【保育士さんに聞きました!】ファイナンシャルプランナーの資格をもつ保育士が考える、保育園のコストカット

本記事では、ファイナンシャルプランナーの資格をもつ保育士による、保育園のコストカットのアイデアについてのコラムをご紹介します。

はじめに – どの仕事でも必要な「コスト・カット」という考え方

現在、保育士として働いている私ですが元々は銀行員としてバリバリ働いておりました。

ファイナンシャルプランナーとして、預金の相談窓口から資産運用を主として、1日中お金の話をしていました。お金を扱うため、事務作業や確認作業が多く、また速さと正確性を求められるため、当時はいかに効率良くそしてミスのない事務処理ができるかを常に追及していました。

そんな私が今は全く業種の違う保育業界にいて、そこで思う経営改善、コストカットできる部分や業務短縮ができそうな部分、コストカットのための考え方などを紹介できればと思います。

保育園の経営改善アイデアその1:手帳の簡素化

日々の手帳書きに追われている保育士の方々は多いのではないのでしょうか。保護者との交換日記とも言えるこのお手帳帳。保護者との連絡手段として大変重要な位置付けにあります。

ただ、このお手帳帳書きが、保護者にとっても保育士にとっても惰性になっているような気がします。最近ちらほら見られるようになったアプリの活用がもっと進めば、このお手帳もアプリ内で全て記入できます。

毎日決まったことを記入する場合は、選択型の項目にしてそこにチェックを入れるようにすれば業務の簡素化ができるのではないでしょうか。また、そこに体重や身長もデータとして入力して、自動的にグラフに落とし込めれば、成長の度合いも可視化することができ、保護者の方からも喜ばれると思います。

また、アプリ等を積極的に導入していけば、ペーパーレス化に繋がり、無駄なコストをカットすることができると思います。どうしてもペーパーレス化が進まないのであれば、書く欄が小さく、なるべくシンプルなものにすると良いと思います。書く欄が大きいと、どうしてもその欄をいっぱいにしないといけない責任感が出て、ついつい必要ないことまでたくさん書いてしまい、結果保育士の業務が増えることになります。

保育園の経営改善アイデアその2:タスクの細分化

保育士の仕事の大きい流れは、朝からの子どもたちの受け入れから始まり、午前中の活動、昼食、午睡、午後の活動、お見送りとなります。その大きな流れのあいだあいだに、排泄補助や着替え、絵本読み、掃除、安全確保など、気を抜けるところが一切ありません。

その上、イベントの計画や、制作物の準備、書類の作成など、たくさんの業務を抱えている保育士の方も多いのではないでしょうか?

私が思うに、その莫大な業務を一つ一つ細かくタスク化し、自分がやっている仕事の流れを「見える化」できれば、もっと効率良い仕事運びができるかと思います。

保育園は長く勤めておられる保育士の頭の中に全てのタスクが入っており、ある程度、その方の采配で仕事が進んでいくところが多いと感じています。全部がそうとは限りませんが、こういった一方的なトップダウンの仕事の進め方は、決裁が早いといったメリットもありますが、効率的に仕事を進めるのには向いていないと思います。

「通常日課のタスク」「◯月中にやらないといけないタスク」など、細かく分けて、表を作ります。それぞれのタスクが消化できたら消し込むといった作業を進めていけば、今自分の業務進度がどれくらいで、いつまでにこのタスクを終わらせて…と、目標を持って仕事を進めることができるかと思います。また、このタスク化のメリットとして、自分が急に仕事を休まないといけない場合に、他の人に仕事を引き継ぎやすいという点があります。

保育園は、1日のルーティンが子どもたちの安心感に繋がります。日ごろ、自分がどんな流れでどんなことをしているのかを目に見える形でわかるようにしておけば、引き継がれた人も安心して仕事をすることができると思います。

保育園の経営改善アイデアその3:教育体制

保育園では、教育体制がまだまだ整っていないと感じています。特に新人に対しての教育体制確立されていないと思います。

教える側も、きちっとしたマニュアルがあればいいのですが、子どもが相手の仕事ですので、マニュアルを作ってもマニュアル通りにいかない事が多いのは事実です。実際やりながら覚えてねというしかありません。

教えられる側も「一緒に入っている先輩に聞きたいけど、なんか今忙しそうだなー」なんて気を使うこともしばしば。しかしながら、保育士として新人で入って、しかも子育ての経験もないとなれば、頼みの綱はやはり研修や先輩方々からのアドバイスに他なりません。

そこで、大切にしたいのは何かわからない時に誰に相談したり質問したりしたらいいのかを明確にしておくことです。質問しやすい雰囲気作りも大事ですが、日々の業務に追われている保育士さんたちは、質問に答える余裕がないときもあります。相談窓口を1箇所作っておくことで、新人さんが何かあったらあの先生に相談しようと思えると、新人の保育士が一人で抱え込むこともなくのびのびと仕事ができるのではないのでしょうか。

せっかく保育士の道を選んでこの業界に入ってきてくれた貴重な人材ですので、しっかりと育てて長く仕事してもらえれば嬉しいですよね。

保育園の経営改善アイデアその4:壁面制作

保育士の業務の一つに壁面制作があります。季節ごとや、誕生日会のイベントごとに壁面を可愛く装飾するのですが、その制作時間が結構かかるのです。

何かを作るのが得意な先生はいいのかもしれませんが、手先の器用な先生ばかりではないと思います。色画用紙や折り紙を巧みに使い可愛く作るのは、センスも必要ですしなかなか難しい作業になります。業務中は子どもたちもいるので、思うように作業できないため、材料を持ち帰り家で作ってくる保育士の方も多いのではないのでしょうか。

