閣改造が行われました。

2020年1月に決選投票が行われた大統領選挙では、野党SDP候補のミラノビッチ元首相が現職で与党HDZが推すグラバル=キタロビッチ候補に約10万票の得票差で勝利し、2月18日にミラノビッチ新大統領の就任式が行われ、翌日より任期が開始されました。

新型コロナウイルスの蔓延を受け前倒しで行われた2020年7月の議会選挙で与党HDZが勝利し、HDZは、少数民族代表議員や中道政党等の協力を得て、議会過半数に必要な76名の議員を確保し、第2次プレンコビッチ内閣が発足されました。

新政府は、省庁再編により省の数が20から16に削減され、プレンコビッチ首相は、連立しているセルビア系政党から副首相を任命するなど、民族和解の方向性を出そうとしています。

1991年~1995年の民族紛争の結果、国内の民族構成が大きく変化し、2000年以降は、国際社会の後押しもあってセルビア人等の難民帰還が進んでおり、紛争中にクロアチアから流出したセルビア系住民約30万人中、およそ半数が帰還しています。

「クロアチア共和国」の政府について

「クロアチア共和国」の政府について

「クロアチア共和国」の政府は、クロアチア民主同盟(HDZ)を主軸とする連立政権で、首相は、アンドレイ・プレンコビッチで、外務・欧州問題相は、ゴルダン・グルリッチ=ラドマンです。

「クロアチア共和国」の国防・軍事制度・兵役について

「クロアチア共和国」は、1990年代の紛争にもかかわらず、セルビア、ボスニア・ヘルツェゴビナ等近隣諸国との関係は概ね良好です。

V4(ポーランド、チェコ、スロバキア、ハンガリー)との協力や3海(バルト海、アドリア海、黒海)イニシアティブを通じた取り組みなど、エネルギー安全保障や域内協力等との観点からも中・東欧諸国との連携が強化されています。

2009年4月にNATOに加盟し、外交上の最大の目標だったEU加盟は、加盟交渉が2005年10月に開始され、2011年6月に終了しました。

同年12月にはEU加盟条約に署名し、2012年1月に行われたEU加盟の是非を問う国民投票が実施され賛成多数で承認され、これによってクロアチアは2013年7月にEU加盟を果たしました。

2020年1月からEU議長国となり、シェンゲン圏、ユーロ圏およびOECD加盟を目標としています。

EU加盟後のクロアチア外交にとって、西バルカン諸国へのEU拡大による地域安定化の促進、平和維持活動への人員派遣や人道・社会・保健等の分野における国際協力への貢献および経済回復に向けた経済外交が重要課題となっています。

こうした方針に基づき、クロアチアは2008-2009年に国連安保理非常任理事国を務めたほか、アフガニスタン、西サハラ等6つのミッションに約100名の兵士が派遣されました。

2020年前半のEU議長国期間中には、新型コロナウイルスが欧州で猛威をふるう中ながらも、同年5月にEU・西バルカン諸国首脳会議(ザグレブ・サミット)がビデオ会議形式で実施され、西バルカン諸国のEU加盟に対する支援を再確認するザグレブ宣言が採択されました。

軍事力は、国防予算は、約8.12億ドル、兵力は、陸軍が約10,750人、海軍が約1,300人、空軍が約1,300人、 統幕が約1,850人で、いずれも志願制です。

「クロアチア共和国」と「日本」の関係は?

「クロアチア共和国」と「日本」の関係は、日本の援助実績は、有償資金協力はなく、無償資金協力は、2011年度までの実績は約9.50億円、技術協力は、約9.78億円です。


政治関係は、日本は1992年3月17日にクロアチアを国家承認し、1993年3月5日に外交関係が開設されました。

駐日クロアチア大使館は、1993年に開設、在クロアチア大使館は1998年2月に開設されました。

それ以来、閣僚を含めた要人の相互訪問が行われ、2020年7月には茂木外相とグルリッチ=ラドマン外務・欧州問題相の間で外相電話会談が行われました。

二国間の関係は順調に発展しており、近年はクロアチアを訪れる日本人観光客が急増し、クロアチア政府の統計によれば、2003年には約1万6千人であった旅行者数が、2009年から2019年まではのべ15万人前後で推移しています。

経済関係は、日本の対クロアチア貿易は、2019年現在、対クロアチア輸出は約57億円、対クロアチア輸入は約116億円です。

主要貿易品目は、輸出が自動車、一般機械、鉄鋼などで、輸入は、クロマグロ(輸入総額の5割)、化学製品、衣類等です。

文化関係は、文化無償協力は、1997年度のザグレブ・フィルへの楽器・音響機材供与が約4,450万円、1998年度のクロアチア国営ラジオ・テレビへの番組供与が約2,390万円、1999年度のクロアチア国民劇場への音響・映像機材供与が約4,870万円、2000年度のドゥブロブニク市への楽器・照明器具供与が約4,540万円、2001年度のリエカ・クロアチア国民劇場への音響・映像機材が約4,670万円、2002年度の国立・大学図書館への音響・映像機材供与が約3,280万円、2004年度のザグレブ大学への日本語学習機材供与が約1,730万円です。

また、京都府京都市とザグレブ市、神奈川県川崎市とリエカ市、愛知県碧南市とプーラ市は、姉妹都市関係にあります。

在留邦人数は、2020年8月現在、153名、在日クロアチア人数は、2018年12月現在、152名です。

まとめ

以上、国特集「クロアチア共和国」でした。

ちなみに、「クロアチア共和国」の男子サッカーFIFAランキングでは、2020年11月の時点では「11位」でした。

FIFAデータ

https://fifaranking.net/ranking/

本記事は、2022年12月6日時点調査または公開された情報です。
記事内容の実施は、ご自身の責任のもと、安全性・有用性を考慮の上、ご利用ください。

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この記事を書いた人

2021年に公務員総合研究所に入所した新人研究員。

好きな言葉は、「つまづいたっていいじゃないか にんげんだもの」

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