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【目指せ!外交官】人間開発指数が世界でトップクラスに位置する「ノルウェー王国」の基礎知識(2021年7月調査情報)

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目次

「ノルウェー王国」ってどんな国?

「ノルウェー王国」の正式名称は正式名称はノルウェー語のブークモールでは 「Kongeriket Norge」、ニーノシュク では 「Kongeriket Noreg」、サーミ語では「Norga / Norgga gonagasriika」で、英語では「Kingdom of Norway」です。漢字では「諾威」と表記し、その他「那威、挪威、哪威、諾爾京、梛耳回、那耳回、梛耳瓦、能留英、諾爾勿薏、奴児物玄、那蘭」などとも表記されます。

「ノルウェー王国」の広さ 面積・場所について

「ノルウェー王国」の面積は、約38.6万平方キロメートルで、日本とほぼ同じ大きさです。

「ノルウェー王国」の場所は、北ヨーロッパのスカンディナヴィア半島西岸にあり、東にスウェーデン、ロシア、フィンランドと国境を接しています。

「ノルウェー王国」の首都について

「ノルウェー王国」の首都は「オスロ」で、「オスロ」は首都としては、オスロ・フィヨルドの最北奥に位置し、南側で海と接しています。

また、その他三方は丘もしくは山で囲まれており、市域にはおよそ40もの島が存在します。

「オスロ」の人口は、2008年7月現在、約56万8,809人です。

「ノルウェー王国」の人口について

「ノルウェー王国」の人口は、ノルウェー中央統計局が2019年に調べた時点で約532万8212人であり、人口密度は、約16.64人で、第169位です。

「ノルウェー王国」の成り立ちについて

「ノルウェー王国」は、1380年~1814年はデンマークと同君連合が形成、1397年~1523年は北欧三か国によるカルマル同盟が形成、1814年にデンマークがノルウェーをスウェーデンに割譲、憲法が制定されました。

1905年にスウェーデンとの同君連合が解消、独立、1945年に第二次世界大戦後、ナチス・ドイツの占領から解放され、1949年にNATO(北大西洋条約機構)に加盟、1960年にEFTA(欧州自由貿易連合)に加盟しました。

1972年にEC(欧州共同体)加盟が国民投票によって否決、1992年にEEA(欧州経済領域)協定批准(1994年発効)、1994年にEU(欧州連合)加盟が国民投票によって否決されました。

「ノルウェー王国」の国民・宗教・言語について

「ノルウェー王国」の国民について

「ノルウェー王国」の人種割合は、ゲルマン系のノルウェー人がほとんどで約82.0パーセントを占めています。


そのほか、スウェーデン系が約1.6パーセント、デンマーク系が約1.0パーセント、ほかに少数民族のサーミ人約2万人が居住しています。

残りは移民であり、2010年には移民人口は55万2,000人と全人口の約11.4パーセントを占めています。

その内訳は、ポーランドが約60,610人、スウェーデンが約34,108人、パキスタンが約31,884人、イラクが約27,827人、ソマリアが約27,523人、ドイツが約24,394人、ベトナムが約20,452人、デンマークが約19,522人、イランが約16,957人、トルコが約16,430人の順です。

「ノルウェー王国」の宗教について

「ノルウェー王国」の国家宗教は、キリスト教プロテスタントのルーテル教会が多数派で、ノルウェー国教会の所属が約78.0パーセントを占めています。

1537年に創設されたノルウェー国教会は長らく国教の地位にありましたが、2012年にその座を降りました。

その他のプロテスタントやローマ・カトリックなどの団体所属は、約5.4パーセント、キリスト教以外の宗教は約2.7パーセント、世俗的ヒューマニズムの立場をとるノルウェーヒューマニスト協会に所属する人の割合は約1.7パーセントです。

「ノルウェー王国」の言語について

「ノルウェー王国」の公用語は、ノルウェー語で、ノルウェー語には、オスロ周辺の方言をもとにしてデンマーク語の強い影響を受けた書物の言葉「ブークモール」、およびデンマーク色を排しノルウェー各地域の方言をもとに言語の純化を行い人工的に作られた「ニーノシュク」の2種類があります。

