厚労省が開催した「世界禁煙デー記念イベント」とは?
2019年の5月31日に、たばこと健康に関する正しい知識の普及と啓発を目的として、厚生労働省が「世界禁煙デー記念イベント」を開催しました。
「世界禁煙デー」は世界保健機関(WHO)が毎年5月31日に制定しているようですが、厚生労働省ではその「世界禁煙デー」に合わせて5月31日から6月6日までの1週間を「禁煙週間」と定め、1年の中でも特に禁煙の普及・啓発を目的としたイベント等に力を入れています。
この「世界禁煙デー記念イベント」は2011年から厚労省が毎年行なっている「国民の生活習慣を改善し健康寿命を延ばすこと」を目的として実施している事業「スマート・ライフ・プロジェクト」の取り組みの一環として、行われました。
世界禁煙デーとは?
「世界禁煙デー」とは、WHO(世界保健機関)が定めた、世界中の人々の健康のため、禁煙を推進する記念日です。毎年5月31日が「世界禁煙デー」とされています。
この「世界禁煙デー」に合わせて、世界各地で禁煙イベントが行われています。
日本でも、国の機関としては厚生労働省が「世界禁煙デー」に合わせた啓発イベントを毎年開催しているほか、全国の地方自治体ごとにも禁煙イベントが企画、開催されています。
例えば、千葉県では、「世界禁煙デー」の5月31日に街頭キャンペーンとして禁煙に関する「啓発グッズの配布」と、無料の「肺年齢測定」が行われたほか、「世界禁煙デー」から始まる「禁煙週間」の期間に、駅や県の期間に「禁煙週間ポスター」を掲載したようです。
参考:千葉県ホームページ「「世界禁煙デー」及び「禁煙週間」における取組について」
https://www.pref.chiba.lg.jp/kenzu/press/2019/kinensyukan.html
厚生労働省「スマート・ライフ・プロジェクト」とは?
国民の「禁煙」を推奨する「禁煙週間」は、厚労省の「スマート・ライフ・プロジェクト」の一環として実施されています。
この「スマート・ライフ・プロジェクト」は2011年から厚生労働省が進めてきた国民運動の一つです。頭文字を取って「SLP」と略されることもあります。
「スマート・ライフ・プロジェクト」のスローガンは「健康寿命をのばしましょう。」です。このスローガンのもとに、日本の国民全体が、人生の最後まで元気に健康で楽しく毎日が送れることを目標にしています。
このプロジェクトでは「運動」「食生活」「禁煙」「健診・検診の受診」の4つの分野を中心にして、国民に具体的に健康につながる行動をとるよう呼びかけを行っています。
世界的に見ても長寿国である日本ですが、さらに健康寿命を伸ばすことを目指して、プロジェクトに参画する企業や団体・地方自治体と協力、連携しながら、健康を目指す各種取り組みを推進しています。
現在、全国の4924団体(2019年7月16日現在)が、このプロジェクトに参加しているようです。
参考:「スマート・ライフ・プロジェクト」ホームページ
http://www.smartlife.go.jp/
「スマート・ライフ・プロジェクト」の今年のスケジュール
2019年は「スマート・ライフ・プロジェクト」自体の普及と啓発を目指すことも課題とされています。
そのため、今年は世界保健機関(WHO)が定める世界禁煙デーの5月31日(金)に、禁煙や受動喫煙対策に関するイベントが実施されました。
厚生労働省ではこの「世界禁煙デー記念イベント」や「禁煙週間」を皮切りに1年を通じて、「女性の健康習慣」など様々な取り組みや呼びかけを行っていく予定です。
SLPが紹介する「健康寿命」をのばすための取り組み例
厚生労働省が「健康寿命」を伸ばすために勧めている活動をご紹介します。
そもそも「健康寿命」とは?
「健康寿命」とは、WHOが提唱した指標で、健康上の問題で日常生活が制限されない期間のこと、つまりその国の「平均寿命」から寝たきりや認知症など介護状態の期間を差し引いた期間(年齢)のことです。
日本は欧米各国よりもこの「健康寿命」が短いというデータもあり、日本人は平均寿命が長くても「寝たきり」の期間が長いということが国の課題となっています。
「健康寿命」をのばす取り組みその1:「運動」
SLPが推奨する「運動面」での「健康寿命」をのばす取り組みは「毎日10分の運動をプラス」です。
例としてはとてもシンプルですが、「通勤時に苦しくならない程度のはや歩きをする」「いつもエレベーターを利用しているところを階段にする」などが紹介されています。
10分走れと言われると難しい気もしますが、はや歩きや階段を使う程度なら、毎日の生活に取り入れられるという方も多いのではないでしょうか。
「健康寿命」をのばす取り組みその2:「食生活」
SLPが勧める「食生活面」での「健康寿命」をのばす取り組みは「1日あと70gの野菜をプラス」です。
日本人は1日平均250gの野菜を摂っていると言われています。厚労省によると生活習慣病予防のためには350gの野菜が必要のようですので、1日の野菜摂取を増やすことで、「健康寿命」を延ばす方法が紹介されています。
70gと言われるとピンときませんが、トマトなら大体半分くらいが目安のようです。「野菜ラーメン」などでも十分70gの摂取ができる場合もあります。
「健康寿命」をのばす取り組みその3:「禁煙」
SLPが推奨する「禁煙面」での「健康寿命」をのばす取り組みは、そのまま「禁煙すること」です。
主に女性に向けたメッセージですが、タバコを吸うことは「流産」につながる危険性など健康を損なうことを紹介しています。
また、肌の美しさや若々しさを失うことにも繋がると指摘しています。
「健康寿命」をのばす取り組みその4:「健診・検診の受診」
SLPで推奨されている「健康寿命」をのばす取り組みとして、「健診・検診の受診」についても紹介されています。
「健診・検診」については、2014年どのSLPから追加された項目です。
定期的な健康診断の受診で病気の早期発見ができれば、「健康寿命」をのばすことにつながります。
まとめ:「スマート・ライフ・プロジェクト」今後の予定
このページでは、厚生労働省がすすめる「健康寿命」をのばす国民運動、「スマート・ライフ・プロジェクト」と、そのプロジェクトの一環として「世界禁煙デー」に合わせて開催された「世界禁煙デー記念イベント」についてご紹介しました。
「禁煙」をはじめとして、国民に健康的な生活を啓発することによって、「健康寿命」をのばせば、結果として国の医療費削減や、シニア層の経済活動の参加にもつながります。
国民一人一人が健康を意識することは、国民自身の幸せにつながることはもちろん、国の将来にも大きく影響してきます。
「スマート・ライフ・プロジェクト」では2019年7月から8月末まで、「第8回健康寿命をのばそう!アワード」として、「スマート・ライフ・プロジェクト」が掲げる4つのテーマである「適度な運動」「適切な食生活」「禁煙」「健診・検診の受診」を中心に、 健康増進・生活習慣病予防への貢献に資する優れた啓発活動・取組をした企業、団体、自治体等を募集し、表彰する予定のようです。
また、厚労省による「健康寿命」をのばす啓発活動は年間を通して実施されます。
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