幼稚園教諭が活躍する「認定こども園(幼保一体施設)」と「幼稚園」の違い

幼稚園教諭の就職先としてまず頭に浮かぶのは「幼稚園」だと思いますが、似たような施設に「認定こども園(幼保一体施設)」というところがあります。

本記事では、幼稚園教諭が活躍する施設である、「認定こども園(幼保一体施設)」について、その特徴や幼稚園との違いなどを説明します。


はじめに

「認定こども園(にんていこどもえん)」とは、小学校就学前の子供に対して、保育や教育、保護者に対しては子育て支援なども行う施設のことで、2006年(平成18年)10月に創設されました。

文部科学省によると、幼稚園、保育園の他に「認定こども園」という制度が導入された目的は、「幼稚園と保育所の制度の枠組みを超えて、小学校就学前の子どもに対し、幼児教育・保育を一体的に提供するとともに、地域における子育て支援の取組を充実させる新たな選択肢を提供する」ことです。

▼参考URL:文部科学省|認定こども園制度
https://www.mext.go.jp/a_menu/hyouka/kekka/08100102/009.htm

「認定こども園」の認定を受けるための条件

各幼稚園や保育園が「認定こども園」の認定を受けるための条件は、以下の機能を備えていることです。

1) 教育基本法の学校の定義に基づき、幼児期の学校教育を行うこと(幼稚園機能)
2) 児童福祉法等に従い、保育の必要な子供の保育を行うこと(保育所機能)
3) 地域の事情や保護者の要請により、必要な子育て支援事業を行うこと

これらの機能を備えていると、各都道府県知事から「認定こども園」の認定を受けることができます。

「認定こども園(幼保一体施設)」は、保護者が働いているかどうかに関わらず子どもを預かる施設

幼稚園は文部科学省が管轄する学校施設で、幼稚園教育要領に基づき教育が行われます。一方で、保育園・保育所は厚生労働所が管轄する児童福祉施設で、保育方針に沿って保育が行われます。

一般的に、保育園に入れるのは保護者が就労などをしていて子どもを保育する時間が限られている場合です。保育園に入るには親が一定時間以上働いているなどの条件がありますが、幼稚園には対象学年になればどの子どもでも入園することができます。

そのような違いがある中で、認定こども園(幼保一体施設)は、認定こども園法に沿って教育・保育・子育て支援を一体的に行うことができる施設です。

認定こども園(幼保一体施設)は、保護者の就労の有無にかかわらず、小学校就学までの子どもへの保育と教育、その保護者に対する子育て支援を行う施設という位置づけになっています。

そのため、認定こども園(幼保一体施設)には、「幼稚園教諭」と「保育士」の資格をどちらも持っている人や、どちらかの資格を持っているという人が同僚として勤務し、教育と保育を総合して行っています。


「幼稚園教諭」や「保育士」の資格者については配置人数が法律で決まっているので、欠員があれば必ず補充しなくてはなりません。

「幼稚園教諭」として働きたい方は、幼稚園だけでなく、こども園で働くことも視野に入れると選択肢が広がります。

認定こども園(幼保一体施設)と、幼稚園・保育園の法律、資格の違い

幼稚園では学校教育法により教育が行われ、教員には「幼稚園教諭免許状」が必要です。保育園では児童福祉法により保育が行われ、「保育士」の資格が必要となります。

それに対して、認定こども園(幼保一体施設)では、就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関して定めた「認定こども園法」などの法律によって、「幼稚園教諭」と「保育士」の資格をもった者が教育・保育・子育て支援を提供します。

園によっては、両方の資格を持っている人を限定で募集したり、どちらかの資格を持ってれば応募できたりなど、求人の仕方も異なりますので、どの資格者が必要とされているのかは、募集要項などをよく確認することをおすすめします。

認定こども園(幼保一体施設)が導入された背景には、少子化や、待機児童の増加などがあります

認定こども園(幼保一体施設)が導入される以前に、幼稚園・保育園を問わず、同じ年齢、特に3歳以上に対しては、同じ教育・保育を提供するべきでないかという議論は昔からされてきました。

1990年以降の少子化、保育園の待機児童が問題になり始めた頃から、幼稚園では保護者のニーズに対応した、預かり保育サービスの実施などが充実し始め、幼稚園の保育園化が加速してきました。

また地方の幼稚園では、入園希望者が少なく、運営が難しく閉園する幼稚園も出てきました。こうした幼稚園と保育園、保護者の抱える問題点を解決するために、2006年に幼稚園と保育園の機能を併せ持つ認定こども園の制度がつくられました。

就職した幼稚園が、認定こども園に移行して職場環境や仕事内容が少しずつ変わる、というケースもありますので、「幼稚園教諭」として働きたい方は、「幼稚園」と「認定こども園」の違いについても理解しておくと、変化に戸惑わずに済むかもしれません。

まとめ

以上、幼稚園教諭が活躍する「認定こども園(幼保一体施設)」と「幼稚園」の違いでした。

「幼稚園」や「保育園・保育所」は昔からある施設ですが、「認定こども園」はまだ誕生して14年しか経っておらず、その違いが分からない方も多いと思います。幼稚園教諭を目指す方は、ぜひ「認定こども園」も選択肢に入れてみてください。

本記事は、2020年11月27日時点調査または公開された情報です。
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