どちらも公用語として制定されていますが、実際に広く話され理解されている言語の約9割近くが「ブークモール」です。

また、公式にはニーノシュクの使用人口が1割以上いることになっていますが、実際には彼らは各地のランスモール(土着の言葉)の話者で、彼らは総してニーノシュク話者と称されています。

人工言語としてのニーノシュクを用いる話者は少なく、伝統的な共通語・権威語であるブークモールや外国語を使わずに地域をまたがるコミュニケーションを行うのは困難であるといわれています。

ほかに、約2万人程度のサーミ人によってサーメ語が使われており、カラショーク、カウトケイノ、ネッセビィ、ポルサンゲル、ターナ、コーフョルドなど、サーミ人が多く居住する地区では、サーメ語も公用語となっています。

また、イギリスに地理的にも歴史的にも深い関わりのあるノルウェーでは英語のテレビ番組が放送されていることもあり、特に大都市圏では多くの国民によって英語が使用されています。

「ノルウェー王国」の経済状況について

「ノルウェー王国」の通貨は、ノルウェー・クローネで、GDPは約3,988億米ドルで、世界33位です。そして、一人当たりのGDPは約67,176.43米ドルで、世界4位です。

「ノルウェー王国」の貿易について

「ノルウェー王国」の貿易相手は主に、輸出が英国、ドイツ、オランダ、スウェーデン、フランスで、輸入がスウェーデン、中国、ドイツ、デンマーク、米国となっています。

「ノルウェー王国」の主な輸出品目は、原油・天然ガス、石油製品、基金属、農産物、水産物で、輸入品目は、車、機械、コンピューター・光学機器、基金属、化合物です。


「ノルウェー王国」の政治・政策について

政治体制について

「ノルウェー王国」は、立憲君主制で、議会は一院制で、議席数は169、任期は4年で解散はありません。

「ノルウェー王国」の政策

「ノルウェー王国」は、2017年9月に実施された国政選挙で、最大野党の労働党の敗北を受け、ソールベルグ政権の続投が決定されました。

保守党(45議席)および進歩党(27議席)だけでは国会169議席の過半数に届かず厳しい国会運営が見込まれることから、与党側は自由党(8議席)およびキリスト教民主党(8議席)との連立の可能性が模索、10月20日に保守党と進歩党の新政権が発足した後も、水面下で交渉が続けられました。

2018年1月14日、保守党・進歩党・自由党の三党は、三党連立政権に関する政策合意に達した旨が発表され、これを受けて1月17日にソールベルグ改造内閣が発足、優先課題として経済成長、気候変動、社会保障、貧困削減、社会統合等が掲げられました。

2018年11月、キリスト教民主党が党大会にて現政権への参加を決定したことを受け、2019年1月に同党を含める形で、保守党・進歩党・自由党・キリスト教民主党によるソールベルグ改造内閣が発足されました。

「ノルウェー王国」の元首・首相について

「ノルウェー王国」の元首について

「ノルウェー王国」の元首は、ハラルド5世国王です。

「ノルウェー王国」の首相・外相について

「ノルウェー王国」の首相は、アーナ・ソールベルグで、外相は、イーネ・エーリクセン・ソーライデです。

「ノルウェー王国」の国防・軍事制度・兵役について

「ノルウェー王国」は、EUとの関係を強化しており、ノルウェーはEU非加盟国です。

1994年11月、国民投票でEU加盟が否決、1972年にもEC加盟が否決されて以来、EU加盟に関する具体的な議論は行われていません。

経済的繁栄を享受している中、EU加盟により得られる利益に懐疑的な国民世論、EU加盟による自国農業および漁業への影響に対する懸念等が理由で、世論は概ねEU加盟賛成が3割、反対7割に推移しています。

