「文学館」に嘱託契約で働く「学芸員」の1日の仕事の流れや給料

「文学館」に嘱託契約で働く「学芸員」のキャリアレポートです。

今回は、その仕事内容や一日のスケジュール、年収(給料・ボーナス)や残業状況・職場恋愛などについてインタビューしたものを編集して掲載します。

はじめに

「文学館」で働く「学芸員」のキャリアレポートです。

レポート者のプロフィール

公務員としての職業・勤務先:学芸員 / 文学館
性別:女性
雇用体系:嘱託
所有資格:学芸員、教員免許(中学校社会、高校地歴)

「学芸員」を目指した理由

小学生の頃から歴史が好きで、歴史に携わるお仕事がしたいと思っていました。大学で、教職課程と学芸員課程を履修する内に、資料保存や展示活動への関心が強くなり、学芸員を志望しました。

文学館で働く「学芸員」の仕事内容について

文学館で働く学芸員の主な仕事内容は、展示の企画・作成、広報、資料の収集・保存・配架です。

まず、展示の企画、作成についてですが、展示するテーマを決め、それに沿った資料を館内外からピックアップします。そして展示のレイアウトを考え、キャプションや解説パネルを作成し、実際に資料を展示していきます。展示には特別展、企画展、常設展示、コーナー展示などがあり、特別展や企画展は正規職員が主に担当するので、嘱託職員はその補助にあたります。コーナー展示は一人で任されることが多いので、季節や時事にあったテーマ等を常に考え、展示を作成します。

次に、広報に関してですが、企画展やイベントのチラシやポスターを近隣の文化施設や学校、全国の文学館などに発送します。場合によっては、県内のすべての学校など大量に仕分けて発送するので、とても大変な作業になります。

次に、資料の収集・保存・配架についてですが、文学館の場合資料のほとんどが図書です。購入、もしくは寄贈された図書を受け入れ、資料番号を振り分け、その形状などをデータベースに登録します。また図書自体も傷まないようにカバーをつけるなどして、館内に配架するものは閲覧スペースなどに配架し、保存するものは、収蔵庫で保管します。

その他、人数が少ない館では、入館料のレジ対応や、図録の販売、団体予約の受付など、学芸員であっても館内の一通りの仕事をこなせるようになる必要があります。

文学館で働く「学芸員」の1日の仕事の流れ

8時:自宅を出て、バスで通勤する
8時45分:到着
9時15分:朝礼
9時30分:開館、館内の見回り
10時:購入図書の受け入れ、カバー貼り、ラベル作成、データ入力、
11時30分:図書の配架
12時:お昼休憩(60分)※電話対応があるため事務所内で昼食をとる
13時:広報物の仕分け、発送
14時30分:館内アンケートの入力
15時:休憩(15分程度)
15時15分:キャプション、解説パネルなど展示物作成
17時30分:館内の見回り、片付け
18時:閉館、帰宅

以上がよくある1日の流れですが、イベントがある日は、半日、もしくは終日イベント対応になります。

また、だいたい月に1回程度ある展示替えは、閉館後に作業するため、基本的に残業になります。だいたい3時間~4時間程度で終わりますが、特別展や企画展など大きな展示替えの場合、休館日に作業することになるので、休日出勤することになります。

文学館で働く「学芸員」の給料・残業・有給休暇について

私が嘱託の学芸員として、働いていた文学館では基本給は18万円でした。

この中に、学芸員の資格手当約1万円も含まれています。嘱託職員の場合、ボーナスはありませんが、ボーナスと同じ時期に一時金として1万5千円ほど支給されました。

その他、残業代や交通費、祝日出勤手当がありました。有給休暇は採用1年目から10日間と、夏季休暇が5日間ついています。イベントや展示替えのシーズンを外せば休暇は取りやすいですが、祝日や連休にあるイベントが多いので、土日祝日休みをとれないことも多いです。

この仕事で、働いているときに困ったこと

文化財団の学芸員採用試験を受けたのですが、配属された先が、得意な歴史系の施設ではなく、文学館だったので、一から改めて勉強する必要があり、最初は大変困りました。しかし、自分自身の学びにもつながったので、今はとても良かったと思います。

最も困ったことは、金銭面です。嘱託の学芸員だったので、正規職員と比べると、月給はもちろん賞与など手当の有無で明らかに差があり、さらに時期によっては正規職員より嘱託の方が忙しい時期もあったので、ボーナス月に多忙になるとモチベーションを保つことが難しかったです。

この仕事や職場でよかったこと

公務員ではないですが、市の財団職員だったので、給与面、残業、福利厚生などはしっかりとしていました。また、財団内での転勤も可能だったので、文学館に配属されたが、やはり歴史系の施設で働きたい、逆に全く職種のことなる文化施設で働きたい、という場合、毎回希望通りに異動になるわけではないですが、異動届を出すことができたので、希望につながりました。

また、財団としてまとめて学芸員の採用試験が行われる分、他の団体よりも学芸員となるための間口は広かったように思います。

文学館で働く「学芸員」の仕事エピソード

1番良かったことは、俳句や短歌などの連続講座を通して、地域のご年配の方々とつながりを持つことができたことです。毎月欠かさず講座にいらっしゃる皆さんはとてもお元気で、気持ちにも余裕のある方ばかりでした。中には毎回着物でいらっしゃる90歳の方などもいてとても印象的でした。

そのような姿を見ていると、学びは本当に人生を豊かにするのだと感動しましたし、自分もそのような人生を歩みたいという目標が出来ました。自ら文学館に訪れるお客様は、学ぶことに対して積極的な方が多かったので、そのような方々との触れあいを通して、得るものがとても多い仕事でした。

文学館の職場恋愛について

文学館は、一般的に女性職員が多く、私がいた館でも、既婚の副館長しか男性がいない、といった年もありました。そのため、文学館内での職場恋愛は中々難しいのではないかと思います。

しかし、文化財団に所属していたので、財団内の交流を通して他の施設の男性と知り合う機会はありました。また、書店員さんや、出版社の方、市の文化振興課などは男性の方が多く、接する機会も多かったですが、私の知る限りでは、そのような方は既に結婚されている方が多く、やはり職場での恋愛はなかなか難しいと思います。

まとめ – 「学芸員」を目指す方へメッセージ

採用試験自体少なく、契約・嘱託職員を経てやっと正規職員になることが多い狭き門ですが、好きなものと徹底的に向き合うことができ、自分自身学び続けることができる素晴らしい仕事だと思います。みなさんが作り上げる展示にぜひ足を運んでみたいです。頑張ってください。

本記事は、2020年4月28日時点調査または公開された情報です。
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