パイロットとして働く「航空自衛官」の仕事内容・給料レポート

現役もしくは元・公務員へのキャリア・アンケートです。

今回は、「北海道など」勤務の「航空自衛官(パイロット)」(男性)に回答いただきました。

仕事内容、年収(給料・ボーナス)や残業状況・職場恋愛などについてアンケートしたものを編集して掲載しています。


はじめに

「北海道など」勤務の「航空自衛官(パイロット)」(男性)によるキャリアレポートです。

レポート者のプロフィール
公務員としての職業・勤務先:航空自衛官(パイロット) / 北海道、埼玉県、静岡県、奈良県、山口県
性別:男性
雇用体系:正規雇用
所有資格:自動車運転免許、危険物取扱者乙種第1,2,4,5類、英語検定準2級、薬剤師国家資格(2020年3月取得予定)

「航空自衛官(パイロット)」を目指した理由

1つ目は、航空機を操縦して大空を自由に飛びたいという幼いころに抱いた大空への憧れです。

2つ目は、国内の災害現場などでの活躍やPKO等の世界で活躍する「自衛官」への憧れがありました。そのふたつの憧れが合わさり、私は「航空自衛隊」への入隊を決めました。

「航空自衛官」の仕事内容・キャリアについて

入隊直後~1年目:私は埼玉県に所在する熊谷基地にて、「自衛官」としての基礎的な教育訓練を受けました。具体的な内容としては、射撃や戦闘訓練、持続走等のスポーツを通しての体力錬成、防衛学等の座学などがあります。

<入隊1年目~5年目>
部隊配属された私は、最初に通信・情報関係の職種に就きました。ここでの仕事内容は、日本の周辺諸国の空軍AOB(Air Order of Battle:航空戦力組成)に関する情報の収集と解析をしていました。細部は防衛秘密に関わるので、ここでは差し控えさせていただきます。

<入隊6年目~7年目>
入隊時は曹士隊員でしたが、入隊6年目に幹部自衛官に任官しました。また、飛行要員という枠での採用が決まり、幼いころからの憧れであったパイロットとして大空を飛ぶ夢を叶えました。

職務内容としてはその言葉通りで、操縦訓練を行いました。タッチ&ゴーやナビゲーションフライトといった基本的な操縦訓練から、戦闘行動に必要な特殊飛行についての訓練を受けました。ですが、訓練を受けている途中に私は体を壊し、パイロットコース続けることができなくなり、その後は地上勤務となりました。

<入隊8年目~退職>
パイトロットとしての職務を離れたあとは、総務や人事、広報関係の職務につきました。ここでは、基地運営に必要な人的・物的資源の調整や、基地航空祭等の企画・運営といった任務を担当しました。

入隊から丸8年が経過し、私は「航空自衛隊」を退職しました。

「航空自衛官(パイロット)」の1日の仕事の流れ

日勤の場合(基地営住者)

6:30 起床
6:45~7:30 洗面、朝食、着替えなど
8:00~12:00 勤務開始、適宜休憩
12:00~13:00 昼食、休憩
13:00~17:00 午後の勤務、訓練等
17:00~22:00 勤務終了後、夕食、サークル活動、風呂、自由時間
基地によって飲酒スペースもあります。
22:00 消灯、就寝 起床や消灯、食事の時間は基地の規則により変わります。 完全週休二日制です。

シフト勤務の場合(私が勤務した部隊の場合)

1、 8:00~17:00 適宜休憩、食事
2、12:00~24:00
3、12:00~17:00
4、休み


1~4を繰り返します。

勤務時間を調整しながら、おおよそ週40時間程度の勤務になります。シフト勤務の場合は土日祝日関係なく勤務します。ですが、お盆や年末年始、その他必要に応じて休暇をとることができます。

「航空自衛官(パイロット)」の給料・残業・有給休暇について

「自衛官」は特別職国家公務員ということもあり、給料はとても恵まれていると思います。おおよその目安として、毎月の給料は自分の年齢くらいはもらえます。

パイロットになると基本給に加えてフライト手当というのが加算されます。これは基本給の50~80%くらいになります。私の場合、26才の時でフライト手当が加算されて年500万円ほどをいただきました。

この仕事で、働いているときに困ったこと

私は8年間の「自衛隊」生活の中で6回の転勤を経験しました。そのため、引っ越し作業が大変だった思い出があります。

また、転勤した先の環境に慣れ、その部隊の隊員たちと仲良くなったと思ったときにはまた異動となり、なかなか心が休まらないことがありました。

ですが、転勤した先の地域の伝統や文化、食事などに触れるといった楽しみもあり、その点は自分にとってプラスになったと思います。 転勤が多かったので、彼女とも遠距離恋愛になり大変だった思い出もあります。

この仕事や職場でよかったこと

福利厚生が手厚いことが挙げられます。上記にも記入させていただきましたが、一般的な平均年収よりは多く給料をいただけます。その他には休暇が取得しやすいです。お盆や年末年始、冠婚葬祭は勿論ですが、例えばかぜを引いたときでも問題なく休暇をとって静養することができます。

一般の仕事であればかぜ薬を飲んででも仕事に行くと思いますが、「自衛隊」の場合は感染症の集団感染予防のためにも休養をとらせてくれます。

また、基地内で営住者であれば水道、電気代等の光熱費や食費は無料です。そのため出費が少なく、貯金や自分の好きなことにお金を回すことができます。

「航空自衛官(パイロット)」の仕事エピソード

この仕事で一番感動したことは、幼いころからの憧れであったパイロットになり、自分の操縦で大空を飛んだことです。

私はもうパイロットの道からおりましたが、空を飛んだあの感覚は言葉で表せないほどの感動です。

その反面、大変だったことは体調の管理です。小、中、高校と運動部に所属し、「自衛隊」入隊後も体力錬成に励んでいたので自分の体力には自信がありました。

しかしパイロットにのしかかる肉体的・精神的負担は相当なものであり、結果として私は体を壊してパイロットを降りることになりました。体を鍛えることも大切ですが、精神面のケアやストレスを解消する方法を身につけておくことの大切さを学びました。

「航空自衛官(パイロット)」の職場恋愛について

職場恋愛はよくあり、決して珍しいものではありません。私も同僚の女性隊員の方とお付き合いをさせていただきました。(現在は別れてしまいましたが)


私の知り合いだけでも、職場恋愛から結婚したカップルは4組います。職場恋愛すると最初は気まずいなと感じましたが、意外と職場の上司は歓迎してくれました。

ですが職場結婚をすると、同じ部隊にはいられず、基地内の別の部署への異動ということはあります。

最近は「自衛官」の人気も高く、職場恋愛だけでなくて一般の方とお付き合いしている隊員もたくさんいます。男社会で出会いがないように思われますが、意外とそんなことはありません。男性自衛官対一般女性の街コンもけっこうありました。

まとめ ー「航空自衛官」を目指す方へメッセージ

国防というものは国家の根幹をなすものであり、それ故にとてもやりがいのある仕事です。私はもう退職しましたが、「自衛官」時代に養った人間としての基礎力今でも役に立っています。

少しでも「自衛隊」に興味のある人は是非入隊してみることをお勧めします。「自衛隊」はあなたの可能性を広げてくれる存在になると思います。

本記事は、2019年12月21日時点調査または公開された情報です。
記事内容の実施は、ご自身の責任のもと、安全性・有用性を考慮の上、ご利用ください。

航空自衛官
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