「地方公務員」の「司書」の給料は各自治体が決めている
「県立図書館」などの「公立図書館」や、公立の小・中・高校などで勤務する「司書」については、各自治体が正規職員として採用する場合と、各施設ごとに「非常勤職員」や「嘱託職員」として非正規採用される場合があります。
各自治体が正規職員として採用した「司書」は、各自治体内の図書館や学校、公民館などに配属されますが、給与については勤務場所にかかわらず、他の行政職員と同じ基準で算出されるのが一般的です。
各自治体の職員の初任給や給料については、それぞれ異なります。「司書採用試験」の都道府県や市区町村ごとの募集案内等で確認できます。
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「地方公務員」の「司書」の初任給
「地方公務員」の「司書」の初任給は自治体ごとに異なりますので、それぞれの採用案内などで確認するようにしましょう。
例えば、平成30年度の岡山県の「岡山市職員(司書)採用試験」について、初任給は大学卒業見込みで受験した場合、約191,300円でした。また、千葉県の「富津市職員採用案内」によると、平成30年度の「司書職」の初任給は約185,800円でした。
その他の自治体でも、初任給は約18~20万前後という水準が一般的なようです。職務経歴がある場合には、経験によって加算されることもあります。
参考:岡山市ホームページ「職員採用試験(教育委員会)」
http://www.city.okayama.jp/kyouiku/jinnjizaimu/jinnjizaimu_00001.html
参考:富津市ホームページ「富津市職員採用案内」
http://www.city.futtsu.lg.jp/0000005299.html
「地方公務員」の「司書」の手当
「地方公務員」の「司書」には給与の他に、「扶養手当」や「住居手当」「期末・勤勉手当」「地域手当」等の手当が支給される自治体があります。詳しい内容については、各自治体によって異なりますが、一般行政職員と同様の基準で支給されることが一般的です。
例えば、埼玉県の場合、平成30年度に「司書」を含む一般行政職の「地域手当」は基本給の10%が支給されるようです。このように、給料のほかに比較的手当が充実していることから、「司書」の中でも「公務員司書」は経済的に安定していると言われています。
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「司書」を目指すなら、給与面では「公務員司書」がおすすめです
「公立図書館」や「公立学校の図書室」については、自治体による図書業務のコスト削減などを理由に、「司書」の臨時職員化や民間委託が進み、非正規職員の割合が高まっています。
給与面で見てみると「司書」は非正規職員よりは正規職員として各自治体に採用されることがおすすめと言えます。
というのも、自治体が採用する「司書」は「地方公務員」の一員ですので、「地方公務員」の一般行政職と同等の給与水準や、諸手当が支給されます。基本的には定年まで勤めることができるため、昇給が期待でき、生涯年収についてもある程度計算して予測できるため、将来設計がしやすいとも言えます。
多様化する「司書」の働き方
ただし、各自治体職員としての「公務員司書」は、年に数回の公務員試験で採用されるのがほとんどであり、募集数も若干名のことが多く、狭き門だと言えます。
それに対して、非正規の「公務員司書」については欠員のために年度の途中で募集があったり、事業ごとに増員されたりするなど、期限付きの採用ではありますが、より多くの人が挑戦できるように門戸を開いた職種であるとも言えます。非正規雇用の「司書」には大きく、民間の派遣会社が各自治体に有資格者を派遣する民間委託の場合と、各自治体が臨時職員や期限付職員として非正規採用する場合があります。
民間から派遣される場合の給与は派遣会社から支払われますが、自治体が採用する職員は、自治体が給与を支払う「地方公務員」です。正規職員の「司書」とは手当の内容等が異なることがあり、待遇については確認が必要ですが、一方で、正規の「司書職員」の配属先は指定されるのに対し、非正規の「司書」の場合は施設ごとに募集があることが多く「働きたい場所を選べる」という、「給料」とは違った側面の「働きやすさ」があるとも言えます。
「公務員司書」の中には、給与が低くても、家に近い図書館で働きたいと考え、「非常勤職員」としての道を選ぶ方もいると思います。「地方公務員」の「司書」を目指す方は、「正規職員」と「非正規職員」の待遇について比較し、「司書」としてどのようなキャリアを積みたいかを考えて、それぞれの採用試験に応募してみてはいかがでしょうか。
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