「東京都」の「障害者センターで働く公務員」の仕事内容・給料レポート

現役もしくは元・公務員へのキャリア・アンケートです。 今回は、「東京都」の「公立の障害者センター」で働く公務員(男性)に回答いただきました。 仕事内容、年収(給料・ボーナス)や残業状況・職場恋愛などについてアンケートしたものを編集して掲載しています。

はじめに

「東京都」の「公立の障害者センター」で働く公務員(男性)によるキャリア・アンケートです。

レポート者のプロフィール
公務員としての職業・勤務先:市役所職員(公立の障害者センター勤務)

性別:男性

雇用体系:正規雇用

所有資格:普通自動車免許

「公立の障害者センターで働く公務員」を目指した理由

1つ目の理由は、残業が少ないと思ったことです。司法試験を目指していたため勉強時間が確保できると考えていましたが、業務量が多いため残業は予想外に多く見込み違いでした。

2つ目の理由は、不況のため民間会社の募集人数が極端に少なくなっていたことです。

3つ目の理由は、長男だったため転勤の少ない就職先を希望したことです。

「公立の障害者センターで働く公務員」の仕事内容について

市役所の仕事は多岐に渡っており、税務職場から福祉職場などと全く異なる様々な職場へ数年ごとにへ異動します。

直近の勤務場所は、障がい者センターでした。利用者は、発達に遅れのある就学前の児童特別支援学校(高等部)卒業者(以下「卒業者」といいます。)です。その他、発達に遅れの疑いのある児童の言語指導、音楽療法、心理相談、成人の理学療法と様々な障がい者への支援を行っています。

この職場には、正規職員として事務職、保育士、保健師、栄養士が配属され、その他に言語聴覚士、音楽療法士、理学療法士や心理の専門家、生きがい活動のための各種講師などと非常勤委託契約を結んでいます。また、内科医、整形外科医などと嘱託医委託契約を結んでいます。その他、看護師と介護担当の非常勤嘱託員を雇用していました。

児童の療育(発達支援)は、概ね保育士と介護嘱託員が担当し日常の活動(遊び・食事・事務職・看護師・介護嘱託員が担当し、軽度障害者は七宝焼きのブローチ等・皿や小鉢陶器の作成など軽作業や美術館等の見学など活動を行っています。重度障がい者は、散歩や買物その他の生きがい活動の支援を行っています。

また、事務職員は各種相談対応や専門療法の時間調整などを行っています。栄養士は、給食 の献立作成・調理を行っています。毎日の給食を通して食育・摂食指導を行っていきます。

保健師は、新規相談面接・嘱託医との調整などを行っています。センター長等の管理職は、予算その他の地以上事務のほか、全体調整、議会・視察の対応や利用者の家族への対応などをしています。

「公立の障害者センターで働く公務員」の1日の仕事の流れ

7時:自宅を出て公共交通機関(バス、電車)を利用して通勤
8時30分:正規職員ミーティング:各担当部門の当日の予定を連絡、係長及び管理職は個別に予定を報告周知。
9時00分:各担当ごとにミーティング(当時予定プログラムの確認周知)
9時30分:利用する部屋ごとの受け入れ準備(楽器やおもちゃなど)
9時45分:利用者に受け入れ開始(利用者は、通所バス・徒歩・家族による送迎など各利用者ごとに異なる)
10時:①プログラム開始①幼児クラス⇒同行の保護者に体調などの確認。②特別支援学校卒業者クラス:ホームルーム
12時:昼食①幼児クラス⇒療育対象の幼児への食事介助(幼児の混乱を避けるため、同一の職員が1日対応するため同時に食事)②卒業者クラス(軽度)⇒食事介助が不要のため、当番職員1人が見守り対応)③卒業者クラス(重度)⇒クラス担当の半数が食事介助のため対応。
13時:午後のプログラム開始、卒業者クラスの昼休み勤務者休憩(~14:00)
14:30:幼児クラスプログラム終了、幼児クラス職員昼休み休憩(~15:30)
15時30分:卒業者クラスプログラム終了、利用者送り出し
15時45分:各クラス反省会、ケース記録作成
16時:翌日プログラムの準備(週間プログラム・月間プログラムの準備)
17時:業務終了
17時15分:退出
18時30分:自宅帰着

「公立の障害者センターで働く公務員」の給料・残業・有給休暇

1)給料:月収税込65万円程度(管理職手当含む)ボーナス税込約220万円、年収約1,000万円(管理職手当含む)ぐらいでした。

2)残業:議会対応及び資料作成、一般向け講演会実施、関係団体との会議(関係団体もそれぞれ障がい者対応しているため、会議はほとんど夜に行っています。)などで平均月20時間前後。なお、管理職だったため、残業手当は支給対象外でした。

