はじめに「消防庁」の組織体制について
先の中央官庁「消防庁」の基本情報では、その役割や組織構成、予算などの情報をまとめました。「消防庁」の基本情報は、下記の通りです。
「消防庁」は、東京都千代田区霞が関にあり、1960年に設置、定員は、162人です。年間予算(平成30年度)は、約142億9千万円です。
今回は、国家公務員総合職や一般職の方がどの官庁へ就職するかの判断材料になるための詳細情報をまとめました。
それでは、今回は基本情報に続いて、詳しい組織体制について解説します。
「消防庁」の組織概要
「消防庁」の組織は、「消防庁長官」を長とし、「幹部」組織と大きく2つの「内部部局」を中心に構成されています。加えて、その他の機関などがあります。
なお、その他の機関には、「施設等機関」である「消防大学校」、「審議会」である「消防審議会」があります。
「消防庁」の組織分析
「消防庁」の主な業務は、火災・地震対策や、テロなどを含む災害への対応です。下記のように「消防庁」のホームページにて紹介されています。
消防庁は、国民の一人ひとりが消防防災を強く意識し、災害に決して揺るぐことのない社会の構築に貢献します。そして、常に人命優先の立場から、火災、地震、風水害など各種災害による死傷者の発生を最小限にとどめるための努力を続けます。
- 出典
- 消防庁の組織および所掌業務(https://www.fdma.go.jp/neuter/about/pam20.html)
「消防庁」の上部組織・下部組織について
「消防庁」の上部組織は「総務省」で、下部組織はありません。
4つの「内部部局」について
「内部部局」について説明します。
まず、4つの「内部部局」の内訳は、下記の通りです。
1)「総務課」
2)「消防・救急課」
3)「予防課」
4)「国民保護・防災部」
なお、「消防庁」には、「官房」は置かれていません。
「総務課」とその業務について
「消防庁」の内部部局の1つである「総務課」の主な業務は、消防に関する企画立案、消防庁全体の調整、広報、消防職団員・安全に貢献した人や機関の表彰に関する事です。
「消防・救急課」とその業務について
「消防庁」の内部部局の1つである「消防・救急課」の主な業務は、大きく4つあります。
1)常備消防体制の充実
2)消防の広域化の推進
3)消防職員の勤務条件や執務環境の改善
4)消防職団員の教育訓練
なお、この「消防・救急課」には、さらに下の部署として「救急企画室」が置かれています。
「予防課」とその業務について
「消防庁」の内部部局の1つである「予防課」の主な業務は、大きく分けて5つあります。
1)火災ゼロをめざす。
2)住宅防火対策の推進
3)小規模雑居ビルや認知症高齢者グループホーム等における防火安全対策の推進
4) 放火火災予防対策の推進
5) 消防用設備等の規格の研究立案
なお、この「予防課」には、さらに下に2つの部署「危険物保安室」と「特殊災害室」が置かれています。
「国民保護・防災部」とその業務について
「消防庁」の内部部局の1つである「国民保護・防災部」の主な業務は、下記の8つの部署に細分化されています。
1)防災課
2)国民保護室
3)国民保護運用室
4)地域防災室
5)広域応援室
6)防災情報室
7)応急対策室
8)参事官
・「防災課」とその業務について
「消防庁」の内部部局の1つ「国民保護・防災部」の下部組織である「防災課」の主な業務は、防災対策全般の調整です。
具体的な調整の内容は、下記の3つです。
1)国と地方の連絡調整
2)防災・危機管理教育の推進
3)自主的な防災活動の推進
・「国民保護室」および「国民保護運用室」とその業務について
「消防庁」の内部部局の1つ「国民保護・防災部」の下部組織である「国民保護室」「国民保護運用室」の主な業務は、国民保護法に基づいて政府と地方公共団体とのやりとりの窓口として種々の役割を果たし、消防に関する措置について指示することです。
ちなみに「国民保護法」とは、平成13年に発生した米国同時多発テロや、武装不審船事案などが国民に大きな不安を与えたことなどを背景としてできた、武力攻撃から国民の生命・身体および財産を保護するための法律です。
この法律には、武力攻撃などが起きた場合に、国民生活や国民経済の受ける影響が最小となるよう国・都道府県・市町村が役割を分担し、指定公共機関の役割や国民保護のための措置に関する実施体制等が定められています。
・「地域防災室」とその業務について
「消防庁」の内部部局の1つ「国民保護・防災部」の下部組織である「地域防災室」の主な業務は、大きく分けて下記の5つです。
1)「地域防災力」の中核として欠くことのできない「消防団」の強化
2)地域住民一人一人の防災について理解を深めること
3)自主的な防災活動の推進
4)地域の防災体制の強化
5)消防団への加入促進の取組
・「広域応援室」とその業務について
「消防庁」の内部部局の1つ「国民保護・防災部」の下部組織である「広域応援室」の主な業務は、緊急消防援助隊を充実させ、強化することです。
「広域応援室」では、1995年(平成7年)1月17日の阪神・淡路大震災の教訓を踏まえ、大規模災害が発生した場合に、消防長官によって全国の消防舞台が被災地に出勤して消防活動が実施できる「緊急消防援助隊」を創設しました。
この「緊急消防援助隊」には、消防庁との連絡調整や現地消防機関の指揮支援を行う「指揮支援部隊」と、9つの中隊を統率する「都道府県大隊」とが連動して効果的で迅速な人命救助等が実施出来るよう援助体制が構築されています。
「緊急消防援助隊」の発足当初は1,267隊でしたが、現在は、全国の約99パーセントの727消防本部から5,658隊の登録されています。
なお、「緊急消防援助隊」では、指揮・連携能力の向上を図るため、5年毎に全国合同訓練が行われ、1996年(平成8年)度から、毎年全国6つのブロックごとに合同訓練が行われています。
「応急対策室」とその業務について
「消防庁」の内部部局の1つ「国民保護・防災部」の下部組織である「応急対策室」の主な業務は、「消防庁」が災害対応を行う際の応急体制の整備や、「消防庁」における災害対応訓練の実施、すべての災害・事故等の一次情報の処理などです。
「防災情報室」とその業務について
「消防庁」の内部部局の1つ「国民保護・防災部」の下部組織である「防災情報室」の主な業務は、地震・風水害等の災害対策の企画立案や災害対応、各地域の防災計画のサポートをはじめとする国民保護計画の作成、訓練の企画立案等です。
「参事官」とその業務について
「消防庁」の内部部局の1つ「国民保護・防災部」の下部組織である「参事官」の主な業務は、人命救助制度の企画立案、消防に関する国際協力・国際緊急援助活動に関する事ことです。
「応急対策室」とその業務について
「審議官」の下部組織の1つである「応急対策室」の主な業務は、「消防庁」が災害対応を行う際の応急体制の整備や、「消防庁」における災害対応訓練の実施、すべての災害・事故等の一次情報の処理などです。
「施設等機関」とその業務について
「消防庁」の「施設等機関」には、「消防大学校」があります。
「消防大学校」は、1955年(昭和34年)に設立され、その前身は「消防講習所」でした。
この「消防大学校」の主な業務は、全国の消防職員および消防団員を教育訓練する代表的機関として、教育訓練や教育方法を研究することです。
まとめ
いかがでしたか?
「消防庁」は、組織を細分化し、日本全国の火災・地震対策やテロ災害など、あらゆる災害の対応に関する業務を効率的に行っています。
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