一方で、EUとの協力関係は緊密かつ広範囲に大部分のEU指令が国内にて適用され、1994年に発効した欧州経済領域(EEA)協定を通じ、EUと緊密な経済関係にあることに加え、シェンゲン協定国(1999年参加)として関係欧州諸国との間の自由往来が実現しました。

また、「EEA資金メカニズム」を通じてEU加盟新興国の社会格差是正プログラムに資金が拠出されています。

対欧州外交は積極的に展開され、EUによるソマリア沖海賊対策および平和構築分野での文民派遣プログラムへの参画などはその例で、2009年10月には、ヤーグラン国会議長が欧州評議会事務総長に就任しました。

地域協力の推進については、北欧諸国、バルト三国、ロシア等の周辺諸国を含む、多分野かつ緊密な地域協力を重視し、2017年は北欧閣僚理事会の議長国を務めました。

198キロメートルにわたり国境を接し、近隣のコラ半島に北洋艦隊基地を擁するロシアとの間では、上記地域協力に加えて、経済、エネルギー、原子力安全、漁業、環境、海事、入国管理、教育、文化等の様々な分野で二国間協力が推進されています。

原子力安全分野ではロシアの退役原潜解体プロジェクトを支援し、2010年9月、ノルウェーはロシアとの間で、バレンツ海および北極海の境界画定に関する条約に署名しました。

2011年2月、ノルウェー国会は同条約を承認し、同年6月、批准書の交換を経て、同年7月に発効、他方、2014年以降ウクライナ問題をめぐって欧米の対ロシア経済制裁に加わっており、ロシアは報復措置として一部のノルウェー産品の輸入は制限されています。

多国間協力を重視する点においては、国連、NATO、欧州安全保障協力機構(OSCE)など、政治、安全保障、経済全般にわたり多国間協力が推進され、国外における軍事活動への参加は国連、NATO等国際機関の枠組によることが原則となっています。

国際平和への貢献については、地域別では中東、南スーダン、アフガニスタン、イラク、コロンビア等、分野別では軍縮・不拡散、国際貢献活動、国連を始めとする各種国際機関、人権・人道および開発援助に積極的に関与しています。


パレスチナ支援調整委員会(AHLC)議長を務めるほか、スーダン南北包括和平合意にも貢献し、クラスター弾禁止に向けた「オスロ・プロセス」を主導し、2008年に条約署名式がオスロで開催されました。

2016年のコロンビア政府とコロンビア革命軍(FARC)、フィリピン政府と共産勢力との和平合意を仲介しています。

開発援助については、ノルウェーは、毎年ODA額は対GNI比約1パーセントを維持しており、2018年度当初予算における ODA予算額は351億クローネ(約4,875億円)、2019年度は378億クローネ(約5,250億円)で、2018年および2019年もGNI比1パーセントを維持しています。

2018年は特定24か国・地域を重視する方針で、2019年度の重点分野は、保健、教育、ビジネス開発・農業・再生可能エネルギー、気候変動・環境・海洋、人道支援の5つです。

気候変動問題では、森林破壊・減少の防止に向けた国際的取組および途上国支援を重視し、緑の気候基金など関連する国際協力枠組に積極的に参画しています。

海洋分野では、ソールベルグ首相の主導で2018年「持続的な海洋経済の構築に向けたハイレベル・パネル」を立ち上げたほか、マイクロプラスチックを含む海洋ごみ問題に関連して、世銀管理の海洋基金(PROBLUE基金)内に同問題に対処する窓口設置を主導するなど、国際社会で主導的役割を果たしています。

ハイノース政策についてはノルウェー政府は重要外交・安全保障政策として「ハイノース(北部地域)戦略」を推進中です。

同戦略はノルウェー北極圏およびスヴァールバル諸島周辺から北極へと広がる「ハイノース」における資源、環境等様々な分野における持続可能な開発と、ロシアを含む諸外国との国際協力の強化を目指すものとなっています。

「ノルウェー王国」は、北極問題に関する知識・情報の集積および発信において主導的役割を担う方針です。

北極評議会(AC)およびその関連活動に積極的に参画し、2009年までの約2年間AC議長国を務めました。

なお、2013年6月にノルウェー北部トロムソにAC事務局、2015年9月に北極経済評議会(AEC)事務局が開設されました。

国防は、国防費が、2018年現在、約568億クローネ、兵役は、18~44歳の男女による徴兵制で、2015年1月から女性にも徴兵制が適用されています。

兵力は、陸軍が約3,560人、海軍が約1,699人、空軍が約1,917人、ホームガードが約403人、その他が約8,338人です。

「ノルウェー王国」と「日本」の関係は?