私が提案するのは、この壁面制作も思い切って外注にしてしまうという案です。世の中には驚くほど手先が器用な人がいて、しかも、コロナウィルスが蔓延している昨今、家の中で仕事をしたいと思っている人も多いはずです。そんな人を少人数雇い、壁面専門のスタッフとして毎月壁面制作をお願いすれば、保育士の仕事が削減でき、保育士はその他の業務に専念できるのではないかと思います。

保育園の経営改善アイデアその5:保育指導案の雛形を作る

保育指導案は年間指導案から月間指導案、ひいては1日の指導案などたくさんあります。保育士の先生は、年から年中指導案を考えなければなりません。

そこで、年間指導案の雛形を作っておいて、何か変更があればその都度付け加えたり、変更したりすれば少しでも業務が減るのではないかと思います。その先生の個性が出せるところではあるので、一概にイベントなど毎年同じことをすれば良い訳ではありませんが、ある程度の流れが決まっていればそこに少しずつ自分らしい保育を付け足していけば良いので、保育指導案の雛形を作っておくのは業務効率化には有効だと思います。

保育園の経営改善アイデアその6:「報・連・相」の徹底

社会人としてとても大事な「報告・連絡・相談」。仕事を円滑にかつ合理的に遂行するためにとても大切です。ただ、この保育業界は報告・連絡・相談ができない人が多い気がします。

保育園は人と密接に関わりあう仕事なため、意外と保育士どうしの関わりがうまくいってないなと感じることが多いのです。これは3の教育体制にも関わってくるところですが、結局のところ報告、連絡、相談しやすい雰囲気作りが鍵になってくると思います。

そこで私が声を大にして言いたいのは「ホウレンソウのおひたし」です。ホウレンソウは、報告・連絡・相談のことですが、それに「おひたし」を付け加えることで劇的に仕事環境が良くなり、最終的には様々なコストカットに繋がると思います。

「おひたし」とは、お=怒らない、ひ=否定しない、た=助ける(困りごとがあれば)、し=指示する、です。「怒らない」といっても、ルールを無視したり、危険が伴う場合は程度に合わせて怒るのも必要だと思います。しかし、怒るだけで終わるのではなく、大切なのは次の対策を考えてきちんと指示を出すことという点です。

やはり、何か問題が起き報告するとなると、先輩に怒られるのではなかろうかという恐怖心が付きまとい、なかなかすぐには報告できない人も多いはずです。早めの報告が自体を悪化させない1番の得策だと頭で理解していても、素早く実行できないのが現実なんです。この悪循環が業務を圧迫してしまう可能性があります。

業務を円滑に進める上では、この「報連相」に合わせて「おひたし」も大切にすることで、スムーズな保育業務に繋がっていくと思います。

保育園の経営改善アイデアその7:マネジメント

保育士の人は、「子どもが好きで保育士になった」「保育だけできれば幸せ」という理由で保育士になった人がほとんどではないでしょうか。これらは、保育士になるための理由としては100点満点の理由かと思います。

私は、保育士は保育園という組織のなかで仕事をする以上、組織のなかの一員として意識を高く持って日々仕事をする必要があると考えます。保育士としての「スキル」をこれまでの経験とともに学んだ上で、そこでもう十分学びを得たと満足する保育士が多くいるのは残念な点です。

そこで、保育現場からさらに俯瞰的な視点で、園全体を見渡せるようなマネジメントスキルを身に着けることができれば、保育業界はもっともっとよくなると思います。

そもそも、マネジメントとは、組織における目標や目的を明確に定め、必要な要素を的確に分析し、それらを達成するために手段や管理を行うこと指します。

保育士として「個」で仕事をするのではなく、縦や横の繋がりをフル活用し、「組織」として、保育園全体で問題を解決したり、計画を立案、実行していく力が望まれると思います。

最後に – 保育士として思うこと

保育士は日々様々な仕事に追われながらも、子どもたちの笑顔と成長を見守るとても素晴らしい仕事だと思います。人との関わりが強い業種な分、業務の効率化が難しいと感じることもあります。

しかし、今はいろんなツールが増え、前からのやり方にこだわらず新しいやり方を模索すれば、もっと削減できる業務はあると確信しています。

保育士として保育をする上で、子どもたちの成長を見守ることや、子どもたちの笑顔を守ること、保護者との関わりは、どうしても削減ができない業務だと思います。この大切な業務を他の業務で圧迫されないように、そして保育業界の労働環境改善のために、業務効率化を保育業界全体で進めていって欲しいなと願います。

まとめ – 編集部より

いかがでしたか?

本記事では、銀行員の経験を経て保育士になった女性に、「保育園の経営改善・コストカット」について、まとめていただきました。

削減できる部分・効率化できる部分を見つけて業務を短縮することで、時間に余裕が生まれれば、子どもたちと接する時間も多くとれます。

保育士の方も、そして保育士を目指す方も、効率的に業務を行うことでよりよい保育環境が提供できるよう、ぜひがんばってみてください。

本記事は、2020年6月5日時点調査または公開された情報です。
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