3)有給休暇:毎年、年間20日付与、前年度繰越分は20日まで、そのほか、特別休暇として夏休み5日があります。また、勤続30年以上の職員にはリフレッシュ休暇5日が30年目に付与されます。有給休暇の実際の取得日数は、夏休みを含め10日前後でした。取得日数は年代、一般職・管理職で違っており、繁忙期など職場の差異はありますが、仕事の段取りをちゃんとしていれば一般職であれば年間20日取得することも可能です。

この仕事で、働いているときに困ったこと

この職場には、係長時代に5年勤務し十数年後に再度配属されました。懸案事項がいくつかあり、また立場が変わったことによる問題点もありました。

1)懸案事項の一つは、設備の老朽化に伴う修繕や改修がなかなかできなかったことです。古い設備を活用してましたが、故障で修理が必要でした。

しかし、バブル崩壊後の予算見直し・削減のため従前の設備を一部修理しながら使わざるを得ませでした。例をあげると、センター内の放送設備のメンテナンス会社に修理発注しても部品の保存期間が過ぎているためなかなか確保できず、また旧式設備のため機器の調整がベテランにしかできず、修理に時間がかかったことです。

2)スタッフの職種・雇用形態が多様であるため調整が大変でした。

正規職員・非常勤嘱託職員・非常勤委託契約の専門家・嘱託医師などが関わり、障がいをもつ利用者への対応プログラムを作成・実施していきますが、それぞれの専門性からくる要請・要求、対応できる時間や人数に限界があるのでその日程や時間の調整などが大変な思いをしました。

3)障がいの多様性への対応の必要性が高まり、センターの利用者の中で重度の障害を持つ人の割合が高くなり、研修などはあるにしても専門の訓練を受けていない事務職員や保育士では対応できなくなってきたことです。解決のためノウハウを持った社会福祉法人に一部委託することで解決を図りました。

この仕事や職場でよかったこと

公務員全般にいえると思いますが、給与については遅配・欠配が一切ないことです。

また、病気やケガの対応も勤務に起因するケガや病気については、所定の届け出に伴う承認を経れば完全に保証されます。一般の病気やけがについても、長期間になった場合で、最長3年程度は一定の収入が保証されます。

福利厚生サービスも充実しており、テーマパーク・リゾートホテルなどの利用補助金・割引券支給、冠婚葬祭の見舞金などかなり充実しています。

「公立の障害者センターで働く公務員」の仕事エピソード

感動したことは、やはり人間関係です。

この職場は2度目だったのですが、異動後初日の卒業者クラスのミーティングに行ったときに、軽度の方のクラスでは十数年ぶりに顔を合わせたときに、「マジかよ、また何しにきたんだよ」、「誰が来るかと思ってたら、信じられない」などと言いながら歓迎してくれ、重度クラスでは知的障がいと視覚障がいを持つ利用者が瞬間で私を思い出してくれたことです。

大変だったエピソードは、利用者の家族との対応です。長期間センターに通っている利用者の家族が高齢化してきており従前のやり方を変更する際の説得をすることにエネルギーを使いました。

例を挙げると、通所バスの運行事業者が入札により交代した際に、「障がい者は新しい環境に慣れない元の事業者に戻せ」などと訴えられ説得に数か月かかりました。実際に新事業者のバスに変わったときには利用者たちは2~3日で慣れ、特に問題も起こりませんでした。

「公立の障害者センターで働く公務員」の職場恋愛について

職場恋愛についてですが、私のいたころの障がい者センターの職員は、女性職員が8割以上を占めており、男性職員は管理担当の事務職員のために平均年齢は高くてほとんどが結婚していたため、職場内恋愛の話はあまり聞いたことがありませんでした。

しかし、市役所全体でみると職場恋愛はそれなりにありました。同期入庁職員同士や、同じ職場、スキー教室などの各種イベント、変わったところでは市役所主催の障がい者運動会のスタッフの動員や各市役所が共同設置している研修所に研修に行った際に他の市役所の職員と知り合い結婚に結びついた人もいます。

まとめ ー「公立の障害者センターで働く公務員」を目指す方へ

市役所の職員が大活躍して地域を盛り上げたという話を時々目にしますが、戸籍謄本の発行のように大部分の業務はうまくいって当たり前の仕事です。そんな周りから注目される機会の少ない職場が多い中で、日々研鑽をすすめていただき、飛躍・活躍されるを期待しています。

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