「ノルウェー王国」と「日本」の政治関係は、日本と「ノルウェー王国」は、1905年に外交関係を樹立して以来、第二次世界大戦時を除き友好的な二国間関係が維持されています。

2005年はノルウェーの独立100周年および日・ノルウェー国交樹立100周年にあたり、5月には天皇皇后両陛下がノルウェーを公式に御訪問になり、ノルウェー国民から大歓迎をお受けになりました。

その他、国交樹立100周年を記念して両国で様々な記念行事を行い、これらを機に両国の友好関係が一層促進されました。

経済関係は、貿易関係において、1999年以降、2006年を除いて日本側の輸入超過となっており、主要輸出入品目としては、輸出で乗用車が4割近く、輸入では水産物が4割強を占めています。

2018年の日本からノルウェーへの輸出は約1,027億円、ノルウェーから日本への輸入は約2,024億円で、主要輸出入品目は、2018年現在、日本からノルウェーへの輸出は、輸送用機器、鉄鋼、一般機械などで、ノルウェーから日本への輸入は、魚介類および同調製品、非鉄金属、一般機械などです。

投資関係は、日本からの直接投資は、石油関連投資を除き、ほぼ全てがメーカーの販売会社、商社あるいは製造業の現地法人で、製造業の拠点進出は2件のみです。

主な進出企業は、ノルウェー進出の日本企業は、出光興産、日本郵船、クボタなど、全46社、日本進出のノルウェー企業は、ICT、インテリア、海事、エネルギー、水産物、医療、旅行、自動車など様々な分野のノルウェー系企業が日本に進出しており、在日ノルウェー商工会には57社・団体が登録しています。


文化関係は、日本文化への関心は、ここ20年ほどの間に高まっています。

90年代には数えるほどであった高等教育機関における日本語学習者数は、現在では300人を超え、特にポップ・カルチャーに関心を持つ青少年層を中心に、日本に関する興味が高まっています。

日本の文学やマンガ、アニメの愛好者が増えており、大規模なマンガ・アニメフェスティバルに、ノルウェー各地から数千人規模の参加者が集まるほどになっています。

両国の国交樹立100周年にあたる2005年には、両国において様々な文化交流が行われ、2月に開催されたさっぽろ雪祭りでは、ノルウェー国会議事堂の雪像が制作されたほか、日・ノルウェー交流写真展が行われました。

劇作家イプセン、作曲家グリーグおよびエドヴァルド・ムンクは日本でも良く知られた著名人であり、2006年はイプセンの没後100年、2007年はグリーグ没後100周年、また2013年はムンク生誕150周年にあたったことから、日本においても様々な関連事業が実施されました。

2018年10月から1月まで東京都美術館で行われたムンク展には、初来日の油彩・テンペラ画の「叫び」など、約100点のムンクの作品が展示され、人気を博しました。

在留邦人は、2017年10月現在、1156人で、在日当該国人数は、2018年12月現在、445人です。

まとめ

以上、国特集「ノルウェー王国」でした。

ちなみに、「ノルウェー王国」の男子サッカーFIFAランキングでは、2020年11月の時点では「42位」でした。

FIFAデータ

https://fifaranking.net/ranking/

本記事は、2023年4月5日時点調査または公開された情報です。
記事内容の実施は、ご自身の責任のもと、安全性・有用性を考慮の上、ご利用ください。

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この記事を書いた人

2021年に公務員総合研究所に入所した新人研究員。

好きな言葉は、「つまづいたっていいじゃないか にんげんだもの」

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