はじめに
「Y県の自衛隊」で働く、女性の「一般曹候補生」によるキャリアレポートです。
ちなみに、その方は、第1種大型運転免許の資格を持っているそうです。
「自衛隊一般曹候補生」を目指した理由
高校時代の恩師に自衛官への道を勧められたからです。当時、体を動かすのが好きだったので、試験を受けるのは無料だしと思い、受けました。
「自衛隊一般曹候補生」の仕事内容について
最初の3ヶ月は教育課程ですので、確かにきついです。多分、世間の方がイメージしている通りの自衛官を学びます。それ以降については、それぞれの専門分野を学び、その職種でほとんどの自衛官が定年を迎えます。職種選びは大事になってきます。
職種といっても、選択肢は沢山あります。自分に向いている職種を最初の3ヶ月で悩んで、上司からのアドバイスを貰いながら決めるので、選んだ職種を不満に思ってる人はかなり少なく思います。
部隊に配属になってからは下っ端から始めるので雑用がほとんどです。もちろん体を動かすのも大事な仕事です。体力がないと話にならないので、時間のある時は体力をつけるため、いろいろトレーニングをします。
だんだん年数がたってくると、体力だけでなく専門的な知識を必要とする仕事をしなくてはならなくなるので、体力トレーニングと勉強も大事になってきます。意外と自衛官は常に何かしら勉強していると思います。
部隊にもよりますが、定期的にある演習にも参加します。演習への準備、演習参加、帰ってきて片付けが一連の流れです。
「自衛隊一般曹候補生」の1日の仕事の流れ
一般的な寮生活隊員の場合です。
6時:起床
6時半~8時:朝食、仕事の準備
8時15分:仕事開始
8時半~10時:体力トレーニング
10時~12時:演習の準備又は演習後の片付け
12時~13時:昼食・昼休み
13時~15時:演習の準備又は演習後の片付け
15時~17時:職種の技能向上の為の訓練
17時:仕事終わり
17時半~18時半:夕食
18時半~23時:自由時間
23時:就寝
事務的な係の仕事を持っていれば、1日机に座って仕事をしなければならない時もあるので、仕事が終わってから走ったりすることもあります。
また、定期的に行われる検定の為に、1日練習することもあり、日々の仕事は内容が結構変わってきます。朝からトレーニングなのか、普通の仕事なのかで、服装も変わるので、前日に必ず確認が必要です。
「自衛隊一般曹候補生」の給料・残業・有給休暇について
月給21万円・ボーナス50万円で年収は約350万円です(勤続年数6年目の場合)。残業手当はありません。いくら残業しようと出ません。夜勤手当はありますが、ほんの少しです。
基本的に土日祝は休みで、平日の休みや昼からの休みは、どこの部隊も比較的取りやすいと思います。演習が土日にあると、その分まとめて休ませてもらったり出来ます。
この仕事で、働いているときに困ったこと
女性にとっては、まだまだ働きづらいかと思います。
演習を行った時などは、もちろん男性隊員と何日間も過ごすので、トイレは毎回困っていました。トイレに行ってくると宣言も出来ませんし、言わずに行って誰かに鉢合わせしても困ると思い、なかなか行けない時もありました。
女性隊員が増えて、女性部隊のようなものができれば、とても良いと思います。他には、施設自体が女性向けではないので、各階にトイレや更衣室が無く、他の建物にわざわざ行かなくてはならない時もありました。
1番困っていたのは演習中も、普段の生活もやはり、トイレの問題です。
この仕事や職場でよかったこと
恵まれていたのは、やはり公務員だから給料が安定していて、金銭的な計画が立てやすかったことです。毎月決まった日に、必ず振り込まれるので、そこは本当にありがたいです。そして、頑張った分だけ直接評価に影響してきます。
体力面などは、定期的に行われる検定で数字として出るので、目に見えてわかりやすく、やる気が出ました。演習や行事以外は、基本的に土日祝日休みなので、旅行の計画もたてやすかったです。勤務も前もって言えば、大事な日は休めるので、とても良かったです。
「自衛隊一般曹候補生」の仕事エピソード
自衛官になって最初の3ヶ月は、右も左も分からない新米自衛官ばかりが集まり、今まで経験した事の無い訓練を毎日します。
上司は本当に怖かったですし、誰かが間違った事をしたり、決められた時間に間に合わなかったりすると、みんなできついペナルティを課せられます。年齢も18歳から26歳と幅広く、それまでの環境も違うので、最初は全く上手く行きません。
しかし、厳しい訓練の中、今まで自分だけやっとけばとか、バラバラだった仲間が、だんだんと助け合うようになります。3ヶ月後の最後の大きな訓練で、リタイアする隊員を出さないように、怪我をした隊員の荷物をみんなで持ちあい、力を合わせ助け合って訓練を無事終えた時は、本当に感動しました。
「自衛隊一般曹候補生」の職場恋愛について
女性隊員でしたので、入隊前から周りの人達に、自衛官と結婚しなさいよ、といわれてきました。自衛官になって髪もバッサリ切り、傍から見たら、男なのか女なのか分からない姿になり、恋愛なんて無理だろうと思っていましたが、部隊に配属されて髪の長さ等自由になってくると、男性隊員と話す機会も増えてきました。
私の周りの女性隊員は、みんな男性隊員と付き合っていました。結婚されている女性隊員の方は、旦那さんはもちろん男性隊員です。しかし、全国に駐屯地もあるので、結構、遠距離恋愛も多かったです。
女性隊員は、合コンや友達の紹介でもないと、他のお仕事の方と付き合うのは難しいと思います。やはり、演習等で長期不在、連絡も取れない期間があるということは、他のお仕事の方はなかなか理解出来ないと思うので、男性隊員と付き合うのが1番長続きすると思います。
まとめ ー「自衛隊一般曹候補生」を目指す方へメッセージ
変わった仕事だし、女性隊員になるには、不安ばかりあると思いますが、とてもやりがいのある仕事です。助けてくれる上司、仲間が必ずいます。頑張ってください。
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